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音響処理装置及び音響処理方法 コモンズ

国内特許コード P110004186
整理番号 A221P53
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-119923
公開番号 特開2009-271641
登録番号 特許第4907595号
出願日 平成20年5月1日(2008.5.1)
公開日 平成21年11月19日(2009.11.19)
登録日 平成24年1月20日(2012.1.20)
発明者
  • 寅市 和男
  • 早川 健介
  • 樋口政和
  • 諸岡 泰男
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 音響処理装置及び音響処理方法 コモンズ
発明の概要 【課題】ユーザの好みに応じた良好な音質で離散データを再生することができる音響処理装置及び音響処理方法を提案する。
【解決手段】音響処理部2では、制御標本化関数c0(t)の値に乗算される可変パラメータαの数値が反映した補間値を算出できるようにしたことにより、可変パラメータαの数値が変更することで、標本化関数sN(t)で補間処理して得られるアナログ信号が可変パラメータαに応じて調整でき、かくして、音楽再生環境、音源、曲調等の各種条件に応じてユーザが可変パラメータαを適宜変更することで、当該アナログ信号の周波数特性が変化したユーザ所望の音質からなる高音質な音楽を再生させることができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、デジタルデータのような離散データからアナログ信号を生成する際には、シャノンの標本化定理に基づき導出されたシャノンの標本化関数が広く用いられてきた。ここでシャノンの標本化関数は、図14に示すように、t=0の標本位置のみで1になるとともに、他の全ての標本位置で0となり、理論的に-∞から+∞までその振動が無限に続く波形を示す。このため、実際に各種のプロセッサ等によってシャノンの標本化関数を用い離散データ間の補間処理を実行する際には、強制的に有限区間で処理が打ち切られており、その結果、打ち切りによる誤差が発生するという問題があった。



また、このようなシャノンの標本化関数を用いた場合には、再生されるアナログ信号が帯域制限されてしまうことから、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)に記録された離散データをアナログ信号に変換して再生すると、22.05kHz以上の超音波を再生し得ず、当該超音波の差音により生じる自然な音が再現できないという問題があった。



そこで、このような問題点を解決するために、打ち切り誤差がなく、更に高次の帯域成分までも再生可能な、有限の範囲で集束する標本化関数が考え出されている(例えば、特許文献1参照)。この標本化関数では、原点から前後2個先の標本位置で0に集束するため、少ない計算量で信号再生を行うことができ、更に高周波まで帯域を有することが確かめられている。
【特許文献1】
国際公開第99/38090号

産業上の利用分野


本発明は、音響処理装置及び音響処理方法に関し、例えば所定のサンプリング周波数でサンプリングされた時間方向に並ぶ離散データ間を補間して、入力時のサンプリング周波数よりも高周波で離散データを生成あるいはアナログ信号を生成する際に適用して好適なものである。なお、本明細書においては、高周波の離散間隔で信号生成することとアナログ信号を生成することを同一の処理として「アナログ信号の生成」と称して説明を行うものとする。また、関数の値が局所的な領域で0以外の有限の値を有し、それ以外の領域で0となる場合を「有限台」と称して説明を行うものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
有限回微分可能であって有限台の値を有した基本標本化関数と、
有限回微分可能であって有限台の値を有し前記基本標本化関数が示す波形と異なる波形を示す制御標本化関数と
からなる標本化関数を用いて、
時間方向に並ぶ複数の離散データに対する前記基本標本化関数および前記制御標本化関数を用いたそれぞれの畳み込み演算と、前記標本化関数を用いた各畳み込み演算結果の線形加算とによって、前記離散データ間の補間値を算出する関数処理手段を備え、
前記関数処理手段は、ユーザによって任意の数値に設定可能な可変パラメータを前記制御標本化関数の値に乗算する係数乗算手段を有し、
前記離散データの標本位置をtとしたとき、
前記基本標本化関数をf(t)とし、前記基本標本化関数は、次式
【数1】


で表され、
前記制御標本化関数をC0(t)=Cr(t)+Cr(-t)とし、前記Cr(t)は、次式
【数2】


で表され、
ユーザによって任意の数値に設定可能な可変パラメータをαとしたとき、
前記離散データの標本位置[-2,2]間での前記標本化関数をs2(t)とし、前記標本化関数は、次式
【数3】


で表される
ことを特徴とする音響処理装置。

【請求項2】
前記関数処理手段は、
前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算をそれぞれ実行した後、前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを用いた前記畳み込み演算によって得られた演算結果を、前記標本化関数を用いて線形加算することにより前記補間値を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の音響処理装置。

【請求項3】
前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出手段を備え、
前記関数処理手段は、
前記離散データ抽出手段によって抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記基本標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記基本標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での基本補間値を計算する基本項演算手段と、
前記離散データ抽出手段によって抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記制御標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記制御標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での制御補間値を計算する制御項演算手段と、
前記基本項演算手段により算出した前記基本補間値と、前記制御項演算手段により算出した前記制御補間値との線形加算により前記補間値を算出する線形加算手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の音響処理装置。

【請求項4】
前記関数処理手段は、
前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを予め前記線形加算した前記標本化関数を用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算を行うことにより前記補間値を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の音響処理装置。

【請求項5】
前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出手段を備え、
前記関数処理手段は、
前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを予め前記線形加算した前記標本化関数が記憶されており、各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記標本化関数の値を計算する関数演算手段と、
前記離散データのそれぞれに対応させた前記標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での補間値を計算する畳み込み演算手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は4記載の音響処理装置。

【請求項6】
前記基本標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可能な区分多項式で他の区間は恒等的に0で表される関数であり、
前記制御標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-2、2]において1回だけ微分可能な区分多項式関数で他の区間では恒等的に0となる関数である
ことを特徴とする請求項1~5のうちいずれか1項記載の音響処理装置。

【請求項7】
値が異なる複数の前記可変パラメータが予め記憶されており、前記複数の可変パラメータの中から前記制御標本化関数に乗算するいずれか1つの前記可変パラメータを選択させるためのセレクタを備える
ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項記載の音響処理装置。

【請求項8】
前記関数処理手段は、
ユーザの指定したプログラムデータに基づいてユーザ所望の制御形態でなる回路構成を形成するフイールドプログラマブルゲートアレイにプログラミングされる
ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項記載の音響処理装置。

【請求項9】
前記関数処理手段は、
ユーザの指定したプログラムデータに基づいてユーザ所望の制御形態でなる演算構成を形成するプログラマブル信号処理デバイスにプログラミングされる
ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項記載の音響処理装置。

【請求項10】
前記基本標本化関数及び前記制御標本化関数は、
着目する前記離散データ間の所定の区分数に応じて予め計算された前記基本標本化関数及び前記制御標本化関数の演算値をそれぞれテーブル化しておき、
前記制御標本化関数のテーブル値と前記離散データとの畳み込み演算と、
該畳み込み演算の出力と前記可変パラメータの乗算と、
該乗算結果と前記基本標本化関数のテーブル値と前記離散データとの畳み込み演算との前記線形加算と
を前記離散データの入力毎に演算して、前記補間値を出力する
ことを特徴とする請求項1~のうちいずれか1項記載の音響処理装置。

【請求項11】
前記離散データ間の前記区分数が複数の場合、それら区分数の最小公倍数の区分数で前記テーブル値を予め演算しておき、前記離散データの入力開始時に設定される前記区分数に応じて、前記テーブル値を最小公倍数/区分数の間隔毎に選択抽出して、該テーブル値と前記離散データとの畳み込み演算を実行する
ことを特徴とする請求項10記載の音響処理装置。

【請求項12】
ユーザにより任意の数値に可変パラメータが設定されるパラメータ設定ステップと、
有限回微分可能であって有限台の値を有した基本標本化関数と、前記可変パラメータが乗算され有限回微分可能であって有限台の値を有し前記基本標本化関数が示す波形と異なる波形を示す制御標本化関数とからなる標本化関数を用いて、時間方向に並ぶ複数の離散データに対する前記基本標本化関数および前記制御標本化関数を用いたそれぞれの畳み込み演算と、前記標本化関数を用いた各畳み込み演算結果の線形加算とによって、前記離散データ間の補間値を算出する関数処理ステップと
を備え
前記離散データの標本位置をtとしたとき、
前記基本標本化関数をf(t)とし、前記基本標本化関数は、次式
【数4】


で表され、
前記制御標本化関数をC0(t)=Cr(t)+Cr(-t)とし、前記Cr(t)は、次式
【数5】


で表され、
ユーザによって任意の数値に設定可能な可変パラメータをαとしたとき、
前記離散データの標本位置[-2,2]間での前記標本化関数をs2(t)とし、前記標本化関数は、次式
【数6】


で表される
ことを特徴とする音響処理方法。

【請求項13】
前記関数処理ステップは、
前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算をそれぞれ実行する畳み込み演算ステップと、
前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを用いた前記畳み込み演算によって得られた演算結果を前記線形加算することにより前記補間値を算出する線形加算ステップと
を備えることを特徴とする請求項12記載の音響処理方法。

【請求項14】
前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出ステップを備え、
前記関数処理ステップは、
前記離散データ抽出ステップにおいて抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記基本標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記基本標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での基本補間値を計算する基本項演算ステップと、
前記離散データ抽出ステップにおいて抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記制御標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記制御標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での制御補間値を計算する制御項演算ステップと、
前記基本項演算ステップにおいて算出した前記基本補間値と、前記制御項演算ステップにおいて算出した前記制御補間値とを線形加算して前記補間値を算出する線形加算ステップとを備える
ことを特徴とする請求項12又は13記載の音響処理方法。

【請求項15】
前記関数処理ステップは、
前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを予め前記線形加算した前記標本化関数を用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算を行うことにより前記補間値を算出する
ことを特徴とする請求項12記載の音響処理方法。

【請求項16】
前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出ステップを備え、
前記関数処理ステップは、
前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを予め前記線形加算した前記標本化関数を記憶しておき、各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記標本化関数の値を計算する関数演算ステップと、
前記離散データのそれぞれに対応させた前記標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での補間値を計算する畳み込み演算ステップと
を備えることを特徴とする請求項12又は15記載の音響処理方法。

【請求項17】
前記基本標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可能な区分多項式で他の区間は恒等的に0で表される関数であり、
前記制御標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-2、2]において1回だけ微分可能な区分多項式関数で他の区間では恒等的に0となる関数である
ことを特徴とする請求項12~16のうちいずれか1項記載の音響処理方法。

【請求項18】
前記パラメータ設定ステップでは、予め記憶された前記数値が異なる複数の前記可変パラメータの中から、前記制御標本化関数に乗算するいずれか1つの前記可変パラメータを選択させる
ことを特徴とする請求項12~17のうちいずれか1項記載の音響処理方法。

【請求項19】
前記関数処理ステップ
ユーザの指定したプログラムデータに基づいてフイールドプログラマブルゲートアレイにプログラミングされたユーザ所望の制御形態でなる回路構成で実行する
ことを特徴とする請求項12~18のうちいずれか1項記載の音響処理方法。

【請求項20】
前記関数処理ステップ
ユーザの指定したプログラムデータに基づいてプログラマブルな信号処理デバイスにプログラミングされたユーザ所望の制御形態でなる演算回路構成で実行する
ことを特徴とする請求項12~19のうちいずれか1項記載の音響処理方法。

【請求項21】
前記関数処理ステップは、
着目する前記離散データ間の所定の区分数に応じて予め計算された前記基本標本化関数及び前記制御標本化関数の演算値をそれぞれテーブル化しておき、
前記制御標本化関数のテーブル値と前記離散データとの畳み込み演算と、
該畳み込み演算の出力と前記可変パラメータの乗算と、
該乗算結果と前記基本標本化関数のテーブル値と前記離散データとの畳み込み演算との前記線形加算と
を前記離散データの入力毎に演算して、前記補間値を出力することを特徴とする請求項12~20のうちいずれか1項記載の音響処理方法。

【請求項22】
前記関数処理ステップは、
前記離散データ間の前記区分数が複数の場合、それら区分数の最小公倍数の区分数で前記テーブル値を予め演算しておき、前記離散データの入力開始時に設定される前記区分数に応じて、前記テーブル値を最小公倍数/区分数の間隔毎に選択抽出して、該テーブル値と前記離散データとの畳み込み演算を実行する
ことを特徴とする請求項21記載の音響処理方法。
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