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多機能有機ダイオードマトリクスパネル

国内特許コード P110004083
整理番号 RX07P27
掲載日 2011年7月6日
出願番号 特願2007-510343
登録番号 特許第5417598号
出願日 平成18年3月1日(2006.3.1)
登録日 平成25年11月29日(2013.11.29)
国際出願番号 JP2006303840
国際公開番号 WO2006103863
国際出願日 平成18年3月1日(2006.3.1)
国際公開日 平成18年10月5日(2006.10.5)
優先権データ
  • 特願2005-088734 (2005.3.25) JP
発明者
  • 岡田 裕之
  • 中 茂樹
  • 女川 博義
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 多機能有機ダイオードマトリクスパネル
発明の概要 有機ELディスプレイによる発光表示、有機フォトダイオードによるイメージセンシング、そして有機太陽電池による電力発生が複合して可能となる多機能有機ダイオード及びそのマトリクスパネルを提供する。
多機能有機ダイオードにおいて、基板11上に形成される第一の電極12と、この第一の電極12上に形成され、発光と光導電の性質を兼ね備える有機薄膜13と、この有機薄膜13上に形成される第二の電極14を有する。
従来技術、競合技術の概要


従来、電子情報機器を支えるデバイスの主役としてはSi半導体が挙げられ、その集積回路により電子機器、コンピュータ、通信機器、民生品等、数多くの製品展開が成されてきた。しかしながら、Si半導体の欠点として、発光しない、デバイスサイズがウエハにより制限される、重い、等の問題があり、そのため発光デバイスについては化合物半導体が、大面積パネルでは非晶質ないしは多結晶Si半導体が展開を拡げてきた。



そのなか、大面積・軽量・省スペース・フレキシブルの特長を有する電子情報機器の実現を目指し、有機デバイスの研究が開始されている。これまで有機材料は、数百万種を数える材料の豊富さと新機能発現を特徴として、有機電子感光体、液晶表示素子等の分野を確立してきた。最近では、液晶表示素子を補完する自発光デバイスとして、有機EL素子が脚光を浴びており、小型表示パネルとして実用化が進んでいる。また、それに続く展開として有機トランジスタ、有機太陽電池、有機フォトダイオード等の新規有機デバイスの研究が開始されており、今後の研究開発と市場創出に期待がかかっている。



ここで、先に挙げた有機EL素子、有機太陽電池及び有機フォトダイオードは、有機材料単層または積層構造素子により実現され、半導体デバイスとして分類を考えると、基本的にpn接合やショットキー接合等のダイオードであると言える。
図1に、有機ダイオードの電流-電圧特性の概略を示す。
光照射の無い暗状態では、特性はダイオード的特性を示す。ここで、通常の半導体デバイスでは、金属/半導体界面にはオーミックコンタクト、半導体内では不純物量に比例したキャリアが存在するのに対し、有機材料では一般に最高占有分子軌道(HOMO)と最低非占有分子軌道(LUMO)レベルの差がSi半導体より大きい。そのため金属/有機半導体界面ではショットキーまたはトンネル注入、半導体内ではキャリア数がSi半導体の場合と比較して極めて少ない伝導状態と異なっている。そのため、特性の表式に違いがあるが、ダイオード的である点は変わらない。図1を見ると、第I象限が有機EL素子発光、第III 象限が有機フォトダイオード、第IV象限が太陽電池の領域であると言える。この点を考えると、発光及び受光機能を同時に兼ね備えるデバイスは出来ないかと言う発想が生じる。実際の例としては、C.W.Tangが1986年に報告しているperylene tetracarboxylic derivative(PV)/copper phthalocyanine(CuPc)構造(下記非特許文献1参照)と同構造で、安達が「うっすらと光る赤い」発光現象を観察したことを報告している(下記非特許文献2参照)。また、越後らによるスプレイ法による導電性高分子(poly([2-methoxy-5-(2’-ethylhexyloxy)]-1,4-phenylenevinylene)、MEH-PPV系有機EL素子の実験結果(下記非特許文献3参照)と島田らによる同材料を用いたトップアブソープション型有機フォトダイオードの実験結果(下記非特許文献4参照)を併せ考えると、単層MEH-PPVにより発光及び受光機能を示す有機ダイオードが出来るのでは無いかと考えられる。



また、個々のデバイスを積層化した報告として、近松らによる有機EL素子と有機フォトダイオードの積層化の報告がある(下記非特許文献6参照)。さらに、有機膜を多層化して発光と発電を行う報告がタイム・ワーナー・エンターテインメント(下記特許文献1参照)から、そして筒井他(下記特許文献2参照)により特性改善のため、機能性膜と導電体薄膜層を組合せることを特徴とする有機半導体素子の報告がある。
【特許文献1】
特開2002-008851号公報
【特許文献2】
特開2003-264085号公報
【非特許文献1】
C.W.Tang:Appl.Phys.Lett.,48(2),183(1986).
【非特許文献2】
安達:M&BE,14(4),205(2003).
【非特許文献3】
越後,中,岡田,女川:“スプレイ法による導電性高分子系有機EL素子”,平成14年春季第49回応用物理学関係連合講演会,27p-YL-16(2002).
【非特許文献4】
島田,中,岡田,女川:“集積化を目指したトップアブソープション型有機フォトダイオード”,平成16年春季第51回応用物理学関係連合講演会,31a-ZN-13(2004).
【非特許文献5】
Y.Matsushita,H.Shimada,T.Miyashita,M.Shibata,S.Naka,H.Okada and H.Onnagawa:“Organic Bi-Function Matrix Array”,Extended Abstract of Solid State Device and Materials,pp.168-169(2004).
【非特許文献6】
M.Chikamatsu,Y.Ichino,N.Takada,M.Yoshida,T.Kamata and K.Yase:Appl.Phys.Lett.81(2002)769.

産業上の利用分野



本発明は、多機能の有機ダイオードマトリクスパネルに係り、特に、有機EL、有機フォトダイオード、有機太陽電池の特性を示す、多機能有機ダイオードマトリクスパネルに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に形成される第一の電極と、該第一の電極上に形成され、発光と光導電の性質を兼ね備える有機薄膜と、該有機薄膜上に形成される第二の電極を有し、前記第一の電極と前記第二の電極との間の順バイアスで発光動作を、前記第一の電極と前記第二の電極との間の逆バイアスで光情報の検出を行う多機能有機ダイオードを用い、電圧線(133)には第二の蓄積容量(C2)と第三のトランジスタ(T3)と第四のトランジスタ(T4)と有機ダイオード(OD)と接地された陰極線(134)を直列に接続し、データ線(132)には第一のトランジスタ(T1)が接続され、前記第一のトランジスタ(T1)には第一の蓄積容量(C1)が接続され、前記第一の蓄積容量(C1)の前記第一のトランジスタ(T1)とは反対側の端子は前記第二の蓄積容量(C2)と前記第三のトランジスタ(T3)との間に接続され、さらに第二のトランジスタ(T2)のゲート電極に接続され、セレクト線(131)は前記第一のトランジスタ(T1)に接続され、第一のタイミング信号線(136)は前記第三のトランジスタ(T3)のゲート電極に接続され、第二のタイミング信号線(137)は前記第四のトランジスタ(T4)のゲート電極に接続され、電源/信号取出複合線(135)は、前記第二のトランジスタ(T2)と前記第四のトランジスタ(T4)と前記有機ダイオード(OD)と接地された前記陰極線(134)とに直列に接続されており、まず最初の選択期間にて、前記第三のトランジスタ(T3)を導通状態とし、前記第二のトランジスタ(T2)をダイオードとして前記第二のトランジスタ(T2)の閾値電圧を前記第二の蓄積容量(C2)により保持させながら前記第二のトランジスタ(T2)のゲート部に書き込み、前記第一のトランジスタ(T1)のゲート電極に選択信号を与えた期間にアナログ信号電圧を印加することで前記第一の蓄積容量(C1)を通じて容量カップリングにより信号電圧を前記第二のトランジスタ(T2)のゲート電圧に重畳し、前記第四のトランジスタ(T4)を選択し、順方向にバイアスされた前記有機ダイオード(OD)を発光させ、別の選択期間にて、前記第三のトランジスタ(T3)を導通状態とし、前記第二のトランジスタ(T2)をダイオードとし前記第二のトランジスタ(T2)の閾値電圧を前記第二の蓄積容量(C2)により保持させながら前記第二のトランジスタ(T2)のゲート部に書き込み、前記第一のトランジスタ(T1)のゲート電極に選択信号を与えた期間にアナログ信号電圧を印加することで前記第一の蓄積容量(C1)を通じて容量カップリングにより信号電圧を前記第二のトランジスタ(T2)のゲート電圧に重畳し導通状態とし、前記第四のトランジスタ(T4)を選択し、逆方向にバイアスされた前記有機ダイオード(OD)に、それに照射された光量に比例した電流を、前記第二のトランジスタ(T2)及び前記第四のトランジスタ(T4)を通じて流すことで、外部周辺回路を通じて信号検出を行うことを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項2】
基板上に形成される第一の電極と、該第一の電極上に形成され、発光と光導電の性質を兼ね備える有機薄膜と、該有機薄膜上に形成される第二の電極を有し、前記第一の電極と前記第二の電極との間の順バイアスで発光動作を、前記第一の電極と前記第二の電極との間の逆バイアスで光情報の検出を行う多機能有機ダイオードを用い、電源/信号取出複合線(144)には第四のトランジスタ(T4)と第三のトランジスタ(T3)と有機ダイオード(OD)と接地された陰極線(143)が直列接続され、データ線(142)には第二のトランジスタ(T2)が接続され、前記第二のトランジスタ(T2)の前記データ線(142)とは反対側の端子は前記第四のトランジスタ(T4)と前記第三のトランジスタ(T3)との間に接続され、前記データ線(142)には第一のトランジスタ(T1)が接続され、前記第一のトランジスタ(T1)の前記データ線(142)とは反対側の端子は前記第三のトランジスタ(T3)のゲート電極と第一の蓄積容量(C1)に接続され、前記第一の蓄積容量(C1)の前記第一のトランジスタ(T1)とは反対側の端子は前記第三のトランジスタ(T3)と前記有機ダイオード(OD)との間に接続され、第一のセレクト線(141)は前記第二のトランジスタ(T2)のゲート電極と前記第一のトランジスタ(T1)のゲート電極にそれぞれ接続され、第二のセレクト線(145)は前記第四のトランジスタ(T4)のゲート電極に接続されており、まず最初の選択期間にて、前記第一のトランジスタ(T1)及び前記第二のトランジスタ(T2)を導通状態とし、流れるアナログ電圧に応じた電圧を、前記第三のトランジスタ(T3)のゲート電圧と前記第一の蓄積容量(C1)に対して書き込み、第二の期間にて前記第四のトランジスタ(T4)を導通状態とし、先にバイアスされた前記第三のトランジスタ(T3)を通じ、順方向にバイアスされた前記有機ダイオード(OD)を発光させ、別の選択期間にて、前記第一のトランジスタ(T1)及び前記第二のトランジスタ(T2)を導通状態とし、流れるアナログ電流量に応じた電圧を、前記第三のトランジスタ(T3)のゲート電圧と前記第一の蓄積容量(C1)に対して書き込み、前記第四のトランジスタ(T4)を選択し、逆方向にバイアスされた前記有機ダイオード(OD)に、それに照射された光量に比例した電流を、前記第三のトランジスタ(T3)及び前記第四のトランジスタ(T4)を通じて流すことで、外部周辺回路を通じて信号検出を行うことを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項3】
基板上に形成される第一の電極と、該第一の電極上に形成され、発光と光導電の性質を兼ね備える有機薄膜と、該有機薄膜上に形成される第二の電極を有し、前記第一の電極と前記第二の電極との間の順バイアスで発光動作を、前記第一の電極と前記第二の電極との間の逆バイアスで光情報の検出を行う多機能有機ダイオードを用い、電源/信号取出複合線(155)は第二のトランジスタ(T2)と有機ダイオード(OD)と接地されている陰極線(154)に直列に接続され、データ線(152)は第一のトランジスタ(T1)と第三のトランジスタ(T3)に直列に接続され、セレクト線(151)は前記第一のトランジスタ(T1)のゲート電極と前記第三のトランジスタ(T3)のゲート電極にそれぞれ接続され、前記第三のトランジスタ(T3)には電源線(153)に接続される蓄積容量(C)が接続され、前記電源線(153)には第四のトランジスタ(T4)が接続され、前記第四のトランジスタ(T4)の前記電源線(153)とは反対側の端子は前記第一のトランジスタ(T1)と前記第三のトランジスタ(T3)との間に接続され、また、前記蓄積容量(C)の前記電源線(153)とは反対側の端子は前記第四のトランジスタ(T4)のゲート電圧と前記第二のトランジスタ(T2)のゲート電圧にそれぞれ接続されており、前記第一のトランジスタ(T1)と前記第三のトランジスタ(T3)を導通状態とする期間で、前記データ線(152)を通じて前記第四のトランジスタ(T4)のピンチオフ状態を用い、前記蓄積容量(C)に電流データを書き込み、前記第一のトランジスタ(T1)と前記第三のトランジスタ(T3)を非導通状態とし、先にバイアスされた前記第二のトランジスタ(T2)を通じて電流を流し、順方向にバイアスされた前記有機ダイオード(OD)を発光させ、別の選択期間にて、前記第一のトランジスタ(T1)と前記第三のトランジスタ(T3)を導通状態とし、前記データ線(152)を通じて第四のトランジスタ(T4)のピンチオフ状態を用い、前記蓄積容量(C)に電流を流し前記第二のトランジスタ(T2)と前記第四のトランジスタ(T4)を導通状態とし、前記第一のトランジスタ(T1)と前記第三のトランジスタ(T3)を非導通状態として、先にバイアスされた前記第二のトランジスタ(T2)を通じて電流を流し、逆方向にバイアスされた前記有機ダイオード(OD)から電流を検出することを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項4】
請求項1,2又は3記載の多機能有機ダイオードマトリクスパネルにおいて、前記有機薄膜の最大発光波長と最大光吸収波長の差が、発光半値幅の半分と光吸収半値幅の半分の和以上であることを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項5】
請求項1,2又は3記載の多機能有機ダイオードマトリクスパネルにおいて、前記有機薄膜が、発光の性質を備える第一の有機材料と光導電の性質を備える第二の有機材料を混合した有機薄膜であることを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項6】
請求項5記載の多機能有機ダイオードマトリクスパネルにおいて、前記第一の有機材料と前記第二の有機材料を混合した有機薄膜の最大発光波長と最大光吸収波長の差が、発光半値幅の半分と光吸収半値幅の半分の和以上であることを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項7】
請求項1,2又は3記載の多機能有機ダイオードマトリクスパネルにおいて、前記有機薄膜の可視光発光に対する吸収係数が、2.5×104 cm-1未満であり、かつ、前記有機薄膜の吸収光に対する最大吸収係数が2.5×104 cm-1以上であり、さらに、前記有機薄膜の膜厚が150nm以下であることを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項8】
請求項1,2又は3記載の多機能有機ダイオードマトリクスパネルにおいて、前記有機薄膜の可視光発光に対する吸収係数が、2.5×104 cm-1未満であり、または、前記有機薄膜の吸収光に対する最大吸収係数が2.5×104 cm-1以上であり、さらに、前記有機薄膜の膜厚が150nm以下であることを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。

【請求項9】
請求項1,2又は3記載の多機能有機ダイオードマトリクスパネルにおいて、前記有機薄膜の材料として、4-[2-[5-[4-(Diethylamino)phenyl]-4,5-dihydro-1-phenyl-1H-pyrazol-3-yl]-ethenyl]-N,N-diethylanilineを用いることを特徴とする多機能有機ダイオードマトリクスパネル。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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