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ポリアセン誘導体及びその製造方法 コモンズ 実績あり

国内特許コード P110004160
整理番号 A122P80-2
掲載日 2011年7月7日
出願番号 特願2008-008005
公開番号 特開2008-163031
登録番号 特許第4768760号
出願日 平成20年1月17日(2008.1.17)
公開日 平成20年7月17日(2008.7.17)
登録日 平成23年6月24日(2011.6.24)
優先権データ
  • PCT/JP00/05768 (2000.8.25) WO
  • 特願2000-054666 (2000.2.29) JP
発明者
  • 高橋 保
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 ポリアセン誘導体及びその製造方法 コモンズ 実績あり
発明の概要

【課題】下記式(I)で示されるポリアセン誘導体、及び、ポリヒドロ体からの前記ポリアセン誘導体の製造方法、前記ポリアセン誘導体を含む導電材料を提供する。

(式中、R1~R10等は、水素原子;炭化水素基;アルコキシ基;であり、A1及びA2は、水素原子;ハロゲン原子;炭化水素基;アルコキシ基;シアノ基等であり、nは、1以上の整数である。R6及びR7は、環を形成してもよい。)
【解決手段】ポリアセンの任意の炭素原子に任意の置換基を導入し、縮合している芳香族環の数を増大させる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


有機導電材料としてポリアセチレン、ポリピロール、ポリアリレンビニレン、ポリチエニレンビニレンなどの共役系高分子に電子供与性分子または電子受容性分子をドーピングすることによって導電材料が得られることが知られている。またテトラチアフルバレン、ビスエチレンジチオテトラチアフルバレンなどの電子供与性分子とテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレンなどの電子受容性分子の組合せによる電荷移動錯体が導電性を示すことも知られている。これらの有機導電材料中には高い電導度を有するものもあるが薄膜を形成することが難しく、また、これらの導電材料は大気中で酸化しやすいため安定性に問題があった。



また、アントラセン、ナフタセン、ペンタセン等のポリアセンのような縮合多環芳香族化合物も共役系高分子であるため、電子供与性分子または電子受容性分子をドーピングすることによって導電性を示すことが知られており、電子材料として用いることが期待されている。また、ポリアセンは、縮合しているベンゼン環の数が増加するにつれて、理論的には、HOMOとLUMOのバンドギャップが減少するので、導電性が増大することが期待される。従って、ドーパントの濃度が小さくても、十分な導電性を示す可能性がある。



しかし、ポリアセンのような縮合多環芳香族化合物は、置換基が導入されていない場合、溶解度が非常に悪く、ほとんど不溶である。このため、このような縮合多環芳香族化合物を使用する合成方法も限られており、また、その加工は極めて困難であった。このため、縮合多環芳香族化合物の側鎖に、置換基を導入することにより溶解度を飛躍的に改善し、しかも合成や加工が容易になるポリアセンを得ることが望まれていた。特に、縮合しているベンゼン環の数を置換基を導入しながら順次、増加する合成方法は知られていなかった。



従来、アントラセン、ナフタセン、ペンタセン等のポリアセンの任意の位置に任意の置換基を導入する手法としては、Diels-Alder反応に限られていた。
たとえば、Harold Hart et. al, 「デカメチルアントラセン及びその9,10-デワール異性体」(Decamethylanthracene and its 10-'Dewar' Isomer)、テトラヒドロン・レター、No. 36, pp 3143-3146には、デカメチルアントラセンの製造方法が記載されている。この製造方法では、Diels-Alder反応を応用してメチル基をアントラセンに導入していた。同様に、Tetrahedron Vol. 43, No. 22,5403ページから5214ページにもDiels-Alder反応を応用してメチル基等をポリアセンに導入していた。



Diels-Alder反応では、側鎖に導入することができる置換基が限られていた。また、側鎖に導入することができる炭素原子についても自由度が限られていた。更に、Diels-Alder反応では、縮合しているベンゼン環の数を順次、増加することはできない。Diels-Alder反応では、ターゲットとなる化合物の個別の構造を考慮して、個々に合成スキームを検討することが求められる。



また、特開平4-335087号公報、特開平6-167807号公報、特開平6-330032号公報、特開平10-36832号公報には、置換基を有するナフタセンが開示されており、特開平11-354277号公報には、置換基を有するペンタセンが開示されている。しかしながら、これらはいずれも古典的な合成方法に基づいて合成されており、導入できる置換基や導入できる部位が限られていた。また、縮合しているベンゼン環の数を置換基を導入しながら順次、増加する合成方法についての開示はなかった。

産業上の利用分野


本発明は、ポリアセン誘導体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(Ia)で示されることを特徴とするポリアセン誘導体。
【化学式1】


(式中、R1、R2、R45b、R6、R7、R8b及びR9は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C40アルキル基であり、
3、R5a、R8a及びR10は、水素原子であり、
1及びA2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC2~C40アルコキシカルボニル基であ。)

【請求項2】
下記式(Ia)で示されることを特徴とするポリアセン誘導体。
【化学式2】


(式中、R1、R2、R45b、R6、R7、R8b及びR9は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C40アルキル基であり、
3、R5a、R8a及びR10は、水素原子であり、
1及びA2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C40アルキル基である。)

【請求項3】
下記式(Ia)で示されることを特徴とするポリアセン誘導体。
【化学式3】


(式中、R1、R2、R45b、R6、R7、R8b及びR9は、水素原子であり、
3、R5a、R8a及びR10は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、置換基を有していてもよいC1~C40アルキル基であり、
1及びA2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子である。)

【請求項4】
請求項1に記載されるポリアセン誘導体の製造方法であって、
下記式(IIa)で示される炭化水素縮合環を
【化学式4】


(式中、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、R7、R8a、R8b、R9、R10、A1及びA2は、請求項1における式(Ia)と同じ意味を有する。
下記式に示される結合は、単結合又は2重結合を示す。
【化学式5】


但し、単結合の場合には、R5a、R5b、R6、R7、R8a及びR8bに直接結合している炭素原子には、更に水素原子が直接結合している。)
アルキルリチウムとハロゲン化アルキルとの組合せから選ばれる脱水素試薬の存在下、芳香族化することを特徴とするポリアセン誘導体の製造方法。

【請求項5】
請求項に記載されるポリアセン誘導体の製造方法であって、
下記式(IIa)で示される炭化水素縮合環を
【化学式6】


(式中、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、R7、R8a、R8b、R9、R10、A1及びA2は、請求項2における式(Ia)と同じ意味を有する。
下記式に示される結合は、単結合又は2重結合を示す。
【化学式7】


但し、単結合の場合には、R5a、R5b、R6、R7、R8a及びR8bに直接結合している炭素原子には、更に水素原子が直接結合している。)
アルキルリチウムとハロゲン化アルキルとの組合せから選ばれる脱水素試薬の存在下、芳香族化することを特徴とするポリアセン誘導体の製造方法。

【請求項6】
請求項に記載されるポリアセン誘導体の製造方法であって、
下記式(IIa)で示される炭化水素縮合環を
【化学式8】


(式中、R1、R2、R3、R4、R5a、R5b、R6、R7、R8a、R8b、R9、R10、A1及びA2は、請求項3における式(Ia)と同じ意味を有する。
下記式に示される結合は、単結合又は2重結合を示す。
【化学式9】


但し、単結合の場合には、R5a、R5b、R6、R7、R8a及びR8bに直接結合している炭素原子には、更に水素原子が直接結合している。)
アルキルリチウムとハロゲン化アルキルとの組合せから選ばれる脱水素試薬の存在下、芳香族化することを特徴とするポリアセン誘導体の製造方法。

【請求項7】
請求項1~の何れかに記載のポリアセン誘導体を含む導電材料。

【請求項8】
請求項1~の何れかに記載のポリアセン誘導体と、その他の合成有機ポリマーとを含有する樹脂組成物。
産業区分
  • 有機化合物
  • 高分子化合物
  • 導電材料(抵抗)
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 分子複合系の構築と機能 領域
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