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フラーレン誘導体の製造方法 コモンズ

国内特許コード P110004306
整理番号 E079P34
掲載日 2011年7月11日
出願番号 特願2008-544124
登録番号 特許第5246699号
出願日 平成19年11月6日(2007.11.6)
登録日 平成25年4月19日(2013.4.19)
国際出願番号 JP2007071868
国際公開番号 WO2008059771
国際出願日 平成19年11月6日(2007.11.6)
国際公開日 平成20年5月22日(2008.5.22)
優先権データ
  • 特願2006-308357 (2006.11.14) JP
発明者
  • 中村 栄一
  • 松尾 豊
  • 岩下 暁彦
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 フラーレン誘導体の製造方法 コモンズ
発明の概要

フラーレンまたはフラーレン誘導体に、少なくともグリニャール試薬と極性物質とを反応させて有機基を付加する有機基付加工程Aによって水素原子と有機基とが付加されて得られたフラーレン誘導体に、さらに、少なくとも塩基性化合物とハロゲン化合物とを反応させて有機基を付加する有機基付加工程Bを含むフラーレン誘導体の製造方法。

従来技術、競合技術の概要


炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」ともいう)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。
このようなフラーレン誘導体の具体例として、フラーレン骨格に5個の有機基が結合したフラーレン誘導体(以下、単に、「5重付加フラーレン誘導体」ともいう)の合成方法について報告されている[例えば、特開平10-167994号公報(特許文献1)、特開平11-255509号公報(特許文献2)、J.Am.Chem.Soc.,118,12850(1996)(非特許文献1),Org.Lett.,,1919(2000)(非特許文献2),Chem,Lett.,1098(2000)(非特許文献3)]。
5重付加フラーレン誘導体の製造方法としては、例えば、フェニルグリニヤール試薬とCuBr・S(CHとから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させることにより、フェニルグリニヤール試薬を構成するフェニル基がフラーレンC60の一つの5員環の周囲を取り囲むように位置選択的に付加したフェニル化フラーレン誘導体(C60PhH)が定量的に得られることが知られている[例えば、特開平10-167994号公報(特許文献1)]。
しかしながら、フェニルグリニヤール試薬と前記有機銅試薬を用いるフラーレン誘導体の製造方法は、フラーレンの6重付加体、7重付加体、10重付加体などの製造においては目的物の収率が高く極めて有効であるが、モノ付加体、2重付加体、3重付加体、4重付加体等の付加する置換基が少ないフラーレン誘導体を合成する場合には収率が低いという問題があった。

産業上の利用分野


本発明は、フラーレン誘導体の製造方法に関する。具体的には、フラーレンまたはフラーレン誘導体に、有機基を付加する工程を含むフラーレン誘導体の製造方法である。

特許請求の範囲 【請求項1】
フラーレンまたはフラーレン誘導体に、少なくともグリニャール試薬とドナー数が25~33.1の極性物質とを反応させて有機基を付加する工程であって、有機基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体に対して極性物質を3~100当量用いる有機基付加工程Aを含む、モノ付加体、2重付加体、3重付加体または4重付加体のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項2】
有機基付加工程Aで有機基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体が、下記式(1)
【化学式1】


[式中、A~Eの位置にある5つの炭素の中の0~4の炭素に、それぞれ独立して有機基が付加されている;Fの位置にある炭素に水素原子もしくはC1~C30炭化水素基が付加されている、または、何も付加されていない。]
で表されるフラーレンまたはフラーレン誘導体である、請求項1に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項3】
有機基付加工程Aにおいて、式(1)で表される前記フラーレンまたはフラーレン誘導体のA~Eの位置にあり有機基が付加されていない炭素の少なくとも1つに有機基を付加する、請求項2に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項4】
有機基付加工程Aでフラーレンまたはフラーレン誘導体の有機基が付加されていない炭素の1つに有機基を付加する、請求項1~3のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項5】
有機基付加工程Aにおいて付加される有機基が水素原子、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)および置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)からなる群から選ばれる1以上である、請求項1~4のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項6】
有機基付加工程Aにおいて付加される有機基が、下記式(2)
【化学式2】



[式中、R21~R23は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)である]
で表される基である、請求項1~4のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項7】
21~R23が、それぞれ独立してC1~C20アルキル基である、請求項6に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項8】
グリニャール試薬が、下記式(3)
3MgX (3)
[式中、R3は有機基を示し;XはCl、BrまたはIを示す。]
で表される、請求項1~7のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項9】
式(3)中のR3が、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)または置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)である、請求項8に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項10】
3が、それぞれ独立してC1~C20アルキル基である、請求項9に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項11】
グリニャール試薬を、有機基付加工程Aで有機基が付加されるフラーレンまたはフラーレン誘導体に対して1~20当量用いる、請求項1~10のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項12】
極性物質のドナー数が26.6~33.1である、請求項1~11のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項13】
極性物質が、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはピリジンである、請求項1~11のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項14】
有機基付加工程Aによって有機基が付加されたフラーレン誘導体が、下記式(1A)
【化学式3】



[式中、A~Eの位置にある5つの炭素の中のの炭素に、それぞれ独立して有機基が付加されている。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項1~13のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項15】
式(1A)中、A~Eの位置にある炭素に付加している有機基が、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)または置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)である、請求項14に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項16】
有機基付加工程Aによって水素原子と有機基とが付加されて得られたフラーレン誘導体に、さらに、少なくとも塩基性化合物とハロゲン化合物とを反応させて有機基を付加する有機基付加工程Bを含む、請求項1~15のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項17】
有機基付加工程Bで用いられる塩基性化合物が、金属ヒドリド、金属アルコキシド、アルカリ金属試薬、アルカリ金属および有機アルカリからなる群から選ばれる1以上を含む、請求項16に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項18】
有機基付加工程Bで用いられる塩基性化合物が、KまたはNaを含むアルコキシドである、請求項16に記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項19】
有機基付加工程Bで用いられる塩基性化合物が、t-BuOKまたはt-BuONaである、請求項16のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項20】
有機基付加工程Bで用いられるハロゲン化合物が、下記式(4)
4X (4)
[式中、R4は有機基を示し、Xはハロゲン原子を示す。]
で表される、請求項16~19のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。

【請求項21】
式(4)中、R4が水素原子、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)または置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)であり、XがCl、BrまたはIである、請求項20に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村活性炭素クラスタープロジェクト 領域
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