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シロール化合物とその製造方法およびそれを用いた有機電界発光素子

国内特許コード P110004234
整理番号 E079P27
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-264653
公開番号 特開2009-108053
登録番号 特許第5159551号
出願日 平成20年10月10日(2008.10.10)
公開日 平成21年5月21日(2009.5.21)
登録日 平成24年12月21日(2012.12.21)
優先権データ
  • 特願2007-265948 (2007.10.11) JP
発明者
  • 中村 栄一
  • 佐藤 佳晴
  • 辻 勇人
  • イリエシュ・ラウレアン
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 シロール化合物とその製造方法およびそれを用いた有機電界発光素子
発明の概要 【課題】素子の効率が高く、素子動作電圧が低く、さらに、薄膜構造の安定性が良く、長期にわたり安定で高い発光特性を得ることができる有機電界発光素子とそれに好適なシロール化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(I)



(式中、R1~Rは、それぞれ独立に脂肪族炭化水素基等を示し、a~dは、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示す。Arはn価の芳香族炭化水素環残基または芳香族複素環残基を示す。)で表わされるシロール化合物を含有する層を設けた。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


有機電界発光素子は、電界を印加することにより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子との再結合エネルギーによって蛍光性物質が発光する原理を利用した自発光素子である。



イーストマン・コダック社のC.W. Tangらによって積層型素子による低電圧駆動の有機電界発光素子に関する報告(非特許文献1)がなされて以来、有機材料を構成材料とする有機電界発光素子に関する研究が盛んに行われている。Tangらは、トリス(8-ヒドロキシキノリノールアルミニウム)を発光層に、トリフェニルジアミン誘導体を正孔輸送層に用いている。積層構造の利点としては、発光層への正孔の注入効率を高めること、陰極より注入された電子をブロックして再結合により生成する励起子の生成効率を高めること、発光層内で生成した励起子を閉じこめることなどが挙げられる。



有機電界発光素子の素子構造としては、正孔輸送(注入)層、電子輸送性発光層の2層型、または正孔輸送(注入)層、発光層、電子輸送(注入)層の3層型等がよく知られている。こうした積層型構造素子では、注入された正孔と電子の再結合効率を高めるため、素子構造や形成方法の工夫がなされている。材料に関しても様々な化合物が有機電界発光素子用材料として開発されている。



正孔輸送材料としてはスターバースト分子である4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミンやN,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン等のトリフェニルアミン誘導体や芳香族ジアミン誘導体がよく知られている(特許文献1~5参照)。



また、発光材料としてはトリス(8-キノリノラート)アルミニウム錯体等のキレート錯体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体等の発光材料が知られており、それらの発光色として青色から赤色までの可視領域の発光が得られることが報告されており、フルカラー表示素子の実現が期待されている(特許文献6~9参照)。



電子輸送材料としては、上記に発光材料として例示したトリス(8-キノリノラート)アルミニウム錯体が用いられており、その他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、シロール化合物(特許文献10参照)等がよく知られている。シロール化合物については素子の低電圧化が報告されているが(非特許文献2,3参照)、電子移動度については2×10-4cm/V・secとまだ低い状態にあり(非特許文献4参照)、耐熱性とともに改善の必要がある。
【特許文献1】
特開平8-20771号公報
【特許文献2】
特開平8-40995号公報
【特許文献3】
特開平8-40997号公報
【特許文献4】
特開平8-53397号公報
【特許文献5】
特開平8-87122号公報
【特許文献6】
特開昭59-194393号公報
【特許文献7】
特開平2-247278号公報
【特許文献8】
特開平10-340786号公報
【特許文献9】
特開2001-196182号公報
【特許文献10】
特開平9-194487号公報
【非特許文献1】
C.W. TangおよびS.A. VanSlyke:Appl. Phys. Lett.,51巻,913頁,1987年
【非特許文献2】
K. Tamaoら:J. Am. Chem. Soc., 118巻,11974頁,1996年
【非特許文献3】
S. Tabatakeら:Jpn. J. Appl. Phys., 41巻,6582頁,2002年
【非特許文献4】
H. Murataら:Chem. Phys. Lett.,339巻,161頁,2001年

産業上の利用分野


本発明は、シロール化合物とその製造方法およびそれを用いた有機電界発光素子に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(I)で表されるシロール化合物。
【化1】


(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、R1とR2は互いに結合して飽和または不飽和の環を形成していてもよい。R3は、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。a,b,c,dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子を示す。Arはn価の芳香族炭化水素環残基または芳香族複素環残基を示し、nは2~6の整数を示す。)

【請求項2】
下記一般式(II)で表されるシロール化合物。
【化2】


(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、R1とR2は互いに結合して飽和または不飽和の環を形成していてもよい。R3は、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。a,b,c,dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子を示す。Mは高周期14族の原子を示し、Yはそれぞれ独立にアルキル基、アルキルアミノ基、またはアリール基を示し、mはMの価数から1を引いた整数を示す。)

【請求項3】
請求項2記載のシロール化合物の製造方法であって、下記一般式(III)で表わされるアセチレン誘導体と有機スタンニルリチウム化合物および有機シリルリチウム化合物から選ばれるいずれかの高周期14族アニオン種とを反応させることを特徴とするシロール化合物の製造方法。
【化3】


(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、R1とR2は互いに結合して飽和または不飽和の環を形成していてもよい。R3は、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。a,b,c,dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子を示す。)

【請求項4】
請求項2記載のシロール化合物と、下記一般式(IV)で表わされる芳香族ハロゲン化物を反応させて前記一般式(I)で表されるシロール化合物を得ることを特徴とするシロール化合物の製造方法。
【化4】


(式中、Arはn価の芳香族炭化水素環残基もしくは芳香族複素環残基を示し、nは1~6の整数を示し、Xはハロゲン原子を示す。)

【請求項5】
下記一般式(V)で表されるシロール化合物。
【化5】


(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数1~6のアルコキシ基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示し、R1とR2は互いに結合して飽和または不飽和の環を形成していてもよい。R3は、炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。a,b,c,dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素原子を示す。)

【請求項6】
請求項5記載のシロール化合物と、下記一般式(VI)で表わされる芳香族化合物とを反応させて前記一般式(I)で表されるシロール化合物を得ることを特徴とするシロール化合物の製造方法。
【化6】


(式中、Arはn価の芳香族炭化水素環残基もしくは芳香族複素環残基を示し、nは1~6の整数を示し、Zはそれぞれ独立にZnX、MgX、BR、SnR、またはSiR(ここでXはハロゲン原子を示し、Rはそれぞれ独立にアルキル基、アルキルアミノ基、またはアリール基を示す。)を示す。)

【請求項7】
基板上に、陽極、陰極、および該両極間に存在する発光層を有する有機電界発光素子であって、請求項1記載のシロール化合物を含有する層が設けられていることを特徴とする有機電界発光素子。

【請求項8】
シロール化合物を含有する層は、陰極と発光層との間に設けられた電子輸送層であることを特徴とする請求項7記載の有機電界発光素子。

【請求項9】
シロール化合物を含有する層は、発光層と電子輸送層との間に設けられた正孔阻止層であることを特徴とする請求項7記載の有機電界発光素子。

【請求項10】
シロール化合物を含有する層は、発光層であることを特徴とする請求項7記載の有機電界発光素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村活性炭素クラスタープロジェクト 領域
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