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液晶表示素子および装置 コモンズ

国内特許コード P110004019
整理番号 BE059P06
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-162241
公開番号 特開2009-003060
登録番号 特許第5071847号
出願日 平成19年6月20日(2007.6.20)
公開日 平成21年1月8日(2009.1.8)
登録日 平成24年8月31日(2012.8.31)
発明者
  • 福田 順一
  • 米谷 慎
  • 横山 浩
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 液晶表示素子および装置 コモンズ
発明の概要 【課題】 基板表面での液晶配向チルト角がほぼ0で、かつ強いアンカリングを実現する液晶配向層を用いることにより、残像を発生することなく、広い視野角を有した液晶表示素子およびそれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 液晶表示素子において、一対の基板と、この一対の基板間に配置された液晶層と、この液晶層と前記一対の基板の少なくともいずれか一方との間に配置された液晶配向層5とを備え、この液晶配向層5の少なくとも一方が、表面に異なる二方向の溝6が形成された液晶配向層5であり、前記二方向の溝6の成す角が、0度より大きく、かつ90度より小さな角度(菱形状)となっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


液晶表示素子は,携帯電話を初めとする近年の携帯情報機器の発展に伴い、世界的規模で急速に普及が拡大しており、さらに地上波デジタル放送網の整備に伴って、より高画質な携帯テレビ受像機の表示素子としても更に普及規模が拡大していくと考えられる。これらの普及拡大の著しい液晶表示素子の応用において、より簡便に大型液晶テレビ並の高画質特性が得られる液晶表示素子がますます必要となっている。



液晶表示素子の表示方式としては、いわゆるツイステッド・ネマチック(TN)方式が最も良く知られており、携帯情報機器等に広く用いられている。また、液晶テレビ等に用いられている、より高画質な液晶表示素子の表示方式としては、インプレーン・スイッチング(IPS)方式が良く知られている。これらのTN方式、IPS方式等を含むほとんどの液晶表示素子において、液晶層を挟む2枚の基板の液晶層に対する表面には、表面での液晶配向方向を制御するための液晶配向層が備えられており、表示コントラスト比、応答速度、駆動電圧等の液晶表示素子の様々な特性に大きな影響がある。特に液晶配向層表面における、基板面内の液晶配向方向の規制力の強さを表す面内アンカリングの強さは、上記TN方式においても駆動電圧等の特性に影響するが、IPS方式において特に顕著にその特性を左右する。



その理由を図7の一例を用いてIPS方式の動作原理に基づき説明する。
図7(a)及び図7(b) はIPS方式の液晶素子における液晶の動作を示す側断面を、図7(c)及び図7(d) はその正面図を表す(複数画素の一画素を部分的に示した。対応する一画素全体の図については図5に示す)。
これらの図において、101は線状の共通電極、102は絶縁膜、103は信号電極(ドレイン電極)、104は線状の画素電極、105は液晶配向層、106は棒状の液晶分子、107は基板、108は偏光板、109は電界、110は線状の共通電極101,線状の画素電極104の長手方向(図7(c)正面図)に若干の角度をもつ方向、111は偏光板偏光透過軸方向を示している。



電圧無印加時のセル側断面が図7(a)、その時の正面図が図7(c)である。一方の基板107の内側に線状の画素電極104,共通電極101が形成され、対となる基板107表面は双方とも液晶配向層105となっており、両基板間には液晶組成物が挟持されている(この例ではその誘電異方性は正を仮定しているが、負の液晶組成物では液晶分子の長軸と短軸の方向を入れ換えるだけでIPS方式は同様に実現可能である)。棒状の液晶分子106は、液晶配向層105により両基板界面において共に電極104,101の長手方向(図7(c)正面図)に若干の角度をもつ方向110の向きに配向制御されており、電界無印加時には液晶層内でほぼ一様にこの方向に向いた状態となっている。



ここで、画素電極104と共通電極101のそれぞれに異なる電位を与え、それらの間の電位差により液晶組成物層に電界109を印加すると、液晶組成物が持つ誘電異方性と電界109との相互作用により、図7(b) 及び図7(d)に示したように液晶分子106は電界方向にその向きを変える。この時液晶組成物層の屈折率異方性と偏光板108の作用によりこの液晶素子の光学特性が変化し、この変化により表示を行う。



ここで、IPS方式とTN方式の界面でのアンカリングの違いについて考えると、表面にほぼ水平に配向した正の誘電異方性を持つ液晶材料の場合、電界印加により生じる基板表面の液晶分子の配向変化方向は、基板界面に対して電界がほぼ垂直に印加されるTN方式では表面から立ち上がる方向に、また基板界面に対して電界がほぼ平行に印加されるIPS方式では表面面内方向となる。つまり、電界による配向変化に関係する界面でのアンカリング(配向規制力)は、TN方式では極角アンカリングが主であるのに対して、IPS方式では面内アンカリングが主となることから、面内アンカリングの強さがIPS方式において特に顕著にその特性を左右することが判る。



さらにIPS方式の液晶表示素子においては、上記のアンカリング以外にも、いわゆるチルト角と呼ばれる、基板表面の液晶分子配向の基板表面からの起き上がり角が視角特性に顕著な影響があり、例えば、下記非特許文献1に報告されているように、上記のチルト角が小さいほど良好な視角特性が得られ、原理的にチルト角が0の場合が最も広い視角特性となることが知られている。しかしながら、表面液晶配向チルト角をほぼ0とすることは、一般的に用いられている表面配向処理技術であるラビング処理では困難である。



一方で、光反応性高分子に偏光光を照射する等の手段で、異方的な光化学反応を生じさせることにより液晶配向能を付与する、いわゆる光配向処理が、ラビング処理に代わる配向処理として提案されている。この光配向処理では表面液晶配向チルト角をIPS方式に最も望ましいほぼ0に容易にできることが知られている。
例えば、下記非特許文献2においては、ポリビニルシンナメート系の光反応性高分子材料を塗布し、これに直線偏光した紫外光を照射することにより、前記光反応性高分子に照射直線偏光方向に対応した異方的な光化学反応(ポリビニルシンナメートの場合は光重合)を生じさせたいわゆる光配向層の、IPS方式の配向層への適用が報告されている。



同様に、ストライプ状の微細溝パターンが形成された表面も、この溝の走る方向に液晶配向能を有する配向層となり、さらに表面配向チルト角はほぼ0となることから、IPS方式の配向層への適用が報告されている(下記非特許文献3参照)。
【特許文献1】
特開平10-319406号公報
【特許文献2】
特開2001-117118号公報
【非特許文献1】
M.Oh-e,M.Yoneya,M.Ohta,K.Kondo,Liquid Crystals, 22 (4) , 391, 1997
【非特許文献2】
XT.Li,A.Kawakami,H.Akiyama,S.Kobayashi,Y.Iimura,Japanese Journal of Applied Physics Part2 37 (6B) , L743, 1998
【非特許文献3】
J.S.Gwag,M.Yoneya,H.Yokoyama,International Display Workshop 2006,Ohtu,Japan,LCT7-4L
【非特許文献4】
J.Fukuda,M.Yoneya and H.Yokoyama,Phys.Rev.Lett.98,187803,2007.
【非特許文献5】
F.Horn,Physics World 33,March 1993
【非特許文献6】
E.G.Loewen,R.S.Wiley,Proc SPIE,815,88,1987
【非特許文献7】
M.Schadt,Molecular Crystals and Liquid Crystals,165,405,1988

産業上の利用分野


本発明は、液晶表示素子および装置に係わり、特に、残像表示の発生しにくい広視野角の液晶表示素子および装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
一対の基板と、該一対の基板間に配置された液晶層と、該液晶層と前記一対の基板の少なくともいずれか一方との間に配置された液晶配向層とを備え、該液晶配向層は、エポキシ系高分子を主成分とし、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を含む複数の成分から形成された薄膜であり、該液晶配向層の薄膜の表面層は前記ポリアミック酸がイミド化したポリイミド成分が最も大きい比率を占めており、少なくとも一方の前記液晶配向層の前記ポリイミド成分が主たる表面層には、異なる二方向の溝が形成され、該二方向の溝の成す角が、56.25度より大きく、かつ70.53度より小さな角度となっていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。

【請求項2】
請求項1記載の液晶表示素子を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007162241thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 液晶ナノシステム 領域
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