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抗原ペプチドおよびその利用 コモンズ

国内特許コード P110004024
整理番号 K022P22
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-187324
公開番号 特開2009-022186
登録番号 特許第5187883号
出願日 平成19年7月18日(2007.7.18)
公開日 平成21年2月5日(2009.2.5)
登録日 平成25年2月1日(2013.2.1)
発明者
  • 一二三 恵美
  • 宇田 泰三
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 抗原ペプチドおよびその利用 コモンズ
発明の概要 【課題】HAタンパク質の複数のサブタイプを交差認識し得る抗体およびこのような抗体を効率よく惹起し得る抗原を得て、スペクトルの広いインフルエンザワクチンを提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を含んでいるペプチド,該ペプチドによって惹起される抗体,該ペプチドを有しているA型インフルエンザウイルスに対するワクチン,該ペプチドをコードするポリヌクレオチド,該ポリヌクレオチドが作動可能に連結されている発現ベクター。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


インフルエンザウイルスはコア蛋白質(核蛋白(NP蛋白)および膜蛋白(M1蛋白))の抗原性に基づいて分類される。1940年に、それまでに知られていたインフルエンザウイルスとは全く異なる抗原性を有するインフルエンザウイルスが分離され、前者をA型、後者をB型と規定した。さらに、1949年にTaylorによって新たなインフルエンザウイルス(C型)が発見されている。



A型インフルエンザウイルスは、ウイルス粒子の表面糖蛋白であるヘマグルチニン(Hemagglutinin(HA))およびノイラミニダーゼ(Neuraminidase(NA))の抗原性に基づいてサブタイプ(亜型)に分類される。HAタンパク質は、ヒト等の細胞表面のシアル酸と結合して、ウイルス粒子が細胞内に取り込まれる際の重要な役割を担っている。NAタンパク質は、ウイルス粒子が感染後期に細胞表面から離れる際にシアル酸を切断する働きを有しており、感染性を獲得するのに役だっている。



インフルエンザウイルスの流行は社会的に大きな問題となっている。過去に大流行を起こしたのは1型サブタイプ、2型サブタイプまたは3型サブタイプのHAタンパク質を有するウイルスであり、近年問題となっているトリインフルエンザウイルスはH5型サブタイプのHAタンパク質を有している。インフルエンザウイルスの感染は終生免疫を獲得し得ないので、これらのインフルエンザに対する予防策として、流行予測に基づいて毎年ワクチンを作製し、そのワクチンを接種する。



具体的には、以下の手順に従って、脱脂・不活化したワクチン(HAワクチン)を得る:(1)次のシーズンに流行するであろうウイルスの抗原性を予測する;(2)この予測に基づいて、ワクチンとして適したインフルエンザウイルス株を選択する;(3)選択した株を発育鶏卵に摂取して増殖させ、漿尿液からウイルスを精製する;(4)精製したウイルスを濃縮し、エーテルおよびホルマリンを用いて処理する。



HAには16種類のサブタイプがあり、型によって抗原性が大きく異なる。また、ウイルスは宿主の免疫機構から逃れるために絶えずHAタンパク質に小さな変異を起こしているので、同一のサブタイプであっても株によってHAタンパク質のアミノ酸配列は異なっている。HAおよび/またはNAの変異に起因して、現在用いられているHAワクチンは、抗原型に適合したものを生産することが困難である。



また、得られたHAワクチンは、長期間にわたって強い感染防御免疫を誘導することができない。また、実際に流行しているウイルスと異なる型のウイルスから作製されたワクチンを用いても効果を期待し得ないので、流行に対する正確な予測が必要となる。さらに、ウイルス培養によってワクチンを作製するので、予想を上回る規模で流行が発生した場合には、十分なワクチン供給が困難である。また、ワクチンへ混入する鶏卵成分を完全に除去することは非常に困難であるので、卵アレルギーを有するヒトへは投与し得ない。HAタンパク質の複数のサブタイプ(すなわち、A型インフルエンザウイルスの複数のサブタイプ)を交差認識し得る抗体を、鶏卵を用いることなく簡便に取得することが望まれている。



特許文献1~3には、HAタンパク質のアミノ酸配列に基づいて所望の抗体を作製することが開示されている。特許文献1には、HAタンパク質のH1型サブタイプおよびH2型サブタイプを交差認識するがH3型サブタイプを認識しない抗体ならびにその抗原部位が開示されている。また、特許文献2には、HAタンパク質のH3型サブタイプを認識するがH1型サブタイプおよびH2型サブタイプを認識しない抗体ならびにその抗原部位が開示されている。特許文献3では、HAタンパク質のH3型サブタイプの部分断片からなるポリペプチドによるCPE阻害活性を確認している。



また、特許文献4には、ペプチド抗原を用いない技術として、コンビナトリアルケミストリー法およびファージディスプレイ法を用いて単離した遺伝子にコードされるヒトFabがHAタンパク質のH3型サブタイプに効果的な中和活性を有していることが記載されている。
【特許文献1】
特開平6-100594号公報(平成6年4月12日公開)
【特許文献2】
特開平7-304799号公報(平成7年11月21日公開)
【特許文献3】
特表昭59-501714号公報(昭和59年10月11日公表)
【特許文献4】
特開2006-254777号公報(平成18年9月28日公開)

産業上の利用分野


本発明は、インフルエンザウイルスに対する抗体に関するものであり、より詳細には、A型インフルエンザウイルスの複数のサブタイプを交差認識し得る抗体を惹起し得るペプチドおよびその利用に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる、ペプチド。

【請求項2】
請求項1に記載のペプチドを含んでいる、A型インフルエンザウイルスに対するワクチン。

【請求項3】
請求項1に記載のペプチドをコードする、ポリヌクレオチド。

【請求項4】
請求項3に記載のポリヌクレオチドが作動可能に連結されている、発現ベクター。

【請求項5】
請求項3に記載のポリヌクレオチドを含んでいる、A型インフルエンザウイルスに対するワクチン。

【請求項6】
請求項3に記載のポリヌクレオチドが導入されている形質転換体を用いる工程を包含する、ペプチド作製方法。

【請求項7】
請求項1に記載のペプチドに、リンカーペプチドを付加させてなる、あるいは、タグ化タンパク質または融合タンパク質を連結させてなる、A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質のH1型サブタイプおよびH3型サブタイプを交差認識する抗体を惹起するペプチド。

【請求項8】
配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるペプチドによって惹起される、A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質のH1型サブタイプおよびH3型サブタイプを交差認識する、抗体。

【請求項9】
重鎖可変領域(VH)が、
(1)配列番号2に示されるアミノ酸配列、または
(2)配列番号2に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列
を含み、
軽鎖可変領域(VL)が、
(3)配列番号4に示されるアミノ酸配列、または
(4)配列番号4に示されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列
を含む、A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質のH1型サブタイプおよびH3型サブタイプを交差認識する、抗体。

【請求項10】
請求項8または9に記載の抗体を含んでいる、A型インフルエンザウイルスに対するワクチン。

【請求項11】
請求項8または9に記載の抗体を用いる、A型インフルエンザウイルスを検出する方法。

【請求項12】
請求項1または7に記載のペプチド、あるいは請求項3に記載のポリヌクレオチド、あるいは請求項4に記載の発現ベクターの、A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質のH1型サブタイプおよびH3型サブタイプを交差認識する抗体を惹起するための、非ヒト哺乳動物における使用。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 構造機能と計測分析 領域
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