TOP > 国内特許検索 > 離散信号の実時間補間装置および方法

離散信号の実時間補間装置および方法 コモンズ

国内特許コード P110004241
整理番号 A222P46
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-284443
公開番号 特開2010-114583
登録番号 特許第5014312号
出願日 平成20年11月5日(2008.11.5)
公開日 平成22年5月20日(2010.5.20)
登録日 平成24年6月15日(2012.6.15)
発明者
  • 寅市 和男
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 離散信号の実時間補間装置および方法 コモンズ
発明の概要

【課題】演算時間を短縮することができる離散信号の実時間補間装置および方法を提供すること。
【解決手段】離散信号補間装置は、複数の標本化関数値を記憶する標本化関数値記憶部120と、入力される離散データを取り込んで順番に出力する離散信号入力部110と、標本化関数値記憶部120に格納された複数の関数値のそれぞれと離散データとを乗算することにより、複数の標本化関数値のそれぞれに対応する複数の乗算結果を出力する乗算部130と、乗算部130から出力される複数の乗算結果のそれぞれに対応する複数の中間値を作成して出力する中間値作成部150と、乗算部130から出力される複数の乗算結果と、中間値作成部150から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて加算する対応点加算部140と、対応点加算部140から出力される複数の加算結果を記憶する演算結果記憶部160とを備える。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来、デジタルデータのような離散データからアナログ信号を生成する方法としては、離散データと標本化関数(インパルス応答関数)との畳込み演算を行う手法が知られており、これにより標本点間の信号を生成することが行われている。この手法では、シャノンの標本化定理に代表される標本化関数が広く用いられてきた。シャノンの標本化関数は、一般にSINC関数と呼ばれ、図13に示すように、t=0の標本位置のみで関数値が1になるとともに、他の全ての標本位置で関数値が0となり、理論的に-∞から+∞までその振動が無限に続く波形を示す。この標本化関数と離散データの畳込み演算を行うためには、理論的には無限個の離散データが必要となり、無限時間後に出力信号が生成されることになる。言い換えれば、永久に出力信号は生成できないことになる。



このため、実際に各種のプロセッサ等によってシャノンの標本化関数を用い離散データ間の補間処理を実行する際には、強制的に有限区間で処理が打ち切られている。その結果、打ち切りによる誤差が発生するという問題があった。このような問題を解決するために、打ち切り誤差がなく、しかも高次の帯域成分までも再生可能であって、有限の範囲で収束する標本化関数を用いてデータ補間を行うデータ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このデータ処理装置で用いられる標本化関数は、原点(t=0)から前後2個先の標本位置で関数値が0に収束するため、データ補間位置aにおける補間値を少ない演算量で求めることができる。

【特許文献1】国際公開第99/38090号パンフレット

産業上の利用分野


本発明は、離散信号の連続信号への変換装置及び方法に関し、例えば所定のサンプリング周波数でサンプリングされた時間方向に並ぶ離散データ間を補間して、入力時のサンプリング周波数よりも高周波で離散データを生成あるいはアナログ信号を生成する際に適用して好適な離散信号の実時間補間装置および方法に関する。また、本発明は、入力された信号の周波数特性を変化させた出力信号の周波数特性を得るのに好適な離散信号の実時間補間装置および方法に関する。



なお、本明細書においては、高周波の離散間隔で信号生成することとアナログ信号を生成することを同一の処理として「アナログ信号の生成」と称して説明を行うものとする。また、関数の値が局所的な領域で0以外の有限の値を有し、それ以外の領域で0となる場合を「有限台」と称して説明を行うものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
所定範囲において標本位置t=0に対応する関数値が1で、その他の複数の標本位置のそれぞれに対応する関数値が0で、それ以外の位置に対応する関数値が0以外の有限の値を有する標本化関数について、前記所定範囲に含まれる前記標本位置tおよび隣接する2つの標本位置間を分割した位置のそれぞれに対応する複数の関数値を記憶する標本化関数値記憶手段と、
入力される離散データを取り込んで順番に出力する離散データ入力手段と、
前記標本化関数値記憶手段に格納された複数の関数値のそれぞれと、前記離散データ入力手段から出力される離散データとを乗算することにより、前記複数の関数値のそれぞれに対応する複数の乗算結果を出力する乗算手段と、
前記乗算手段から出力される複数の乗算結果のそれぞれに対応する複数の格納部を有し、これらの格納部のそれぞれに格納した複数の中間値を出力する中間値作成手段と、
前記乗算手段から出力される複数の乗算結果と、前記中間値作成手段から出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する対応点加算手段と、
前記対応点加算手段から出力される複数の加算結果を記憶する演算結果記憶手段と、
を備え、前記中間値作成手段は、前記離散データ入力手段から出力される離散データが切り替わる毎に、前記演算結果記憶手段に記憶された複数の加算結果を、前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして前記複数の格納部に格納することにより前記中間値を作成するとともに、対応する前記加算結果が前記演算結果記憶手段に記憶されていない場合には0を内容とする前記中間値を作成することを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項2】
請求項1において、
前記演算結果記憶手段に記憶されている前記複数の加算結果の中で、前記対応点加算手段による加算回数が最も多い加算結果を取り出して出力する補間値出力手段をさらに備えることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項3】
請求項1または2において、
前記標本化関数は、前記所定範囲以外で関数値が0であることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記標本化関数は、前記所定範囲を2以上に分割したそれぞれの分割区間がn次多項式で表現される区分的多項式関数であることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかにおいて、
前記標本化関数は、それぞれが有限台の区分的多項式で表される基本標本化関数および制御標本化関数の線形結合で表されることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項6】
請求項5において、
前記基本標本化関数をf(t)、前記制御標本化関数をC(t)、ユーザによって任意に設定可能なパラメータをαとしたときに、
前記標本化関数は、f(t)+αC(t)により表されることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項7】
請求項6において、
前記基本標本化関数に対応して前記標本化関数値記憶手段、前記乗算手段、前記中間値作成手段、前記対応点加算手段、前記演算結果記憶手段を有する基本項補間値演算部と、
前記制御標本化関数に対応して前記標本化関数値記憶手段、前記乗算手段、前記中間値作成手段、前記対応点加算手段、前記演算結果記憶手段を有する制御項補間値演算部と、
前記パラメータαの値を設定する係数設定部と、
前記制御項補間値演算部によって演算されて出力される前記制御標本化関数に対応する補間値に前記係数設定部によって設定された前記パラメータαとを乗算する係数乗算部と、
前記係数乗算部によって乗算された結果と、前記基本項補間値演算部によって演算されて出力される前記基本標本化関数に対応する補間値とを加算する線形加算部と、
を備えることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項8】
請求項7において、
前記係数設定部は、ユーザの指示に応じて前記パラメータαの値を任意に設定することを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項9】
請求項7において、
前記係数設定部は、ユーザが操作することにより、予め設定された複数の値の中から一つが選択されたときに、この値を前記パラメータαとして設定することを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項10】
請求項5~9のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可能な区分的多項式で、他の区間は恒等的に0で表される関数であり、
前記制御標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-2、2]において1回だけ微分可能な区分的多項式で、他の区間では恒等的に0となる関数であることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項11】
請求項5~10のいずれかにおいて、
前記基本標本化関数f(t)は、
【数式1】


で表され、
前記制御標本化関数をC0(t)=Cr(t)+Cr(-t)としたときに、前記Cr(t)は、
【数式2】


で表されることを特徴とする離散信号の実時間補間装置。

【請求項12】
所定範囲において標本位置t=0に対応する関数値が1で、その他の複数の標本位置のそれぞれに対応する関数値が0で、それ以外の位置に対応する関数値が0以外の有限の値を有する標本化関数について、前記所定範囲に含まれる前記標本位置tおよび隣接する2つの標本位置間を分割した位置のそれぞれに対応する複数の関数値を記憶する標本化関数値記憶手段を有する実時間補間装置における実時間補間方法であって、
入力される離散データを取り込んで順番に出力する離散データ入力ステップと、
前記標本化関数値記憶手段に格納された複数の関数値のそれぞれと、前記離散データ入力ステップにおいて出力される離散データとを乗算することにより、前記複数の関数値のそれぞれに対応する複数の乗算結果を出力する乗算ステップと、
前記乗算ステップにおいて出力される複数の乗算結果のそれぞれに対応する複数の格納部に格納した複数の中間値を出力する中間値作成ステップと、
前記乗算ステップにおいて出力される複数の乗算結果と、前記中間値作成ステップにおいて出力される複数の中間値とを、1対1に対応させて対応するもの同士を加算して複数の加算結果を出力する対応点加算ステップと、
前記対応点加算ステップにおいて出力される複数の加算結果を記憶する演算結果記憶ステップと、
を有し、前記中間値作成ステップでは、前記離散データ入力ステップにおいて出力される離散データが切り替わる毎に、前記演算結果記憶ステップにおいて記憶された複数の加算結果を、前記標本化関数の隣接する標本位置に対応する区間分ずらして前記複数の格納部に格納することにより前記中間値を作成するとともに、対応する前記加算結果が前記演算結果記憶ステップにおいて記憶されていない場合には0を内容とする前記中間値を作成することを特徴とする実時間補間方法。

【請求項13】
請求項12において、
前記演算結果記憶ステップにおいて記憶されている前記複数の加算結果の中で、前記対応点加算ステップによる加算回数が最も多い加算結果を取り出して出力する補間値出力ステップをさらに有することを特徴とする実時間補間方法。

【請求項14】
請求項12または13において、
前記標本化関数は、それぞれが有限台の区分的多項式で表される基本標本化関数および制御標本化関数の線形結合で表されることを特徴とする実時間補間方法。

【請求項15】
請求項14において、
前記基本標本化関数をf(t)、前記制御標本化関数をC(t)、ユーザによって任意に設定可能なパラメータをαとしたときに、
前記標本化関数は、f(t)+αC(t)により表されることを特徴とする実時間補間方法。
産業区分
  • 伝送回路空中線
国際特許分類(IPC)
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008284443thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 情報社会を支える新しい高性能情報処理技術 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close