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錯化合物及びそれから成るMRIプローブ コモンズ

国内特許コード P110004078
整理番号 A252P98
掲載日 2011年7月6日
出願番号 特願2007-507148
登録番号 特許第5291930号
出願日 平成18年3月8日(2006.3.8)
登録日 平成25年6月14日(2013.6.14)
国際出願番号 JP2006304474
国際公開番号 WO2006095771
国際出願日 平成18年3月8日(2006.3.8)
国際公開日 平成18年9月14日(2006.9.14)
優先権データ
  • 特願2005-065033 (2005.3.9) JP
発明者
  • 鈴木 孝治
  • 一二三 洋希
  • 谷本 伸弘
  • 牧野 恵
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 錯化合物及びそれから成るMRIプローブ コモンズ
発明の概要

要約
亜鉛イオン以外のイオンや化合物に応答性を発揮する新規なガドリニウム錯化合物及びそれから成るMRIプローブが開示されている。下記構造式で示されるような、特定の構造を有する本発明のガドリニウム錯化合物は、カリウムイオン、カルシウムイオン、グルコース等に応答性を発揮するので、本発明のガドリニウム錯化合物をMRIプローブとして用いることにより、生体内のこれらのイオンや化合物を検出したり濃度分布を知ることが可能になる。

従来技術、競合技術の概要


医療分野における画像診断法は、病巣の早期発見、術前診断、術後の追跡診断などの観点から、必要不可欠な医療技術となっている。現在、医療現場で汎用されている画像診断法として、CT (computed tomography) 、MRI (magnetic resonance imaging) 、PET (positron emission tomography) が挙げられる。しかし、CTにおいてはX線による被爆が、PETにおいてはγ線による被爆を避けることがでず、また、近年装置の高機能化が進んだことにより多断面の撮像が可能になったが、それによる被爆量の増加が患者へのさらなる負担となっている。一方、MRIは、放射線被爆のない無侵襲な画像診断法であって、任意の断面画像を得られる利点がある。MRI装置は、人体内の水や脂肪、その他の成分に含まれている水素原子から核磁気共鳴信号を得て画像化している。このため、代謝などの生理作用を直接画像化することや、水素原子核を持たない生体内分子の画像化は原理上不可能であり、実際としては水の水素原子密度分布の画像化に留まっている。また、MRIに関する研究は、パルス系列などの撮像方法、解析方法、装置面での改良や発達が進んできたが、MRIの画像化の原理を加味した分子レベルでの造影剤の研究は歴史的にも浅く、報告例も少ない。



MRIの感度を向上させるためにMRI造影剤が広く使用されている。現在、医療現場で日常的に用いられているMRI用造影剤としてはガドリニウム錯体型のMagnevist(登録商標)やProHance(登録商標)、また、酸化鉄(Fe2O3)m(FeO)nから成る超磁性微粒子型のFeridex(登録商標)などが挙げられる。しかしながら、これらの造影剤分子には、特定のゲスト分子を認識する機能性は備わっていない。静注などにより体内に投与したとしても、体内の狙った部分に分布する訳ではない。超磁性微粒子は体内に投与されると、代謝経路の関係で肝臓に特異的に蓄積され、そのままグルクロン酸抱合などを受け、胆汁排泄される。



また、広く用いられているガドリニウム錯体に特定の基を結合させ、これらの基を亜鉛イオンに配位させることにより亜鉛イオンに対して応答するMRIプローブも報告されている(非特許文献1~3)。しかしながら、亜鉛イオン以外のイオンや化合物に対して応答性を有するガドリニウム錯体系のMRIプローブは知られていない。




【非特許文献1】K. Hanaoka et al., Chemistry & Biology 2002, 9, 1027-1032

【非特許文献2】Wen-hong Li et al., J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 1413-1414

【非特許文献3】Wen-hong Li et al., Inorg. Chem. 2002, 41, 4018-4024

産業上の利用分野


本発明は、ガドリニウム錯化合物及びそれから成るMRIプローブに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1)又は(2)で示されるMRIグルコース測定プローブ
【化学式1】


(ただし、一般式(1)及び(2)中、R1及びR2は互いに独立に次式(6)及び(7)のいずれかで示される基であり、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立に、これらのうち2つが-OHで2つが次式(6)及び (7)のいずれかで示される基である。
【化学式2】


(ただし、一般式(6)及び(7)中、Xはアルキレン基である(ただし、アルキレン鎖を構成する1又は複数の炭素原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子又はカルボニル基であってもよい)。

【請求項2】
上記一般式(6)又は(7)中、Xは炭素数1~10のアルキレン基(ただし、アルキレン鎖を構成する1又は複数の炭素原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子又はカルボニル基であってもよい)である請求項記載のMRIグルコース測定プローブ

【請求項3】
上記一般式(1)及び(2)中、R1及びR2は互いに独立に上記一般式(7)で示される基であり、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立に、これらのうち2つが-OHで2つが上記一般式(7)で表される基である請求項記載のMRIグルコース測定プローブ

【請求項4】
上記一般式(7)で表される基が、下記式(11)で示される基である請求項記載のMRIグルコース測定プローブ
【化学式3】


(ただし、式(11)中、pは2又は3の整数を示す)

【請求項5】
上記一般式(1)で示される請求項ないしのいずれか1項に記載のMRIグルコース測定プローブ

【請求項6】
下記一般式(1)又は(2)で示されるガドリニウム錯化合物。
【化学式4】


(ただし、一般式(1)及び(2)中、R1及びR2は互いに独立に次式(3)、(4)及び(5)のいずれかで示される基であり、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立に、これらのうち2つが-OHで2つが次式(3)、(4)及び(5)のいずれかで示される基である。
【化学式5】


(ただし、一般式(3)、(4)及び(5)中、Xはアルキレン基であり(ただし、アルキレン鎖を構成する1又は複数の炭素原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子又はカルボニル基であってもよい)、
mは1又は2で、nは1から8の整数であり、
Yは窒素原子、硫黄原子又は=CH-であり、
Z1、Z2及びZ3は各々独立に酸素原子、窒素原子又は硫黄原子であり、
E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11及びE12は各々独立に水素原子又はアルキル基(ただし、アルキル鎖を構成する1又は複数の炭素原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子又はリン原子であってもよい)を示し、E1とE2とE3とE4、E5とE6とE7とE8、E9とE10とE11とE12は各々独立にベンゼン環を形成してもよく、
Aは互いに独立に水素原子又はフッ素原子、
Wは-OCH3、水素原子又はフッ素原子を示す)。

【請求項7】
上記一般式(1)及び(2)中、R1及びR2は互いに独立に上記一般式(3)又は(4)で示される基であり、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立に、これらのうち2つが-OHで2つが上記一般式(3)又は(4)で表される基である請求項記載のガドリニウム錯化合物。

【請求項8】
上記一般式(1)及び(2)中、R1及びR2は互いに独立に上記一般式(4)で示される基であり、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立に、これらのうち2つが-OHで2つが上記一般式(4)で表される基であり、一般式(4)中、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11及びE12は水素原子であり、Xは炭素数1~10のアルキレン基であり(ただし、アルキレン鎖を構成する1又は複数の炭素原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子又はカルボニル基であってもよい)、Z1、Z2及びZ3は酸素原子である請求項記載のガドリニウム錯化合物。

【請求項9】
上記一般式(4)で示される基が、下記式(8)又は(9)で表される基である請求項記載のガドリニウム錯化合物。
【化学式6】



【請求項10】
上記一般式(1)で示される請求項ないしのいずれか1項に記載のガドリニウム錯化合物。

【請求項11】
上記一般式(1)及び(2)中、R1及びR2は互いに独立に上記一般式(5)で示される基であり、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立に、これらのうち2つが-OHで2つが上記一般式(5)で表される基である請求項記載のガドリニウム錯化合物。

【請求項12】
上記一般式(5)中、Xは炭素数1~10のアルキレン基(ただし、アルキレン鎖を構成する1又は複数の炭素原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子又はカルボニル基であってもよい)である請求項11記載のガドリニウム錯化合物。

【請求項13】
上記一般式(5)で示される基が、下記式(10)で示される基である請求項12記載のガドリニウム錯化合物。
【化学式7】



【請求項14】
上記一般式(1)で示される請求項11ないし13のいずれか1項に記載のガドリニウム錯化合物。

【請求項15】
請求項ないし14のいずれか1項に記載のガドリニウム錯化合物から成るMRIプローブ。

【請求項16】
請求項ないし10のいずれか1項に記載のガドリニウム錯化合物から成る、カリウムイオン応答性MRIプローブ。

【請求項17】
請求項11ないし14のいずれか1項に記載のガドリニウム錯化合物から成る、カルシウムイオン応答性MRIプローブ。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 治療衛生
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 医療に向けた化学・生物系分子を利用したバイオ素子・システムの創製 領域
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