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Ni基金属ガラス合金 コモンズ

国内特許コード P110004040
整理番号 B37P17
掲載日 2011年7月5日
出願番号 特願2007-250255
公開番号 特開2009-079268
登録番号 特許第5321999号
出願日 平成19年9月26日(2007.9.26)
公開日 平成21年4月16日(2009.4.16)
登録日 平成25年7月26日(2013.7.26)
発明者
  • 井上 明久
  • 張 偉
  • 羌 建兵
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 Ni基金属ガラス合金 コモンズ
発明の概要 【課題】大きな非晶質形成能を有し、優れた加工性、機械的性質、耐食性を兼ね備えたNi基金属ガラス合金を提供する。
【解決手段】Ni100-a-b-cZrAlNb(a、b、cはそれぞれZr、Al、Nbの原子%で、10≦a≦35、2.5≦b≦15、5≦c≦25、30≦a+b+c≦55を満たす値である。)で示す組成を有し、過冷却液体領域における結晶化開始温度とガラス遷移温度との温度間隔ΔTxが40K以上で、液相線温度に対するガラス遷移温度の比で定義される換算ガラス化温度が0.57以上である。ガラス遷移温度と液相線温度との和に対する結晶化開始温度の比が、0.385以上であることが好ましい。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


溶融状態の合金を急冷することにより薄帯状、フィラメント状、粉粒体状など種々の形状を有する非晶質固体が得られることがよく知られている。非晶質合金薄帯は、大きな急冷速度の得られる単ロール法、双ロール法、回転液中紡糸法、アトマイズ法などの種々の方法で作製することができるので、これまでにもFe系、Ti系、Co系、Zr系、Cu系、Pd系又はNi系について多くの非晶質合金が得られ、優れた機械的性質、高い耐腐食性等の非晶質合金特有の性質が明らかにされてきた。



例えば、Ni基非晶質合金では、Ni-Pd-Si-B-Al合金(特許文献1参照)、Ni-P-B合金(特許文献2参照)、RNi系高硬度合金(RはTa、Nb又はWの1種以上、TはTi又はZrの1種以上であり、rは35~65原子%、sは25~65原子%、tは15原子%以下であり、r、s、tの総和は100である。特許文献3参照)、Ta-Ni,Ta-(Ti,Nb,W)-Ni系高耐食性合金(特許文献4)などが知られている。このようなNi基非晶質合金は他の非晶質合金と比べて高い結晶化温度を有するため、高耐熱性を有する新しいタイプの非晶質として構造材料や化学材料などの分野への応用が期待されている(特許文献5)。



しかしながら、これらのNi基非晶質合金は液体急冷法を用いて薄帯状、粉末状、細線状などのものしか得られておらず、高い熱的安定性を有しないことから最終製品形状へ加工することも困難であり、工業的にも用途が限定されていた。



このような状況下において、非晶質合金をバルク状で作るという夢を実現したのが「金属ガラス」である。すなわち、ガラス形成能が非常に高い合金が1980年代にPd-Si-Cu合金で見出された。その後1990年になってから、実用的な合金組成でガラス形成能が非常に高い合金が見出された。一般に「非晶質合金」では加熱によりガラス転移点に到達する前に結晶化が進行してしまい、ガラス転移は実験的には観察できない。これに対して、「金属ガラス」では加熱によって明瞭なガラス転移が観察され、結晶化温度までの過冷却液体領域の温度範囲が数十Kにも達することが判明している。



このような物性を有する金属ガラスにより、初めて、冷却速度の遅い銅などの金型に鋳込む方法によってバルク状の非晶質合金を作ることができるようになった。このような非晶質合金が特に「金属ガラス」と呼ばれている理由は、金属でありながら、酸化物ガラスのように安定な非晶質で、高温で容易に塑性変形、すなわち粘性流動することができるためである。



金属ガラスは非晶質形成能が高くガラス相からなっているので、銅からなる金型を用いた鋳造法等により溶湯から過冷却液体状態において冷却凝固することで、より寸法の大きなバルク状の金属鋳造体を製造することができる。また金属ガラスは過冷却液体状態に加熱すると合金の粘性が低下するために閉塞鍛造などの方法により任意形状に塑性加工することができる。このように、金属ガラスは高い非晶質形成能や塑性加工性を有する。金属ガラスは、これらの特性を有しない従来のアモルファス薄帯やファイバーなどの非晶質合金とは本質的に異なる材料であり、その有用性も非常に大きい。



本発明者らは、非晶質形成能、加工性、機械的強度に優れたNi-P-M(MはTi,Zr,Hf,Nb又はTaの1種以上である。)系Ni基金属ガラス合金を開発した(特許文献5参照)。2003年にはNi-Nb-Sn基金属ガラス合金を開発し(非特許文献1参照)、2005年にはガラス安定性、加工性及び機械的性質に優れたNi-Ta-Zr-Ti基金属ガラス合金を開発した(特許文献6参照)。



【特許文献1】
特開平6-25807号公報
【特許文献2】
特開平9-143642号公報
【特許文献3】
特公昭60-28899号公報
【特許文献4】
特公平6-15706号公報、
【特許文献5】
特開2000-87197号公報
【特許文献6】
特開2005-298858号公報
【非特許文献1】
APPL. PHYS. LETT., 82 (7), 1030-1032, FEB. 17(2003)

産業上の利用分野


本発明はNi基金属ガラス合金に関する。さらに、詳しくは、大きなガラス形成能を有し加工性及び機械的な性質に優れたNi基金属ガラス合金に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Ni100-a-b-cZrAlNb(a、b、cはそれぞれZr、Al、Nbの原子%で、10≦a≦35、2.5≦b≦15、5≦c≦25、30≦a+b+c≦5
5を満たす値である。)で示される組成に、さらに、Hf、Ta、Co、Cu及びTiからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素が25原子%以下含有されていて、
過冷却液体領域における結晶化開始温度とガラス遷移温度との温度間隔ΔTxが40K以上であり、
液相線温度に対するガラス遷移温度の比で定義される換算ガラス化温度が0.57以上であることを特徴とする、Ni基金属ガラス合金。

【請求項2】
ガラス遷移温度と液相線温度との和に対する結晶化開始温度の比が、0.385以上であることを特徴とする、請求項1に記載のNi基金属ガラス合金。

【請求項3】
希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素を5原子%以下含有することを特徴とする、請求項1に記載のNi基金属ガラス合金。

【請求項4】
Cr、V、Mo及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を5原子%以下含有することを特徴とする、請求項1に記載のNi基金属ガラス合金。

【請求項5】
請求項1~の何れかに記載のNi基金属ガラス合金からなり、直径が1mm以上で非晶質相の体積比率が90%以上の棒状でなることを特徴とする、金属ガラス合金。

【請求項6】
請求項1~の何れかに記載のNi基金属ガラス合金からなり、厚さが0.1mm以上で非晶質相の体積比率が90%以上の板状でなることを特徴とする、金属ガラス合金。

【請求項7】
2700MPa以上の圧縮破断強度を有し、700以上のビッカース硬度を有することを特徴とする、請求項に記載の金属ガラス合金。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2007250255thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成14年度採択課題
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