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RNA-蛋白質相互作用モチーフを利用した蛋白質応答翻訳制御システム コモンズ

国内特許コード P110004204
整理番号 I029P004
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-186385
公開番号 特開2009-142259
登録番号 特許第5538691号
出願日 平成20年7月17日(2008.7.17)
公開日 平成21年7月2日(2009.7.2)
登録日 平成26年5月9日(2014.5.9)
優先権データ
  • 特願2007-303662 (2007.11.22) JP
発明者
  • 井上 丹
  • 齊藤 博英
  • 小林 哲大
  • 原 知明
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 RNA-蛋白質相互作用モチーフを利用した蛋白質応答翻訳制御システム コモンズ
発明の概要 【課題】 より応用がしやすく、特異的なオン-オフ制御をすることができる、翻訳制御可能なmRNA、かかるmRNAと特異的に結合したRNA-蛋白質複合体、および翻訳制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 リボソーム結合部位の5’側、またはオープンリーディングフレームの5’側内部に、RNA-蛋白質複合体相互作用モチーフ由来の塩基配列を有するmRNA、及びリボソーム結合部位の5’側、またはオープンリーディングフレームの5’側内部に、RNA-蛋白質複合体相互作用モチーフ由来の塩基配列に相補的な塩基配列を有するmRNAを提供する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要



ポストゲノム科学の進展により、蛋白質やRNAなどの生体分子の構造、機能に関する情報が蓄積している。そのような増加していく情報を活用し、これまでの還元的、分析的な生物学とは対照的に、「合成」を通して生命システムを理解しようとする合成生物学(シンセティックバイオロジー)の気運が高まっている。中でも、生体分子や遺伝子回路を人工的に(再)構成することは、生命科学研究にとどまらず産業応用の面からも非常に注目されている。中でも、特定の蛋白質を認識し任意の遺伝子発現を調節できる翻訳制御システムの発展が望まれている。





従来、DNAの転写の誘導を低分子または蛋白質で制御する先行技術が知られている(非特許文献1を参照)。この技術は、DNAからRNAへの転写の制御を調節する方法である。しかし、この技術には、RNAから蛋白質への翻訳の制御技術としては、直接応用できないという問題点があった。また、天然には、蛋白質が自身のmRNAの5’非翻訳領域(5’-UTR)に結合することで、翻訳レベルを制御するシステムが存在する(S15、ThrRSなど)。しかし、このようなRNP相互作用モチーフを利用して、細胞内外で、目的遺伝子の人工的な翻訳抑制/活性化システムを構築した例はない。





また近年、代謝産物に応答してmRNAが構造変化を誘起し、遺伝子発現を制御する「リボスイッチ」というRNAがバクテリアで発見され、注目されている。しかしながら天然のリボスイッチでは、基質がビタミンやアミノ酸など低分子のものに限られているため、RNAや蛋白質などの生体高分子に応答して、遺伝子発現を制御することはできない。さらに天然のリボスイッチは、自分自身の発現をfeedback制御するシステムに限られているため、任意の遺伝子の発現を制御する人工システムの開発に直接応用した例はない。したがって、このような機能をもった、人工リボスイッチの開発が期待されている。





RNAアプタマーやアンチセンスを利用した翻訳制御に関する先行技術が知られている。酵母を利用して、人工RNAに低分子テオフィリンに結合するアプタマーを導入し、テオフィリンの存在に依存して、遺伝子発現のON/OFFを制御する「RNAスイッチ」を作成した技術も存在する(非特許文献2)。しかし、この技術には、低分子のアプタマーに応答するシステムであるため、基質として蛋白質などの生体高分子には適用できない、という問題点があった。

【非特許文献1】

rends Biochem Sci. 2005 ;30(6):275-9.

【非特許文献2】

at Biotechnol. 2004 22(7):841-7. 2004

産業上の利用分野



本発明は、RNA-蛋白質相互作用を活用した翻訳制御可能なmRNA、翻訳制御システム及び翻訳制御方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
リボソーム結合部位の5’側、またはオープンリーディングフレームの5’側内部に、L7Ae結合配列もしくはスレオニル-tRNA合成酵素結合配列から選択される蛋白質結合配列に相補的な塩基配列を有する人工mRNA。

【請求項2】
リボソーム結合部位の5’側、またはオープンリーディングフレームの5’側内部に、L7Ae結合配列もしくはスレオニル-tRNA合成酵素結合配列から選択される蛋白質結合配列を組み込んでなる人工mRNA。

【請求項3】
請求項2に記載のmRNAと、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質とを含んでなるRNA-蛋白質複合体であって、
前記蛋白質結合配列がL7Ae結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がL7Ae蛋白質であり、
前記蛋白質結合配列がスレオニル-tRNA合成酵素結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がスレオニル-tRNA合成酵素である、
RNA-蛋白質複合体。

【請求項4】
請求項2に記載のmRNAと、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質とを含んでなる、翻訳制御システムであって、
前記蛋白質結合配列がL7Ae結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がL7Ae蛋白質であり、
前記蛋白質結合配列がスレオニル-tRNA合成酵素結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がスレオニル-tRNA合成酵素である、
翻訳制御システム。

【請求項5】
請求項2に記載のmRNAと、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質とを接触させることを特徴とするmRNAの翻訳制御方法(ヒトに対するin vivoでの方法を除く)であって、
前記蛋白質結合配列がL7Ae結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がL7Ae蛋白質であり、
前記蛋白質結合配列がスレオニル-tRNA合成酵素結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がスレオニル-tRNA合成酵素である、
mRNAの翻訳制御方法。

【請求項6】
(a)リボソーム結合部位の5’側、またはオープンリーディングフレームの5’側内部に、L7Ae結合配列もしくはスレオニル-tRNA合成酵素結合配列から選択される蛋白質結合配列に相補的な塩基配列を有するmRNAと、
(b)前記蛋白質結合配列を有するRNAと、
(c)前記(b)のRNAの蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質と
を含んでなる、翻訳制御システムであって、
前記蛋白質結合配列がL7Ae結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がL7Ae蛋白質であり、
前記蛋白質結合配列がスレオニル-tRNA合成酵素結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がスレオニル-tRNA合成酵素である、
翻訳制御システム。

【請求項7】
(a)リボソーム結合部位の5’側、またはオープンリーディングフレームの5’側内部に、L7Ae結合配列もしくはスレオニル-tRNA合成酵素結合配列から選択される蛋白質結合配列に相補的な塩基配列を有するmRNAと、
(b)前記蛋白質結合配列を有するRNAと、
(c)前記(b)のRNAの蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質と、
(d)リボソーム結合部位の5’側、またはオープンリーディングフレームの5’側内部に、前記蛋白質結合配列を有するmRNAであって、(a)のmRNAとは異なる遺伝子をコードするmRNAと
を含んでなる、異なる遺伝子の翻訳抑制と活性化を一つの蛋白質で制御する同時翻訳制御システムであって、
前記蛋白質結合配列がL7Ae結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がL7Ae蛋白質であり、
前記蛋白質結合配列がスレオニル-tRNA合成酵素結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がスレオニル-tRNA合成酵素である、
同時翻訳制御システム。

【請求項8】
請求項1または2に記載のmRNAをコードする核酸配列を含んでなるプラスミドベクター。

【請求項9】
請求項2に記載のmRNAをコードする核酸配列を含んでなる第1のプラスミドベクターと、
該ベクターにより産生されるmRNAの、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質をコードする核酸配列を含んでなる第2のプラスミドベクターと
を含んでなる、細胞内翻訳制御システムであって、
前記蛋白質結合配列がL7Ae結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がL7Ae蛋白質であり、
前記蛋白質結合配列がスレオニル-tRNA合成酵素結合配列であるとき、前記蛋白質結合配列に特異的に結合する蛋白質がスレオニル-tRNA合成酵素である、
細胞内翻訳制御システム。

【請求項10】
ヒトがん細胞内において、蛋白質の翻訳を制御するための、請求項に記載のシステム。

【請求項11】
タグ配列としてのL7Aeと第1の蛋白質とを含む融合蛋白質と、
L7Aeに特異的に結合する配列と、第2の蛋白質をコードする配列とを有するmRNAと
を含んでなる、細胞内翻訳制御システム。

【請求項12】
L7Aeと、第1の蛋白質とをコードするmRNAをコードする核酸配列を含むプラスミドベクターと、
L7Aeに特異的に結合する配列を有するmRNAであって、第2の蛋白質をコードするmRNAをコードする核酸配列を含むプラスミドベクターと
を含む、細胞内翻訳制御システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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