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ZnO系ターゲット及びその製造方法並び導電性薄膜の製造方法及び導電性薄膜

国内特許コード P110004171
整理番号 RX09P01
掲載日 2011年7月7日
出願番号 特願2008-072573
公開番号 特開2009-228034
登録番号 特許第5388266号
出願日 平成20年3月19日(2008.3.19)
公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
登録日 平成25年10月18日(2013.10.18)
発明者
  • 道上 修
  • 太田 靖之
  • 小田島 聡
  • 佐竹博光
  • 武藤 孝志
  • 道上 洋子
出願人
  • 国立大学法人岩手大学
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 株式会社倉元製作所
  • 有限会社 鬼沢ファインプロダクト
発明の名称 ZnO系ターゲット及びその製造方法並び導電性薄膜の製造方法及び導電性薄膜
発明の概要 【課題】低抵抗な透明導電膜を得ることが可能で、低温における焼結において製造可能なZnO系ターゲットを提供すること。
【解決手段】Ga及び/又はAlを含むZnO系ターゲットにBを0.4wt%以下含むことを特徴とするZnO系ターゲット。Ga及び/又はAlを含むZnO粉体とB粉体とを混合した後、800~1200℃において仮焼成し、仮焼結体を粉砕後、粉砕された粉体をプレス成形し、次いで、900~1300℃において焼結することを特徴とするZnO系ターゲットの製造方法。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


【特許文献1】
特開平6-2130号公報
【特許文献2】
特開2007-311041号公報
【特許文献3】
特開昭61-205619号公報



ディスプレー用の透明導電膜として、ITO(Indium-Tin-Oxide:Snを添加したIn酸化物)が実用化されている。ITOの主成分であるIn金属が希少金属であるため、資源枯渇の問題が浮上し、ITOは高価格になってきている。そのため、ITOに替わる材料の開発が急務となってきており、透明導電膜用の種々の酸化物系材料が研究されている。その中でも、ZnO系材料が有望視され、近年、ポストITOの位置づけが確かなものになってきた。



ZnO系材料は、ITOとは異なり、低温度での成膜が可能であり、高温での成膜では電気抵抗率が上昇する傾向を示す。ZnOは、ITOより極小の抵抗率はやや高いが、可視光領域の平均光透過率はITOより優れた特性を示す。
また、ZnOに種々の元素(特に、三価の金属元素)が添加され、n型半導体として低抵抗値を有する薄膜が得られてきている。



代表的な酸化物系薄膜として、三価のAlを添加したZnO(AZO)、Gaを添加したZnO(GZO)が挙げられる。これら酸化物からなる薄膜においては、電気抵抗率は(2~5)×10-44Ωcmが得られてきている。



特許文献1~3には、ZnO系材料に三価の元素を添加した技術が記載されている。以下詳細に述べる。
特許文献1には、Al(0.5~7重量%)、B(1~12重量%)、SiO(0.8~8重量%)をそれぞれ含有する酸化亜鉛からなる焼結体が記載されている。そして、特許文献1では、ターゲットの平均粒径を2μm以下とすることによりスパッタリング時の異常放電発生回数の低減を図っている。ただ、特許文献1では、AlとBとを同時に含有させる技術は記載されていない。



特許文献2には、ZnOに、Al、Ga、AlF、B、Y、SiO、TiO、ZuO、HfO、GeOから選ばれる1種又は2種以上を含有する技術が記載されている。



また、特許文献1,2には、Bを添加したZnO(BZO)ターゲットも記載されている。



さらに、特許文献3には、酸化亜鉛を主成分とする酸化亜鉛透明導電膜中に、亜鉛原子に対し少なくとも一種のIII属金属元素を1~20原子%含有させてなる耐熱性酸化亜鉛透明導電膜(請求項1)が記載されており、また、亜鉛原子に対しホウ素を1~10原子%および亜鉛原子に対しアルミニウムを1~8原子%含有させること(請求項10)、亜鉛原子に対しホウ素を1~10原子%および亜鉛原子に対しガリウムを1~8原子%含有させること(請求項11)も記載されている。特許文献3記載の発明の目的は、安価に、かつ容易に製造でき、室温以上の高温度で、各種雰囲気での使用に対し抵抗率変化の極めて小さい酸化亜鉛透明導電膜を得ることとされる。ただ、特許文献3の請求項10、11に記載された発明についてはその数値限定を含めて発明の詳細な説明において全くサポートされておらず、完成した発明として開示されているということはできない。



以上のように、導電性透明膜用のZnO系ターゲットとして、現在10―4Ωcm台の抵抗率を有する薄膜を成膜することが可能であることは必須である。
ところで、現在、ITO透明導電膜の生産ラインでは、直流電源を用いる直流スパッタ法が用いられている。直流電源の使用は、低抵抗薄膜の作製、ターゲット全面への均等電力の供給、放電の安定性等に有利なためである。特に、安定した放電状態を確保するためにパルスを重畳した直流電源が使用されている。
しかるに、従来のZnO系材料のターゲットを用いて成膜を行うと、成膜された薄膜の結晶性が悪いという問題を有している。



異常放電の発生回数を低減するために、特許文献1では、原料粉体の粒径を2μm以下としている。しかし、2μm以下とするための工程が必要となる。原料粉体の粒径の制御を行わず、また、放電電圧が低く、異常放電の発生の少ないターゲットが望まれる。
さらに、従来の技術においては、AZO、GZOのターゲットを作製する際においては、1400℃以上の温度において焼結を行う必要があった。特許文献1においては、原料粉末の粒径を2μm以下とすることにより1400℃よりも低い温度において焼結しているが、通常は、1400℃以上の高温における焼結を必要としている。例えば、特許文献1の表1の「従来1」では1450℃、表2の「従来2」では1400℃、表3の「従来3」では1425℃)。焼結温度が1400℃未満ではターゲットの焼結強度が小さく、表面が粉状となってしまうからである。このように、従来の焼結工程では、1400℃前後という高温での焼結が不可欠であるが、かかる高温での焼結は、電力消費が多くなり、環境破壊にも繋がる。そこで、より低温での焼結法、即ち、低消費電力の効率的な焼結法が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、ZnO系ターゲット及びその製造方法並び導電性薄膜の製造方法及び導電性薄膜に係る。

特許請求の範囲 【請求項1】
Ga及び/又はAlとともに、B換算でBを0.005wt%以上、0.2wt%未満含有させ、ターゲットの表面抵抗値を20~60Ωとすることを特徴とするZnO系ターゲット。

【請求項2】
Ga換算でGaを5.0wt%以下含むことを特徴とする請求項1記載のZnO系ターゲット。

【請求項3】
Al換算でAlを3.0wt%以下含むことを特徴とする請求項1又は2記載のZnO系ターゲット。

【請求項4】
Ga及び/又はAlを含むZnO粉体と、0.01wt%以上、0.2wt%未満のB粉体とを混合した混合粉体をプレス成形し、900~1200℃において焼結することにより、ターゲットの表面抵抗値を20~60Ωとすることを特徴とするZnO系ターゲットの製造方法。

【請求項5】
前記プレス成形前に前記混合粉体を800~1200℃の温度で仮焼成し、仮焼結体を粉砕した後前記プレス成形を行うことを特徴とする請求項4記載のZnO系ターゲットの製造方法。

【請求項6】
前記仮焼成と仮焼結体の粉砕を複数回行うことを特徴とする請求項5記載のZnO系ターゲットの製造方法。

【請求項7】
Gaを5.0wt%以下含むことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載のZnO系ターゲットの製造方法。

【請求項8】
Alを3.0wt%以下含むことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項記載のZnO系ターゲットの製造方法。

【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のZnO系ターゲットを用い、放電電圧を200~400Vとして直流スパッタリングを行うことを特徴とする導電性薄膜の製造方法。

【請求項10】
請求項9記載の導電性薄膜の製造方法により製造した導電性薄膜。

【請求項11】
電気抵抗率が10-4Ωcmである請求項10記載の導電性薄膜。

【請求項12】
透過率が85%以上である請求項10又は11記載の導電性薄膜。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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