TOP > 国内特許検索 > 偏光発光ダイオードの作製に関するパッケージ技術

偏光発光ダイオードの作製に関するパッケージ技術 実績あり

国内特許コード P110004285
整理番号 E067P16
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-518342
公表番号 特表2008-544552
登録番号 特許第5301988号
出願日 平成18年6月21日(2006.6.21)
公表日 平成20年12月4日(2008.12.4)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
国際出願番号 US2006024078
国際公開番号 WO2007002151
国際出願日 平成18年6月21日(2006.6.21)
国際公開日 平成19年1月4日(2007.1.4)
優先権データ
  • 60/692,514 (2005.6.21) US
発明者
  • 増井 久志
  • シュウジ・ナカムラ
  • スティーブン・ピー・デンバース
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 偏光発光ダイオードの作製に関するパッケージ技術 実績あり
発明の概要


偏光発光ダイオード(LED)は偏光方向を示すマーカーを備えている。LEDのパッケージもまた偏光方向を示すマーカーを備えている。LEDおよびパッケージ上のマーカーは相互の位置合わせのために用いられ、パッケージから出射される光の偏光方向が明示されるようにLEDはパッケージに対して好適な方位に取り付けられる。マーカーはダイの分離の前にLED上に配置され、マーカーは位置合わせ作業の前にパッケージ上に配置される。LED上のマーカーはフォトリソ・パターン、ダイの非対称形状、ダイ上の刻み目、あるいはダイ上の引っかき傷を含んで構成されている。一方、パッケージ上のマーカーは電極の形またはパターン、パッケージの非対称形状、パッケージ上の刻み目、あるいはパッケージ上の引っかき傷を含んで構成されている。最後に、LEDあるいはパッケージは偏光方向を示している外部回路またはシステム内に設置されてもよい。

従来技術、競合技術の概要


1.本発明の技術分野
本発明は偏光発光ダイオードの作製に関するパッケージング技術に関係するものである。
2.関連技術の説明
発光ダイオード(LED)は表示ランプ、局所的照明器具、および光通信用光源など多くの応用分野でここ30年来利用されてきている。最近の10年では、高輝度(Al,In,Ga)Nベースの青色および緑色LEDが一般的な照明及びフルカラーのディスプレイへの応用として開発されてきて、市場に出始めている。



LEDの作製においては、従来のLEDの発光は干渉性がなく、偏光もないので、ダイをパッケージに取り付けるときに、LEDパッケージに対して特定のダイの方位を規定することは本質的に重要ではなかった。通常のLEDの作製では、ダイの方位はLEDウェーハをダイに切り出すときにだけ重要である。そのために、ウェーハ上へのLEDのフォトリソ・パターニングは結晶学的方向に沿ってパターンを揃えることによって行われる。この位置合わせ工程はダイの分離を信頼性の高いものにし、その結果、高い生産歩留まりとなる。



(例えばサファイアのような)絶縁性の基板上に作製された(Al,In,Ga)N LEDの場合には、2つの電気的なコンタクトがLEDダイの片面上に作られるので、パッケージに関してのダイ方位は正および負の金属コンタクトの位置との関係において重要となる。信頼性の高いダイの分離と電気的なコンタクトの為のこれらの位置合わせは、単にLED作製においてばかりでなく、どのような半導体デバイスにとっても共通に行われることである。しかしながら、出射光特性という視点からLEDダイの位置合わせを作製段階において考慮することはなかった。



内部の電気的分極は、光エレクトロニクスにおいて用いられる他の半導体に比べて(Al,In,Ga)N系の独特な性質であり、この特性は(Al,In,Ga)N材料系が六方晶の結晶構造をもつことに由来するものである。図1は一般的な六方晶ウルツ鉱型結晶の構造100の概略図であり、関心のある、代表的な結晶面102、104、106、108と、主要な結晶軸または方向110、112、114、116を図中に示す。ここで塗り潰しパターンは関心のある面102、104および106を表そうとするものであり、構造100の材料を表すことを意図するものではない。



電気的分極は、六方晶構造ではc軸に沿って反転対称性がないことによって作られる。例えば、図2に示されるGaNの場合には、c軸に沿ってガリウム原子(カチオン、正電荷を持っている。)と窒素原子(アニオン、負電荷を持っている。)が交互に位置し、全体としては電気的中性が保たれている。しかしながら、反転対称性がないので、原子がこの軸に沿ってお互いに理想位置から変位すると、c軸に沿って内部電界が存在することになる。(Al,In,Ga)N系では、原子は通常その理想位置を保持することはないので、この分極電界はc軸に沿ってほとんどいつも存在する。このためにc面は極性面と呼ばれる。分極電界はa軸或いはm軸のどの軸にも存在しない。それはこれらの特定の軸に沿っては反転対称性があるからである。このためにa面とm面は無極性面と呼ばれる。これらの面では、分極電界の方向と強さを表す分極ベクトルは面に平行である。なぜならば正味の分極ベクトルがc軸に平行であるからである。



(Al,In,Ga)N材料は従来c方向(c軸に沿った方向)に、すなわちc面上に成長される。c面上に成長したLEDはほとんど偏光を持たない光を発する。この面上では分極電界は面内成分を持たないし、LEDの量子井戸(QW)構造中のc面内における等方的な機械的応力はQW中のキャリア再結合の特性を変化させるものではない。



最近、a面およびm面上に(Al,In,Ga)N LEDを作製することが可能になってきた。これらのLEDは直線偏光した光を発する。分極電界はこの面内の特定の方向(c方向)にあり、この面内の2つの直交する方向において基板とQW間の格子不整合の程度が異なることによって、QW中の応力は異方的にはたらく。本発明者らはこれら無極性LEDからの出射光がc軸に直交する方向に直線偏光していることを確認した。



直線偏光した光は、その電界が伝播方向に直交する1つの面内にのみ存在するような電磁波である。偏光していない光は、その電界が伝播方向に直交する複数の面内の色々な方向に平等に分布している。偏光した光の主要な応用は液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトである。そこでは、従来の冷陰極蛍光管に比べてLEDが小型であり、エネルギー効率が高いために有利である。



半極性面上に作製された(Al,In,Ga)N LEDもまた偏光した光を発することが確認されている。c軸に平行である分極ベクトルの投影は半極性面内にあり、無極性面の場合と同様である。



当技術分野で必要とされるものは、偏光LEDを作製する簡単な方法と、そのようなLEDをパッケージする簡単な方法である。本発明はそのようなニーズを満たすものである。

産業上の利用分野


関連出願の相互参照関係
本出願は米国特許法第119条(e)に基づいて、本発明の譲受人に譲渡された以下の同時係属の米国特許出願の優先権を主張するものである。



増井久志(Hisashi Masui)、中村修二(Shuji Nakamura)およびスティーブン・P.デンバース(Steven P.DenBaars)による米国特許仮出願第60/692,514号、2005年6月21日出願、発明の名称「偏光発光ダイオードの作製に関するパッケージ技術(PACKAGING TECHNIQUE FOR THE FABRICATION OF POLARIZED LIGHT EMITTING DIODES)」、代理人整理番号30794.139-US-P1(2005-614-1)
この出願は参照として本明細書に組み込まれているものとする。

特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも1つの偏光発光ダイオード(LED)装置において、
偏光を出射するための少なくとも1つの発光ダイオード(LED)であって、該LEDの偏光方向を示す少なくとも1つの外形形状の第1のマーカーを含む該LEDと、
前記LEDを収納するパッケージであって、該パッケージの偏光方向を示す少なくとも1つの電極からなる第2のマーカーを含む該パッケージと
を備え、
前記外形形状の第1のマーカーと前記電極からなる第2のマーカーを位置合わせすることにより、前記LEDを前記パッケージ内に位置づけることを特徴とする、偏光LED装置。

【請求項2】
前記LEDから出射する前記光の偏光方向が明示されるように前記LEDが前記パッケージに対して好適な方位に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の偏光LED装置。

【請求項3】
前記LED上の前記外形形状の第1のマーカーと前記パッケージ上の前記電極からなる第2のマーカーは相互の位置合わせのために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の偏光LED装置。

【請求項4】
前記外形形状の第1のマーカーがダイの分離の前に前記LED上に配置または画定され、前記電極からなる第2のマーカーが位置合わせの前に前記パッケージ上に配置または画定されることを特徴とする、請求項1に記載の偏光LED装置。

【請求項5】
前記LED上の前記外形形状の第1のマーカーには、フォトリソ・パターン、電極の形状またはパターン、前記ダイの非対称形状、前記ダイ上の刻み目、あるいは前記ダイ上の引っかき傷を含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光LED装置。

【請求項6】
前記パッケージ上の前記電極からなる第2のマーカーには、電極の形状またはパターン、前記パッケージの非対称形状、前記パッケージ上の刻み目、あるいは前記パッケージ上の引っかき傷を含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光LED装置。

【請求項7】
前記LEDは光の偏光を利用する外部回路またはシステムに設置され、該外部回路またはシステムは、該外部回路または該システムの偏光方向を示す少なくとも1つの第3のマーカーを含み、前記電極からなる第2のマーカーと該第3のマーカーを位置合わせすることにより、前記パッケージを該外部回路内に位置づけることを特徴とする、請求項1に記載の偏光LED装置。

【請求項8】
前記パッケージは前記偏光LEDのアレイを含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光LED装置。

【請求項9】
偏光を出射する少なくとも1つの発光ダイオード(LED)であって、該LEDの偏光方向を示す少なくとも1つの外形形状の第1のマーカーを含む該LEDを得るステップと、
前記LEDを含有するパッケージであって、該パッケージの偏光方向を示す少なくとも1つの電極からなる第2のマーカーを含む該パッケージを得るステップと、
前記外形形状の第1のマーカーと前記電極からなる第2のマーカーを位置合わせすることにより、前記LEDを前記パッケージ内に位置づけるステップ
を有することを特徴とする、少なくとも1つの偏光発光ダイオード(LED)装置を作製する方法。

【請求項10】
前記光の偏光方向が前記LEDの結晶学的方位から決められることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【請求項11】
パッケージからの出射光の偏光方向が明示されるように前記LEDを前記パッケージに対して好適な方位に取り付けることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【請求項12】
前記LED上の前記外形形状の第1のマーカーと前記パッケージ上の前記電極からなる第2のマーカーは相互の位置合わせのために用いられることを特徴とする、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
ダイの分離の前に前記LED上に前記外形形状の第1のマーカーを配置または画定し、位置合わせの前にそれぞれの前記パッケージ上に前記電極からなる第2のマーカーを配置または画定するステップを更に含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
前記LED上の前記外形形状の第1のマーカーには、フォトリソ・パターン、電極の形状またはパターン、前記ダイの非対称形状、前記ダイ上の刻み目、あるいは前記ダイ上の引っかき傷を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【請求項15】
前記パッケージ上の前記電極からなる第2のマーカーには、電極の形状またはパターン、前記パッケージの非対称形状、前記パッケージの刻み目、あるいは前記パッケージ上の引っかき傷を含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【請求項16】
前記LEDは光の偏光を利用する外部回路またはシステムに設置され、該外部回路またはシステムは、該外部回路または該システムの偏光方向を示す少なくとも1つの第3のマーカーを含み、前記電極からなる第2のマーカーと該第3のマーカーを位置合わせすることにより、前記パッケージを該外部回路内に位置づけることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【請求項17】
前記パッケージは前記偏光LEDのアレイを含有することを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【請求項18】
方位依存特性が最大となる発光ダイオード(LED)の方位を示す、少なくとも1つの外形形状の第1のマーカーを含んでおり、少なくとも1つの方位依存発光特性を持つ発光ダイオード(LED)と、
方位依存特性が最大となるパッケージの方位を示す、少なくとも1つの電極からなる第2のマーカーを含んでおり、前記LEDを含有するパッケージとを備え、
前記外形形状の第1のマーカーと前記電極からなる第2のマーカーを位置合わせすることにより、前記LEDをパッケージ内に位置づけることを特徴とする、LED装置。

【請求項19】
方位依存性が最大となる発光ダイオード(LED)の方位を示す、少なくとも1つの外形形状の第1のマーカーを含んでおり、方位依存発光特性を持つ、少なくとも1つのLEDを得るステップと、
方位依存特性が最大となるパッケージの方位を示す、少なくとも1つの電極からなる第2のマーカーを含んでおり、前記LEDを含有するパッケージとを有し、
前記外形形状の第1のマーカーと前記電極からなる第2のマーカーを位置合わせすることにより、前記LEDをパッケージ内に位置づけることを特徴とする、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を作製する方法。
産業区分
  • 固体素子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008518342thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村不均一結晶プロジェクト 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close