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磁性光硬化樹脂およびそれを用いて作成した磁性立体構造物 コモンズ

国内特許コード P110004258
整理番号 AF02P003
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-331710
公開番号 特開2010-150441
登録番号 特許第5535474号
出願日 平成20年12月26日(2008.12.26)
公開日 平成22年7月8日(2010.7.8)
登録日 平成26年5月9日(2014.5.9)
発明者
  • 生田幸士
  • 小林謙吾
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 磁性光硬化樹脂およびそれを用いて作成した磁性立体構造物 コモンズ
発明の概要 【課題】磁性微粒子を光硬化樹脂に添加するとともにその磁性粒子の凝集及び沈殿を防ぐために,同時に増粘剤を添加し攪拌することで、磁性微粒子を均一分散させた光硬化樹脂の提供。
【解決手段】光硬化樹脂に磁性微粒子および増粘剤を添加、攪拌することにより、従来手法では凝集してしまう磁性微粒子を樹脂内で均一分散する。こうしてできた磁性光硬化樹脂を光造形法によって硬化・積層させることで、従来技術では実現不可能な複雑な磁性立体構造物を作成する。また新たな磁気駆動アクチュエータやセンサが実現可能でありこの成果は現在急成長しているマイクロデバイス分野や医療など様々な分野での革新的技術となる。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要



光硬化性樹脂を用いた光造形装置及び光造形法についてはこれまで種々の技術が提案されている(特許文献1~特許文献4)。

【特許文献1】

開平8-150662

【特許文献2】

開平6-170954

【特許文献3】

開2000-33652

【特許文献4】

開平8-118480





特許文献1に記載されている光造形装置は、

イ)光硬化樹脂に混ぜられた微粒子の分散状態を保つために、振動機構・脱泡機構・冷却機構を含んだ光造形装置

ロ)微粒子を振動によって攪拌子しながら立体構造物を作製する光造形法

を特徴としている。





そして特許文献1に記載されているものは、本発明と以下の点で相違している。

イ)文献1の対象とする微粒子混合光硬化樹脂は“光硬化樹脂+微粒子”であるのに対し、本発明による微粒子混合光硬化樹脂は“光硬化樹脂+微粒子+増粘剤”から成る。

ロ)文献1は装置に攪拌機構を追加し、造形工程中に微粒子の攪拌を行うことで均一分散を実現している。これに対し、本発明は増粘剤混合により光硬化樹脂を高粘度化(流動性を悪く)することで微粒子の凝集・沈殿を抑制し、均一分散を実現する。この樹脂は攪拌を継続的に行わなくても、均一分散を長時間維持可能である。

ハ)ロ)の理由より、光造形工程時の攪拌工程を必要としないため、装置を簡略化することができる。





特許文献2に記載されている光造形装置は、

イ)補強を目的とした微粒子を混合した光硬化樹脂および光造形法

ロ)補強材を光硬化樹脂内で均一分散させるための手法として

(1)光硬化樹脂に磁性物体を混ぜて,光造形過程中に磁性物体を外部磁場により運動させ,補強材を均一分散させる。

(2)光硬化樹脂に増粘剤を混ぜて高粘度化させることで、補強材の沈下を防ぎ、均一分散させる。

を特徴としている。





そして特許文献2に記載されているものは、本発明と以下の点で相違する。

イ)文献2で対象としている微粒子は補強を目的としており、ガラス繊維などの磁性を持たない微粒子である。これに対し、本発明は磁性を持った微粒子を用いる。

ロ)文献2も磁性物体を混ぜている。

また、磁性物体を混ぜる目的が異なる。文献2では磁性物体は光造形中に不規則運動させることを前提とし、補強材を攪拌することを目的としているが、本発明は磁性微粒子を造形中に運動させず、完成した立体構造物自体に磁性を持たせることを目的としている。ハ)文献2も微粒子の分散を目的として増粘剤を使用しているが、その材料の構成は“光硬化樹脂+補強材+増粘剤”である。本発明は“光硬化樹脂+磁性微粒子+増粘剤”という構成からなり対象とする微粒子が異なる。





特許文献3に記載されている光造形法は、

イ)磁性微粒子を混ぜた光硬化樹脂

ロ)光硬化樹脂に磁場を印加するための装置を設けた光造形装置

ハ)磁性微粒子を混ぜた光硬化樹脂に磁場を印加して微粒子を配向させた後に、露光硬化させる光造形手法

を特徴としている。





そして特許文献3に記載されているものは、本発明と以下の点で相違する。

イ)文献3の材料の構成は“光硬化樹脂+磁性微粒子”である。これに対し、本発明の材料構成は“光硬化樹脂+磁性微粒子+増粘剤”である。

ロ)文献3は光造形時に磁場を印加するが,本発明においては光造形時に磁場を印加しない(ただし、磁場を印加しての造形も可能である)。

ハ)磁性微粒子を添加する目的が異なる。文献3は光硬化樹脂のはじきを改善するために磁性微粒子を混ぜているが、本発明は完成した立体構造物を磁性アクチュエータやセンサなどに応用するために磁性微粒子を混ぜている。したがって、混ぜる量も異なり、文献3は同明細書中の実施例〔0015〕項より“10wt%以上の磁性微粒子の混合は好ましくない”と指摘しているが、本発明は完成した構造物の磁性特性を高めるために高い混合率を求める。実際に我々は50wt%の磁性微粒子を混合させている。





特許文献4に記載されている光造形法は、

イ)微粒子を混合させた光硬化樹脂を用いた光造形法

ロ)微粒子が磁性体から成り、平滑化の際に磁場を印加する光造形法

ハ)電気レオロジー効果を有する粉体から成り、光照射の際に電場を印加する光造形法

ニ)光照射によって溶媒に不溶になるシートを用いる光造形法

ホ)前記物質のための光造形装置

を特徴としている。





そして特許文献4に記載されているものは、本発明と以下の点で相違する。

イ)文献4の材料の構成は“光硬化樹脂+微粒子”である。これに対し、本発明の材料構成は“光硬化樹脂+磁性微粒子+増粘剤”である。

ロ)文献4は光造形時に磁場を印加するが、本発明においては光造形時に磁場を印加しない。(ただし、磁場を印加しての造形も可能である。)

ハ)磁性微粒子を添加する目的が異なる。文献4は光硬化樹脂に粉体を混ぜ剛性を増加させることで、作製時にサポートの形成を不要とすることを目的としているが、本発明は完成した立体構造物を磁性アクチュエータやセンサなどに応用するために磁性微粒子を混ぜている。

産業上の利用分野



本発明は、磁性光硬化樹脂およびその磁性光硬化樹脂を用いて作成した磁性立体構造物に関するものである。

本発明は、磁性微粒子を光硬化樹脂に添加するとともにその磁性粒子の凝集及び沈殿を防ぐために,同時に増粘剤を添加し攪拌することで、磁性微粒子を均一分散させた光硬化樹脂を得んとするものである。また、前記光硬化樹脂を硬化・積層させて作成した磁性立体構造物を提案せんとするものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
光硬化樹脂に所定量の磁性微粒子及び所定量の増粘剤を混入し攪拌して構成した磁性光硬化樹脂であって、光硬化樹脂は無溶媒の樹脂であり、磁性微粒子はフェライト微粒子、希土類微粒子、軟磁性体微粒子のいずれかであり、増粘剤としてのヒュームドシリカの混入量は5wt%近傍、であることを特徴とするマイクロデバイス用磁性光硬化樹脂。

【請求項2】
前記増粘剤としてのヒュームドシリカの混入量は、5wt%であることを特徴とする請求項1に記載されるマイクロデバイス用磁性光硬化樹脂。

【請求項3】
前記光硬化樹脂は、エポキシ系樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のマイクロデバイス用磁性光硬化樹脂。

【請求項4】
前記磁性微粒子は、フェライト微粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のマイクロデバイス用磁性光硬化樹脂。

【請求項5】
前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマイクロデバイス用磁性光硬化樹脂を使用し、光造形方法により作成したことを特徴とする磁性立体構造物たるマイクロデバイス。

【請求項6】
前記請求項5の光造形方法に使用する光源としては、UV(紫外線)レーザであることを特徴とする請求項5に記載の磁性立体構造物たるマイクロデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008331710thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 生命現象の解明と応用に資する新しい計測・分析基盤技術 領域
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