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側壁を用いた選択横方向エピタキシャル成長(SLEO)法による無極性および半極性III族窒化物の欠陥低減方法及び装置 実績あり

国内特許コード P110004279
整理番号 E067P13
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-514784
公表番号 特表2008-542183
登録番号 特許第5570116号
出願日 平成18年5月31日(2006.5.31)
公表日 平成20年11月27日(2008.11.27)
登録日 平成26年7月4日(2014.7.4)
国際出願番号 US2006020996
国際公開番号 WO2006130623
国際出願日 平成18年5月31日(2006.5.31)
国際公開日 平成18年12月7日(2006.12.7)
優先権データ
  • 60/685,952 (2005.5.31) US
発明者
  • ビルゲ・エム・イメル
  • ジェームス・エス・スペック
  • スティーブン・ピー・デンバース
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 側壁を用いた選択横方向エピタキシャル成長(SLEO)法による無極性および半極性III族窒化物の欠陥低減方法及び装置 実績あり
発明の概要 パターニングされたマスクを通してエッチングされたテンプレート材料の側壁からの選択横方向エピタキシャル成長法を用いることにより作製したIII族窒化物のa{11-20}面およびm{1-100}面のような無極性の面、または{10-1n}面のような半極性の面における貫通転位密度を低減する方法を提供する。該方法は、無極性または半極性のGaNテンプレートのようなテンプレート材料上にパターニングされたマスクを成膜する工程と、マスク内の開口を通して色々な深さにテンプレート材料をエッチングする工程と、溝の底から垂直に成長する材料が側壁の上部に到達する前に、側壁の上部から横方向に成長した材料を合体させることによって無極性または半極性のIII族窒化物を成長する工程を含む。合体した部分はマスクの開口を通して成長して、誘電体マスクの上を横方向に成長して、やがて完全に合体した連続的な膜が得られる。
従来技術、競合技術の概要



1.本発明の技術分野

本発明は側壁を用いた選択横方向エピタキシャル成長(SLEO)法による無極性および半極性III族窒化物の欠陥低減方法及び装置に関するものである。

2.関連技術の説明

窒化物ガリウム(GaN)とその3元および4元の化合物は、可視光および紫外光の高出力、高性能光電子デバイスおよび電子デバイスの作製における主要な材料候補である。これらのデバイスは通常は薄膜として、分子線エピタキシー法(MBE)、有機金属化学気相成膜法(MOCVD)またはハイドライド気相成長法(HVPE)のような成長技術を用いてエピタキシャルに成長される。基板の選択は、III族窒化物の成長方向を決める上で決定的に重要である。窒化物の成長に対して最も広く用いられる基板のいくつかは、SiC、Al2 3 、およびLiAlO2 を含むものである。これらの基板は色々な結晶方位のものが市販されていて、GaNのa面、m面、またはc面成長を実現する。





図1(a)と1(b)は六方晶系GaNの、関心のある結晶学的な方位と面を示す概略図である。具体的には、これらの概略図は六方晶系ウルツ鉱型GaNの、関心のある異なる結晶学的成長方位および面を示し、図1(a)は結晶学的方位a1、a2、a3、c、<10-10>、および<11-20>を示し、図1(b)はa(11-20)面、m(10-10)面、およびr(10-12)面を示す。図1(b)の塗りつぶしパターンは関心のある面を示そうとするものであり、構造中の材料を表そうとするものではない。





成長条件(圧力、温度、および前駆体流量)の大きな窓(許容範囲)とその安定性によって、c面GaNを成長することは比較的容易である。それ故に、ほとんど全てのGaNベースのデバイスは極性のあるc軸に沿って成長される。しかしながら、c面成長の結果として、各材料層は層の反対の面に電子と正孔が分離されることになる。更に、隣接する層間の界面の歪が圧電分極を誘起し、更なる電荷分離を引き起こす。分極の結果として起こるバンドの曲がりと電子正孔分離を概略的に示す図2(a)および2(b)はこの効果を示していて、図2(a)はc面量子井戸におけるエネルギー(eV)対深さ(nm)を表す図であって、一方、図2(b)は無極性量子井戸におけるエネルギー(eV)対深さ(nm)を表す図である。





このような分極効果は電子と正孔の再結合の起こる確率を低減し、その結果、デバイスの特性は貧弱なものになる。GaN光電子デバイスにおける圧電分極効果を除去するための1つの可能な方法は、デバイスをa{11-20}面およびm{1-100}面のような無極性の面上に成長することである。このような面はGaとNの原子を同数含み、したがって電荷中性である。





GaN材料の特性が悪いもうひとつの理由は、格子整合する基板が存在しないことによる欠陥の存在である。GaNのバルク結晶は広くは入手できないので、単純に結晶を切断して、引き続くデバイス再成長のための結晶表面を実現することは出来ない。全てのGaN薄膜は、最初はヘテロエピタキシャルに、即ちGaNとは格子整合しない異種基板上に成長される。





デバイス特性を改良するために、GaN薄膜内の転位密度を低減する目的で益々の努力が続けられている。関係のある欠陥の2つの主要なタイプは貫通転位と積層欠陥である。極性のあるc面GaN薄膜における転位と積層欠陥の密度を低減させる主な手段は、(LEO、ELO或いはELOGなどの)単一工程および2工程選択横方向エピタキシャル成長、選択領域エピタキシー、カンチレバーおよびペンデオ・エピタキシーを含む色々な選択横方向成長技術を用いることである。これらのプロセスの基本は、横方向成長を垂直方向成長よりも起こりやすくして、薄膜の表面に垂直な方向への転位の伝播を(マスクを用いて)阻止する、または起こりにくくすることである。このような転位低減技術は、HVPEおよびMOCVDによってc面GaN成長に対して精力的に開発されてきた。





本発明は全ての成長技術の中で、無極性a面およびm面GaNの側壁を用いた選択横方向エピタキシャル成長(SLEO)の、初めての成功例である。ここに記述する本発明の前には、a面およびm面GaNのSLEOは実施されたことがない。

産業上の利用分野



関連出願の相互参照関係

本出願は米国特許法第119条(e)に基づいて、本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属の米国特許出願の優先権を主張するものである。

ビルゲ・M.イメル(Bilge M. Imer)、ジェームス・S.スペック(James S. Speck)、およびスティーブン・P.デンバース(Steven P. Denbaars)による米国特許仮出願第60/685,952号、2005年5月31日出願、発明の名称「単一工程の側壁を用いた選択横方向エピタキシャル成長を用いた無極性窒化ガリウムの欠陥低減(DEFECT REDUCTION OF NON-POLAR GALLIUM NITRIDE WITH SINGLE-STEP SIDEWALL LATERAL EPITAXIAL OVERGROWTH)」、代理人整理番号30794.135-US-P1(2005-565) ;

この出願は参照として本明細書に組み込まれているものとする。





本出願は本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属の出願と関係するものである。





ビルゲ・M.イメル、ジェームス・S.スペック、およびスティーブン・P.デンバースによる米国特許出願第xx/xxx,xxx号、本出願と同日に出願、発明の名称「有機金属化学気相成膜法(MOCVD)による平坦な無極性{1-100}m面窒化ガリウムの成長(GROWTH OF PLANARNON-POLAR {1-100}M-PLANEGALLIUM NITRIDE WITH METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION (MOCVD))」、代理人整理番号30794.136-US-U1(2005-566) 、この出願は米国特許法第119条(e)に基づいてつぎの出願の優先権を主張するものである。





ビルゲ・M.イメル、ジェームス・S.スペック、およびスティーブン・P.デンバースによる米国特許仮出願第60/685, 908号、2005年5月31日出願、発明の名称「有機金属化学気相成膜法(MOCVD)による平坦な無極性{1-100}m面窒化ガリウムの成長(GROWTH OF PLANARNON-POLAR {1-100}M-PLANEGALLIUM NITRIDE WITH METALORGANIC CHEMICAL VAPOR DEPOSITION (MOCVD))」、代理人整理番号30794.136-US-P1(2005-566)、

両出願とも参照として本明細書に組み込まれているものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
性III族窒化物材料における貫通転位密度を低減する方法であって、
(a)パターニングされたマスク内の1つ以上の開口を通してエッチングされたテンプレート材料の側壁から、該開口の上および該パターニングされたマスクの上の領域に半極性III族窒化物膜を形成するための成長条件であって、
(i)前記半極性III族窒化物膜の上面は半極性面であり、
(ii)前記開口および前記パターニングされたマスクの上の領域は、貫通転位密度がわずか107 cm-2、積層欠陥密度がわずか104cm-1である成長条件の下、III族窒化物材料の選択横方向エピタキシャル成長を行い、
(b)
(1)前記テンプレート材料上に前記パターニングされたマスクを形成する工程と、
(2)前記テンプレート材料内に、前記側壁を画定する1つ以上の溝または柱を形成するために、パターニングされたマスク内の前記1つ以上の開口を通して前記テンプレート材料をエッチングする工程と、および
(3)前記III族窒化物材料を前記側壁の上部から横方向に、および前記溝の底から垂直に成長する工程と、をさらに備え、
前記溝の底から垂直に成長する前記III族窒化物材料が前記側壁の上部に到達する前に、前記側壁の上部から横方向に成長する前記III族窒化物材料が合体することを特徴とする方法。

【請求項2】
前記側壁の上部から横方向に成長する前記III族窒化物材料が、前記溝の底から垂直に成長するIII族窒化物材料の成長を妨げ、前記貫通転位密度は前記上面で測定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記開口が引き続いて行われる横方向成長工程において平坦な側壁を形成するように配列されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
横方向と垂直方向の成長速度の競合関係を補償するために、前記テンプレート材料が前記開口の寸法に比べて同等か、あるいは該寸法と関連して決定された厚さを持つことを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項5】
前記エッチング工程では、前記溝の底から成長する前記III族窒化物材料が前記側壁の上部に到達する前に、前記側壁の上部から横方向に成長する前記III族窒化物材料が合体するように、前記開口の寸法と同等、または該寸法と関連して決定された1つ以上のエッチング深さまでエッチングを行い、前記半極性III族窒化物膜は実質的に無欠陥であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
前記III族窒化物材料は合体した後、前記開口を通って垂直方向上方に成長し、合体した半極性III族窒化物膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項7】
前記III族窒化物材料は合体した後、前記開口を通って成長し、次いでパターニングされたマスク上を横方向に成長して、窒化ガリウムである前記半極性III族窒化物薄膜を形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項8】
従来の単一工程の選択横方向エピタキシャル成長を用いたIII族窒化物材料で得られる転位密度よりも、転位密度を少なくとも1桁低減させる工程を更に備え、前記半極性III族窒化物層の積層欠陥密度がわずか103cm-1、貫通転位密度がわずか106cm-2であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項9】
前記III族窒化物材料は露出したテンプレート材料の領域からだけ成長し、前記パターニングされたマスク上には成長しないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項10】
記III族窒化物材料のガリウム(Ga)面上の成長速度を促進して、前記III族窒化物材料の窒素(N)面上の成長速度を制限することによって、従来の単一工程の選択横方向エピタキシャル成長を用いた窒化物材料で得られる値よりも、積層欠陥密度を少なくとも1桁低減させ、積層欠陥をN面に限定させるという、異方性因子で積層欠陥密度を低減する工程を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項11】
基板までエッチングを施すか、または前記溝の底上に付加的なマスクを成膜することによって、前記溝の底からの成長を防止する工程を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

【請求項12】
請求項1に記載の方法を用いて作製されるデバイス、ウェーハ、基板またはテンプレート。

【請求項13】
エピタキシャル成長の半極性III族窒化物の薄膜、デバイス、或いは基板の中の貫通転位密度を低減する方法であって、該方法が、
パターニングされたマスクを通してエッチングされたテンプレート材料の側壁からエピタキシャル材料を選択横方向エピタキシャル成長させるステップを備え、該ステップが
(1)前記テンプレート材料上に前記パターニングされたマスクを形成する工程と、
(2)前記テンプレート材料内に、側壁と該側壁の上部と1つ以上の底とを備えた1つ以上の溝または柱を形成するために、前記パターニングされたマスクの1つ以上の開口を通して前記テンプレート材料をエッチングする工程と、および
(3)前記1つ以上の底から垂直方向に成長するエピタキシャル材料が前記上部に到達する前に、前記エピタキシャル材料を前記上部から横方向に成長して合体させる工程と、
(4)前記(3)の成長と合体の工程の後に、前記1つ以上の開口を通して前記エピタキシャル材料を垂直方向に上方に成長させる工程と、
(5)前記(3)の成長と合体の工程の後に、前記パターニングされたマスクの上を横方向にエピタキシャル材料を成長させ、半極性III族窒化物連続薄膜からなる横方向成長材料を形成する工程と、を備えており、
上記工程(3)と(5)における成長は横方向成長技術を用いて行うことを特徴とする方法。

【請求項14】
エピタキシャル成長の上面を有する平坦な半極性III族窒化物層であって、
(i)前記上面は半極性面であり
(ii)前記半極性III族窒化物層は、成長したときの貫通転位密度がわずか107cm-2、積層欠陥密度がわずか104cm-1であることを特徴とする層を備える請求項13の方法を用いて作製される半極性III族窒化物デバイス。

【請求項15】
(a)柱、柱の間の溝、および柱の側壁を有するテンプレート材料と、
(b)前記溝にまたがるブリッジ構造を形成する側壁の上の半極性材料と、
(c)前記ブリッジ構造の上に成膜され、柱の上で横方向に広がる半極性層とをさらに備え、前記貫通転位密度は前記上面で測定されることを特徴とする、請求項14に記載のデバイス。

【請求項16】
記半極性III族窒化物層は、実質的に無欠陥であることを特徴とする、請求項15に記載のデバイス。

【請求項17】
前記ブリッジ構造の上に成膜される半極性III族窒化物層は、積層欠陥密度がわずか103cm-1、貫通転位密度がわずか106cm-2であることを特徴とする、請求項15に記載のデバイス。

【請求項18】
記半極性III族窒化物層は窒化ガリウムであり、前記上面上に半極性III族窒化物光電子または電子デバイス構造が成長または引き続き成長されることを特徴とする、請求項15に記載のデバイス。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008514784thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村不均一結晶プロジェクト 領域
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