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リグノフェノール-ポリ乳酸複合体 コモンズ

国内特許コード P110004008
整理番号 B74P09
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-118329
公開番号 特開2008-274068
登録番号 特許第5164423号
出願日 平成19年4月27日(2007.4.27)
公開日 平成20年11月13日(2008.11.13)
登録日 平成24年12月28日(2012.12.28)
発明者
  • 宇山 浩
  • 元木 浩二
  • 尹 一男
  • 舩岡 正光
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 リグノフェノール-ポリ乳酸複合体 コモンズ
発明の概要 【課題】植物由来のリグノフェノールやポリ乳酸の新たな用途を開発すること。
【解決手段】本発明は、分子中にポリ乳酸からなる分岐鎖を少なくとも3個有する、リグノフェノール-ポリ乳酸複合体を提供する。このリグノフェノール-ポリ乳酸複合体は、分子中に少なくとも3個の水酸基を有するリグノフェノールを開始剤として用いて、ラクチドを開環重合させる工程によって得られる。この複合体は、ポリ乳酸に添加することにより、ポリ乳酸の結晶化度を低下させることが可能である。また、ポリ乳酸の可塑化効果も有し、さらに、ポリ乳酸と他のポリマーとの相溶化剤としても用いられ得る。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


植物原料をはじめとする再生可能な資源を用いた材料の開発は、循環型社会構築の観点から緊急に着手すべき社会性の高い研究テーマである。石油を主原料とするプラスチックを再生可能な原料から製造されたバイオベースポリマーに置き換えることができれば、ライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボンニュートラル」が実現し、地球温暖化の防止に貢献できる。



森林資源であるリグノセルロース系材料は、セルロースやヘミセルロースなどの親水性炭水化物と疎水性のリグニン(ポリフェノール)とから構成され、これらは細胞壁中で相互侵入高分子網目(IPN)構造をとり、複雑に絡みあって複合体を形成した状態となっている。リグノセルロース系材料には、このような複合体の構造に応じて各種素材としての有用性が付与されている。しかし、リグニンは、構造の複雑さおよび化学的安定性の高さから、工業的利用は困難であった。そこで、リグニンの複合体構成材料としての機能に着目して、リグノセルロース系材料からリグノフェノール誘導体の形態で抽出する技術が開発されている(特許文献1および2ならびに非特許文献1および2)。



リグノフェノール誘導体は、一般的に分子量が数千程度であって、単独では成形性が悪く、その形状を維持することができないという欠点があるため、用途が限定されていた。リグノフェノール誘導体とシランカップリング剤とを混合することによって、フィルム形状を維持することが可能なリグノフェノールハイブリッド材料が得られることが報告されているにすぎない(特許文献3)。



一方、ラクチドまたは乳酸の重合によって得られるポリ乳酸は、再生可能資源で構成されたポリエステルである。ポリ乳酸は、ポリエチレン(PE)と同等の引張強度、ならびにポリエチレンテレフタレート(PET)と同等の透明性を有する結晶性熱可塑性高分子である。また、ポリ乳酸を燃焼した場合の燃焼カロリーは、PE、ポリプロピレン(PP)などの約1/3と小さく、焼却炉を痛めることが少なく、有害なガスの発生もない。さらに、ポリ乳酸の原料は植物由来の再生可能資源であるため、焼却処理したときの二酸化炭素の増加が環境への負荷となりにくい。そのため、地球環境にも優しい。特に、トウモロコシから製造されるポリ乳酸に対する関心が高い。



上述のような利点のため、近年、ポリ乳酸の製造方法や応用用途などの研究開発が盛んになり、用途の多角化とそれに伴う生産量の増加が期待されている。例えば、医薬用資材(縫合糸など)、農業用資材(シート、フィルムなど)、食品包装用資材(食品包装フィルム、シート、袋など)、その他の包装用資材(衣料、日用雑貨包装用シート、フィルム、袋など)などへの利用が期待されている。しかし、熱可塑性であるポリ乳酸は、結晶性が高く、融点も高いために、樹脂原料や塗料などの各種の用途に使用する際の作業性が悪いという欠点がある。
【特許文献1】
国際公開第99/14223号パンフレット
【特許文献2】
特開2003-268116号公報
【特許文献3】
特開2006-342270号公報
【非特許文献1】
M. Funaoka、Polymer International,47巻,277頁,1998年
【非特許文献2】
Y. NagamatsuおよびM. Funaoka、Green Chemistry,5巻,595頁,2003年
【非特許文献3】
A. S. Karikariら、Biomacromolecules,6巻,2866頁,2005年
【非特許文献4】
Y. Ikadaら、Macromolecules,20巻,904頁,1987年

産業上の利用分野


本発明は、リグノフェノール-ポリ乳酸複合体に関する。より詳細には、木材の一構成成分であるリグニンをフェノール誘導体化して得られるリグノフェノールとポリ乳酸との複合体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
分子中にポリ乳酸からなる分岐鎖を少なくとも3個有する、リグノフェノール-ポリ乳酸複合体を含有する、ポリ乳酸の改質剤

【請求項2】
請求項1に記載のポリ乳酸の改質剤の製造方法であって、分子中に少なくとも3個の水酸基を有するリグノフェノールを開始剤として用いて、ラクチドを開環重合させる工程を含む、方法

【請求項3】
前記ラクチドがL体である、請求項2に記載の製造方法
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成16年度採択課題
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