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植物の生育状態を測定する方法、及びそのためのキット

国内特許コード P110004050
整理番号 A181P49-2
掲載日 2011年7月6日
出願番号 特願2007-287934
公開番号 特開2008-070384
登録番号 特許第4095112号
出願日 平成19年11月5日(2007.11.5)
公開日 平成20年3月27日(2008.3.27)
登録日 平成20年3月14日(2008.3.14)
発明者
  • 小川 健一
  • 柳田 元継
  • 原 登志彦
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 岡山県
発明の名称 植物の生育状態を測定する方法、及びそのためのキット
発明の概要 【課題】本発明は、植物の生育の制御因子を解明し、当該因子を計測することにより、植物の生育状況を測定することを目的としている。また、本発明は、当該因子により植物の生育を制御し、寿命を制御することを目的としている。
【解決手段】本発明は、植物のリノレン酸(18:3)又はその分解物の量を検出、同定、又は定量することからなる植物の生育状態を測定する方法、及びそのための測定要キットに関する。本発明は、リノレン酸(18:3)又はその分解物の量が、全脂肪酸に対するリノレン酸の含有量(%)を測定することからなる植物の生育状態を測定する方法に関する。また、本発明は、植物のリノレン酸の量を制御することからなる、植物の生育を制御する方法に関する。
さらに、本発明は、リノレン酸(18:3)又はその前駆体からなる植物の成長調整剤に関する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


植物は食糧としてだけでなく、鑑賞用や、紙や薬品などの工業材料や燃料として多種多様な場において人類と深くかかわってきた。植物の発芽、成長、開花の時期については、自然の気候や土壌の状態により、経験と勘により判断されており、気候などの自然の影響により収穫が大きく左右されていた。植物の発芽、成長、開花の時期を調整・判断することは、鑑賞用の草花や、野菜などの食糧などのにおいて重要なだけでなく、森林における木材の育成においても極めて重要なことである。森林の木をいつ伐採するかということは、森林を維持・再生させてゆくために極めて重要なことであり、そのために木が実を多くつける年(生り年)を予測することが不可欠である。この判断を誤ったり、乱伐を行うと、森林の維持・再生ができず森林が消滅してゆくことになり、近年地球規模の環境問題として注目を集めてきていることである。
植物の成長を調整する手段として、温室などの人工的な気候環境により開花時期を調整したり、エチレンなどの化学薬品を用いて成長を促進させるなどの努力が行われてきたが、これらの多くも植物の成長を経験と勘により調整するものであり、植物の成長の過程を科学的の判断できる材料に基づくものではない。また、これらの手段は、比較的小規模の場所で行えるものであり、森林のような広大な場所で実施することは非現実的である。
植物の成長の過程を科学的に把握し、開花時期を科学的に予測し、調整することは、鑑賞用の草花や食糧用の植物だけでなく、森林の維持・再生においても極めて重要なことであり、森林の木の生り年を科学的に性格に判断することができるようになれば、経験と勘に頼ることなく森林の維持・再生を科学的に制御することができるようになる。



本発明者らは、これまでに活性酸素(ROS)が生合成の基質としてばかりでなく植物の発育における制御因子として必要であることを示してきた。しかし、その制御機構は解明されておらず、どのような物質が植物の生育の制御因子になっているかは知られていない。
また、本発明者らは、発芽から花成に至る植物の形態形成が植物中の活性酸素やグルタチオン(GSH)などの酸化還元(レドックス)物質によって調節されていることを最近明らかにした。さらに、本発明者らは、シロイヌナズナの様々なエコタイプの花成の時期、活性酸素消去系酵素・アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)の活性、クロロフィル(Ch1)量、自然生態系における緯度に沿った地理分布の間には大きな相関があることを見出してきた。
また、活性酸素と生物の寿命についての研究もされてきている(非特許文献1参照)。



一方、生体中の脂肪酸の役割についても研究が進められている。例えば、動物の寿命は心臓の脂質の18:3(リノレン酸)量に対して正に相関することが報告されているが、その機構は解明されていない(非特許文献2参照)。植物の寿命との関係についての報告はなされていない。
植物については、植物から脂肪酸を製造する方法については多数の特許出願があり、例えば、特許文献1には、植物に不飽和化酵素をコードする遺伝子を導入し、それを植物内で発現させて、不飽和脂肪酸、特にステアリドン酸を産生させる方法についての発明が開示されている。また、特許文献2には、苔類から脂肪酸を得る方法についての発明が開示されている。不飽和脂肪酸の含有量を改変した植物の製造も報告されている(非特許文献3参照)。
植物体における脂肪酸の役割については、例えば、植物の脂肪酸代謝、特に不飽和化酵素の性質と細胞内での局在化についての報告もなされている(非特許文献4参照)。
また、植物ではリノレン酸(18:3)は、リノール酸(18:2)から細胞質(Cytoplasmic)においてはFAD3と呼ばれる酵素により生合成され、葉緑体(Chloroplastic)においてはFAD7FAD8と呼ばれる酵素により生合成されることも知られている(図1参照)。
【特許文献1】
特表2002-517255号
【特許文献2】
特開平5-111384号
【非特許文献1】
中野稔ら、「活性酸素-生物での生成・消去・作用の分子機構-」、共立出版
【非特許文献2】
Pamplona, et al., J. Geront., 55A(6), B266-B291 (2000)
【非特許文献3】
Naoier, et al., Current Opinion in Plant Biology, 2, 123-127 (1999)
【非特許文献4】
「蛋白質 核酸 酵素」、第44巻、第15号、第2149-2172頁

産業上の利用分野


本発明は、植物のリノレン酸(18:3)又はその分解物の量を検出、同定、又は定量することからなる植物の生育状態を測定する方法、及びそのための測定キットに関する。また、本発明は、植物のリノレン酸の量を制御することからなる、植物の生育、例えば開花時期や寿命を制御する方法に関する。
さらに、本発明は、リノレン酸(18:3)又はその前駆体からなる植物の成長調整剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物のリノレン酸(18:3)又はその分解物の量を検出、同定、又は定量することからなる植物の生育状態を測定する方法。

【請求項2】
リノレン酸(18:3)又はその分解物の量が、全脂肪酸に対するリノレン酸の含有量(%)である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
リノレン酸(18:3)又はその分解物の量を検出、同定、又は定量するための試薬及び装置からなる植物の生育状態を測定するための測定キット。

【請求項4】
植物の生育状態が、植物の開花時期である請求項3に記載の測定キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 植物の機能と制御 領域
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