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光スイッチ用素子材料及びそれを有する光スイッチ装置並びに光スイッング方法。

国内特許コード P110004333
整理番号 AF08P007
掲載日 2011年7月12日
出願番号 特願2009-034662
公開番号 特開2010-191120
登録番号 特許第5067699号
出願日 平成21年2月17日(2009.2.17)
公開日 平成22年9月2日(2010.9.2)
登録日 平成24年8月24日(2012.8.24)
発明者
  • 岡本 博
  • 松▲崎▼ 弘幸
  • 山下 正廣
  • 高石 慎也
  • 太田 康公
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光スイッチ用素子材料及びそれを有する光スイッチ装置並びに光スイッング方法。
発明の概要 【課題】超高速光スイッチングができる光スイッチ用素子材料、光スイッチ素子を有する光スイッチ装置及び全光型の光スイッング方法を提供する。
【解決手段】光スイッチ装置1は、光スイッチ素子2と、光スイッチ素子2に第1スイッチング光5と第2スイッチング光6とからなるパルス励起光7を照射する励起光用光源8と、光スイッチ素子2に参照光3を照射する参照光用光源4と、参照光3の光スイッチ素子2からの反射光9を検出光として検出する光検出器10と、を備えている。光スイッチ素子2は、擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体からなる光スイッチ素子用材料からなり、所定温度で光反射率の高い電荷密度波相を有し、所定温度以下では光反射率の低いモットハバード相となる。モットハバード相へ第1スイッチング光5を照射すると電荷密度波相へ光誘起相転移され、この光誘起相転移された電荷密度波相へ第2スイッチング光6を照射することによってモットハバード相へ光誘起相転移される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


将来の高速大容量光通信の実現には、光から電気への変換をしないで光だけでスイッチングを行うことができる、所謂全光型の超高速スイッチング動作が不可欠であると考えられている。そのための光学用物質としては、光照射によって材料の透過率や屈折率等の光学特性が大きく変化し、かつ、超高速に変化する物質が必要となる。



近年、光照射によって、物質の電子構造や巨視的な物性が変化する現象である光誘起相転移が報告されており、新しい光スイッチング素子の動作原理としての応用が期待され、様々な研究がなされている。光誘起相転移を示す物質は、光スイッチング素子の有力な候補の一つである。



光誘起相転移を用いて特に需要の大きいテラビットオーダーの超高速光スイッチング動作を実現するためには、相転移の転換時間及び緩和時間がサブピコ秒程度であることが求めらる。



これまでに、光誘起相転移が報告されている幾つかの遷移金属化合物(例えば、非特許文献1~3参照)や有機電荷移動錯体(例えば、非特許文献4、5参照)においては、相転移の転換時間はサブピコ秒以内と高速であるものの、その緩和時間は、早くても数ピコ秒(ps)から数十ピコ秒程度と比較的遅いものであった。



非特許文献6には、擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体における相転移が報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、光スイッチ用素子材料及びそれを有する光スイッチ装置並びに光スイッング方法に関する。さらに詳しくは、本発明は擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体を用いた光スイッチ用素子材料とこの素子材料を有する光スイッチ装置並びに光スイッング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
化学式[Pd(en)][Pd(en)Br](C-Y)(HO)(ここで、enはエチレンジアミン(ethylenediamine)、C-Yはジアルキルスルホサクシネート(dialkylsulfosuccinate)であり、nは5~9,12の何れかの整数である)で表わされる擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体からなる光スイッチ素子用材料であって、
上記光スイッチ素子用材料は、所定温度で光反射率の高い電荷密度波相を有し、該電荷密度波相が上記所定温度よりも低温で光反射率の低いモットハバード絶縁体からなるモットハバード相となり、
上記モットハバード相へ第1スイッチング光が照射されることによって該モットハバード相が上記電荷密度波相へ光誘起相転移され、
上記光誘起相転移された電荷密度波相が、第2スイッチング光が照射されることにより上記モットハバード相へ光誘起相転移されることを特徴とする、光スイッチ素子用材料。

【請求項2】
前記擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体のジアルキルスルホサクシネート(C-Y)のn値は5~8の何れかであり、室温で電荷密度波相を有し、該室温よりも低温でモットハバード相となることを特徴とする、請求項1に記載の光スイッチ素子用材料。

【請求項3】
前記擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体のジアルキルスルホサクシネート(C-Y)のn値は9又は12であり、室温でモットハバード相を有し、該室温よりも高温で電荷密度波相となることを特徴とする、請求項1に記載の光スイッチ素子用材料。

【請求項4】
前記モットハバード相から前記電荷密度波相への光誘起相転移が、過渡的に生じることを特徴とする、請求項1に記載の光スイッチ素子用材料。

【請求項5】
前記光誘起された電荷密度波相から前記モットハバード相への光誘起相転移が、過渡的に生じることを特徴とする、請求項1に記載の光スイッチ素子用材料。

【請求項6】
光スイッチ素子と、
該光スイッチ素子に第1スイッチング光と第2スイッチング光とからなるパルス励起光を照射する励起光用光源と、
上記光スイッチ素子に参照光を照射する参照光用光源と、
上記参照光の上記光スイッチ素子からの出射光を検出光として検出する光検出器と、を備え、
上記光スイッチ素子は、化学式 [Pd(en)][Pd(en)Br](C-Y)(HO)(ここで、enはエチレンジアミン(ethylenediamine)、C-Yはジアルキルスルホサクシネート(dialkylsulfosuccinate)であり、nは5~9,12の何れかの整数である)で表わされる擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体からなる光スイッチ素子用材料からなり、
上記光スイッチ素子用材料は、所定温度で光反射率の高い電荷密度波相を有し、該電荷密度波相が上記所定温度よりも低温で光反射率の低いモットハバード絶縁体からなるモットハバード相となり、
上記光スイッチ素子の上記モットハバード相へ上記第1スイッチング光が照射されることによって該モットハバード相が上記電荷密度波相へ過渡的に光誘起相転移され、
上記光誘起相転移された電荷密度波相は、上記第2スイッチング光が照射されることによって上記モットハバード相へ過渡的に光誘起相転移されることを特徴とする、光スイッチ素子を有する光スイッチ装置。

【請求項7】
前記光スイッチ素子は、前記光スイッチ素子用材料の結晶からなることを特徴とする、請求項6に記載の光スイッチ素子を有する光スイッチ装置。

【請求項8】
前記光スイッチ素子は、前記光スイッチ素子用材料を透明固体中に分散させて形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の光スイッチ素子を有する光スイッチ装置。

【請求項9】
前記励起光用光源は、前記第1スイッチング光と第2スイッチング光とを所定の時間遅延させて照射させる遅延手段を備えていることを特徴とする、請求項6に記載の光スイッチ素子を有する光スイッチ装置。

【請求項10】
前記第1スイッチング光は、前記モットハバード相で光吸収率が高い波長近傍のパルス光であることを特徴とする、請求項6に記載の光スイッチ素子を有する光スイッチ装置。

【請求項11】
前記第2スイッチング光は、前記電荷密度波相で光吸収率が高い波長近傍のパルス光であることを特徴とする、請求項6に記載の光スイッチ素子を有する光スイッチ装置。

【請求項12】
化学式 [Pd(en)][Pd(en)Br](C-Y)(HO)(ここで、enはエチレンジアミン(ethylenediamine)、C-Yはジアルキルスルホサクシネート(dialkylsulfosuccinate)であり、nは5~9,12の何れかの整数である)で表わされる擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体を光スイッチ素子とし、
上記光スイッチ素子へ該擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体がモットハバード絶縁体からなるモットハバード相となる所定温度において参照光を照射し、
パルスからなる第1スイッチング光を、上記光スイッチ素子へ照射することで上記光スイッチ素子からの反射率を過渡的に増加し、
次に、上記第1スイッチング光の照射後の所定時間後に、上記光スイッチ素子へパルスからなる第2スイッチング光を照射することによって上記光スイッチ素子からの反射率を過渡的に低減し、
上記反射率の変化を、上記参照光の強度変化として検出することを特徴とする、光スイッチング方法。

【請求項13】
前記第1スイッチング光を、前記モットハバード相で光吸収率が高い波長近傍のパルス光とすることを特徴とする、請求項12に記載の光スイッチング方法。

【請求項14】
前記第2スイッチング光を、前記電荷密度波相で光吸収率が高い波長近傍のパルス光とすることを特徴とする、請求項12に記載の光スイッチング方法。

【請求項15】
前記擬一次元ハロゲン架橋パラジウム錯体を透明固体中に分散させて前記光スイッチ素子を形成し、
前記参照光を上記光スイッチ素子へ照射し、
上記光スイッチ素子からの透過光を、前記参照光の強度変化として検出することを特徴とする、請求項12に記載の光スイッチング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009034662thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新機能創成に向けた光・光量子科学技術 領域
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