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形状記憶性及び超弾性を有する鉄系合金及びその製造方法 コモンズ

国内特許コード P110004135
整理番号 A282P18
掲載日 2011年7月7日
出願番号 特願2007-544117
登録番号 特許第5065904号
出願日 平成18年11月2日(2006.11.2)
登録日 平成24年8月17日(2012.8.17)
国際出願番号 JP2006321996
国際公開番号 WO2007055155
国際出願日 平成18年11月2日(2006.11.2)
国際公開日 平成19年5月18日(2007.5.18)
優先権データ
  • 特願2005-325393 (2005.11.9) JP
発明者
  • 石田 清仁
  • 貝沼 亮介
  • 須藤 祐司
  • 田中 優樹
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 形状記憶性及び超弾性を有する鉄系合金及びその製造方法 コモンズ
発明の概要 25~35質量%のNi、13~25質量%のCo、及び2~8質量%のAlを含有し、さらに1~5質量%のTi、2~10質量%のNb、及び3~20質量%のTaからなる群から選ばれた少なくとも一種を合計で1~20質量%含有し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、実質的にγ相及びγ’相からなり、前記γ相の特定結晶方位が揃った再結晶集合組織を有し、マルテンサイト変態及び逆変態の熱ヒステリシスにおける逆変態終了温度とマルテンサイト変態開始温度との差が100℃以下であることを特徴とする形状記憶性及び超弾性を有する鉄系合金。
従来技術、競合技術の概要


一方向又は二方向の形状記憶性及び超弾性(擬弾性)を有する合金(形状記憶合金)としては、Ni-Ti基合金、Cu-Zn-Al基合金、Fe-Mn-Si基合金等が実用化されているが、最も量産化されているのは形状記憶性、機械的強度等の特性に優れたNi-Ti基合金である。しかし、Ni-Ti基合金は冷間加工性に劣り、材料コストも高いという等の欠点がある。Cu-Zn-Al基合金は耐食性に劣り、加工コストがかかるという欠点を有する。



これらの非鉄系形状記憶合金に対して、鉄系形状記憶合金は材料コストが低く、加工性に富むので、種々の用途に利用するのが期待されている。しかしながら、今までに開発された鉄系形状記憶合金は超弾性が非鉄系形状記憶合金より著しく劣り、超弾性を利用する応用に適さなかった。



従来の鉄系合金が良好な超弾性を有さないのは、変形により転位等の永久歪みが導入され、形状記憶性を示さない不可逆的なレンズ状マルテンサイトの応力誘起が起こるためであると考えられる。これらの問題を解決するには、鉄系形状記憶合金の母相強度の向上、特に金属間化合物による析出強化が有効であると考えられた。この観点から、Fe-Ni-Co-Al-C合金(特開平03-257141号)、Fe-Ni-Al系合金(特開2003-268501号)、及びFe-Ni-Si系合金(特開2000-17395号)等が提案された。しかしこれらの鉄系形状記憶合金でも、超弾性の回復可能な歪み量及び回復率、超弾性作動温度等は必ずしも十分ではなかった。



「Scripta Materialia」 Vol. 46, pp. 471-475は、高価なPdを多量に含有し、良好な超弾性を示すFe-Pd合金を提案しているが、この合金の超弾性の回復可能な歪み量は1%以下と小さい。



特開平09-176729号は、fcc/hcp変態を利用することにより形状記憶性及び超弾性を示すFe-Mn-Si基合金を開示している。しかしこのFe-Mn-Si基合金が超弾性を示す温度は室温より高いので、これを室温で使用することができない。また耐食性及び冷間加工性が悪く、さらに超弾性を得るために複雑な加工及び熱処理が必要であり、製造コストが高い。



米国特許5,173,131号は、9~13重量%のCr、15~25重量%のMn、及び3~6重量%のSiを含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成[1.43 (% Si) + 1 (% Cr)≦17を満足する]を有する鉄系形状記憶合金を開示している。この鉄系形状記憶合金では、DSCで測定したマルテンサイト変態温度(Ms点)とその逆変態温度(Af点)との差は110℃である。しかしこの鉄系形状記憶合金の超弾性の回復可能な歪み量及び回復率は必ずしも十分ではない。

産業上の利用分野


本発明は実用温度域で優れた形状記憶性及び超弾性を有するとともに、加工性、耐食性及び磁気特性が良好な鉄系合金に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
形状記憶性及び超弾性を有する鉄系合金において、25~35質量%のNi、13~25質量%のCo、及び2~8質量%のAlを含有し、さらに1~5質量%のTi、2~10質量%のNb、及び3~20質量%のTaからなる群から選ばれた少なくとも一種を合計で1~20質量%含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、γ相及びγ’相からなり、冷間加工方向における前記γ相の<100>又は<110>方向の存在頻度(電子背面散乱パターン法により測定)が2以上である再結晶集合組織を有し、前記γ相の結晶粒界の20%以上が、方位差が15°以下の小角粒界であり、マルテンサイト変態及び逆変態の熱ヒステリシスにおける逆変態終了温度とマルテンサイト変態開始温度との差が100℃以下であることを特徴とする鉄系合金。

【請求項2】
請求項1に記載の鉄系合金において、Ni含有量が26~30質量%であることを特徴とする鉄系合金。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の鉄系合金において、Al含有量が4~6質量%であることを特徴とする鉄系合金。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の鉄系合金において、さらにBを合計で0.001~1質量%含有することを特徴とする鉄系合金。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の鉄系合金において、さらにWを合計で0.001~10質量%含有することを特徴とする鉄系合金。

【請求項6】
形状記憶性及び超弾性を有し、25~35質量%のNi、13~25質量%のCo、及び2~8質量%のAlを含有し、さらに1~5質量%のTi、2~10質量%のNb、及び3~20質量%のTaからなる群から選ばれた少なくとも一種を合計で1~20質量%含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる組成を有し、γ相及びγ’相からなり、冷間加工方向における前記γ相の<100>又は<110>方向の存在頻度(電子背面散乱パターン法により測定)が2以上である再結晶集合組織を有し、マルテンサイト変態及び逆変態の熱ヒステリシスにおける逆変態終了温度とマルテンサイト変態開始温度との差が100℃以下である鉄系合金を製造する方法であって、焼鈍を介して冷間加工を複数回行い、その際冷間加工方向における前記存在頻度が2以上になるように、最終焼鈍後の冷間加工の合計加工率を50%以上に設定し、前記冷間加工後に800℃以上の温度で溶体化処理し、さらに200℃以上800℃未満の温度で時効処理を行うことを特徴とする鉄系合金の製造方法。

【請求項7】
請求項6に記載の鉄系合金の製造方法において、Ni含有量が26~30質量%であることを特徴とする鉄系合金の製造方法。

【請求項8】
請求項6又は7に記載の鉄系合金の製造方法において、Al含有量が4~6質量%であることを特徴とする鉄系合金の製造方法。

【請求項9】
請求項6~8のいずれかに記載の鉄系合金の製造方法において、さらにBを合計で0.001~1質量%含有することを特徴とする鉄系合金の製造方法。

【請求項10】
請求項6~9のいずれかに記載の鉄系合金の製造方法において、さらにWを合計で0.001~10質量%含有することを特徴とする鉄系合金の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007544117thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST シミュレーション技術の革新と実用化基盤の構築(CRESTプログラム、さきがけプログラムの混合型領域) 領域
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