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ポリカーボネート製造用触媒とポリカーボネート製造方法

国内特許コード P110004337
整理番号 E076P128
掲載日 2011年7月12日
出願番号 特願2009-058729
公開番号 特開2009-242794
登録番号 特許第5403537号
出願日 平成21年3月11日(2009.3.11)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
登録日 平成25年11月8日(2013.11.8)
優先権データ
  • 特願2008-061870 (2008.3.11) JP
発明者
  • 小林 修
  • 秋山 良
  • 鈴木 公仁
  • 藤本 健一郎
出願人
  • 国立大学法人 東京大学
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 新日鐵住金株式会社
  • 新日鉄住金エンジニアリング株式会社
  • 新日鉄住金化学株式会社
発明の名称 ポリカーボネート製造用触媒とポリカーボネート製造方法
発明の概要 【課題】本発明は、エポキシドと二酸化炭素を触媒の存在下で反応させて、分子量分布の狭いポリカーボネートを高生産性、高選択率で製造を可能にする安価な触媒及び、製造方法を提供する。
【解決手段】スカンジウムアルコキシド、スカンジウムハロゲン化物及びスカンジウムトリフラートの一種又は二種以上の化合物とチタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムから選ばれる金属の金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属ハロゲン化物アルコキシドの一種又は二種以上の化合物の混合物から選ばれる少なくとも一つの触媒の存在下で、エポキシドと二酸化炭素を反応させる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ポリカーボネートとは、モノマー単位同士の接合部がすべてカーボネート基(-O-(C=O)-O-)で構成されるプラスチックの総称である。一般に、透明性、耐衝撃性、耐熱性、難燃性等において高い物性を示す一方、その物性に比べて安価なため、CDやDVDをはじめとする電気電子材料(または部品)、自動車など輸送車両、光学、医療機器などに幅広く用いられ、ここ数年年率10%の市場の伸びを示す非常に有用なエンジニアリングプラスチックの一つである。



従来のポリカーボネートの製造方法としては、ホスゲンをカルボニルソースとしてビスフェノールAと直接反応させる方法(界面重縮合)が主流である。この方法は、極めて有害で腐食性の高いホスゲンを用いるため、その輸送や貯蔵等の取扱に細心の注意が必要であり、製造設備の維持管理及び安全性の確保のために多大なコストがかかっていた。また、この方法で製造する場合、原料や触媒中に塩素などのハロゲンが含まれており、得られるポリカーボネート中には、簡単な精製工程では取り除くことのできない微量のハロゲンが含まれる。このハロゲンは腐食の原因となる懸念も存在するため、微量に存在するハロゲンを極微量にするための徹底的な精製工程が必須となる。さらに、最近では、人体に極めて有害なホスゲンを利用することから、この製造方法での製造設備の新設が許可されないなど行政指導が厳しくなされてきており、ホスゲンを用いない新たな製造方法が強く望まれている。



一方、ホスゲンを用いないポリカーボネートの合成方法は古くから研究がなされており、例えば非特許文献1に示されているようにプロピレンオキシドと二酸化炭素をジエチル亜鉛/水存在下で脂肪族ポリカーボネートを重合させることに成功した例もあるが、触媒の活性が極端に低く、ポリマーの生産性が低いという問題があった。しかし、その研究を契機に、エポキシドと二酸化炭素からのポリカーボネート合成への不均一系触媒が数多く研究されてきた(非特許文献2)が、いずれも高い活性を示すレベルには至っていない。



それに対し、最近十年の間、シクロヘキセンオキシドと二酸化炭素からのポリカーボネート合成に対して均一系触媒(金属錯体触媒)を適用することにより目覚しい進展が見られている。例えば、式1に示す亜鉛ベース錯体触媒(非特許文献2)や式2に示すクロムサレン錯体触媒(非特許文献3)、式3に示すコバルトサレン錯体触媒(非特許文献4)、式4に示す亜鉛錯体触媒(非特許文献5)などが挙げられる。いずれもその触媒の制御にヘテロ原子を有する配位子を必要とするため、触媒を精密に合成することが必須であり、その合成工程が複雑なため、触媒自体が高価になってしまう。また、それら錯体触媒は一般に酸素や水などの外的環境に不安定なため、空気中での取扱が困難であり、厳密な不活性ガス中での取り扱いが必要であるなどの問題がある。



こうした中、非特許文献6に記載されているように、ホスゲンを用いない炭酸エステルの製造法として、二酸化炭素をエチレンオキシドなどと反応させて環状炭酸エステルを合成し、更にメタノールと反応させて炭酸ジメチルを得、フェノールとのエステル交換反応によるジフェニルカーボネートを経由してポリカーボネートを製造する方法が実用化されてきている。この方法は、塩酸などの腐食性物質を使用したり、発生することがほとんど無く、地球温暖化ガスとして削減を求められている二酸化炭素を骨格に入れることにより削減効果が期待できる環境にやさしい優れた方法であるが、特許文献1に記載されているように、副生するエチレングリコールなどの有効利用が大きな課題であり、またエチレンオキシドの原料であるエチレンや、エチレンオキシドの安全な輸送は困難であるため、これらエチレンとエチレンオキシドの製造工程用プラントに隣接して炭酸エステル製造工程用プラントを立地しなければならないといった制約もある。



【化1】




【化2】




また、特許文献2には、還元性化合物の存在下、スカンジウムのトリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-へプタンジオネート)を触媒としてステアリルグリシジルエーテルと二酸化炭素を共重合するポリステアリルグリシジルカーボネートの製造が教示されている。このポリカーボネートの製造方法は、比較的に安価な触媒を用い、比較的に高い生産性及び選択率での合成が可能であるが、まだその効果は限られたものである。さらにより安価に、より高い生産性、収率、選択率での合成が望まれる。

産業上の利用分野


本発明は、エポキシドと二酸化炭素を触媒の存在下で反応させて、ポリカーボネートを製造するための触媒及びその触媒を用いたポリカーボネートの製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
エポキシドと二酸化炭素からポリカーボネートを製造する際に用いられる触媒であって、スカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物及びトリフラート化合物から選ばれる一種又は二種以上のスカンジウム化合物(第1の触媒)と、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及びセリウムの金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、及び金属ハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物(第2の触媒)が混合されてなることを特徴とするポリカーボネート製造用触媒。

【請求項2】
前記第1の触媒として、スカンジウムのアルコキシド、ハロゲン化物及びトリフラート化合物から選ばれる一種又は二種以上のスカンジウム化合物と、前記第2の触媒として、チタンのアルコキシド、ハロゲン化物、及びハロゲン化物アルコキシドから選ばれる一種又は二種以上の金属化合物が、混合されてなる、請求項1に記載のポリカーボネート製造用触媒。

【請求項3】
前記第1の触媒が、炭素数1~6の脂肪族アルコキシ基のスカンジウムアルコキシドである、請求項1又は2に記載のポリカーボネート製造用触媒。

【請求項4】
前記第2の触媒として、炭素数1~10の脂肪族アルコキシ基のチタンアルコキシドを用いる、請求項2又は3に記載のポリカーボネート製造用触媒。

【請求項5】
前記第1の触媒が、スカンジウムイソプロポキシド及び塩化スカンジウムの一方又は双方であり、前記第2の触媒が、チタンイソプロポキシド、四塩化チタン及びジクロロチタニウムジイソプロポキシドから選ばれる1種又は2種以上である、請求項2に記載のポリカーボネート製造用触媒。

【請求項6】
前記第1の触媒に対する前記第2の触媒のモル比が0.1~20である、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリカーボネート製造用触媒。

【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の触媒の存在下、エポキシドと二酸化炭素からポリカーボネートを製造することを特徴とするポリカーボネートの製造方法。

【請求項8】
脂環式エポキシドと二酸化炭素とを反応させて脂環式ポリカーボネートを製造する、請求項7に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項9】
エチレンオキシドまたは1~4置換エポキシドの少なくともいずれかと二酸化炭素とを反応させて脂肪族ポリカーボネートを製造する、請求項7に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項10】
前記エポキシドと二酸化炭素を反応させる際に、溶媒の存在下で反応させる、請求項7~9のいずれか1項に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項11】
スカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドを触媒として用い、シクロヘキセンオキシドと二酸化炭素を反応させて脂環式ポリカーボネートを製造する、請求項7又は10に記載のポリカーボネートの製造方法。

【請求項12】
スカンジウムイソプロポキシドとチタンイソプロポキシドを触媒として用い、プロピレンオキシドと二酸化炭素を反応させて脂肪族ポリカーボネートを製造する、請求項7又は10に記載のポリカーボネートの製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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