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顕微鏡装置及び輪郭識別プログラム UPDATE

国内特許コード P110004356
整理番号 B115P03
掲載日 2011年7月12日
出願番号 特願2009-153021
公開番号 特開2011-008126
登録番号 特許第4614149号
出願日 平成21年6月26日(2009.6.26)
公開日 平成23年1月13日(2011.1.13)
登録日 平成22年10月29日(2010.10.29)
発明者
  • 費 仙鳳
  • 五十嵐 康伸
  • 橋本 浩一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 顕微鏡装置及び輪郭識別プログラム UPDATE
発明の概要 【課題】衝突問題に対する細胞追跡の頑健性、即ちロバスト性を向上させることができる、顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】顕微鏡視野の画像を検出する画像情報検出部と、画像情報検出部からの画像に基づいて観察対象物の輪郭を識別する輪郭識別手段22と、を備え、輪郭識別手段22が画像情報検出部から所定時間ごとに送られてくる画像に基づいて輪郭を更新する、顕微鏡装置であって、観察対象物が非観察対象物と衝突したか否かを判別する衝突判定手段23と、衝突判定手段23で観察対象物が非観察対象物に衝突したと判定された場合に輪郭識別手段22で更新された輪郭を訂正する訂正手段24と、を備えている。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


分子生物学分野等において、生体組織や細胞内イオン、分子等の観察は必須の技術である。光学顕微鏡は、主に生体組織を観察するときに用いられる。また、レーザ共焦点顕微鏡は、光を生体細胞の一部に照射し、その照射位置を移動させ、細胞の一部を観察するときに用いられる。



光学顕微鏡の主な観察技術の一つに、生体組織の細胞内のイオンや分子に蛍光色素を付け、その蛍光色素に励起光を照射し、励起された蛍光色素が発する蛍光を観察する蛍光観察法がある。



蛍光と励起光の波長は異なっている。従って、蛍光を解析することで細胞内分子の検出や濃度の計測が可能になる。このため、蛍光観察は以下の長所を持つ。
(i)イオンや分子の大きさでも観察できる。
(ii)特定のイオンや分子のみを観察できる。
(iii)蛍光の明るさがイオンや分子濃度に応じて変化するので、これらの濃度を測定することができる。



しかしながら、一般に蛍光観察は以下の短所も有している。
(i)励起光の波長帯域が紫外の場合、励起光が細胞にとって有毒となる。
(ii)励起光を当て続けると蛍光色素が退色する。退色とは、蛍光の強さが弱まることである。



蛍光観察が可能な蛍光顕微鏡を使用して動く細胞を観察していると、細胞が顕微鏡の視野外に出て観察が中断してしまう場合がある。



この問題の解決方法として、(1)対物レンズの倍率を下げ視野を広げる、(2)機械的又は化学的に細胞の動きを抑制する、(3)ステージを動かし細胞の位置を視野の中心にする、等で対応している。しかし、(1)の方法は空間解像度が低下し、(2)の方法は細胞へ悪影響を及ぼす可能性がある。



近年、細胞を追跡する蛍光顕微鏡システムが開発されている(特許文献1,2)。この技術は、ビジュアルサーボの技術分野に属し、細胞の位置を計算する画像処理技術と細胞の重心位置を顕微鏡の視野中心に自動的に保つ電動ステージの制御技術とを要素技術とする。



従来、細胞のXY座標の計算は、背景と細胞の境界情報に基づいている。従来の細胞境界認識の画像処理技術は、2値化処理を基本としたセルフウィンドウ法と並列計算機付き(SIMD型プロセッサ付き)高速(撮影速度1kHz)カメラの組み合わせであった(手法1;非特許文献1、2、3)。しかし、背景と細胞領域の輝度値がはっきりと分かれていない顕微鏡画像において、セルフウィンドウ法は有効に機能しないとの問題があった。



背景と細胞領域の輝度値がはっきりと分かれていない状況でも細胞の境界を認識できる技術が開発されている。この技術は領域依存レベルセット法(LSM)を並列化したものである(手法2;非特許文献4)。LSMは、評価関数の設定と、評価関数最小化の戦略により、輪郭を初期値から細胞の境界に近づくように、自動更新することで対象を認識するプログラムである。



さらに手法2に、認識領域の総光量を一定とする制約を加えることで、単一細胞の境界を認識する技術も開発されている(手法3;非特許文献5)。

産業上の利用分野


本発明は、生体組織等の蛍光観察などに使用される顕微鏡装置及び画像情報検出部で取得された当該顕微鏡視野等の画像に基づいて生体組織等の観察対象物の輪郭を識別するプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
顕微鏡視野の画像を検出する画像情報検出部と、上記画像情報検出部からの画像に基づいて観察対象物の輪郭を識別する輪郭識別手段と、を備え、上記輪郭識別手段が上記画像情報検出部から所定時間ごとに送られてくる画像に基づいて上記輪郭を更新する、顕微鏡装置であって、
上記観察対象物が非観察対象物と衝突したか否かを判別する衝突判定手段と、上記衝突判定手段で上記観察対象物が上記非観察対象物に衝突したと判定された場合に上記輪郭識別手段で更新された上記観察対象物の上記非観察対象物に衝突した時の輪郭の形状を下記(A1)~(A3)の何れかに訂正すると共に、訂正後の輪郭の位置を下記(B1)~(B4)の何れかに訂正する訂正手段と、を備えたことを特徴とする、顕微鏡装置。
(A1)非観察対象物との衝突前の観察対象物の輪郭の形状に置き換える。
(A2)数ピクセル小さくする。
(A3)衝突前の観察対象物の輪郭の形状と衝突後の観察対象物の輪郭の形状との重み付け平均した形状に置き換える。
(B1)観察対象物の訂正後の輪郭を、衝突前の観察対象物の輪郭の画像上の位置と衝突後の観察対象物の画像上の位置の重み付け平均の位置へ置く。
(B2)非観察対象物に衝突前の観察対象物の画像上の輪郭の位置にカルマンフィルター,パーティクルフィルタなどの観察対象物の運動モデルから予測される移動量を足した画像上の位置へ、観察対象物の訂正後の輪郭を置く。
(B3)非観察対象物との衝突前の観察対象物の輪郭の形状の重心を非観察対象物に衝突した時の観察対象物の輪郭の形状の重心に重ねる。
(B4)輪郭の任意の軸に対する回転により、又はアフィン変換、非アフィン変換の何れかにより訂正を行う。

【請求項2】
顕微鏡視野の画像を検出する画像情報検出部と、上記画像情報検出部からの画像に基づいて観察対象物の輪郭を識別する輪郭識別手段と、を備え、上記輪郭識別手段が上記画像情報検出部から所定時間ごとに送られてくる画像に基づいて上記輪郭を更新する、顕微鏡装置であって、
上記観察対象物の輪郭を更新する場合に上記観察対象物の輪郭が複数に分割されるか判定する分割判定手段と、上記分割判定手段で上記観察対象物の輪郭が複数に分割されると判定される場合に上記輪郭識別手段による輪郭の更新を規制する分割規制手段と、を備え、
画面上の各画素に背景か観察対象かを示すラベル値が割り当てられ、輪郭内側のラベル値と輪郭外側のラベル値とは符号が異なり、上記分割判定手段は、前記輪郭を更新するとラベル値の符号が変化する画素を検出し、当該画素が値を更新すると前記観察対象物の輪郭が複数に分かれる特異点であるか否か判定し、
上記画素が特異点であると上記分割判定手段が判定した場合、上記分割規制手段は、当該特異点のラベル値の符号を変更させないことを特徴とする、顕微鏡装置。

【請求項3】
コンピュータを、
画像情報検出部で取得された画像に基づいて観察対象物の輪郭を識別すると共に所定時間ごとに当該観察対象物の輪郭を更新する輪郭識別手段、
上記観察対象物が非観察対象物と衝突したか否かを判別する衝突判定手段、
上記衝突判定手段で上記観察対象物が上記非観察対象物に衝突したと判定された場合に上記輪郭識別手段で更新された上記観察対象物の上記非観察対象物に衝突した時の輪郭の形状を下記(A1)~(A3)の何れかに訂正すると共に、訂正後の輪郭の位置を下記(B1)~(B4)の何れかに訂正する訂正手段、
として機能させるようにしたことを特徴とする、輪郭識別プログラム。
(A1)非観察対象物との衝突前の観察対象物の輪郭の形状に置き換える。
(A2)数ピクセル小さくする。
(A3)衝突前の観察対象物の輪郭の形状と衝突後の観察対象物の輪郭の形状との重み付け平均した形状に置き換える。
(B1)観察対象物の訂正後の輪郭を、衝突前の観察対象物の輪郭の画像上の位置と衝突後の観察対象物の画像上の位置の重み付け平均の位置へ置く。
(B2)非観察対象物に衝突前の観察対象物の画像上の輪郭の位置にカルマンフィルター,パーティクルフィルタなどの観察対象物の運動モデルから予測される移動量を足した画像上の位置へ、観察対象物の訂正後の輪郭を置く。
(B3)非観察対象物との衝突前の観察対象物の輪郭の形状の重心を非観察対象物に衝突した時の観察対象物の輪郭の形状の重心に重ねる。
(B4)輪郭の任意の軸に対する回転により、又はアフィン変換、非アフィン変換の何れかにより訂正を行う。

【請求項4】
コンピュータを、
画像情報検出部で取得された画像に基づいて観察対象物の輪郭を識別すると共に所定時間ごとに当該観察対象物の輪郭を更新する輪郭識別手段、
上記観察対象物の輪郭を更新する場合に、上記観察対象物の輪郭が複数に分割されるか判定する分割判定手段、
上記分割判定手段で上記観察対象物の輪郭が複数に分割されると判定される場合に、上記輪郭識別手段による輪郭の更新を規制する分割規制手段、
として機能させ、
画面上の各画素に背景か観察対象かを示すラベル値が割り当てられ、輪郭内側のラベル値と輪郭外側のラベル値とは符号が異なり、上記分割判定手段は、前記輪郭を更新するとラベル値の符号が変化する画素を検出し、当該画素が値を更新すると前記観察対象物の輪郭が複数に分かれる特異点であるか否か判定し、
上記画素が特異点であると上記分割判定手段が判定した場合、上記分割規制手段は当該特異点のラベル値の符号を変更させないことを特徴とする、輪郭識別プログラム。

【請求項5】
前記観察対象物の輪郭を更新する場合に上記観察対象物の輪郭が複数に分割されるか判定する分割判定手段と、上記分割判定手段で上記観察対象物の輪郭が複数に分割されると判定される場合に上記輪郭識別手段による輪郭の更新を規制する分割規制手段と、を備え、
画面上の各画素に背景か観察対象かを示すラベル値が割り当てられ、輪郭内側のラベル値と輪郭外側のラベル値とは符号が異なり、上記分割判定手段は、前記輪郭を更新するとラベル値の符号が変化する画素を検出し、当該画素が値を更新すると前記観察対象物の輪郭が複数に分かれる特異点であるか否か判定し、
上記画素が特異点であると上記分割判定手段が判定した場合、上記分割規制手段は当該特異点のラベル値の符号を変更させないことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。

【請求項6】
前記画像情報検出部からの画像を処理する演算部を備え、
上記演算部は、各画素に対応した演算素子もしくは、複数の画素に対応した演算素子を備えることを特徴とする、請求項1,2,5の何れかに記載の顕微鏡装置。

【請求項7】
さらに、前記コンピュータを、
前記観察対象物の輪郭を更新する場合に、前記観察対象物の輪郭が複数に分割されるか判定する分割判定手段、
上記分割判定手段で前記観察対象物の輪郭が複数に分割されると判定される場合に、前記輪郭識別手段による輪郭の更新を規制する分割規制手段、
として機能させ、
画面上の各画素に背景か観察対象かを示すラベル値が割り当てられ、輪郭内側のラベル値と輪郭外側のラベル値とは符号が異なり、上記分割判定手段は、前記輪郭を更新するとラベル値の符号が変化する画素を検出し、当該画素が値を更新すると前記観察対象物の輪郭が複数に分かれる特異点であるか否か判定し、
上記画素が特異点であると上記分割判定手段が判定した場合、上記分割規制手段は当該特異点のラベル値の符号を変更させないことを特徴とする、請求項3に記載の輪郭識別プログラム。

【請求項8】
各画素に対応した演算素子もしくは、複数の画素に対応した演算素子を備える演算部に実装することを特徴とする、請求項3,4,7の何れかに記載の輪郭識別プログラム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009153021thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成17年度採択課題
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