TOP > 国内特許検索 > 硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の分析方法、硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を含む薬学的組成物および医薬の製造方法

硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の分析方法、硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を含む薬学的組成物および医薬の製造方法 コモンズ

国内特許コード P110004271
整理番号 A262P36
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-506877
登録番号 特許第4662385号
出願日 平成19年3月26日(2007.3.26)
登録日 平成23年1月14日(2011.1.14)
国際出願番号 JP2007056276
国際公開番号 WO2007111321
国際出願日 平成19年3月26日(2007.3.26)
国際公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
優先権データ
  • 特願2006-084337 (2006.3.26) JP
発明者
  • 菅原 一幸
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の分析方法、硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を含む薬学的組成物および医薬の製造方法 コモンズ
発明の概要 硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の構造を高感度で解析できる分析方法を提供する。また、優れた生物活性を有する硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を含む薬学的組成物および医薬を提供する。さらに、硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を含む薬学的組成物および医薬の製造方法、疾患の治療、診断、症状の軽減および予防方法を提供する。
硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を酵素消化して得られる、モノサッカリド、ジサッカリドまたはトリサッカリドを含む生成物を質量分析する。これにより、硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を構造解析して生物活性等の品質を評価し、優れた薬学的組成物または医薬を製造することができる。また、本発明の薬学的組成物および医薬は、本発明者らが見出した、コンドロイチン硫酸の腫瘍転移阻害活性、デングウィルス感染阻害活性、増殖因子結合活性等に対応した優れた生物活性を有する。
従来技術、競合技術の概要


硫酸化多糖および硫酸化オリゴ糖の中でも、特にコンドロイチン硫酸(CS)やデルマタン硫酸(DS)等のグリコサミノグリカン(GAG)は、ヘパリンやヘパラン硫酸(HS)とともにその生物活性が注目され、盛んに研究されている。例えば、コンドロイチン硫酸(CS)やデルマタン硫酸(DS)は、コアタンパク質に共有結合した形でプロテオグリカン(PG)として合成され(非特許文献1~3)、あらゆる組織の細胞表面や細胞外マトリックスに存在していることが報告されている。さらに、こうしたCS/DS-PGsは、哺乳類の脳の構成成分であり、神経細胞の接着、移動、分化、神経突起形成や軸索誘導などの調節を通して、神経の発生に関与していることも報告されている(非特許文献4~8)。しかしながら、これらグリコサミノグリカンの生物活性等についてはいまだ不明な点が多く、基礎医学、応用医学、創薬等の各分野において、さらなる研究が要求されている。



例えば、これまでに、ヘパリンが癌転移の阻害活性を示すことが分かっていたが、出血などの副作用があるため臨床応用には至っておらず、さらに良質な腫瘍転移阻害剤等の研究開発が求められている。また、ヘパラン硫酸がヘルペスウイルスやデングウイルスの感染のレセプターとなるという報告はあるが、CSについてはそのような報告はない。



さらに、CS等の硫酸化多糖および硫酸化オリゴ糖については、その構造解析についても、さらなる研究が要求されている。例えば、従来の研究としては、CS-EとCS-KをコンドロイチナーゼACIIやACIで消化して硫酸化オリゴ糖とし、NMR測定により、GlcA(3S)構造を確認したことが報告されていた(非特許文献9)。しかし、CS-EまたはCS-KをコンドロイチナーゼABC(CSase ABC)で完全に消化すると、前記GlcA(3S)構造がほとんど消失し、アニオン交換HPLCクロマトグラフィー分析による伝統的なジサッカリド分析では検出できない(非特許文献9)。このため、硫酸化多糖および硫酸化オリゴ糖の構造について、例えば、前記NMR測定よりも感度の良い測定方法が求められている。



【非特許文献1】
The Biochemistry of Glycoproteins and Proteoglycans (Lennarz, W. J., ed.), pp. 267-371, Plenum Publishing, New York (1980)
【非特許文献2】
Annu. Rev. Biochem. 47, 385-417 (1991)
【非特許文献3】
Trends Glycosci. Glycotechnol. 12, 321-349 (2000)
【非特許文献4】
Persp. Dev. Neurol. 3, 319-330 (1996)
【非特許文献5】
Physiol. Rev. 80, 1267-1290 (2000)
【非特許文献6】
Arch. Biochem. Biophys. 374, 24-34 (2000)
【非特許文献7】
Curr. Opin. Struct. Biol. 13, 612-620 (2003)
【非特許文献8】
Glycoconj. J. 21, 329-341 (2004)
【非特許文献9】
Sugahara, K., Tanaka, Y., Yamada, S., Seno, N., and Kitagawa, H. (1996) J. Biol. Chem. 271(43), 26745-26754.

産業上の利用分野


本発明は、硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の分析方法、硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を含む薬学的組成物および医薬の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を酵素消化して得られる生成物を質量分析する工程を含む分析方法であって、前記酵素消化生成物は、モノサッカリド、ジサッカリドおよびトリサッカリドからなる群から選択される少なくとも一つのサッカリドを含み、前記質量分析により解析される前記サッカリドの3-O-硫酸化ヘキスロン酸(ΔHexA(3S))構造に基づき前記硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の構造を解析する分析方法。

【請求項2】
前記質量分析工程に先立ち、前記酵素消化生成物を分画する工程をさらに含む請求項1に記載の分析方法。

【請求項3】
前記分画に用いる手段がゲル濾過クロマトグラフィーである請求項2に記載の分析方法。

【請求項4】
前記硫酸化多糖がグリコサミノグリカンである請求項1から3のいずれか一項に記載の分析方法。

【請求項5】
前記グリコサミノグリカンがコンドロイチン硫酸およびその誘導体のうち少なくとも一方である請求項4に記載の分析方法。

【請求項6】
前記コンドロイチン硫酸が、CS-A、CS-B、CS-C、CS-D、CS-E、CS-KおよびCS-H(DS-E)からなる群から選択される少なくとも一つである請求項5に記載の分析方法。

【請求項7】
グリコサミノグリカンを消化する酵素が、コンドロイチナーゼである請求項5または6に記載の分析方法。

【請求項8】
前記コンドロイチナーゼが、コンドロイチナーゼABCを含む請求項7に記載の分析方法。

【請求項9】
前記硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖が、3-O-硫酸化グルクロン酸(GlcA(3S))構造を含み、前記質量分析により解析される3-O-硫酸化ヘキスロン酸(ΔHexA(3S))構造に基づき前記3-O-硫酸化グルクロン酸(GlcA(3S))構造を検出する請求項1から8のいずれか一項に記載の分析方法。

【請求項10】
前記酵素消化生成物が、前記モノサッカリド、ジサッカリドまたはトリサッカリドが酵素消化により分解される際の分解中間体をさらに含み、前記分解中間体を質量分析により検出することで、前記3-O-硫酸化ヘキスロン酸(ΔHexA(3S))構造を検出する請求項1から9のいずれか一項に記載の分析方法。

【請求項11】
硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を活性成分として含む薬学的組成物の製造方法であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の分析方法により前記硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の構造を解析して生物活性を評価する工程を含むことを特徴とする製造方法。

【請求項12】
前記生物活性が、細胞増殖阻害活性、細胞死誘導活性、腫瘍細胞増殖阻害活性、腫瘍細胞浸潤阻害活性、腫瘍細胞転移阻害活性、腫瘍細胞遊走阻害活性、腫瘍細胞死誘導活性、ウィルス感染阻害活性、デングウィルス感染阻害活性、神経突起伸長促進活性、および増殖因子結合活性からなる群から選択される少なくとも一つの活性である請求項11に記載の製造方法。

【請求項13】
硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖を活性成分として含む医薬の製造方法であって、請求項1から10のいずれか一項に記載の分析方法により前記硫酸化多糖または硫酸化オリゴ糖の構造を解析して生物活性を評価する工程を含むことを特徴とする製造方法。

【請求項14】
前記生物活性が、細胞増殖阻害活性、細胞死誘導活性、腫瘍細胞増殖阻害活性、腫瘍細胞浸潤阻害活性、腫瘍細胞転移阻害活性、腫瘍細胞遊走阻害活性、腫瘍細胞死誘導活性、ウィルス感染阻害活性、デングウィルス感染阻害活性、神経突起伸長促進活性、および増殖因子結合活性からなる群から選択される少なくとも一つの活性である請求項13に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008506877thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 糖鎖の生物機能の解明と利用技術 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close