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フラーレン誘導体およびその製造方法 コモンズ

国内特許コード P110004272
整理番号 E079P21
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-507459
登録番号 特許第4942220号
出願日 平成19年3月15日(2007.3.15)
登録日 平成24年3月9日(2012.3.9)
国際出願番号 JP2007055933
国際公開番号 WO2007111226
国際出願日 平成19年3月15日(2007.3.15)
国際公開日 平成19年10月4日(2007.10.4)
優先権データ
  • 特願2006-081836 (2006.3.24) JP
発明者
  • 中村 栄一
  • 松尾 豊
  • 中江 隆博
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 フラーレン誘導体およびその製造方法 コモンズ
発明の概要 フラーレン;B、Al、Zn、Sn、Pb、Te、Ti、Mn、ZrもしくはSmを含む有機金属試薬(A);ならびに銅化合物(B)を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法。
従来技術、競合技術の概要


炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」ともいう)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。
このようなフラーレン誘導体の具体例として、フラーレン骨格に5個の有機基が結合したフラーレン誘導体(以下、単に、「5重付加フラーレン誘導体」ともいう)の合成方法について報告されている[たとえば、特開平10-167994号公報、特開平11-255509号公報、J.Am.Chem.Soc.,118,12850(1996),Org.Lett.,,1919(2000),Chem.Lett.,1098(2000)]。
5重付加フラーレン誘導体の製造方法としては、たとえば、フェニルグリニヤール試薬とCuBr・S(CHとから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させることにより、フェニルグリニヤール試薬を構成するフェニル基がフラーレンC60の一つの5員環の周囲を取り囲むように位置選択的に付加したフェニル化フラーレン誘導体(C60PhH)が定量的に得られることが知られている[たとえば、特開平10-167994号公報]。
しかしながら、カルボキシル基やエステル基等の置換基を持つ化合物はグリニャール試薬に対して活性であるため、これらの置換基を有するグリニャール試薬を調整することが困難である。そのため、カルボキシル基やエステル基等の置換基を持つグリニャール試薬を用いて、カルボキシル基やエステル基等の置換基を持つフラーレン誘導体を簡便に合成する方法を用いることができなかった。
その結果、これらの置換基を有するフラーレン誘導体を合成するには、たとえば、大過剰のブロモマロン酸エステル誘導体とフラーレンを多段階で反応させて5重付加体を製造する方法[Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,33,2339(1994)、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,34,1607(1995)等]や、C60をベンゼンに対して求電子置換させる工程を含む多段合成法[J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1464(1994)]等の手間と時間のかかる方法を用いてフラーレン誘導体を合成せざるを得なかった。加えて、これらのフラーレン誘導体の製造方法では、位置選択的に5重付加フラーレン誘導体を得ることは極めて困難であり、またフラーレン誘導体の収率も低いという問題点もあった。

産業上の利用分野


本発明はフラーレン誘導体に関する。また、本発明は有機金属試薬と銅化合物とを用いた前記フラーレン誘導体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
フラーレン、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリールアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基、ならびに、B、Al、Zn、Sn、Pb、Te、Ti、Mn、ZrもしくはSmを含む有機金属試薬(A)、ならびに、
銅化合物(B)
を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法であって、
前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である製造方法

【請求項2】
フラーレン、
置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリールアルキル基もしくは置換基を有してもよいアリール基、ならびに、Al、Zn、SnもしくはPbを含む有機金属試薬(A)、ならびに、
銅化合物(B)
を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法であって、
前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である製造方法

【請求項3】
60フラーレン、
エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアルキル基、エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアルケニル基、もしくは、エステル基とアミド基とシアノ基とハロゲン原子とからなる群から選ばれる1以上を有してもよいアリール基、および、Znを含む有機金属試薬(A)、ならびに、
1価もしくは2価の銅化合物(B)
を反応させることを特徴とするフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項4】
フラーレン誘導体が、下記式(1)
Cn(R(R (1)
[式中、nは60以上の偶数;mは3~10の整数;pは1または2;Rはそれぞれ独立し置換基を有してもよいC~C20炭化水素基、置換基を有してもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)を示し;Rは水素原子、C~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項5】
フラーレン誘導体が、下記式(2)
【化1】


[式中、Rはそれぞれ独立し置換基を有してもよいC~C20炭化水素基、置換基を有してもよいC~C20アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C20アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)を示し;Rは水素原子またはC~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基またはアルコキシ基である。]
で表されるフラーレン誘導体C60(Rである、請求項1~3のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項6】
が、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる1以上の置換基を有する、請求項4または5に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項7】
が、エステル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、トリメチルシリルエチニル基およびアリール基、からなる群から選ばれる1以上の置換基を有する、請求項4または5に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項8】
は水素原子、C~C20アルキル基を示す、請求項4~7のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項9】
フラーレン誘導体が、下記式(3)
【化2】


[式中、Rは水素原子、または、置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
で表されるフラーレン誘導体である、請求項1~3のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項10】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す、請求項9に記載のフラーレン誘導体の製造方法であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。

【請求項11】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、請求項9または10に記載のフラーレン誘導体の製造方法であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。

【請求項12】
有機金属試薬(A)に含まれる有機基が、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基またはフェニル基である、請求項1~11のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項13】
銅化合物(B)がCuBr・S(CHである、請求項1~12のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項14】
下記式(3)
【化3】


[式中、Rは水素原子、または、置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
で表されるフラーレン誘導体。

【請求項15】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す、請求項14に記載のフラーレン誘導体であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。

【請求項16】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、請求項14または15に記載のフラーレン誘導体であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。

【請求項17】
下記式(4)
【化4】


[式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、または置換基を有してもよいC~C20炭化水素基を示し、Mは金属原子であり、LはMの配位子であり、nはLの数であり、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。
で表されるフラーレン誘導体。

【請求項18】
は水素原子、置換基を有してもよいC~C20アルキル基、置換基を有してもよいC~C20アルケニル基、または、置換基を有してもよいC~C20アルキニル基を示す、請求項17に記載のフラーレン誘導体であって、前記置換基は、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基である。

【請求項19】
Mが遷移金属である、請求項17または18に記載のフラーレン誘導体。

【請求項20】
Mが8~10族の遷移金属である、請求項17または18に記載のフラーレン誘導体。

【請求項21】
MがFe、RuまたはOsであり、nが~5の整数であり、Lがハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基、アルキン基またはシクロペンタジエニル基である、請求項17または18に記載のフラーレン誘導体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村活性炭素クラスタープロジェクト 領域
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