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セラミックス膜の製造方法

国内特許コード P110004375
整理番号 E086P10
掲載日 2011年7月12日
出願番号 特願2009-239488
公開番号 特開2011-086819
登録番号 特許第5461951号
出願日 平成21年10月16日(2009.10.16)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
登録日 平成26年1月24日(2014.1.24)
発明者
  • 下田 達也
  • 李 金望
  • 亀田 博之
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 株式会社ADEKA
発明の名称 セラミックス膜の製造方法
発明の概要 【課題】特定方向に優先配向したセラミックス膜を低温で形成することが可能なセラミックス膜の製造方法を提供する。
【解決手段】PbZrTi1-x(式中、xは0~0.6である)の前駆体溶液を基板1に塗布した後、300℃以下の温度で乾燥させて前駆体膜を形成する工程と、前記前駆体膜中の2価の鉛イオン(Pb2+)を0価の鉛(Pb)に還元してパイロクロア相の生成を抑制した後、酸化性雰囲気中で低温焼成してペロブスカイト相を生成させる工程とを含むことを特徴とするセラミックス膜3の製造方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



Pb(Zr,Ti)O(PZT)やPbTiOなどのセラミックス膜(以下、PZT系膜を「セラミック膜」という)は、ペロブスカイト構造を有する強誘電体膜として一般的に公知であり、強誘電性、圧電性、電気光学効果及び焦電性などの各種特性を有していることから、様々な電子部品に用いられている。





また、セラミックス膜は、分極軸方向が(001)方向であるため、理想的にはこの配向を持つセラミックス膜を形成することが好ましい。

しかしながら(001)方向に優先配向させることが技術的に難しいと共に、(001)配向膜は不安定であるという問題がある。





一方、(111)方向に優先配向したセラミックス膜は、(001)方向に優先配向したセラミックス膜に比べて上記特性が僅かに劣るものの、基板上への形成が容易であるという利点がある。すなわち、当該基板においてセラミックス膜の下地となる下部電極(一般的にPt電極)として、(111)方向に配向したものを簡単に得ることができるため、その上に形成されるセラミックス膜も所定の条件下で(111)方向に容易に配向させることが可能である。これに加えて、(111)方向に優先配向したセラミックス膜は、安定であるという利点もある。このような事情から、セラミックス膜を(111)方向に優先配向させることが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。





通常、種々のセラミックス膜の製造方法としては、これまでに多くの方法が開発されており、化学的方法と物理的方法とに主に分けられる。例えば、化学的方法には化学気相蒸着や溶液法などがあり、物理的方法にはスパッタリングやレーザーアブレーションなどがある。これらの方法の中でも、溶液法は、低コスト化、工程の簡略化、成分制御性、膜厚制御性及び大面積化などの面において他の方法に比べて有利である。





また、セラミックス膜の製造方法では、前駆体膜を結晶化させるために、通常の条件下(例えば、大気中)で焼成すると、パイロクロア相という準安定化相が形成される。そこで、このパイロクロア相をペロブスカイト相に転移させるために、一般に600~700℃の高温で焼成しなければならない。そのため、前駆体膜を形成する基板の種類が、高温焼成に耐え得るものに限定されるという問題がある。また、様々な電子部品の集積回路などにセラミックス膜を形成する場合、高温焼成は、回路を構成する金属配線や各種デバイスに損傷を与えると共に、セラミックス膜と基板との間に内部拡散を生じさせるという問題もある。

そこで、高温焼成を避けるために、幾つかの方法が提案されている。例えば、UVフォトアニーリング(例えば、非特許文献2参照)、加圧酸素下でのアニーリング(例えば、非特許文献3参照)、マイクロウェーブによるアニーリング(例えば、非特許文献4参照)などを行うことが提案されている。

産業上の利用分野



本発明は、セラミックス膜の製造方法、強誘電体素子及び電子部品に関し、特に、強誘電体素子を有するメモリ素子、圧電素子、電気光学素子及び焦電センサなどの電子部品に用いられるセラミックス膜の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
PbZrTi1-x(式中、xは0~0.6である)の前駆体溶液を基板に塗布した後、300℃以下の温度で乾燥させて、炭素成分が残存する前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜中に残存する炭素成分の働きによって前記前駆体膜中の2価の鉛イオン(Pb2+)を0価の鉛(Pb)に還元してパイロクロア相の生成を抑制した後、酸化性雰囲気中で低温焼成してペロブスカイト相を生成させる工程であって、前記還元が、前記前駆体膜を形成した基板を、非酸化性雰囲気中、5℃/分以上の昇温速度で300℃~450℃に加熱することにより行われる工程
を含むことを特徴とするセラミックス膜の製造方法。

【請求項2】
PbZrTi1-x(式中、xは0~0.6である)の前駆体溶液を基板に塗布した後、300℃以下の温度で乾燥させて、炭素成分が残存する前駆体膜を形成する工程と、
前記前駆体膜中に残存する炭素成分の働きによって前記前駆体膜中の2価の鉛イオン(Pb2+)を0価の鉛(Pb)に還元してパイロクロア相の生成を抑制した後、酸化性雰囲気中で低温焼成してペロブスカイト相を生成させる工程であって、前記還元が、前記前駆体膜を形成した基板を、酸化性雰囲気中、5℃/秒以上の昇温速度で300℃~450℃に加熱することにより行われる工程と
を含むことを特徴とするセラミックス膜の製造方法。

【請求項3】
前記低温焼成は、400℃~500℃の温度範囲で行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックス膜の製造方法。

【請求項4】
前記ペロブスカイト相は、(111)方向に優先配向していることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載のセラミックス膜の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009239488thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 下田ナノ液体プロセス 領域
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