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ベンゾホスホール化合物を用いた有機光電変換素子

国内特許コード P110004247
整理番号 E079P28
掲載日 2011年7月8日
出願番号 特願2008-305535
公開番号 特開2010-129919
登録番号 特許第5106361号
出願日 平成20年11月28日(2008.11.28)
公開日 平成22年6月10日(2010.6.10)
登録日 平成24年10月12日(2012.10.12)
発明者
  • 中村 栄一
  • 佐藤 佳晴
  • 辻 勇人
  • 佐藤 恒輔
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 三菱化学株式会社
発明の名称 ベンゾホスホール化合物を用いた有機光電変換素子
発明の概要 【課題】陰極バッファ層の成膜性および耐熱性が良好であり、さらに高いエネルギー変換効率を有する有機光電変換素子を提供する。
【解決手段】活性層と陰極との間に、下記一般式(I)等で表わされるベンゾホスホール化合物からなる層を有することを特徴とする。
【化1】



(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、または芳香族複素環基を示し、R3はn価の芳香族炭化水素残基または芳香族複素環残基を示し、nは2~6の整数を示す。a、b、c、およびdはそれぞれ独立に水素原子または置換基と結合した炭素原子または窒素原子を示す。)
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


従来、太陽電池としては、多結晶シリコンを用いたものが開発され実用化されている。しかしその製造には高純度シリコンが必要とされ、製造工程は高温プロセスからなり、製造に要するエネルギーを考慮すると、太陽電池として必ずしも省エネルギー技術に十分貢献しているとは言えない。



また、屋外の発電用途以外では、例えば、可搬型の太陽電池に要求されるプラスチック基板上への素子作製にも課題を残している。



一方、光センサーにおいては、ファクシミリや複写機におけるイメージセンサーとして、シリコン結晶を用いた一次元センサーによるスキャナーによる画像読み取り装置が実用化されているが、スキャン不要で大面積の二次元センサーは実用化されていない。



しかし近年、上記問題点の改良のため、製造に省エネルギーが期待でき、大面積化が容易な塗布プロセスが適用可能な有機材料を用いた太陽電池の開発が行われるようになってきた。



有機材料を用いた湿式太陽電池として、色素増感型が検討されているが、電解質溶液を用いた系であるため、液漏れや液中のヨウ素抜けが問題となっており、実用化には至っていない。



一方、全固体型の有機薄膜太陽電池は、活性層の設計により、ヘテロ接合型とバルクへテロ接合型に分類される。ヘテロ接合型とは、電子供与体からなる層と電子受容体からなる層を積層して、接合界面における光誘起による電荷移動を利用するものである。非特許文献1では、電子供与体として銅フタロシアニンを、電子受容体としてペリレン誘導体を用いて、変換効率1%が報告されている。この他にも、電子供与体としてペンタセンやテトラセンなどの縮合多環芳香族化合物が検討されており、電子受容体としてはC60のようなフラーレン化合物が使用されている。



もう一つのバルクへテロ接合型とは、電子供与体と電子受容体を適当な比率で混合して活性層とするもので、ヘテロ接合型が2層構造で活性層を形成するのとは異なる。電子供与体と電子受容体の接合は、混合活性層のバルク中において一様に存在し、太陽光を有効に活用できるのが特徴となる。このバルクへテロ接合型素子を作製する方法として、真空蒸着により電子供与体と電子受容体を共蒸着して活性層を形成するものと、両者の混合溶液からスピンコートや印刷法により塗布して形成するものとがある。真空蒸着法では銅フタロシアニンとC60からなる活性層が報告されており(非特許文献2)、湿式塗布法では、共役系高分子であるポリチオフェンとフラーレンの可溶性誘導体である[6,6]-フェニルC61-ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)を混合した系が代表的なものとして挙げられる(非特許文献3)。



バルクヘテロ接合型において、効率をさらに高めるために、活性層を、電子供与体層(p-層)、電子供与体と電子受容体の混合層(i-層)、電子受容体層(n-層)とp-i-n型の3層構造にすることも行われている(非特許文献4)。



上記のいずれの素子構造においても、光吸収により生成した光キャリア(正孔と電子)を電極まで効率良く輸送するために、電極と活性層との間にバッファ層を設けることが行われている。陽極との間には導電性高分子が使用されることが多く、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(略称PEDOT:PSS)などが挙げられる(非特許文献3)。また,陰極と活性層との間には,フッ化リチウムのような無機物や(非特許文献3)、バソクプロイン(略称BCP)(非特許文献2)が用いられている。
【非特許文献1】
C.W. Tang:Appl. Phys. Lett., 48巻,183-185頁,1986年
【非特許文献2】
S. Uchidaら:Appl. Phys. Lett., 84巻,4218-4220頁,2004年
【非特許文献3】
S.E. Shaheenら:Appl. Phys. Lett., 78巻,841-843頁,2001年
【非特許文献4】
M. Hiramotoら:Appl. Phys. Lett., 58巻,1062-1064頁,1991年

産業上の利用分野


本発明は、ベンゾホスホール化合物を用いた有機光電変換素子に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
基板上に、少なくとも一方が透明である陽極と陰極との間に配置された、電子供与体と電子受容体とからなる活性層を有する有機光電変換素子において、活性層と陰極との間に、下記一般式(I)、(II-1)、または(II-2)で表わされるベンゾホスホール化合物からなる層を有することを特徴とする有機光電変換素子。
【化1】


(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、または芳香族複素環基を示し、R3はn価の芳香族炭化水素残基または芳香族複素環残基を示し、nは2~6の整数を示す。a、b、c、およびdはそれぞれ独立に水素原子または置換基と結合した炭素原子または窒素原子を示す。)
【化2】


(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、または芳香族複素環基を示し、R3はn価の芳香族炭化水素残基または芳香族複素環残基を示し、nは2~6の整数を示す。a、b、c、およびdはそれぞれ独立に水素原子または置換基と結合した炭素原子または窒素原子を示す。Eは酸素、硫黄、セレン、またはテルルを示す。)
【化3】


(式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1~6の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、または芳香族複素環基を示し、R3はn価の芳香族炭化水素残基または芳香族複素環残基を示し、nは2~6の整数を示す。a、b、c、およびdはそれぞれ独立に水素原子または置換基と結合した炭素原子または窒素原子を示す。Mは遷移金属原子を示し、Lは遷移金属原子Mの配位子を示し、mはMの価数から1を引いた整数を示す。m=0の場合、Lは存在しない。)

【請求項2】
活性層が、電子供与体としてポルフィリン化合物またはフタロシアニン化合物を含有し、電子受容体としてフラーレン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。

【請求項3】
活性層が、電子供与体として下記一般式(III)または(IV)で表わされるベンゾポルフィリン化合物を含有し、ベンゾポルフィリン化合物が可溶性前駆体からの熱転換により形成されることを特徴とする請求項2に記載の有機光電変換素子。
【化4】


【化5】


(式中、ZiaおよびZib(i=1~4)は水素原子、ハロゲン原子、または1価の有機基を示し、ZiaとZibとが結合して環を形成していてもよい。R4~R7は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または1価の有機基を示す。Mは2価の金属原子、または3価以上の金属と他の原子とが結合した原子団を示す。)

【請求項4】
活性層が、電子供与体として共役系高分子を含有し、電子受容体としてフラーレン化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。

【請求項5】
前記一般式(I)、(II-1)、または(II-2)で表わされるベンゾホスホールを含有する層が形成された後、50~250℃の温度範囲でアニール処理したものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の有機光電変換素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村活性炭素クラスタープロジェクト 領域
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