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核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用 新技術説明会

国内特許コード P110004185
整理番号 K028P08
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-116058
公開番号 特開2009-261334
登録番号 特許第5252270号
出願日 平成20年4月25日(2008.4.25)
公開日 平成21年11月12日(2009.11.12)
登録日 平成25年4月26日(2013.4.26)
発明者
  • 宮田 隆志
  • 浦上 忠
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用 新技術説明会
発明の概要

【課題】標的核酸の存在下で、膨潤又は収縮するだけではなく、簡便な方法で核酸を検知することができる核酸応答性ゲルを実現する。
【解決手段】ハイブリダイズしている2本の一本鎖核酸からなるプローブが、高分子ゲルの網目構造内に固定されている核酸応答性ゲルであって、当該プローブは、2本の一本鎖核酸が可逆的に結合しており、2本の一本鎖核酸は、蛍光ドナー分子が導入された一本鎖核酸と、該蛍光ドナー分子との間で蛍光共鳴エネルギー移動が起こりうるアクセプター分子が導入された一本鎖核酸とからなる。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


個人の遺伝情報に基づいて各人に合った病気の予防や治療を可能にするテーラーメード医療を実現するために、疾病に関与するDNAの突然変異をより効果的かつ簡便に検出できる遺伝子診断技術や遺伝子診断材料の開発が盛んに行われている。しかしそれらの殆どが、水溶液中での、溶解したプローブDNAや基板上に固定されたプローブDNAとの二本鎖形成に基づくものである。遺伝子診断材料としては、pH、温度等の外部環境変化に応答して構造変化する刺激応答性ゲルも有望な材料であるが、これまでに標的DNAを認識して応答するDNA応答性ゲルに関する報告は数例しか報告されていない。



これまでに報告されているDNA応答性ゲルとしては、網目構造体を構成する高分子化合物に、プローブとなる一本鎖DNAが固定されているゲルが挙げられる(例えば、特許文献1、非特許文献1等参照。)。しかし、かかるDNA応答性ゲルは、二本鎖DNAを架橋点として用いるものではなく、競争的な二本鎖形成を利用していないために、標的DNAの配列認識能を制御することが難しく、感度、体積変化の量においても十分であるとはいえない。



また、ループ状の二本鎖DNAをプローブとして導入した核酸応答性ゲルも報告されている(例えば、非特許文献2等参照。)。しかし、かかる核酸応答性ゲルは、標的DNAの存在下で、ループ状の二本鎖DNAの構造が変化することにより、膨潤または収縮するゲルであるため、大きな体積変化を期待することはできない。



かかる問題を解決する核酸応答性ゲルとして、本願発明者らは、2本の一本鎖核酸からなるプローブがハイブリダイズした状態で、ゲル架橋点として高分子ゲルの網目構造内に固定されている従来とは異なるタイプの核酸応答性ゲルを報告している(例えば、非特許文献3等参照。)。

【特許文献1】特開2005-106533号公報(平成17年4月21日公開)

【非特許文献1】Y. Murakami, M. Maeda, Macromolecules, 38, 1535-1537(2005)

【非特許文献2】Y. Murakami, M. Maeda, Biomacromolecules, 6, 2927-2929(2005)

【非特許文献3】大川香織、宮田隆志、浦上忠、二本鎖DNAを架橋点としたDNA応答性ゲルの合成、高分子ゲル研究討論会講演要旨集、Vol.17,2006.01.18,p39-40

産業上の利用分野


本発明は、核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用に関し、特に標的核酸を検知して体積変化し、同時に蛍光強度が変化する核酸応答性ゲルおよびその製造方法ならびにその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ハイブリダイズしている2本の一本鎖核酸からなるプローブが、高分子ゲルの網目構造内に固定されている核酸応答性ゲルであって、
当該プローブは、2本の一本鎖核酸が可逆的に結合しており、
2本の一本鎖核酸は、蛍光ドナー分子が導入された一本鎖核酸と、該蛍光ドナー分子との間で蛍光共鳴エネルギー移動が起こりうるアクセプター分子が導入された一本鎖核酸とであることを特徴とする核酸応答性ゲル。

【請求項2】
上記プローブの一方の端部は、ハイブリダイズしている2本の一本鎖核酸のうちの、片方の一本鎖核酸が、高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合することによって、ゲルの網目構造内に固定されているとともに、
上記プローブの他方の端部は、当該一本鎖核酸とハイブリダイズしている他方の一本鎖核酸が、高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合することによって、ゲルの網目構造内に固定されていることによって、
上記プローブは、架橋を形成するように、ゲルの網目構造内に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項3】
上記プローブは、2本の一本鎖核酸がハイブリダイズしている部分において、1塩基以上のミスマッチを有することを特徴とする請求項1または2に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項4】
2本の一本鎖核酸のそれぞれは、5’末端が高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項5】
2本の一本鎖核酸のそれぞれは、3’末端が高分子ゲルの網目構造を形成する高分子化合物に結合していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項6】
上記核酸は、DNA、RNAまたはPNAであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項7】
上記高分子ゲルは、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、およびアリルアミンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを含むモノマーを重合させることによって得られる高分子ゲル、
または、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-アルキル(メタ)アクリレート、ポリ-N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリ-N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、セルロース、キトサン、アルギン酸およびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の高分子化合物を架橋剤と反応させて網目構造を形成させることによって得られる高分子ゲルであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項8】
上記プローブを形成する2本の一本鎖核酸の塩基数は、2以上10000以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項9】
核酸に応答して体積および蛍光強度が変化することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項10】
核酸に応答して架橋密度が減少することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲル。

【請求項11】
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、およびアリルアミンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーを含むモノマーと、蛍光ドナー分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸と、該蛍光ドナー分子との間で蛍光共鳴エネルギー移動が起こりうるアクセプター分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸とをハイブリダイズさせてなるプローブとを、架橋剤の存在下または不存在下で、共重合させることにより得られることを特徴とする核酸応答性ゲル。

【請求項12】
ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ-2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ-アルキル(メタ)アクリレート、ポリ-N,N’-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリ-N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリアリルアミン、セルロース、キトサン、アルギン酸およびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の高分子化合物に、蛍光ドナー分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸と、該蛍光ドナー分子との間で蛍光共鳴エネルギー移動が起こりうるアクセプター分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸とをハイブリダイズさせてなるプローブを結合させた後、架橋剤と反応させて網目構造を形成させることによって得られることを特徴とする核酸応答性ゲル。

【請求項13】
蛍光ドナー分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸と、該蛍光ドナー分子との間で蛍光共鳴エネルギー移動が起こりうるアクセプター分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸とをハイブリダイズさせてプローブを作製する二本鎖形成工程と、
得られたプローブを、高分子ゲルを形成するモノマーと、架橋剤の存在下または不存在下で、共重合させて核酸応答性ゲルを得る重合工程とを含むことを特徴とする核酸応答性ゲルの製造方法。

【請求項14】
蛍光ドナー分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸と、該蛍光ドナー分子との間で蛍光共鳴エネルギー移動が起こりうるアクセプター分子および反応性官能基が導入された一本鎖核酸とをハイブリダイズさせてプローブを作製する二本鎖形成工程と、
得られたプローブを高分子化合物と結合させるプローブ結合工程と、
上記プローブ結合工程によりプローブが結合された高分子化合物を、架橋剤と反応させて網目構造を形成する架橋工程とを含むことを特徴とする核酸応答性ゲルの製造方法。

【請求項15】
請求項1~12のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲルと核酸を含有する検体とを接触させる工程と、標的核酸による鎖交換の有無を核酸応答性ゲルの体積変化および蛍光強度の変化で検出する工程とを含み、体積変化および蛍光強度の変化により核酸の一塩基の差を認識することを特徴とする標的核酸の検出方法。

【請求項16】
請求項1~12のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲルを含有する核酸検出キット。

【請求項17】
請求項1~12のいずれか1項に記載の核酸応答性ゲルを含有する核酸検出装置。
産業区分
  • 微生物工業
  • 高分子化合物
  • 治療衛生
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008116058thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 界面の構造と制御 領域
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