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可変特性型信号変換装置および方法 コモンズ

国内特許コード P110004231
整理番号 A222P45
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-259780
公開番号 特開2010-093433
登録番号 特許第5036677号
出願日 平成20年10月6日(2008.10.6)
公開日 平成22年4月22日(2010.4.22)
登録日 平成24年7月13日(2012.7.13)
発明者
  • 寅市 和男
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 可変特性型信号変換装置および方法 コモンズ
発明の概要 【課題】離散データに対してユーザの好みに応じた音質や画質で信号の再生を行うことができる可変特性型信号変換装置および信号変換方法を提供すること。
【解決手段】信号変換処理部2では、制御標本化関数c0(t)の値に乗算される可変パラメータαの値を反映した補間値を算出することにより、可変パラメータαの値を変更することで標本化関数sN(t)で補間処理して得られるアナログ信号の特性を可変パラメータαに応じて調整することができる。これにより、音楽再生環境、音源、曲調等の各種条件に応じて、ユーザが可変パラメータαを適宜変更することで、アナログ信号の周波数特性が変化したユーザ所望の音質からなる高音質な音楽を再生することができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


従来、デジタルデータのような離散データからアナログ信号を生成する際には、シャノンの標本化定理に代表される標本化関数が広く用いられてきた。ここで、シャノンの標本化関数は、図14に示すように、t=0の標本位置のみで1になるとともに、他の全ての標本位置で0となり、理論的に-∞から+∞までその振動が無限に続く波形を示す。このため、実際に各種のプロセッサ等によって、シャノンの標本化関数を用いて離散データ間の補間処理を実行する際には、強制的に有限区間で処理が打ち切られている。その結果、打ち切りによる誤差が発生するという問題があった。このような問題を解決するために、打ち切り誤差がなく、さらに高次の帯域成分までも再生可能な、有限の範囲で収束する標本化関数が考え出されている(例えば、特許文献1参照。)。この標本化関数では、原点から前後2個先の標本位置で0に収束するため、少ない計算量で信号再生を行うことができ、さらに高周波まで帯域を有することが確かめられている。
【特許文献1】
国際公開第99/38090号パンフレット

産業上の利用分野


本発明は、離散信号を連続信号に変換する変換装置および方法に関し、例えば所定のサンプリング周波数でサンプリングされた時間方向に並ぶ離散データ間を補間して、入力時のサンプリング周波数よりも高周波で離散データあるいはアナログ信号を生成する際に適用することができ、かつ、入力された信号の周波数特性を変化させた出力信号の周波数特性を得るのに好適な可変特性信号変換装置および方法に関する。



特に、本発明は、音響信号においては、音楽のジャンルや、リスナーの好みに応じて音質を変化させることに好適であり、写真や映像においては、画質調整に好適な技術である。



なお、本明細書においては、高周波の離散間隔で離散データを生成することとアナログ信号を生成することを同一の処理として「アナログ信号の生成」と称して説明を行うものとする。また、関数の値が局所的な領域で0以外の有限の値を有し、それ以外の領域で0となる場合を「有限台」と称して説明を行うものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
それぞれが有限台の区分的多項式で表される基本標本化関数および制御標本化関数の線形結合で構成された標本化関数を用いて複数の離散データに対する畳み込み演算を行うことにより、前記離散データ間の補間値を算出する関数処理部を備え
前記離散データの標本位置をtとしたとき、
前記基本標本化関数は、tが-1から+1までが有限台の範囲であって、t=0で1になり、t=±1に向けて0に収束し、
前記制御標本化関数は、有限台の範囲に含まれる各標本位置tで0になることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項2】
請求項1において、
順次入力される複数の前記離散データの中から入力順番が連続する所定個数の離散データを抽出する離散データ抽出部をさらに備え、
前記関数処理部は、前記離散データ抽出部によって抽出された所定個数の前記離散データを用いて補間値の算出を行うことを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項3】
請求項1または2において、
前記基本標本化関数をf(t)、前記制御標本化関数をC(t)、ユーザによって任意に設定可能なパラメータをαとしたときに、
前記関数処理部は、前記線形結合を、
f(t)+αC(t)
で演算することを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項4】
請求項3において、
前記関数処理部は、
前記基本標本化関数を用いて複数の前記離散データに対する畳み込み演算を行う基本項演算部と、
前記制御標本化関数を用いて複数の前記離散データに対する畳み込み演算を行う制御項演算部と、
前記制御項演算部による算出結果に前記パラメータを乗算する係数乗算部と、
を備えることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項5】
請求項3において、
前記関数処理部は、前記パラメータの値が指定されたときに、前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを線形結合して得られる前記標本化関数を特定し、この標本化関数を用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算を行うことにより前記補間値を算出することを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項6】
請求項4または5において、
ユーザの指示に応じて前記パラメータの値を任意に設定するパラメータ設定部をさらに備えることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項7】
請求項4または5において、
ユーザが操作することにより、予め設定された前記パラメータの複数の値の中から一つが選択されるセレクタをさらに備えることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可能な区分的多項式で、他の区間は恒等的に0で表される関数であり、
前記制御標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-2、2]において1回だけ微分可能な区分的多項式で、他の区間では恒等的に0となる関数であることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項9】
請求項1~8のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数f(t)は、
【数1】


で表され、
前記制御標本化関数をC0(t)=Cr(t)+Cr(-t)としたときに、前記Cr(t)は、
【数2】


で表されることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項10】
請求項1~9のいずれかにおいて、
ユーザの指定したプログラムデータに基づいて、ユーザ所望の制御形態でなる演算構成を形成するプログラマブル信号処理プロセッサにプログラミングされることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項11】
請求項1~10のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数および前記制御標本化関数のそれぞれは、前記離散データ間の所定の区分数に応じて予め計算された関数値がテーブル化されてテーブル値として保持されており、
このテーブル化された関数値を用いて前記離散データに対する畳み込み演算が行われることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項12】
請求項11において、
前記離散データ間の異なる複数の区分数について、それらの区分数の最小公倍数の区分数に対応する前記テーブル値が予め演算されて保持されていることを特徴とする可変特性型信号変換装置。

【請求項13】
それぞれが有限台の区分的多項式で表される基本標本化関数および制御標本化関数の線形結合で構成された標本化関数を用いて複数の離散データに対する畳み込み演算を行うことにより、前記離散データ間の補間値を関数処理部によって算出する関数処理ステップを有し、
前記離散データの標本位置をtとしたとき、
前記基本標本化関数は、有限台の範囲において、t=0で1になり、t=±1に向けて0に収束し、
前記制御標本化関数は、有限台の範囲に含まれる各標本位置tで0になることを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項14】
請求項13において、
順次入力される複数の前記離散データの中から入力順番が連続する所定個数の離散データを離散データ抽出部によって抽出する離散データ抽出ステップをさらに有し、
前記関数処理ステップでは、前記離散データ抽出ステップにおいて抽出された所定個数の前記離散データを用いて補間値の算出を行うことを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項15】
請求項13または14において、
前記基本標本化関数をf(t)、前記制御標本化関数をC(t)、ユーザによって任意に設定可能なパラメータをαとしたときに、
前記関数処理ステップでは、前記線形結合を、
f(t)+αC(t)
で演算することを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項16】
請求項15において、
前記関数処理ステップは、
前記基本標本化関数を用いて複数の前記離散データに対する畳み込み演算を基本項演算部によって行う基本項演算ステップと、
前記制御標本化関数を用いて複数の前記離散データに対する畳み込み演算を制御項演算部によって行う制御項演算ステップと、
前記制御項演算ステップにおける算出結果に前記パラメータを乗算する演算を係数乗算部によって行う係数乗算ステップと、
を備えることを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項17】
請求項15において、
前記関数処理ステップでは、前記パラメータの値が指定されたときに、前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを線形結合して得られる前記標本化関数を特定し、この標本化関数を用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算を行うことにより前記補間値を算出することを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項18】
請求項16または17において、
ユーザの指示に応じて前記パラメータの値をパラメータ設定部によって任意に設定するパラメータ設定ステップをさらに有することを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項19】
請求項16または17において、
ユーザの操作指示に応じて、予め設定された前記パラメータの複数の値の中から一つを選択するパラメータ選択ステップをさらに有することを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項20】
請求項13~19のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可能な区分的多項式で、他の区間は恒等的に0で表される関数であり、
前記制御標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-2、2]において1回だけ微分可能な区分的多項式で、他の区間では恒等的に0となる関数であることを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項21】
請求項13~20のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数f(t)は、
【数3】


で表され、
前記制御標本化関数をC0(t)=Cr(t)+Cr(-t)としたときに、前記Cr(t)は、
【数4】


で表されることを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項22】
請求項13~21のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数および前記制御標本化関数のそれぞれは、前記離散データ間の所定の区分数に応じて予め計算された関数値がテーブル化されてテーブル値として前記関数処理部に保持されており、
前記関数化処理ステップでは、このテーブル化された関数値を用いて前記離散データに対する畳み込み演算が行われることを特徴とする可変特性型信号変換方法。

【請求項23】
請求項22において、
前記離散データ間の異なる複数の区分数について、それらの区分数の最小公倍数の区分数に対応する前記テーブル値が予め演算されて前記関数処理部に保持されていることを特徴とする可変特性型信号変換方法。
国際特許分類(IPC)
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