TOP > 国内特許検索 > 2次元フォトニック結晶レーザ

2次元フォトニック結晶レーザ

国内特許コード P110004211
整理番号 AF08P005
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-222384
公開番号 特開2010-056446
登録番号 特許第5303221号
出願日 平成20年8月29日(2008.8.29)
公開日 平成22年3月11日(2010.3.11)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
発明者
  • 野田 進
  • 岩橋 清太
  • 黒坂 剛孝
  • 酒井 恭輔
  • 宮井 英次
  • 大西 大
  • 國師 渡
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • ローム株式会社
発明の名称 2次元フォトニック結晶レーザ
発明の概要

【課題】 レーザ光のスポットの対称性が高い2次元フォトニック結晶レーザを提供する。
【解決手段】 板状部材151内に該板状部材151とは屈折率が異なる同一形状の異屈折率領域(空孔)152A~152Dが周期的に多数配置された2次元フォトニック結晶15と、該2次元フォトニック結晶の一方の側に設けた活性層と、を備え、前記異屈折率領域が少なくとも2方向に同じ周期を有する格子の格子点に設けられており、前記異屈折率領域が、前記格子が有する2つの基本逆格子ベクトルの方向についてフィードバック強度が異なる形状を有し、を含むスーパーセル154を単位とする周期構造を有し、スーパーセル154内の全ての異屈折率領域152A~152Dによるフィードバック強度の和が前記2つの基本逆格子ベクトルの各方向において等しくなるようにする。
【選択図】 図6

従来技術、競合技術の概要


近年、フォトニック結晶を用いた新しいタイプのレーザが開発されている。フォトニック結晶とは、誘電体から成る母材に周期構造を人工的に形成したものである。周期構造は一般に、母材とは屈折率が異なる領域(異屈折率領域)を母材内に周期的に設けることにより形成される。この周期構造により、結晶内でブラッグ回折が生じ、また、光のエネルギーにエネルギーバンドギャップが現れる。フォトニック結晶レーザには、バンドギャップ効果を利用して点欠陥を共振器として用いるものと、光の群速度が0となるバンド端の定在波を利用するものがあるが、いずれも所定の波長の光を増幅してレーザ発振を得るものである。



特許文献1には、発光材料を含む活性層の近傍に2次元フォトニック結晶を形成した2次元フォトニック結晶レーザが記載されている。この2次元フォトニック結晶には、板状の部材内に円形の空孔(異屈折率領域)が周期的(三角格子状、正方格子状等)に設けられ、屈折率の分布が2次元的な周期性を持っている。この周期を、電極からのキャリアの注入により活性層で生成される光の媒質内波長に一致させておくことにより、2次元フォトニック結晶の内部に2次元定在波が形成され、それにより光が強められてレーザ発振する。レーザ光は、空孔により活性層や2次元フォトニック結晶に垂直な方向に回折され、この方向に放出される。



特許文献1に記載のように円形の空孔を用いると、2次元フォトニック結晶内における光の電界は空孔の円の重心(中心)を取り巻き、この重心に関して反対称になるように形成される。このような電界の反対称性により、全ての空孔において干渉により電界が打ち消される(消失性干渉)。2次元フォトニック結晶の大きさが無限大であるならば、このような消失性干渉により電界が完全に打ち消され、2次元フォトニック結晶に垂直な方向にレーザ光を取り出すことができない。実際には2次元フォトニック結晶の大きさが有限であることから電界が完全には打ち消されないため、レーザ光を取り出すことができるが、レーザ光の強度は消失性干渉の影響を受けるため十分には強くならない。



特許文献2には、消失性干渉が生じることを防ぐために、異屈折率領域の重心を起点として2次元フォトニック結晶の面内に延びる第1の半直線上には異屈折率領域が存在せず、重心を起点として第1半直線の反対側に延びる第2の半直線上の少なくとも一部には異屈折率領域が存在する、という形状の異屈折率領域を用いた2次元フォトニック結晶レーザが記載されている。このような形状を持つ異屈折率領域の例として、特許文献2には、V字形の異屈折率領域91A(図1(a))及び同一形状の3個の異屈折率領域を正三角形状に並べたものを単位とするクラスタ異屈折率領域91B(図1(b))が例示されている。V字形異屈折率領域91A、クラスタ異屈折率領域91Bのいずれも、重心Gを起点として1方向に延びる第1半直線921上には異屈折率領域が存在しないのに対して、第1半直線921の反対側に延びる第2半直線922上には異屈折率領域が存在する。



このような形状の異屈折率領域を用いることにより、第1半直線側と第2半直線側の屈折率が異なることとなるため、消失性干渉が抑制され、円形の異屈折率領域を用いた場合よりも強い強度でレーザ光を放出することができる。

【特許文献1】特開2000-332351号公報([0037]~[0056],図1)

【特許文献2】特開2007-273730号公報([0009]~[0011], [0014]~[0016], [0022]~[0024], 図4)

産業上の利用分野


本発明は、活性層に対して垂直な方向にレーザ光を放射する2次元フォトニック結晶レーザに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
板状の部材内に該板状部材とは屈折率が異なる同一形状の異屈折率領域が周期的に多数配置された2次元フォトニック結晶と、該2次元フォトニック結晶の一方の側に設けた活性層と、を備え、
前記異屈折率領域が少なくとも2方向に同じ周期を有する格子の格子点に設けられており、
前記異屈折率領域が、前記格子が有する2つの基本逆格子ベクトルの方向についてフィードバック強度が異なる形状を有し、
前記2次元フォトニック結晶が複数個の格子点を含むスーパーセルを単位とする周期構造を有し、
スーパーセル内の全ての異屈折率領域によるフィードバック強度の和が前記2つの基本逆格子ベクトルの各方向において等しい、
ことを特徴とする2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項2】
前記格子が正方格子、三角格子、2つの基本逆格子ベクトルの大きさが等しい斜方格子のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項3】
前記格子が正方格子であり、前記異屈折率領域が2つの同周期方向の双方と45°の角度を成す軸に関して非対称であることを特徴とする請求項2に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項4】
前記スーパーセルが前記正方格子の縦に2格子点、横に2格子点の4格子点を単位とするものであり、
前記スーパーセル内の1個の異屈折率領域の向きに対して、他の3個の異屈折率領域の向きが90°、180°及び270°異なることを特徴とする請求項3に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項5】
前記スーパーセルが前記正方格子の縦に2格子点、横に2格子点の4格子点を単位とするものであり、
該スーパーセル内の1個の異屈折率領域の向きに対して、他の3個の異屈折率領域のうちの1個の向きが同じであり、2個の向きが90°異なることを特徴とする請求項3に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項6】
前記格子が三角格子であり、
前記スーパーセルが、正三角形状に隣接する3個の格子点を単位とするものであり、
前記スーパーセル内の1個の異屈折率領域の向きに対して、他の2個の異屈折率領域の向きが120°及び240°異なることを特徴とする請求項2に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項7】
各異屈折率領域において、該異屈折率領域の重心及び該重心を起点とし2次元フォトニック結晶の面内に延びる第1の半直線上に該異屈折率領域が存在せず、該重心を起点とし第1半直線の反対側に延びる第2の半直線上の少なくとも一部に該異屈折率領域が存在することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項8】
各異屈折率領域がV字形であることを特徴とする請求項7に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。

【請求項9】
各異屈折率領域が、同一形状の3個の、母材とは屈折率が異なる領域が三角形状に配置されたものであることを特徴とする請求項7に記載の2次元フォトニック結晶レーザ。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008222384thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新機能創成に向けた光・光量子科学技術 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close