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ミキシング装置及び方法並びにプログラム コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P110004103
整理番号 K077P04
掲載日 2011年7月6日
出願番号 特願2007-522295
登録番号 特許第4295798号
出願日 平成18年6月20日(2006.6.20)
登録日 平成21年4月17日(2009.4.17)
国際出願番号 JP2006312332
国際公開番号 WO2006137400
国際出願日 平成18年6月20日(2006.6.20)
国際公開日 平成18年12月28日(2006.12.28)
発明者
  • 浜中 雅俊
  • 池月 雄哉
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ミキシング装置及び方法並びにプログラム コモンズ 新技術説明会
発明の概要 複数の仮想の音源の位置を固定した状態で、受聴者が指定する音源の音量を簡単に上げたり下げたりすることができるミキシング装置を提供する。方位角度差検出手段24は、予め定めた基準方位角と、受聴者が操作ユニット7を用いて複数の仮想音源が存在する仮想音源空間内を指すことにより定まる指示方位角との間の方位角度差を検出する。ミキシング手段5は、方位角度差が0度のときには、複数の音響信号チャンネルから供給される複数の音響信号をそのままミキシングして出力する。またミキシング手段5は、方位角度差が0度以外のときには、基準方位角を基準にして複数の仮想音源の位置を固定した状態を作り、しかも指示方位角の方向に位置する1以上の仮想音源の音量が、方位角度差が0度のときの1以上の仮想音源の音量よりも大きくなるようにミキシングする。
従来技術、競合技術の概要


人間は2つの耳を使って、両耳間の音量差、両耳間の時間差、周波数特性の変化など複数の要素をもとに音源の位置を知る能力を持っている。通常、コンパクトディスクなどに録音されている音楽は、音楽用ミキサーで各音源(楽器など)の音量と定位(両耳の音量比率)を調節して、複数の音源がうまく分離し、聴きやすいようにミックスダウンされている。ミックスダウン後の音楽を再生した場合、複数の音源の音量と定位は固定されており、ユーザがある特定の音源の音量を大きくしたいと感じた場合でも、ユーザにより調整することはできなかった。たとえばクラッシック曲で、ユーザが全体の音量を変化させずに第一バイオリンの音量を上げたいと感じた場合でも、その実現は困難であった。



ユーザが、音楽用ミキサーを手動で操作しながら音楽を聴くことができれば、対象とする音源の、音量および定位を変更することは可能であったが、実際には音楽用ミキサーの操作は複雑でアマチュアのユーザが直感的に操作することは困難であった。ちなみに特許第3633459号公報[特許文献1]に示されるようなミキシング録音再生装置は、操作が難しく、一般のユーザ(受聴者)が、自分の聞きたいパートの音量を上げたり、自分の聞きたくないパートの音量を下げることを演奏を聞きながら簡単に行うことができない。



たとえば、バイオリンのソロが始まった瞬間に、バイオリンの音量を上げ、定位を中央にもってきて(左右の比率を1:1にして)、さらにその他の楽器の音量を少し下げてその定位を調節するなど、一連の動作を瞬時に行うことは困難である。



また特開2000-69600号公報[特許文献2]に示された音楽的臨場感形成装置の制御方法では、音源を空間上に配置し、音源や聴取者の位置を変更できる。しかしながらこの技術では、音量をコントロールするために音源若しくは聴取者の位置を変化させる必要があり、一般のユーザ(受聴者)が自分の聴きたいパートを近くに配置して音量を上げたり、自分の聴きたくないパートを遠くに配置して音量を下げたりする操作を、演奏を聴きながら行うことが困難である。



また従来、ヘッドフォンにジャイロセンサ(加速度センサ)を搭載した製品もあったが、それらは、頭の傾きに合わせて音の方向を微調整することにより、頭を振ることによる音場の乱れ(頭をある方向に動かすと、音源も同じ方向に動いたように感じること)を防ぐことが目的であり、センサから得られる情報を用いて各音源の音量、定位を変更しミキシングを行う本発明とは本質的に異なる。例えば、特開平2-35900号公報[特許文献3]等には振動ジャイロを受聴者が装着するヘッドフォンに装着して、受聴者の頭部の回転を検出し、検出した回転に伴って左右の音量を調整することにより、受聴者の頭部が回転しても音源が空間の一点に固定されるようにして、臨場感を増大させる技術が示されている。また特開平8-9490号公報[特許文献4]等にはヘッドフォン本体に取りつけたマイクロフォンにより頭部の回転角度を検出する技術が開示されている。さらに特開平9-205700号公報[特許文献5]等にはヘッドフォンの頭の向きを検出するセンサをヘッドフォンに搭載する技術が開示されている。さらに特開平8-237790号公報[特許文献6]には、頭部の回転だけでなく、受聴者の向きや位置の情報を合わせて検出する技術が開示されている。



その他、左右の増幅率を独立に調節することの可能がアンプや、中央に定位する音を消す装置(ボーカルキャンセルマシン)では、ミックスダウン後の音楽の音量、定位を部分的に変更することはできても、ある特定の音源の音量、定位を自由に調節するという目的に使用することは困難であった。
【特許文献1】
特許第3633459号公報
【特許文献2】
特開2000-69600号公報
【特許文献3】
特開平2-35900号公報
【特許文献4】
特開平8-9490号公報
【特許文献5】
特開平9-205700号公報
【特許文献6】
特開平8-237790号公報

産業上の利用分野


本発明は、音楽のミキシング技術に関し、特に受聴者がミキシングを変更することを可能にするミキシング装置及び方法並びにプログラムに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
受聴者の周囲に複数の仮想音源を作り出す音響再生装置に対して、前記複数の仮想音源に対応する複数の音響信号チャンネルから供給される複数の音響信号をミキシングして出力するミキシング手段を有するミキシング装置であって、
前記受聴者が頭に装着するヘッドフォンをユニット本体として構成されて前記受聴者により操作されて、前記複数の仮想音源が存在する仮想音源空間を指示する操作ユニットと、
前記操作ユニットに設けられて、予め定めた基準方位角と前記受聴者が前記操作ユニットを用いて前記複数の仮想音源が存在する仮想音源空間内を指すことにより定まる指示方位角との間の方位角度差を検出する方位角度差検出手段と、
前記指示方位角を中心にして所定の方位角度範囲を設定する角度範囲設定手段と、
前記基準方位角を定めるときの前記操作ユニットの仰角を基準仰角として、前記基準仰角と前記操作ユニットの仰角との差を仰角角度差として検出し、前記基準方位角を定めたときの姿勢から前記操作ユニットを上方に向けたときに現れる仰角角度差を正の仰角角度差とし且つ前記操作ユニットを下方に向けたときに現れる仰角角度差を負の仰角角度差として出力する仰角角度差検出手段とを具備し、
前記ヘッドフォンに前記方位角度差検出手段に用いられる方位角度検出センサと、前記仰角角度差検出手段に用いられる仰角角度検出センサと、前記角度範囲選定手段の操作部とが少なくとも実装されており、
前記角度範囲設定手段は、前記ヘッドフォンに設けた前記操作部としての絞り込みスイッチが絞り込み方向に操作されると、前記方位角度範囲を小さくし、前記絞り込みスイッチが開放方向に操作されると、前記方位角度範囲を大きくするように構成され、
前記複数の仮想音源に対応する複数の音響信号チャンネルから供給される複数の音響信号をミキシングして前記音響再生装置に出力する前記ミキシング手段は、
前記方位角度差が0度のときには、前記複数の音響信号チャンネルから供給される前記複数の音響信号をそのままミキシングして出力し、
前記方位角度差が0度以外のときには、前記基準方位角を基準にして前記複数の仮想音源の位置を固定した状態を作り、且つ前記指示方位角の方向に位置する1以上の前記仮想音源の音量が、前記方位角度差が0度のときの前記1以上の仮想音源の音量よりも大きくなるように、前記複数の音響信号チャンネルから供給される前記複数の音響信号の音量調整と位相調整とを行ってミキシングした後出力し、
前記方位角度範囲が設定されると、前記方位角度範囲内にある1以上の前記仮想音源の音量を、前記方位角度差が0度のときの前記1以上の仮想音源の音量よりも大きくし、しかも前記方位角度範囲外の他の前記仮想音源の音量を、前記方位角度範囲内にある前記1以上の仮想音源の音量よりも小さくするように、前記複数の音響信号チャンネルから供給される前記複数の音響信号の音量調整を行い、
前記仰角角度差検出手段が前記正の仰角角度差を出力しているときには、前記指示方位角の方向に並ぶ複数の前記仮想音源の音量を、前記仰角角度差に比例して大きくし、前記仰角角度差検出手段が前記負の仰角角度差を出力しているときには、前記指示方位角の方向に並ぶ複数の前記仮想音源の音量を、前記仰角角度差に比例して小さくするように、前記指示方位角の方向に並ぶ複数の前記仮想音源に対応する前記複数の音響信号チャンネルの前記複数の音響信号の音量調整を行うように構成されているミキシング装置。

【請求項2】
前記ミキシング手段は、前記方位角度範囲が設定されると、前記指示方位角と前記複数の仮想音源の方位角との方位角度差を求め、前記方位角度差から前記方位角度範囲内にある1以上の前記仮想音源に対応する1以上の前記音響信号チャンネルを選択するチャンネル選択手段と、
前記チャンネル選択手段により選択された前記1以上の音響信号チャンネルの前記1以上の音響信号の音量を選択されていない他の音響信号チャンネルの前記音響信号の音量よりも大きくするように、前記複数の音響信号チャンネルから供給される前記複数の音響信号の音量調整を行うミキシング部とからなることを特徴とする請求項1に記載のミキシング装置。

【請求項3】
前記絞り込みスイッチは、前記ヘッドフォンの左右のスピーカの少なくとも一方の外側に装着され、前記受聴者の手を前記スピーカに近づける動きをすることにより前記絞り込み方向への操作が行われ、前記受聴者の手を前記スピーカから離すことにより自動的に前記開放方向への操作が行われる構造を有している請求項1に記載のミキシング装置。

【請求項4】
前記方位角度検出センサ及び前記仰角角度検出センサが、電子コンパスによって構成されている請求項1に記載のミキシング装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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