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フラーレン誘導体の製造方法

国内特許コード P110004335
整理番号 E079P31
掲載日 2011年7月12日
出願番号 特願2009-051894
公開番号 特開2010-202611
登録番号 特許第5142221号
出願日 平成21年3月5日(2009.3.5)
公開日 平成22年9月16日(2010.9.16)
登録日 平成24年11月30日(2012.11.30)
発明者
  • 中村 栄一
  • 松尾 豊
  • 岩下 暁彦
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 フラーレン誘導体の製造方法
発明の概要 【課題】フラーレンに環状エーテル構造を有する基やフェニル基以外の基を付加できるフラーレン誘導体の製造方法であり、また、フラーレンに環状エーテル構造を有する基やフェニル基以外の基が付加しているフラーレン誘導体の提供。
【解決手段】炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと;工程1Aで得られた反応生成物と環状エーテル化合物(B)とをハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aと;工程2Aで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3を含む製造方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」ともいう)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。



このようなフラーレン誘導体の具体例として、フラーレン骨格に5個の有機基が結合したフラーレン誘導体(以下、単に、「5重付加フラーレン誘導体」ともいう)の合成方法について報告されている[たとえば、特開平10-167994号公報(特許文献1)、特開平11-255509号公報(特許文献2)、特開2008-222583号公報(特許文献3)、J. Am. Chem. Soc., 118, 12850 (1996(非特許文献1)、Org. Lett., 2, 1919 (2000) (非特許文献2)、Chem. Lett., 1098 (2000) (非特許文献3)、Organic Lett., 10, 1251 (2008) (非特許文献4)]。



5重付加フラーレン誘導体の製造方法としては、たとえば、フェニルグリニヤール試薬とCuBr・S(CH32とから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させることにより、フェニルグリニヤール試薬を構成するフェニル基がフラーレンC60の一つの5員環の周囲を取り囲むように位置選択的に付加したフェニル化フラーレン誘導体(C60Ph5H)が定量的に得られることが知られている[たとえば、特開平10-167994号公報(特許文献1)]。また、フラーレンにテトラヒドロフランなどの環状エーテルが直接付加したフラーレン誘導体およびその製造方法についても提案されている[たとえば、特開2008-222583号公報(特許文献3)、Organic Lett., 10, 1251 (2008) (非特許文献4)]。



しかしながら、これらの製造方法では、フラーレンに付加させることができる基としては、フェニル基や環状エーテル構造を有する基等に限定されていた。

産業上の利用分野


本発明は新規なフラーレン誘導体の製造方法に関する。また本発明は、ハロゲン化シリル化合物の存在下、フラーレンまたはフラーレン誘導体に環状エーテル化合物を反応させる工程を含むフラーレン誘導体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
フラーレン誘導体の製造方法であって、
炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと、
工程1Aで得られた反応生成物と、式(1)
【化1】



(式(1)中、R~Rはそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを、式(2)
(RSi(X) (2)
(式中、Rはそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aとを含む、
式(5)
Cm(R(R) (5)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、当該mはフラーレン(F0)の炭素数mと同一であり、pは1~10の整数を示し、Rは下記式(5A)
【化2】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
14はそれぞれ上記式(2)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F1)を製造する方法。

【請求項2】
pが5であり、mが60である請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
フラーレン誘導体(F1)が、下記式(51)
【化3】



(式中、Rは下記式(5A)
【化4】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
14はそれぞれ上記式(2)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である)
で表されるフラーレン誘導体である、請求項1に記載の製造方法。

【請求項4】

グリニャール試薬(D)が、下記式(4)
40MgX (4)
(式中、R40は有機基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。

【請求項5】
銅化合物(E)がCuBr・S(CHである請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。

【請求項6】
式(52)
Cm(RH (52)
(式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、pは1~10の整数を示し、Rはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体(F2)に式(6)
MH (6)
(式中、Mはアルカリ金属である)
で表されるアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程1B、
式(2)
(RSi(X) (2)
(式中、Rはそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下、工程1Bで得られた反応生成物と、式(1)
【化5】



(式(1)中、R~Rはそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを反応させる工程2Bとを含む、
式(53)
Cm(R(R) (53)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、Rは下記式(5A)
【化6】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
14はそれぞれ上記式(1)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F3)を製造する方法。

【請求項7】
pとqが5であり、mが60である請求項6に記載の製造方法。

【請求項8】
フラーレン誘導体(F2)が、下記式(54)
【化7】



(式中、Rはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体であり、
フラーレン誘導体(F3)が、下記式(55)
【化8】



[式中、Rは下記式(5A)
【化9】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
14はそれぞれ上記式(2)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である]
請求項6に記載の製造方法。

【請求項9】
フラーレン誘導体の製造方法であって、
炭素数mのフラーレン(F0)に、グリニャール試薬(D)と銅化合物(E)を反応させる工程1Aと、
工程1Aで得られた反応生成物と、式(1)
【化10】



(式(1)中、R~Rはそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを、式(2)
(RSi(X) (2)
(式中、Rはそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下で反応させる工程2Aと、
工程2Aで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Aとを含む、
式(56)
Cm(R(R) (56)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、当該mはフラーレンF0の炭素数mと同一であり、pは1~10の整数を示し、Rは下記式(5B)
【化11】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
14はそれぞれ上記式(1)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F4)を製造する方法。

【請求項10】
フラーレン(F0)がフラーレンC60であり、
pが5であり、mが60である請求項に記載の製造方法。

【請求項11】
フラーレン(F0)がフラーレンC60であり、
フラーレン誘導体(F4)が、下記式(57)
【化12】



(式中、Rは下記式(5B)
【化13】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
14はそれぞれ上記式(2)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である)
で表されるフラーレン誘導体である、請求項に記載の製造方法。

【請求項12】
式(52)
Cm(RH (52)
(式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、pは1~10の整数を示し、Rはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体(F2)に式(6)
MH (6)
(式中、Mはアルカリ金属である)
で表されるアルカリ金属化合物(H)を反応させる工程1B、
式(2)
(RSi(X) (2)
(式中、Rはそれぞれ独立して有機基、Xはハロゲンである)
で表されるハロゲン化シリル化合物(C)の存在下、工程1Bで得られた反応生成物と、式(1)
【化14】



(式(1)中、R~Rはそれぞれ独立して水素または有機基であり、Wは単結合、置換基を有してもよいC~C11のアルキレン、置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンまたは、1以上の-CH2-が-O-、-S-、-COO-もしくは-OCO-で置き換えられている置換基を有してもよいC~C11のアルキレンもしくは置換基を有してもよいC~C12のアルケニレンある)
で表される環状エーテル化合物(B)とを反応させる工程2Bと
工程2Bで得られた反応生成物と無機酸(G)とを反応させる工程3Bとを含む、
式(58)
Cm(R(R) (58)
[式中、Cmは炭素数mのフラーレンを示し、Rは下記式(5B)
【化15】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である]
で表されるフラーレン誘導体(F5)を製造する方法。

【請求項13】
フラーレン誘導体(F2)がフラーレンC60誘導体であり、
pとqが5であり、mが60である請求項12に記載の製造方法。

【請求項14】
フラーレン誘導体(F2)が、下記式(54)
【化16】



(式中、Rはそれぞれ独立して有機基である。)
で表されるフラーレン誘導体であり、
フラーレン誘導体(F5)が、下記式(59)
【化17】



[式中、Rは下記式(5B)
【化18】



(式中、R11は上記式(1)中のRと同一であり、
12は上記式(1)中のRと同一であり、
13は上記式(1)中のRと同一であり、
Yは上記式(1)中のWと同一である。)
で表される基であり、Rはそれぞれ独立して有機基である]
請求項12に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 中村活性炭素クラスタープロジェクト 領域
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