TOP > 国内特許検索 > マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物

マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物 実績あり

国内特許コード P110004163
整理番号 A031P65-2
掲載日 2011年7月7日
出願番号 特願2008-038054
公開番号 特開2008-173129
登録番号 特許第4236692号
出願日 平成20年2月19日(2008.2.19)
公開日 平成20年7月31日(2008.7.31)
登録日 平成20年12月26日(2008.12.26)
発明者
  • 審良 静男
  • 竹内 理
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物 実績あり
発明の概要 【課題】マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物や、これらを用いたマイコプラズマ由来リポタンパクに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】TLR6等のマイコプラズマ由来リポタンパクを特異的に認識するタンパク質をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損したモデル非ヒト動物、例えばTLR6ノックアウトマウスを作製する。このマイコプラズマ由来リポタンパク不応答性モデル非ヒト動物あるいは該モデル非ヒト動物に由来するマクロファージ等の免疫細胞と、被検物質と、マイコプラズマ由来リポタンパクとを用いて、前記モデル非ヒト動物あるいは免疫細胞におけるマイコプラズマ由来リポタンパクに対する応答を測定・評価し、それに対する応答の抑制物質又は促進物質をスクリーニングする。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


トール(Toll)遺伝子は、ショウジョウバエの胚発生中の背腹軸の決定(非特許文献1及び2参照)、また成体における抗真菌性免疫応答に必要であることが知られている(非特許文献3参照)。かかるTollは、細胞外領域にロイシンリッチリピート(LRR)を有するI型膜貫通受容体であり、この細胞質内領域は、哺乳類インターロイキン-1受容体(IL-1R)の細胞質内領域と相同性が高いことが明らかとなっている(非特許文献4、5、及び6参照)。



近年、Toll様受容体(TLR)と呼ばれるTollの哺乳類のホモログが同定され、TLR2やTLR4など現在までに6つのファミリーが報告されている(非特許文献7、8、9、及び10参照)。このTLRファミリーは、上記IL-1Rと同様にアダプタータンパク質であるMyD88を介し、IL-1R結合キナーゼ(IRAK)をリクルートし、TRAF6を活性化し、下流のNF-κBを活性化することが知られている(非特許文献11、12、及び13参照)。また、哺乳類におけるTLRファミリーの役割は、細菌の共通構造を認識するパターン認識受容体(PRR:pattern recognition receptor)として、先天的な免疫認識に関わっているとも考えられている(非特許文献14参照)。



上記PRRにより認識される病原体会合分子パターン(PAMP:pathogen-associated molecular pattern)の一つは、グラム陰性菌の外膜の主成分であるリポ多糖(LPS)であって(非特許文献14参照)、かかるLPSが宿主細胞を刺激して宿主細胞にTNFα、IL-1及びIL-6等の各種炎症性サイトカインを産生させること(非特許文献15及び16参照)や、LPS結合タンパク質(LBP:LPS-binding protein)により捕獲されたLPSが細胞表面上のCD14に引き渡されることが知られている(非特許文献16及び17参照)。本発明者らは、TLR4のノックアウトマウスを作製し、TLR4ノックアウトウスが上記グラム陰性菌の外膜の主成分であるLPSに不応答性であること(非特許文献18参照)や、TLR2ノックアウトマウスを作製し、TLR2ノックアウトマウスのマクロファージがグラム陽性菌細胞壁やその構成成分であるペプチドグリカンに対する反応性が低下すること(非特許文献19参照)を報告している。



他方、マイコプラズマは自己増殖可能な最小の微生物で生物学的には細菌に分類されるが、他の細菌と異なり細胞壁を欠くため多形態性を示し、ペニシリン、セフェム等の細胞壁合成阻害剤には感受性を示さない。ヒトからよく分離されるマイコプラズマは7種あるが、このうち病原性が明らかなのはマイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)のみであり上気道炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症を起こすことが知られている。最近、本発明者らは、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドなどの細菌菌体成分が、TLR2及びMyD88シグナル伝達経路を介して生体反応を引き起こしていることを明らかにしている(非特許文献20参照)が、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するタンパク質は知られておらず、そのためマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドが免疫細胞を活性化する分子メカニズムはよくわかっていなかった。



【非特許文献1】
Cell 52, 269-279, 1988
【非特許文献2】
Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 12, 393-416, 1996
【非特許文献3】
Cell 86, 973-983, 1996
【非特許文献4】
Nature 351, 355-356, 1991
【非特許文献5】
Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 12, 393-416, 1996
【非特許文献6】
J. Leukoc. Biol. 63, 650-657, 1998
【非特許文献7】
Nature 388, 394-397, 1997
【非特許文献8】
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 588-593, 1998
【非特許文献9】
Blood 91, 4020-4027, 1998
【非特許文献10】
Gene 231, 59-65, 1999
【非特許文献11】
J. Exp. Med. 187, 2097-2101, 1998
【非特許文献12】
Mol. Cell 2, 253-258, 1998
【非特許文献13】
Immunity 11, 115-122, 1999
【非特許文献14】
Cell 91, 295-298, 1997
【非特許文献15】
Adv. Immunol. 28, 293-450, 1979
【非特許文献16】
Annu. Rev. Immunol. 13, 437-457, 1995
【非特許文献17】
Science 249, 1431-1433, 1990
【非特許文献18】
J. Immunol. 162, 3749-3752, 1999
【非特許文献19】
Immunity 11, 443-451, 1999
【非特許文献20】
J. Immunol. 164, 554-557, 2000

産業上の利用分野


本発明は、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドを特異的に認識するTLR6等のタンパク質をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損した、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル非ヒト動物や、またこれらモデル非ヒト動物を用いたマイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する応答の抑制物質又は促進物質のスクリーニング方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
TLR6をコードする遺伝子機能が染色体上で欠損し、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチドに対する反応性を特異的に欠如した非ヒト哺乳動物を、マイコプラズマ由来リポタンパク/リポペプチド不応答性モデル動物として使用する方法。

【請求項2】
非ヒト哺乳動物が齧歯目動物であることを特徴とする請求項1記載の使用する方法。

【請求項3】
齧歯目動物がマウスであることを特徴とする請求項2記載の使用する方法。

【請求項4】
マウスが、マウス遺伝子ライブラリーからマウスESTクローン由来のプローブを用いてスクリーニングすることにより得られたTLR6遺伝子の細胞内領域及び膜貫通領域を含む遺伝子部位の全部又は一部の遺伝子フラグメントを、ポリAシグナルとマーカー遺伝子をもつプラスミドに置換してターゲッティングベクターを構築し、該ターゲッティングベクターを線状化した後胚幹細胞に導入し、TLR6遺伝子機能を欠損した標的胚幹細胞を、マウスの胚盤胞中にマイクロインジェクションしキメラマウスを作製し、このキメラマウスと野生型マウスとを交配させてヘテロ接合体マウスを作製し、かかるヘテロ接合体マウスをインタークロスすることによって得られるTLR6ノックアウトマウスであることを特徴とする請求項3記載の使用する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 生体防御のメカニズム 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close