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脳型有機アニオントランスポーターとその遺伝子 実績あり

国内特許コード P110004011
整理番号 Y99-P224-1
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-126587
公開番号 特開2007-209350
登録番号 特許第4223536号
出願日 平成19年5月11日(2007.5.11)
公開日 平成19年8月23日(2007.8.23)
登録日 平成20年11月28日(2008.11.28)
優先権データ
  • 特願1998-265126 (1998.9.18) JP
発明者
  • 遠藤 仁
  • 関根 孝司
  • 楠原 洋之
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 脳型有機アニオントランスポーターとその遺伝子 実績あり
発明の概要 【課題】 本発明は、脳における有機アニオン性物質の取り込み排出の制御をする蛋白質として有用な脳型有機アニオントランスポーターOAT3、それをコードする塩基配列を有する核酸、及び、それに対する抗体を提供する。
【解決手段】 本発明は、脳型有機アニオントランスポーターOAT3、それをコードする塩基配列、及び、それに対する抗体に関する。本発明の脳型有機アニオントランスポーターOAT3のアミノ酸配列及び塩基配列は、明細書中の配列表に示されている。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


肝臓および腎臓は、生体異物や薬物の代謝および体外排出に関して重要な役割を果たしている。尿細管細胞および肝細胞は極性を有する上皮細胞でありアニオン性の物質の一部は、輸送担体(トランスポーター)により側底膜を介して腎臓および肝臓中に取り込まれ、また細胞内で代謝により産生された有機アニオンもトランスポーターにより排出されることが推測される。
尿細管細胞や肝細胞の側底膜を介した有機アニオンの取り込みについては、これまで摘出臓器灌流法や単離細胞膜小胞系などを用いた実験系により研究されてきた。



しかし従来の手法では、側底膜を介した有機アニオン輸送について詳細に解析することは困難であり、トランスポーターそのものを単離して詳細に解析することが望まれてきた。
一方、脳においても有機アニオン輸送がおこなわれていることも複数の実験結果から推測されている。脳における有機アニオン輸送は、主に内因性および外来性の有機アニオンの脳外への排泄に働いているものと考えられる。
脳における有機アニオン輸送は、内因性アニオンおよび外来性異物の脳からの排除という重要な役割を担っていると予想されているにも関わらず、生理的実験が困難なことから、腎臓や肝臓以上にその輸送の詳細は不明である。



これらの背景をふまえ、有機アニオントランスポーターの分子実体の探索が1990年代に入り積極的に行われた。この結果、肝臓の側底膜の有機アニオントランスポーターが昨年までに二つ単離された。(Hagenbuch, B.らProc Natl Acad Sci USA 88巻、10629-33頁、1991年、Jacquemin, E.ら、Proc Natl Acad Sci USA、91巻、133-7頁、1994年)。
昨年、本発明者らは独自に、腎臓での有機アニオン輸送において最も重要な役割を果たしている有機アニオントランスポーターOAT1の単離に成功し(Sekine, T.ら、J Biol Chem 272巻, 18526-9頁、1997)、既に特許出願済みである。OAT1は化学構造の異なる多くの有機アニオンを輸送することの出来るトランスポーターであり、種々のアニオン性薬物の輸送も行っている。



OAT1の発現は腎特異的で、腎以外では脳に極めてわずかな発現をみるのみである。
最近本発明者らはさらに、OAT1とアミノ酸レベルで40%台の弱い相同性を持つ肝特異的有機アニオントランスポーター(OAT2)を同定した(FEBS letter 429巻、179-182頁、1998年)(特願平10-169174号)。
OAT1およびOAT2の単離、同定は有機アニオントランスポーターがファミリーを形成することを示している。さらにOAT2が肝特異的に発現していることから、このファミリーが腎特異的ではなく、種々の臓器にも発現していることも示唆する。



既に述べたように脳には有機アニオン輸送系が存在するものと考えられるが、脳でのOAT1の発現は極めてわずかであり、又、OAT2は存在しない。本発明者らは、これらの事実から脳における有機アニオン輸送を担う未知のトランスポーターの存在を予想した。
他方、肝臓の側底膜における有機アニオン輸送は複雑であり、特に肝細胞内で多量に産生される抱合体(その多くは有機アニオン)の血中への流出経路は未だ不明である。この肝臓での有機アニオン輸送についても、OAT2を含む上記有機アニオントランスポーターのみでは説明しきれず、さらなる未知のトランスポーターの存在が予想される

産業上の利用分野


本発明は有機陰イオン(有機アニオン)輸送に関与する遺伝子と、その遺伝子がコードするポリペプチドに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞と化合物とを溶液中で培養することを特徴とする、化合物の前記組み換え細胞への取込能の測定方法。

【請求項2】
少なくとも以下の(1)~(3)の工程;
(1)配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞を得る工程、
(2)化合物を工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、一定時間培養後、当該細胞内への化合物の取り込み量を測定する工程、及び
(3)工程(2)で得られた測定値がコントロール細胞を用いて同様の操作を行った場合の測定値と比較して有意な差を示した化合物を選択する工程
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
少なくとも以下の(1)~(4)の工程;
(1)配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞を得る工程、
(2)有機アニオントランスポーターOAT3によって前記組み換え細胞内に取り込まれることが確認された化合物を少なくとも2種以上選択し、それぞれを単独で、工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、一定時間培養後、前記組み換え細胞への各化合物の取り込み量を測定する工程、
(3)工程(2)で選択した2種以上の化合物を組み合わせて、工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、工程(2)と同一条件下で同一時間培養後、前記組み換え細胞内へのそれぞれの化合物の取り込み量を測定する工程、及び
(4)工程(3)で得られた測定値を工程(2)で得られた測定値と比較することで、選択された2種以上の化合物同士の相互作用を観察する工程、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。

【請求項4】
配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞と化合物とを溶液中で培養することを特徴とする、化合物の脳細胞への取込能の測定方法。

【請求項5】
少なくとも以下の(1)~(3)の工程;
(1)配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞を得る工程、
(2)化合物を工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、一定時間培養後、当該細胞内への化合物の取り込み量を測定する工程、及び
(3)工程(2)で得られた測定値がコントロール細胞を用いて同様の操作を行った場合の測定値と比較して有意な差を示した化合物を選択する工程、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
前記化合物の脳細胞への取り込み能が、脳細胞内に取り込まれることが既知の2種以上の化合物同士の相互作用に基づく取り込み能であって、少なくとも以下の(1)~(4)の工程を含むことを特徴とする、請求項4に記載の測定方法;
(1)配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞を得る工程、
(2)脳細胞内に取り込まれることが既知の化合物を少なくとも2種以上選択し、それぞれを単独で、工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、一定時間培養後、前記組み換え細胞への各化合物の取り込み量を測定する工程、
(3)工程(2)で選択した2種以上の化合物を組み合わせて、工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、工程(2)と同一条件下で同一時間培養後、前記組み換え細胞内へのそれぞれの化合物の取り込み量を測定する工程、及び
(4)工程(3)で得られた測定値を工程(2)で得られた測定値と比較することで、選択された2種以上の脳細胞内に取り込まれることが既知の化合物同士の相互作用を観察する工程。

【請求項7】
少なくとも以下の(1)~(4)の工程;
(1)配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞を得る工程;
(2)有機アニオントランスポーターOAT3によって前記組み換え細胞内に取り込まれることが確認された化合物を、工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、一定時間培養後、当該組み換え細胞内への当該確認された化合物の取り込み量を測定する工程、
(3)試験化合物を工程(2)で用いたと同一の確認された化合物と共に工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、工程(2)と同一条件下で同一時間培養後、当該組み換え細胞内への前記確認された化合物の取り込み量を測定する工程、及び
(4)工程(3)で得られた測定値が工程(2)で得られた測定値と比較して有意な差を示した場合の試験化合物を選択する工程、
を含む、有機アニオントランスポーターOAT3の有機アニオン取り込み能を促進又は阻害する化合物をスクリーニングする方法。

【請求項8】
少なくとも以下の(1)~(4)の工程;
(1)配列表の配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる有機アニオントランスポーターOAT3を発現する組み換え細胞を得る工程;
(2)脳細胞内に取り込まれることが既知の化合物を工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、一定時間培養後、当該組み換え細胞内への当該既知の化合物の取り込み量を測定する工程、
(3)試験化合物を、工程(2)で用いたと同一の化合物と共に、工程(1)で得られた組み換え細胞を含む溶液に添加し、工程(2)と同一条件下で同一時間培養後、当該組み換え細胞内への前記確認された化合物の取り込み量を測定する工程、及び
(4)工程(3)で得られた測定値が工程(2)で得られた測定値と比較して有意な差を示した場合の試験化合物を選択する工程。
を含む、脳細胞内に取り込まれることが既知の化合物の脳細胞への取り込み能を促進又は阻害する物質をスクリーニングする方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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