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非天然アミノ酸をタンパク質に導入するためのtRNA変異体 実績あり

国内特許コード P110004136
整理番号 K017P23
掲載日 2011年7月7日
出願番号 特願2007-544247
登録番号 特許第4917044号
出願日 平成18年11月14日(2006.11.14)
登録日 平成24年2月3日(2012.2.3)
国際出願番号 JP2006323064
国際公開番号 WO2007055429
国際出願日 平成18年11月14日(2006.11.14)
国際公開日 平成19年5月18日(2007.5.18)
優先権データ
  • 特願2005-329115 (2005.11.14) JP
発明者
  • 芳坂 貴弘
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 非天然アミノ酸をタンパク質に導入するためのtRNA変異体 実績あり
発明の概要 アンチコドンにCUA又はCCCGを持ち非天然アミノ酸でアミノアシル化されたtRNAであって、終結因子と競合することなく、非天然アミノ酸を高効率でタンパク質に導入することができるtRNAの提供を目的とする、5’末端がGであり、該5’末端のGに対合する塩基がCであり、該Cの3’側に隣接する塩基がAであるトリプトファン用tRNA変異体であって、アンチコドンとしてCUAを有し終止コドンに対合するtRNA変異体または3’末端のCCA配列の直前に1個の塩基が挿入された、アンチコドンとしてCUAまたはCCCGを有し終止コドンまたは4塩基コドンに対合するtRNA変異体。
従来技術、競合技術の概要


機能性基を蛋白質表面に導入する場合、一般に用いられるのが蛋白質の特定残基への化学修飾である。この化学修飾は簡単であり、一度に多数の特定の残基を修飾できるというメリットがある反面、修飾部位および/または修飾数の制御の再現性という点では優れた結果が得られ難いという課題もある。近年の遺伝子工学の発展により、蛋白質中のアミノ酸残基の置換が可能となり、蛋白質合成系を改変することで、アミノ骨格を有する所望の非天然型アミノ酸を蛋白質中に導入することが可能となり、機能性基を担持する蛋白質を再現性よく合成することが可能となった。
蛋白質合成においてアミノ酸はまずtRNAの3’末端に結合し、次に蛋白質合成の場であるリボソームへ運ばれる。リボソームではコドンからアミノ酸への翻訳が行われる。非天然型アミノ酸を結合させたtRNAを用いることによって非天然型アミノ酸を蛋白質に組み込むことができる。
非天然アミノ酸をタンパク質へ導入する方法として、導入したい部位のコドンを終止コドンUAGに置換しておき、アンチコドンにCUAを持ち非天然アミノ酸でアミノアシル化されたtRNA存在下で翻訳する方法がある(非特許文献1から4参照)。これら方法において、tRNAとして酵母フェニルアラニン用tRNA(非特許文献1および2参照)、大腸菌アスパラギン用tRNA、デトラヒメナグルタミン用tRNA(非特許文献3参照)、大腸菌グリシン用tRNA(非特許文献4参照)などが用いられていた。
しかし、アンチコドンにCUAを持ち非天然アミノ酸でアミノアシル化されたtRNAは、UAGを翻訳する際に終結因子と競合するため、非天然アミノ酸の導入の効率は高くなかった。
【非特許文献1】
Science,244,p.182.1989
【非特許文献2】
Nucleic Acids Res.,18,83-88,1989
【非特許文献3】
Chem.Biol.,3,1033-1038,1996
【非特許文献4】
J.Am.Chem.Soc.,111,p.8013,1989

産業上の利用分野


本発明は、標識アミノ酸等の非天然アミノ酸をタンパク質に導入するためのtRNAに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
大腸菌、マイコプラズマ・カプリコラム(Mycoplasma capricolum)、バシルス・ハロドランス(Bacillus halodurans)、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ボレリア・バーグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・プネウモニア1(Mycoplasma pneumoniae 1)、マイコプラズマ・プネウモニア2(Mycoplasma pneumoniae 2)およびスタフィロコッカス・アウレウスN315(Staphylococcus aureus N315)からなる群から選択される微生物由来のトリプトファン用tRNAの塩基を改変させた、アンチコドンとしてCUAを有しUAGコドンに対合するtRNA変異体であって、塩基の改変が、5’末端がGであり、該5’末端のGに対合する3'末端から5番目の塩基がCであり、該Cの3’側に隣接する、3'末端から4番目の塩基がAであるようにする改変である、UAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項2】
配列番号1、配列番号2、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号18、配列番号19、配列番号20及び配列番号25に表される塩基配列からなる群から選択される塩基配列からなる、請求項1記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項3】
イコプラズマ・カプリコラム(Mycoplasma capricolum)由来のtRNAである請求項記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項4】
配列番号1で表される塩基配列からなるマイコプラズマ・カプリコラム(Mycoplasma capricolum)由来のtRNA変異体である、請求項記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項5】
3’末端から1~3番目ACC配列の5’側に隣接する、3'末端から4番目の位置にA、C、GまたはUのいずれかの1個の塩基が挿入された請求項1~のいずれか1項に記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項6】
アミノ酸でアミノアシル化された請求項1~のいずれか1項に記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項7】
アミノ酸が非天然アミノ酸、修飾化アミノ酸またはそれらの誘導体である、請求項記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項8】
アミノ酸の誘導体がヒドロキシ酸、メルカプト酸およびカルボン酸からなる群から選択される請求項記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項9】
アミノ酸が蛍光標識されたものである請求項のいずれか1項に記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体。

【請求項10】
タンパク質に所望のアミノ酸を導入する方法であって、アミノ酸を導入しようとするタンパク質のmRNAであって導入しようとするアミノ酸の導入位置に対応するコドンがUAGコドンであるmRNAおよび請求項1~のいずれか1項に記載のUAGコドンに対合するtRNA変異体を用い、UAGコドンに該tRNA変異体を割り当てることによりタンパク質にアミノ酸を導入する方法。

【請求項11】
蛍光共鳴エネルギー移動のエネルギー供与体となる蛍光物質で標識した蛍光標識アミノ酸およびエネルギー受容体となる蛍光物質で標識した蛍光標識アミノ酸を含むタンパク質であって、該タンパク質と結合し得る分子と結合したときに立体構造が変化しエネルギー供与体蛍光物質とエネルギー受容体蛍光物質の距離および配向が変化するような位置に2種類の蛍光標識アミノ酸が存在し蛍光共鳴エネルギー移動の効率が変化し得るタンパク質の製造方法であって、
1つの4塩基コドンおよび1つのUAGコドンが挿入されたタンパク質のmRNAを調製する工程であって、4塩基コドンおよびUAGコドンを挿入する位置が前記タンパク質が他の分子と相互作用したときに蛍光共鳴エネルギー移動の効率が変化するように距離および配向が変化し得るタンパク質上の位置に対応するmRNAの位置である工程、
蛍光共鳴エネルギー移動を起こし得る2種類の蛍光物質でそれぞれ標識した2種類のアミノ酸であって、前記4塩基コドンに対するアンチコドンを有するtRNAが結合したアミノ酸と請求項1~のいずれか1項に記載のtRNA変異体が結合したアミノ酸を調製する工程、ならびに
前記mRNAおよびアミノ酸結合tRNAを用いてタンパク質を合成する工程とを含む製造方法。

【請求項12】
無細胞翻訳系でタンパク質を合成する請求項10に記載の方法。

【請求項13】
無細胞翻訳系でタンパク質を合成する請求項11に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 生体分子の形と機能 領域
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