TOP > 国内特許検索 > 抵抗変化型不揮発性メモリー素子

抵抗変化型不揮発性メモリー素子 コモンズ

国内特許コード P110004242
整理番号 BE060P25
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-287236
公開番号 特開2010-114332
登録番号 特許第5096294号
出願日 平成20年11月8日(2008.11.8)
公開日 平成22年5月20日(2010.5.20)
登録日 平成24年9月28日(2012.9.28)
発明者
  • 細野 秀雄
  • 神谷 利夫
  • 平野 正浩
  • 金 聖雄
  • 足立 泰
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 抵抗変化型不揮発性メモリー素子 コモンズ
発明の概要 【課題】電圧印加により電気抵抗値が変化する抵抗変化材料を利用した不揮発性メモリー装置のメモリー素子及び、メモリー素子の製造方法を提供する。
【解決手段】活性層3,4の両面に電極1,5を形成した抵抗変化メモリー素子において、活性層3,4が12CaO・7Al酸化膜/12CaO・7Al:eの積層構造からなる二層膜である(ここで、「12CaO・7Al:e」は、12CaO・7Al中のフリー酸素イオンの1020cm-3以上、2.3×1021cm-3以下を電子で置換したエレクトライド化合物、「12CaO・7Al酸化膜」は、「12CaO・7Al:e」の表面を酸化して形成された膜)。エレクトライド化合物3の表面を酸化することにより二層膜を形成することができる。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


近年、携帯電話などのモバイル機器が広く使われているが、それら機器では、データを保
持するために、フラッシュメモリーなど、不揮発性メモリーが必要であり、より高性能の
不揮発メモリーの開発が必要となっている。さらに、パソコンなどの機器においても、メ
モリー素子のさらなる高速処理性、高集積化、大容量化が求められている。



すなわち、今後の高度情報社会(ユビキタス社会)を迎えるうえで、フラッシュメモリー
、DRAM、磁気デスクなど大容量メモリーのさらなる高性能化の必要性が挙げられる。
現在、フラッシュメモリーの性能向上がなされ、その結果としての市場規模は、DRAM
を凌ぐ勢いであるが、フラッシュメモリーにおいても、素子の微細化が進むにつれ、隣接
メモリー間干渉の増大など、フラッシュメモリー特有の問題が生じ始めており、大容量化
の障害になりつつある。



これらの現状を踏まえると、既存のメモリー素子とは、全く異なる原理で作動する次世代
メモリー素子の開発が望まれている。こうした次世代メモリー素子に課せられた条件は、
SRAM並みの高速アクセス(書き込み/読み出し)、DRAM並みの高集積化(大容量
化)、フラッシュメモリー並の不揮発性、低消費電力などである。



次世代メモリーの候補として、FeRAM(抵抗変化メモリ;resistive random access
memory),MRAM,PRAMなど様々なメモリーが挙げられるが、そうした次世代メモリ
ーの1つであるReRAMが注目を浴びている。



このReRAMは、電極で挟んだ活性層(酸化物、固体電解質、又は有機物)に電圧を印加
することによって発生する電気抵抗値の可逆かつ不揮発的な変化を利用した抵抗スイッチ
ング型メモリーである。抵抗スイッチングの現象は、1960年代にAl23,NiOな
どで報告されている(非特許文献1、2)が、これらの材料系では、動作機構に不明な部
分が多いこともあり、メモリー素子としての実用化までには至っていない。



その後、ヒューストン大学の研究グループによってPCMO(Pr1-xCaxMnO3)を用
いた抵抗変化型不揮発性メモリー(ReRAM)(非特許文献3)及びその素子を用いた
集積化メモリー(非特許文献4)が発表され、研究・開発が一気に加速された。



ReRAMは、電圧を印加することによって起こる抵抗値の変化現象をメモリーに応用し
ているが、このメモリーは、電流(I)-電圧(V)特性から、2つの種類に大別されてい
る。一つは、NiOなどの二元系酸化物で多く報告されているもの(非特許文献5、6、
特許文献1、2)で、電圧の極性によらず抵抗状態を変化させるノンポーラ型である。



もう一方は、ペロブスカイト型やスピネル型の複合酸化物(PCMO,STO,Cr-do
ped SrZnO3,MM‘、RMCoO,AA’1-x)で多く報
告されている(非特許文献1、2、7、8、特許文献3~7)、電圧の極性の違いによっ
て抵抗状態を変化させるバイポーラ型である。



本発明者らは、これまで複合酸化物である12CaO・7Al(以下、「C12A
7」と記す)化合物について種々の研究開発を行なってきた。複合酸化物であるC12A
7は、マイエナイト型結晶構造を有し、三次元的に連結された、単位格子当たり12個の
、直径約0.4nmの空隙(ケージ)から構成される特徴的な構造を持つ。



ケージを構成する骨格は正電荷を帯びており、ケージの1/6(3個)は、結晶の電気的中
性条件を満たすため、酸素イオン(O2-)によって占められているが、この酸素イオンは
、骨格を構成する他の酸素イオンとは化学的に異なる特性を持つことから、とくに、「フ
リー酸素イオン」と呼ばれている。



すなわち、C12A7結晶は化学組成として、[Ca24Al28644+・2O
と表記され、非常に電気抵抗の高い、典型的な電気絶縁体である。CaをSrで完全に
置換したS12A7もマイエナイト型結晶構造を有し、その電気特性もC12A7と同様
である。



本発明者らは、絶縁体であるC12A7を化学的に還元処理にすることによって、ケージ
構造骨格を維持したまま、ケージの中のフリー酸素イオンが電子と置き換わることを見出
した。電子置換の結果、C12A7の電気伝導特性は、絶縁体から、半導体、金属、さら
には、超電導転移まで変化する(非特許文献9~11、特許文献8~12)。



すなわち、置換電子濃度により、C12A7の電気抵抗は、8桁以上変化することを見出
した。C12A7中の電子濃度は、光吸収スペクトルの2.4eV付近にピークを有する
吸収バンドの強度から求めることができる(非特許文献12)。フリー酸素を電子で置換
したC12A7はエレクトライド化合物とみなすことができる。このC12A7エレクト
ライド膜の下面にPtなどの金属をコーティングするとC12A7エレクトライドと該金
属を電極とするオーミック接触が得られる(非特許文献13)。



【特許文献1】
特開2004-363604号公報
【特許文献2】
特開2006-140489号公報
【特許文献3】
特表2002-537627号公報
【特許文献4】
WO2006/028117
【特許文献5】
WO2006/030814
【特許文献6】
特開2007-293969号公報
【特許文献7】
特開2008-034641号公報
【特許文献8】
WO2005/000741
【特許文献9】
WO2005/077859
【特許文献10】
特開2008-266105号公報
【特許文献11】
特開2008-195582号公報
【特許文献12】
特開2008-195583号公報
【非特許文献1】
T. W. Hickmott, J. Appl. Phys. 33(1962) 2669
【非特許文献2】
J. Gibbsons and W. E. Beadle, Solid-State Electron. 7 (1964) 785
【非特許文献3】
S. Q. Liu, N. J. Wu and A. IgnaTiev : Appl. Phys. Lett. 76 (2000) 2749
【非特許文献4】
W. W. Zhang, W. Pan, B. D. Ulrich, J. J. Lee, L. Stecker, A. Burmaster, D. R. Evans, S. T. Hsu, M. Tajiri, A. Shimaoka, K. Inoue, T. Naka, N. Awaya, K. Sakiyama, Y. Wang, S. Q. Liu, N. J. Wu and A. IgnaTiev, Tech. Dig. Int. Electron Devices Meet., San Francisco, 2002, p.193.
【非特許文献5】
S. Seo, M. J. Lee, D. H. Seo, E. J. Jeoung, D. S. Suh, Y. S. Joung, I. K. Yoo, Appl. Phys. Lett. 85 (2004) 5655.
【非特許文献6】
K. Kinoshita, T. Tamura, M. Aoki, Y. Sugiyama, and H. Tanaka, Appl. Phys. Lett. 89 (2006) 103509.
【非特許文献7】
K. Szot, W. Speier, G. Bihlmayer and R. Waser, Nat. Mater. 5 (2006) 312
【非特許文献8】
A. Beck, J. G. Bednorz, Ch. Gerber, C. Rossel, and D. Widmer, Appl. Phys. Lett. 77(2000) 139.
【非特許文献9】
S. Matsuishi, Y. Toda, M. Miyakawa, K. Hayashi, T. Kamiya, M. Hirano, I.Tanaka, H. Hosono, Science 301 (2003) 626.
【非特許文献10】
S. W. Kim, S. Matsuishi, T. Nomura, Y. Kubota, M. Takata, K, Hayashi, T, Kyamiya, M. Hirano, H. Hosono, Nano Lett. 7 (2007) 1138.
【非特許文献11】
M. Miyakawa, S.W. Kim, M. Hirano, Y. Kohama, H. Kawaji, T. Atake, H. Ikegami, K. Kono, H. Hosono, J. Am. Chem. Soc.; (CommuniCaTion), 129, 7270-7271, (2007).
【非特許文献12】
K. Kurashige, Y, Toda, S, Matuishi, K, Hayashi, K, Ueda, T, Kamiya, M, Hirano, H. Hosono, Cryst. Growth Des. 6 (2006) 1602.
【非特許文献13】
T. Kamiya, S. Aiba, M. Miyakawa, K. Nomura, S. Matsuishi, K. Hayashi, K. Ueda, M. Hirano and H. Hosono, Chem. Mater. 17 (2005) 6311

産業上の利用分野


本発明は、電圧印加により電気抵抗値が変化する抵抗変化材料を利用した不揮発性メモリー装置のメモリー素子及び、当該メモリー素子の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に形成された下部電極、抵抗変化層、上部電極にて構成され、抵抗変化層として活
性層を用い、活性層の両面に下部電極及び上部電極を形成した抵抗変化メモリー素子にお
いて、
活性層が12CaO・7Al酸化膜/12CaO・7Al:e(ここで、「
12CaO・7Al:e」は、12CaO・7Al中のフリー酸素イオンの
1020cm-3以上、2.3×1021cm-3以下を電子で置換したエレクトライド
化合物からなる導電体、「12CaO・7Al酸化膜」は、「12CaO・7Al
:e」の表面を酸化して形成された膜からなる絶縁体)の積層構造からなる二層膜
であり、両電極間の電圧印加による二層膜中のフリー酸素イオンの層間移動による二層膜
の抵抗変化を利用したことを特徴とする不揮発性メモリー素子。

【請求項2】
電圧印加による高抵抗状態と低抵抗状態の電気抵抗値の差が10以上であることを特徴
とする請求項1記載のメモリー素子。

【請求項3】
12CaO・7Al酸化膜の膜厚が20~100nmであることを特徴とする請求
項1記載のメモリー素子。

【請求項4】
Pt金属膜を電極に用いることを特徴とする請求項1記載のメモリー素子。

【請求項5】
12CaO・7Al:eの表面を酸化することにより、12CaO・7Al
酸化膜/12CaO・7Al:eの積層構造からなる二層膜を形成することを特徴
とする請求項1記載のメモリー素子の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008287236thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓と応用展開 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close