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回折格子型発光ダイオード

国内特許コード P110004035
整理番号 AF08P002
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-228178
公開番号 特開2009-060046
登録番号 特許第5242975号
出願日 平成19年9月3日(2007.9.3)
公開日 平成21年3月19日(2009.3.19)
登録日 平成25年4月12日(2013.4.12)
発明者
  • 野田 進
  • 浅野 卓
  • 冨士田 誠之
  • 北川 均
  • 須藤 俊英
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • アルプス電気株式会社
発明の名称 回折格子型発光ダイオード
発明の概要

【課題】空孔を2次元周期的に形成する場合にその周期を適切に設定することにより外部量子効率の向上を図った回折格子型発光ダイオードを提供する。
【解決手段】sapphire基板10の上にn型GaN層12、InGaN/GaN活性層14、p型GaN層16、透明電極層18を積層して発光ダイオードを構成する。透明電極層18、p型GaN層16、InGaN/GaN活性層14、n型GaN層12に、これらの層にほぼ垂直な方向に延びる多数の空孔24を2次元周期的に形成する。非発光再結合速度をvsとすると、空孔24の配置周期aは次の式を満たす。
【数1】

【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


半導体発光素子である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)は、低消費電力、長寿命、小型、高信頼性等の特徴を有することから、表示用光源や乗用車のテールランプ、信号灯、携帯電話等のポータブル機器のバックライト等、様々な分野で広く用いられている。また、近年では、乗用車のヘッドランプや照明灯などへの応用が期待されており、発光ダイオードの高輝度化が望まれている。



発光ダイオードは、p型半導体層、活性層、n型半導体層を積層し、それらを一対の電極で挟み込んだ構成を有している。発光ダイオードはこれら一対の電極間に電圧が印加されることにより電子及び正孔が活性層に移動し、そこで両者が再結合して光を発生する。発光ダイオードの発光効率(外部量子効率)は、活性層で発光する際の内部量子効率と、発光した光を外部に取り出す取り出し効率によって決まる。発生した光の多くは外部に取り出されることなく活性層内に留まることから、取り出し効率の向上は外部量子効率の向上につながり、高輝度化を図ることができる。



例えば特許文献1には、発光ダイオードにフォトニック結晶構造を形成し、外部量子効率を高める方法が記載されている。
フォトニック結晶内では、その周期構造により、結晶中の光のエネルギーに関してバンド構造が形成され、光の伝播が不可能となるエネルギー領域(波長帯、フォトニックバンドギャップ(PBG)が存在する。フォトニックバンドギャップ内の波長を有する光は、周期構造が形成された面内を伝播することができず、この面に垂直な方向にのみ伝播する。フォトニックバンドギャップは、誘電体の屈折率や周期構造の周期により定まる。



特許文献1の発光ダイオードでは、一対の電極とその間に設けられたp型半導体層、活性層、n型半導体層からなる層構造に、これら3層を貫通する空孔を2次元周期的に多数形成することによりフォトニック結晶構造を形成している。このような構成により、活性層において電子と正孔とが再結合することにより得られた発光は、各層に平行な面内には伝播することができず、これらの層に垂直な方向にのみ取り出すことができる。つまり、高い取り出し効率の発光ダイオードを実現できる。



フォトニック結晶構造は、半導体層に空孔を2次元周期的に形成することにより得られるが、フォトニック結晶と同様の構造であっても回折格子として機能する場合がある。このような構造は一般的に回折格子型構造と呼ばれ、上述のフォトニック結晶構造はフォトニックバンドギャップ型(PBG型)構造と呼ぶ。PBG型構造と回折格子型構造は、発光体の外部量子効率を向上させるメカニズムが異なる。



PBG型構造では、空孔の周期を発光体の発光波長と同程度に設定し且つ発光波長をPBG波長域内に設定して面内発光を抑制し、面垂直方向への発光を増強することにより外部量子効率を向上させる。または、PBG端に発光波長を設定し、そこでの大きな状態密度を利用して外部量子効率を向上させている。
これに対して、回折格子型構造では、空孔の周期を発光波長よりも大きく設定し、発光体内部と外部との面内波数ベクトル保存則制限をフォトニック結晶による逆格子ベクトルを含めた保存則に置き換えることにより全反射条件を緩めて光取り出し効率を向上、つまり外部量子効率を向上させている。



このように、発光ダイオードに空孔を2次元周期的に形成してフォトニック結晶構造を設ける場合には、その周期と発光波長との比を適切に設定しなければ、その構造が有効に機能しない。
上述の特許文献1は発光ダイオードにPBG型のフォトニック結晶構造を設けて発光効率の向上を図ったものであり、フォトニック結晶周期が発光波長と同程度よりも大きい場合には外部量子効率がかえって低減する可能性がある。

【特許文献1】特開2004-289096号公報

産業上の利用分野


本発明は、回折格子型発光ダイオードに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
順に積層された第1半導体層、活性層、第2半導体層と、前記第1半導体層と電気的に接続された第1電極と、第2半導体層と電気的に接続された第2電極とを備えた回折格子型発光ダイオードにおいて、
前記第1半導体層及び第2半導体層の少なくとも一方と前記活性層を貫通する多数の空孔を2次元周期的に配置すると共に、非発光再結合速度をvsとした場合に前記空孔の配置周期aが次の式
【数式1】


(ただし、ηin(0)は空孔を設けない場合の内部量子効率、Kは空孔の配列状態により定まる定数、fは空孔の2次元的充填率、Rspは空孔を設けた場合の自然放出レート、Fγは空孔を設けない構造に対する空孔を設けた構造の光取り出し効率増加比を示す。)
を満たすように設計されることを特徴とする回折格子型発光ダイオード。

【請求項2】
前記活性層の発光中心波長が470~570nmであることを特徴とする請求項1に記載の回折格子型発光ダイオード。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007228178thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新機能創成に向けた光・光量子科学技術 領域
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