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射出成形システム

国内特許コード P110004273
整理番号 RJ109P04
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-512038
登録番号 特許第4242924号
出願日 平成19年3月22日(2007.3.22)
登録日 平成21年1月9日(2009.1.9)
国際出願番号 JP2007055880
国際公開番号 WO2007122957
国際出願日 平成19年3月22日(2007.3.22)
国際公開日 平成19年11月1日(2007.11.1)
優先権データ
  • 特願2006-083438 (2006.3.24) JP
発明者
  • 志熊 治雄
  • 山本 昌幸
  • 久保 直人
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
  • 財団法人 滋賀県産業支援プラザ
  • 新生化学工業株式会社
発明の名称 射出成形システム
発明の概要

二酸化炭素又は窒素を含浸させた熱可塑性樹脂を貯蔵する樹脂貯蔵装置と、二酸化炭素又は窒素を含浸させた熱可塑性樹脂と未処理の熱可塑性樹脂とを混合する混合装置と、樹脂貯留部と可塑化射出部とを少なくとも有する射出成形装置とを有し、該樹脂貯蔵装置と該混合装置と該樹脂貯留部とを供給路で連結し、該樹脂貯留部を該可塑化射出部の最上流部に設置してなる射出成形システムであって、該樹脂貯蔵装置が二酸化炭素又は窒素雰囲気下、2MPa以下の加圧下に保持され、射出成形装置に供給される熱可塑性樹脂の二酸化炭素の含浸量が0.2~5.0質量%、又は窒素の含浸量が0.05~2.0質量%に調整されることを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成形システムである。

従来技術、競合技術の概要


光学系プラスチック部品等の射出成形においては、成形加工性(流動性)向上に加えて、金型面の転写性向上、熱劣化による着色防止(透明性の向上)等が求められている。
一般に熱可塑性樹脂の流動性を表す指標の一つとして、溶融粘度がある。熱可塑性樹脂は溶融粘度が高く、成形材料として流動性に劣るため、薄肉の部品では樹脂が完全に充填できなくなったり、転写性が不十分となることも多い。
溶融樹脂の粘度を下げて流動性を向上させる方法として、成形温度を上げる方法がある。しかし、成形温度を上げると、樹脂組成物によっては樹脂自身の熱分解や添加剤等の熱分解が起こり、成形体の強度のみならず、樹脂劣化物による異物の発生、金型汚れ、着色(変色)などの問題が生じる。また、金型内の樹脂の冷却速度が遅くなり、成形サイクル時間が長くなるという問題もある。



そこで、成形温度を上げることなく溶融樹脂の流動性を向上させる方法として、二酸化炭素、窒素等のガス体を樹脂に含浸させて樹脂を可塑化し、樹脂の溶融粘度やガラス転移温度(Tg)を低下させる方法が知られている(非特許文献1及び特許文献1~3参照)。
特許文献1には、40℃でガス体となる化合物を射出成形機のシリンダー内に直接導入して、ガス体を熱可塑性樹脂中に含有させ、金型キャビティを大気に開放又は減圧にした状態で熱可塑性樹脂を金型キャビティに射出すると共に、気泡が生じる圧力以上の押圧力で後押しをする射出成形方法が開示されている。しかしながら、この方法は、耐圧性シリンダーやガス体供給装置等の特別な設備を必要とする上に、安定な射出成形が困難であるという問題がある。



また、特許文献2には、二酸化炭素を0.2~10重量%溶解させて溶融粘度を低下させた溶融樹脂を、フローフロント(金型内の溶融樹脂の流れの先端部)で発泡を生じさせながら金型キャビティに充填し、次いで発泡しない圧力以上に加圧する射出成形方法が開示されている。しかしながら、この方法では、得られる非発泡成形品表面に発泡模様が残るという問題がある。
また、特許文献3には、シンジオタクチックポリスチレン等の結晶性熱可塑性樹脂とスチレン系樹脂等の非結晶性熱可塑性樹脂とを混合したアロイ樹脂に、二酸化炭素を添加して可塑化し、結晶性樹脂単体の融点より低い温度で成形することを特徴とする射出成形方法が開示されている。しかしながら、この方法は、非結晶性樹脂のみからなる樹脂組成物には適用できない。



一方、一般電子機器、ハンディパソコン、携帯電話等のモバイル電子機器、及び複写機等のシャーシー部品や内部機構部品等においては、特に高い寸法精度、強度を有し、軽量な発泡成形体が要望されている。
射出発泡成形法としては、二酸化炭素等のガスを溶解させた溶融樹脂を用いる成形法が知られているが、ガスを安定的に成形機内に添加することが難しく、高品質の発泡成形体を製造することが困難である。
例えば、特許文献4及び5には、二酸化炭素を発泡剤として用い、押出機のシリンダーの途中で二酸化炭素を溶融樹脂中に供給し、微細で高度に発泡したマイクロセルラーフォームを成形する方法(Mucell法)が開示されている。しかしながら、この方法は、特別な設備を必要とする上、二酸化炭素と溶融樹脂との接触時間が短いため、気泡径制御が難しく、均一な微細発泡成形品を量産し得るまでには至っていない。
特許文献6には、圧力容器内で超臨界状態とした不活性流体を熱可塑性樹脂粉粒体に3~10重量%含浸せしめた後、成形機に投入し成形、発泡させる樹脂発泡体の製造方法が開示されている。しかしながら、この方法は、含浸した不活性流体が時間と共に放散し、原料樹脂中の含浸濃度が変化するため、成形体品質にバラツキを生じたり、金型転写性が悪化するという問題がある。
特許文献7には、ガスが浸透した材料を金型内で成形する前に、ガスが浸透した状態を、所定の雰囲気圧力と雰囲気温度内で保管してガスが浸透した材料からガスが離脱することを防止する材料の保管方法が開示されている。また、特許文献8には、複数の耐圧チャンバa、bを射出成形機の樹脂供給口に並列に接続し、耐圧チャンバaと耐圧チャンバbとを切り替えて連続的にガス含浸樹脂を射出成形機に供給するようにした熱可塑性樹脂成形品の製造方法が開示されている。しかしながら、これらの方法では品質の安定した成形体を得る点において満足しうるものではない。
かかる状況から、二酸化炭素又は窒素を用いる射出成形において、品質の安定した成形体を連続的に製造しうるより簡便で効率的なシステムの開発が求められていた。




【非特許文献1】Hisao Hachisuka, Polymer Journal, vol.22, No.1, pp77-79 (1990)

【特許文献1】特開平5-318541号

【特許文献2】国際公開第01/96084号

【特許文献3】特開2003-211483号

【特許文献4】国際公開第89/00918号

【特許文献5】米国特許第5334356号

【特許文献6】特開2003-261707号

【特許文献7】特開2004-66680号

【特許文献8】特開2000-127194号

産業上の利用分野


本発明は、射出成形システムに関し、詳しくは、二酸化炭素又は窒素を含浸させた熱可塑性樹脂を射出成形機へ供給することにより、品質の安定した非発泡又は発泡成形体を連続的に製造しうる射出成形システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 二酸化炭素又は窒素を含浸させた熱可塑性樹脂を貯蔵する樹脂貯蔵装置と、二酸化炭素又は窒素を含浸させた熱可塑性樹脂と未処理の熱可塑性樹脂とを混合する混合装置と、樹脂貯留部と可塑化射出部とを少なくとも有する射出成形装置とを有し、該樹脂貯蔵装置と該混合装置と該樹脂貯留部とを供給路で連結し、該樹脂貯留部を該可塑化射出部の最上流部に設置してなる射出成形システムであって、該樹脂貯蔵装置と該混合装置と供給路とが二酸化炭素又は窒素雰囲気下、2MPa以下の加圧下に保持され、射出成形装置に供給される熱可塑性樹脂の二酸化炭素の含浸量が0.2~5.0質量%、又は窒素の含浸量が0.05~2.0質量%に調整されることを特徴とする熱可塑性樹脂の射出成形システム。
【請求項2】 熱可塑性樹脂が、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂から選ばれる一種以上のものである請求項1に記載の射出成形システム。
【請求項3】 熱可塑性樹脂が、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及びポリフェニレンサルファイド樹脂から選ばれる一種以上のものである請求項1に記載の射出成形システム。
産業区分
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008512038thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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