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直鎖状化合物伸長用基板および方法

国内特許コード P110004060
整理番号 RX08P24
掲載日 2011年7月6日
出願番号 特願2007-315966
公開番号 特開2009-136211
登録番号 特許第5661984号
出願日 平成19年12月6日(2007.12.6)
公開日 平成21年6月25日(2009.6.25)
登録日 平成26年12月12日(2014.12.12)
発明者
  • 鈴木 孝明
  • 福家 有子
出願人
  • 国立大学法人 香川大学
発明の名称 直鎖状化合物伸長用基板および方法
発明の概要 【課題】染色体などの新規な伸長技術を提供する。
【解決手段】滴下された液体に含まれる、ファイバー化可能であるがファイバー化されていない直鎖状化合物を伸長するための基板は、平らな上面を備える、滴下用の1以上の台と、1以上の台のそれぞれの周縁を区画する溝と、台の周縁に対して、溝より外側にある、伸長された直鎖状化合物が固定されるための伸長領域とを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



染色体は、遺伝情報を保持する巨大分子であるDNAを含んでいるが、自然状態では直径数μmの大きさに糸鞠様に凝集している。DNAの配列や遺伝子を決定する従来の手法では、DNAを断片化してシーケンスを決定するので、解析により得られた各配列がうまくつながらないという問題や、全シーケンスを決定するとき時間と費用がかかるという問題があった。染色体をファイバー状に伸長できれば、DNAについての各種の解析が容易になる。このため、DNAの伸長や、伸長したDNA(DNAファイバー)についての解析が報告されている。また、DNAファイバーを用いたFISH(蛍光・イン・シトゥ・ハイブリダイゼーション法)も報告されている。





たとえば、ContiおよびBensimonの論文(Genomics 80, 135 (2002))では、DNAファイバーを得るため、DNAを含む溶液にスライドガラスを沈めて、続いて引き上げる。このとき、スライドガラスの表面に付着したDNAの端部が乾燥して表面上に固定される。さらにスライドガラスを引き上げていくと、端部に続く部分が表面上に伸長され固定されていく。これにより0.24mmの長さの繊維状のDNA断片が得られている。





上述のContiおよびBensimonのDNAファイバー化技術では、スライドガラスの上にDNAファイバーを採取する段階でDNAファイバーが断片化されていた。これは風乾によりDNAファイバーが切れやすいためである。DNAを長く伸長するにはメニスカスでの表面張力について職人的技術が必要であり、この方法によるファイバー化は再現性が低かった。





なお、本発明では、後で説明するように、遠心力を用いて染色体を伸長するが、遠心力を用いた伸長はすでに報告されている。たとえば、基板上の特定位置にDNAを直線的に引き伸ばして固定するため、段差を設けた基板が用いられる(特開2004-121096号公報)。回転に伴う遠心力により、DNA溶液を中心部から外縁へ段差に直交する方向に押し流すと、段差を通るとき、DNAの末端がある確率で段差に付着し、DNAが伸長される。しかし、本発明は、段差にDNAを付着させるものではない。また、シリコン基板上に核酸を固定し伸長する方法(特開2005-87213号公報)では、従来よりも平坦なシリコン単結晶板の(100)表面を作成する。そして、核酸を含む溶液を塗布し、スピンコーティングなどにより伸長を行う。しかし、本発明ではシリコン板を用いない。

【特許文献1】

開2004-121096号公報

【特許文献2】

開2005-87213号公報

【非特許文献1】

. Conti & A. Bensimon, Genomics 80, 135 (2002)

産業上の利用分野


本発明は、染色体などの直鎖状化合物の伸長技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
滴下された液体に含まれる、直鎖状化合物を伸長するための基板であって、
上記基板の回転中心から離れて配置された、平らな上面を備える、液体滴下用の1以上の台と、
上記1以上の台のそれぞれの周縁を区画し、上記台の上に液体を静置させる溝と、
上記台の周縁に対して、上記溝より外側にある、伸長された直鎖状化合物が固定されるための伸長領域と、を備える基板。

【請求項2】
上記台の数が複数であって、複数の上記台が同心円上に位置されることを特徴とする請求項1に記載された基板。

【請求項3】
上記伸長領域は、複数の線状凸部と、前記線状凸部の間の底部とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載された基板。

【請求項4】
前記底部の幅は、当該底部の両側の前記線状凸部の頂部の間に渡された直鎖状化合物が弾性により伸びても当該底部に接触しない値を備えることを特徴とする請求項3に記載された基板。

【請求項5】
上記直鎖状化合物と化学反応をしない材料からなることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載された基板。

【請求項6】
上記台よりも当該基板の中心側に穴が設けられた請求項1~5のいずれかに記載された基板。

【請求項7】
平らな上面を備える1以上の台と上記1以上の台のそれぞれの周縁を区画する溝と、溝の外側から基板の周縁までの間の伸長領域とを設けた基板において、直鎖状化合物を含む液体を上記溝により上記台に静置し、
次に、回転装置において、その回転中心から離れて上記台が位置されるように上記基板を置き、基板の面に垂直な回転軸のまわりに基板を回転することにより生じる遠心力により、前記液体内の直鎖状化合物をファイバー状態に伸長し、
次に、伸長された状態の前記直鎖状化合物を上記伸長領域に固定する
直鎖状化合物伸長方法。

【請求項8】
上記1以上の台の数は複数であり、それぞれ異なる種類の核酸で構成される化合物からなる直鎖状化合物を含む液体を別々の台に静置し、伸長後にイン・シトゥ・ハイブリダイゼーション法で交雑することを特徴とする請求項7に記載された直鎖状化合物伸長方法。

【請求項9】
上記1以上の台の数は複数であり、同じ種類の核酸で構成される化合物からなる直鎖状化合物を含む液体を別々の台に静置し、伸長後に別々のプローブを用いてイン・シトゥ・ハイブリダイゼーション法で交雑することを特徴とする請求項7に記載された直鎖状化合物伸長方法。

【請求項10】
請求項1~6のいずれかに記載された基板を載置するためのステージと、上記ステージを回転する回転機構とを備える直鎖状化合物伸長装置であって、
上記基板が上記ステージに載置されたときに上記基板の上記台を上記ステージの回転中心と離れた位置に設置し基板を固定する位置決め及び固定部材を備える直鎖状化合物伸長装置。

【請求項11】
上記位置決め及び固定部材は、上記ステージの回転中心に上記ステージの面に垂直に設けられた柱であることを特徴とする請求項10に記載された直鎖状化合物伸長装置。

【請求項12】
上記位置決め及び固定部材は、上記ステージの回転中心の周囲に、上記基板が上記ステージに載置されるときに上記基板に接する位置に設けられることを特徴とする請求項10に記載された直鎖状化合物伸長装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007315966thum.jpg
出願権利状態 登録


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