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α-イミノ酸類の不斉アリル化反応方法 コモンズ

国内特許コード P110004068
整理番号 E076P69
掲載日 2011年7月6日
出願番号 特願2007-500666
登録番号 特許第4714730号
出願日 平成18年1月31日(2006.1.31)
登録日 平成23年4月1日(2011.4.1)
国際出願番号 JP2006301920
国際公開番号 WO2006080576
国際出願日 平成18年1月31日(2006.1.31)
国際公開日 平成18年8月3日(2006.8.3)
優先権データ
  • 特願2005-024587 (2005.1.31) JP
発明者
  • 小林 修
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 α-イミノ酸類の不斉アリル化反応方法 コモンズ
発明の概要

キラル銅触媒の存在下に、イミノ基の窒素原子にオキシカルボニル基が結合したα-イミノ酸類にアリルシラン化合物を反応させる。安価な原料を用い、温和な条件下で、高い反応収率と立体選択性が得られる、実用的な触媒的不斉アリル化反応により、光学活性アリルグリシン類縁体を合成する。

従来技術、競合技術の概要


光学活性α-アミノ酸は天然物合成や医薬品などのファンケミカル等の原料あるいは合成中間体として貴重な位置を占めている。そして、特に天然からは入手が困難な光学活性α-アミノ酸類に関しては、これまでにも様々な合成法が検討されてきている。このような光学活性な非天然α-アミノ酸の合成法として古くから、そして現在でも多用されているのは、天然に豊富に存在する光学活性化合物からの誘導化、酵素による光学分割、光学活性な酸性化合物との塩に誘導後に再結晶法を用いる光学分割などによる方法であるが、これらは入手できるアミノ酸の構造に制約が多い場合や、必要な立体とは異なる立体の化合物が同量副生するなどの問題があった。近年、不斉合成反応の進歩にともない、高い不斉収率で光学活性α-アミノ酸を得る手法も報告されている(非特許文献1、2)。それらの中でも触媒的不斉合成方法は、金属触媒や不斉配位子が少量ですむことからコスト的に有利であり、近年の大きな課題となっている産業廃棄物の削減の観点からも期待され活発に研究されている。



また、非天然α-アミノ酸の一種であるアリルグリシンは、アリル基の2重結合の化学変換により様々な誘導体化が可能な有用な合成中間体であることから、その不斉合成方法は古くから検討されてきた。特に、α-イミノエステルやN,O-アセタールの不斉アリル化反応は光学活性アリルグリシン類縁体の合成法として近年とくに注目されている(非特許文献2~4)。



しかしながら、上記のように、これまで多くの光学活性なα-アミノ酸やその一種としてのアリルグリシン類縁体の触媒的不斉合成方法が提案されてきたが、これまでに実用化されたものは少ない。その理由としては、収率や立体選択性が不十分であることや、触媒が高価(貴金属触媒を使用)であり、触媒の回転(再利用化率)が低い(触媒量の低減化が困難)こと、反応条件が過酷(反応温度が-78℃など)、基質の一般性が低いなど様々な問題点がある。さらに、イミノエステルの不斉アリル化反応によるアリルグリシン合成の場合には、生成したアリルグリシン誘導体のα-アミノ基上の置換基の除去が一般に困難であるという問題があった。すなわち、原料イミノエステルの窒素原子の置換基としてトシル基やアシル基が用いられることが多く、これらの除去条件が過酷なためアミノ基が無保護のアリルグリシンに変換する際の障害になっていた。



一方、本発明者らは、これまでに多くの不斉反応触媒及び不斉反応方法を開発してきた。それらの中でもルイス酸金属とキラルなジアミン配位子から調整される不斉触媒は、アルデヒドやイミンへの不斉求核付加反応を効果的に触媒し、高収率・高立体選択的に光学活性な化合物の合成を可能にした(特許文献1)(非特許文献5~9).

【非特許文献1】Bloch.R.,Chem.Rev.98巻、1407頁、1998年

【非特許文献2】Ferraris,D.;Dudding,T.;Young,B;Druty III,W.J.;Lectka,T.、J.Org.Chem.64巻、2168頁、1999年

【非特許文献3】Ferraris,D.;Young,B;Cox,C.;Dudding,T.;Druty III,W.J.;Ryzhkov.L.;Taggi,A.E.;Lecktka.、T.J.Am.Chem.Soc.124巻、67頁、2002年

【非特許文献4】Fang,X.;Johannsen,M.;Yao,S.;Gathergood,N.;Hazell,R.G.;Jorgensen,K.A.、J.Org.Chem.64巻、4844頁、1999年

【非特許文献5】Kobayashi,S.;Matsubara,R.;Nakamura,Y.;Kitagawa,H.;Sugiura,M.、J.Am.Chem.Soc.125巻、2507頁、2003年

【非特許文献6】Hamada,T.;Manabe,K.;Kobayashi,S.、Angew.Chem.,Int.Ed,42巻、3927頁、2003年

【非特許文献7】Nakamura,Y.;Matsubara,R.;Kiyohara,H.;Kobayashi,S,;、Org.Lett.5巻、2481頁、2003年

【非特許文献8】Matsubara,R.;Nakamura,Y.;Kobayashi,S.;、Angew.Chem.,Int.Ed.43巻、1679頁、2004年

【非特許文献9】Matsubara,R.;Paulo,V.;Nakamura,Y.;Kiyohara,H.;Kobayashi,S.、Tetrahedron 60巻、9769頁、2004年

【特許文献1】特開2003-260363号公報

産業上の利用分野


本発明は、医薬品、農薬、香料、触媒等の原料もしくは合成中間体等として有用な光学活性アリルグリシン類縁体のエナンチオ選択的なアリル化反応方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】キラル銅触媒の存在下に、イミノ基の窒素原子にオキシカルボニル基が結合したα-イミノ酸類にアリルシラン化合物を反応させて光学活性なアリルグリシン類縁体を合成することを特徴とするα-イミノ酸類の不斉アリル化反応方法。
【請求項2】キラル銅触媒は、有機酸または無機酸の塩もしくはこの塩の錯体または複合体である銅化合物とキラルジアミン配位子とにより構成されていることを特徴とする請求項1の不斉アリル化反応方法。
【請求項3】キラルジアミン配位子は、エチレンジアミン分子構造をその一部に有することを特徴とする請求項2の不斉アリル化反応方法。
【請求項4】次式(1)
【化学式1】
(式中のRは置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Rは、-OR,-SRまたは-NRであって、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基を、RおよびRは、各々、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示す)
で表わされるα-イミノ酸類に、次式(2)
【化学式2】
(式中のR,R,RおよびRは、各々、同一または別異に、水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、Xは、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す)
で表わされるアリルシラン化合物を反応させて、次式(3A)(3B)
【化学式3】
(式中のR,R,R,R,RおよびRは前記のものを示す)
のいずれかで表わされる光学活性なアリルグリシン類縁体を合成することを特徴とする請求項1から3のいずれかの不斉アリル化反応方法。
【請求項5】請求項4の不斉アリル化反応方法において、式(1)(3A)(3B)中のRは、ベンジル基、トリフルオロメチル基、第3ブチル基およびp-メトキシベンジル基からなる群より選択される置換基であることを特徴とする不斉アリル化反応方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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