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光信号転送方法、光信号中継装置、および光信号記憶装置 コモンズ

国内特許コード P110004389
整理番号 Y03-P251-1
掲載日 2011年7月13日
出願番号 特願2009-256584
公開番号 特開2010-044413
登録番号 特許第5314815号
出願日 平成21年11月9日(2009.11.9)
公開日 平成22年2月25日(2010.2.25)
登録日 平成25年7月12日(2013.7.12)
優先権データ
  • 特願2002-308946 (2002.10.23) JP
  • 特願2003-059382 (2003.3.6) JP
  • 特願2003-287576 (2003.8.6) JP
発明者
  • 前田 佳伸
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 光信号転送方法、光信号中継装置、および光信号記憶装置 コモンズ
発明の概要 【課題】光信号の増幅処理を制御光を用いて直接行うことができる光信号増幅3端子装置を提供する。
【解決手段】光信号増幅3端子装置10においては、第1波長λの第1入力光Lと第2波長λの第2入力光Lとが入力された第1光増幅素子26からの光から選択された第2波長λの光と、第3波長λの第3入力光(制御光)Lとが第2光増幅素子34へ入力させられるとき、その第2光増幅素子34から出された光から選択された第3波長λの出力光Lは、前記第1波長λの第1入力光Lおよび/または第3波長λの第3入力光Lの強度変化に応答して変調された光であって、前記第3波長λの第3入力光(制御光)Lに対する信号増幅率が2以上の大きさの増幅信号となるので、光信号の増幅処理を制御入力光を用いて直接行うことができる光信号増幅3端子装置10を得ることができる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


広帯域且つ高速伝送が可能な光ファイバ通信を用いた動画像通信や映像の分配といった広帯域な新サービスの広範な展開が期待されている。しかしながら、たとえばエレクトロニクスで言えば3端子のトランジスタに相当するような機能(信号増幅作用)素子、すなわち光信号を他の光信号で直接制御して信号増幅するような光機能素子は、未だ、実現されていない。



このため、折角、高速で伝送した光信号を一旦電気信号に変換し、電子回路において情報処理が行われ、処理後の信号を再度光に変換して伝送するというのが実情である。したがって、光を光で直接制御することができないので、信号処理の高速性に限界があった。光信号のまま信号処理ができる場合には、並列処理が可能であると言われており、一層の処理時間の短縮化が期待できるのである。



これに対し、非特許文献1或いは非特許文献2に記載されている装置は、光をスイッチングする装置、マッハツェンダー型光干渉による波長変換などを利用したゲートスイッチング装置に過ぎず、これらは、温度変化、振動に弱く、設定が厳しいという不都合があった。このような従来技術は、電子回路におけるトランジスタのように、入力光を制御光を用いて信号増幅された出力光を得る機能を備えた光信号増幅3端子装置を構成する点については何ら開示されていない。



次に、広帯域、高速且つ高容量の信号伝送が可能な光通信の分野において、その光信号の通信、転送、分配がその広帯域、高速且つ高容量といった性質を損わないようにして行われることが期待されている。比較的近い将来に構築されることが予想されている波長分割多重(WDM)をベースとした光ネットワークでは、一方の光伝送路から伝送された波長の異なる複数種類のレーザ光である波長分割多重光信号を波長毎に所望の光伝送路へ転送する光信号の転送(光信号の中継)技術が重要となる。光ファイバなどの所定の伝送路(たとえば波長バス)を介して伝播した一連の光信号(たとえばパケット信号)を、その一連の光信号に付されているラベル或いはタグのような行先情報が示す他の伝送路へ転送するための光信号転送、たとえば光ネットワーク内或いは光ネットワーク間でルーティングするルーティングでは、大容量且つ高速であるという光信号伝送の特徴を損うものであってはならなず、ルータすなわち光信号中継(転送)装置においても高速で転送処理されること、信頼性が高く、小型であることなどが要求される。



これに対し、たとえば特許文献1に記載された光パスクロスコネクト装置が提案されている。これによれば、波長多重伝送リンクの波長バスをG本ずつN個の波長群バスに分割する分波器と、その分波器によって分割された波長群毎にルーティング処理を実行するルーティング処理部とが備えられ、波長群毎にルーティング処理が行われるように構成されている。この光パスクロスコネクト装置のルーティング処理部は、波長群毎に波長変換する波長変換器と、それにより波長変換された光を分配するためにコントローラによって制御される光マトリックススイッチとから構成されている。そして、この光マトリックススイッチは、マトリックス状光路の交点に配置されたメカニカル動作の反射鏡スイッチをコントローラによって択一的に動作させ、複数の波長群のうちその反射鏡スイッチにより反射された1つの波長群を所望の伝送路へ出力させるように構成されるか(段落0042、図10(1))、或いは、コントローラによって択一的に動作させられる光スイッチとメッシュ配線とが配置され、複数の波長群のうちその光スイッチにより通過させられた1つの波長群をメッシュ配線内の1つの伝送路へ出力させるように構成される(段落0043、図10(2))。



しかしながら、上記従来の光パスクロスコネクト装置では、コントローラによって作動制御される反射鏡スイッチ或いは光スイッチによってルーティング処理されることから、コントローラにおいて電子的に処理された出力であるルーティング先(行先)を示すが指令信号に従って反射鏡スイッチ或いは光スイッチが切換動作させられる。このため、光信号の一部を電気信号に変換してその電気信号に含まれる行先情報たとえばパケットのラベルやタグに含まれる転送関連信号を抽出し、それに従って反射鏡スイッチ或いは光スイッチを電気的に作動制御してから光信号を転送する必要があるため、応答速度が十分に得られなかった。また、転送先の伝送路(波長バス)の波長に合わせて波長を変換するために、上記ルーティング処理部の他に波長変換部が備えられており、そのような波長変換部がルーティング処理部に加えて設けられているので、装置が大型となるとともに、特にメカニカル作動の反射鏡スイッチが用いられる場合には信頼性が得られない場合があった。



さらに、広帯域、高速且つ高容量の信号伝送が可能な光通信の分野において、光信号(たとえばパケット信号などの光データ)の識別、多重や分離、スイッチング、ルーティング(転送、分配)がその広帯域、高速且つ高容量といった性質を損わないようにして行われることが期待されている。このような光の領域では、たとえばフォトニックルータシステムに代表される光信号を処理する光信号処理システムの全般において、光信号を一時的に記憶し且つ所望のタイミングで取り出すことができる光信号記憶装置が求められている。エレクトロニクス分野の信号処理においてメモリが必須であると同様に、光信号処理分野においても光メモリ、光バッファと称される光信号記憶装置が必要不可欠であるからである。



これに対し、たとえば特許文献2に記載されているような、光メモリ装置が提案されている。これによれば、複数種類の遅延時間を与えるために長さの異なる光ファイバからそれぞれ構成された複数の光導波手段105~108が用意されており、その光導波手段105~108のいずれかを通過させることでその光導波手段105~108のいずれかの伝播時間に対応する遅延時間だけ、光信号を記憶させることができるように構成されている。



しかしながら、上記従来の光メモリ装置では、光信号が伝播させられる光導波手段105~108のいずれかの伝播時間に対応する遅延時間だけ、その光信号の記憶時間が予め決定されるに過ぎず、任意のタイミングで光信号を取り出すことができないことから、光信号の処理の自由度が制限されて信号処理効率が低くなることが避けられなかった。

産業上の利用分野


本発明は、(a)光ファイバなどの所定の伝送路を介して伝播した光信号をその光信号に含まれる行先情報が示す他の伝送路へ転送するための光信号転送方法および光信号中継装置、(b)光ファイバなどの所定の伝送路を介して伝播した光信号を記憶すると共に任意の時間に取り出すことを可能とする光信号記憶装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
光信号伝送ネットワーク間において、行先情報として振幅変調が施された一連の光信号を一方のネットワークから他方のネットワークの伝送路のうちの該光信号に含まれる行先情報に対応する伝送路へ転送するための光信号中継装置であって、
前記一連の光信号の振幅変調信号から、該振幅変調信号が示す行先に対応した波長の制御光を発生させる制御光発生装置と、
前記一連の光信号を前記制御光の波長の光信号に変換する光信号増幅3端子装置本体と、
該光信号増幅3端子装置本体から出力された光信号をその波長に応じて複数の光伝送路へ分配する光分配装置とを、含み、
前記光信号増幅3端子装置本体は、
pn接合からなる活性層をそれぞれ備えるとともに該活性層を通過した光を反射するための反射手段を一端面にそれぞれ備え、他端面から入力された光信号をクロスゲイン変調特性を利用して増幅および波長変換して出力するための第1半導体光増幅素子および第2半導体光増幅素子と、
第1波長の第1入力光と第2波長の第2入力光とを前記第1半導体光増幅素子に入力させる第1光入力手段と、
前記第1半導体増幅素子からの光から前記第2波長の光を選択する第1波長選択素子と、
該第1波長選択素子により選択された第2波長の光と第3波長の第3入力光とを前記第2半導体光増幅素子へ入力させる第2光入力手段と、
該第2半導体光増幅素子からの光から第3波長の出力光を選択する第2波長選択素子とを、含み、
前記第3波長の出力光は、前記第1波長の第1入力光および/または第3波長の第3入力光の強度変化に応答して変調され、且つ前記第3波長の第3入力光に対する信号増幅率が2以上である
ことを特徴とする光信号中継装置。

【請求項2】
前記光信号に含まれる振幅変調信号に応じて、前記制御光発生装置から該振幅変調信号が示す行先情報に応じた波長の制御光を発生させる電子制御装置または全光学的制御装置を備えたものである請求項の光信号中継装置。

【請求項3】
前記光信号の一部を分岐する光分波器と、
該光分波器により分岐された光信号を電気信号に変換して前記電子制御装置へ供給する光電信号変換器と、
前記光分波器よりも下流側に設けられ、該光分波器を通過して光信号増幅3端子装置本体に入力させる光信号を遅延させる光遅延素子とを備え、
前記電子制御装置は、前記光信号に含まれる振幅変調信号を抽出して、該振幅変調信号が示す行先情報に対応する波長の制御光を前記制御光発生装置から発生させるものである請求項の光信号中継装置。

【請求項4】
前記光分配装置により分配された光信号を一時的に記憶するための光信号記憶素子と、該光信号記憶素子から出力された光信号を入力側へ帰還させるための光帰還伝送路とを備え、
前記電子制御装置は、前記光信号が一時記憶すべき光パケット信号である場合には、該光パケット信号を予め設定した記憶用波長に変換させるための制御光信号を出力させ、
前記光分配装置は、該記憶用波長に変換された後の光パケット信号を前記光信号記憶素子へ分配してそこで一時的に記憶させるものである請求項2または3の光信号中継装置。

【請求項5】
前記光信号記憶素子は、光分配装置により分配された光信号を受けるために光学的伝播長さが異なる複数本の光ファイバを並列に備えたものであり、
前記電子制御装置は、前記一時記憶すべき光パケット信号に必要とされる記憶時間に応じて、該光パケット信号を予め設定した記憶用波長に変換させるための制御光信号を出力させ、
前記光分配装置は、該記憶用波長に変換された後の光パケット信号を前記光信号記憶素子の複数本の光ファイバのいずれかへ分配してそこで一時的に記憶させるものである請求項の光信号中継装置。

【請求項6】
前記全光学的制御装置は、第1入力光の一部を分岐する光カプラと、前記制御光と同じ波長の連続光を発生する連続光源と、該連続光源からの連続光と該光カプラからの前記第1入力光の一部とを合波する光カプラと、該光カプラからの光を受けて、該第1入力光に含まれる変調信号を有する制御光を出力する、半導体光増幅素子よりも応答速度が遅い半導体光増幅素子とを含むものである請求項の光信号中継装置。

【請求項7】
前記光分配装置は、前記光信号増幅3端子装置本体から出力された出力光が入力されると、該入力された出力光を前記複数の光伝送路のうち前記制御光の波長に対応する光伝送路へ選択的に分配するものである請求項1乃至6のいずれかの光信号中継装置。

【請求項8】
前記光分配装置は、入力ポートに接続された第1スラブ導波路と、複数の出力ポートに接続された第2スラブ導波路と、それら第1スラブ導波路および第2スラブ導波路の間に設けられた長さの異なる複数のアレー導波路とを備え、該入力ポートに入力された入力光をその波長毎に前記複数の出力ポートへ分配するアレー導波路格子型分波器である請求項1乃至7のいずれか1の光信号中継装置。

【請求項9】
入力光伝送路から入力された光信号を記憶するとともに任意の時間に取り出すことが可能な光信号記憶装置であって、
前記入力光伝送路から入力された光信号を該入力信号に含まれる伝送先に対応し且つ前記光信号と同じ又は異なる波長に変換するための制御光を発生する制御光発生装置と、
前記入力された光信号と制御光とを受け、該入力された光信号を該制御光の波長の光信号に変換して出力する光信号増幅3端子装置本体と、
該光信号増幅3端子装置本体から出力された光信号を該光信号の波長に応じて分配する光分配器と、
該光分配器により分配された記憶用波長の光信号を一時的に記憶する光バッファメモリ素子と、
該光バッファメモリ素子から出力された光信号を光信号増幅3端子装置本体へ再び入力させるために、該光信号を前記入力光伝送路へ帰還させる光帰還伝送路と、
前記光信号増幅3端子装置本体、光分配器、光バッファメモリ素子、および該光帰還伝送路を繰り返し周回させられる光信号を該光信号増幅3端子装置本体において出力用波長に変換するための制御光を前記制御光発生装置から発生させる光信号記憶制御手段とを、含み、
前記光信号増幅3端子装置本体は、
pn接合からなる活性層をそれぞれ備えるとともに該活性層を通過した光を反射するための反射手段を一端面にそれぞれ備え、他端面から入力された光信号をクロスゲイン変調特性を利用して増幅および波長変換して出力するための第1半導体光増幅素子および第2半導体光増幅素子と、
第1波長の第1入力光と第2波長の第2入力光とを前記第1半導体光増幅素子に入力させる第1光入力手段と、
前記第1半導体増幅素子からの光から前記第2波長の光を選択する第1波長選択素子と、
該第1波長選択素子により選択された第2波長の光と第3波長の第3入力光とを前記第2半導体光増幅素子へ入力させる第2光入力手段と、
該第2半導体光増幅素子からの光から第3波長の出力光を選択する第2波長選択素子とを、含み、
前記第3波長の出力光は、前記第1波長の第1入力光および/または第3波長の第3入力光の強度変化に応答して変調され、且つ前記第3波長の第3入力光に対する信号増幅率が2以上である
ことを特徴とする光信号記憶装置。

【請求項10】
前記周回させられる光信号のゲインの増減を抑制するように、前記光帰還伝送路により帰還させられる光信号、または前記光信号増幅3端子装置本体に供給される制御光を制御する光信号ゲイン制御手段を、さらに含むものである請求項の光信号記憶装置。

【請求項11】
前記光信号増幅3端子装置本体の第1半導体光増幅素子は、前記光信号をバイアス光の波長に変換して反転させるものであり、前記光信号増幅3端子装置本体の第2半導体光増幅素子は、該第1半導体光増幅素子により反転させられた光信号を前記制御光の波長に変換して反転させるものであり、
前記光信号ゲイン制御手段は、前記第2半導体光増幅素子からの出力光に含まれるバイアス光のゲインの増減に基づいて光帰還伝送路により帰還させられる光信号を制御するものである請求項10の光信号記憶装置。

【請求項12】
前記光信号ゲイン制御手段は、前記バイアス光と該バイアス光とは異なる波長の連続光であるゲイン制御光とを受けて該バイアス光のゲインの増加に伴ってゲインが減少するゲイン制御光を出力する第1ゲイン制御用光増幅素子と、該第1ゲイン制御用光増幅素子からの出力光と前記光帰還伝送路により帰還させられる光信号とを受けて該ゲイン制御光の減少に伴ってゲインが増加する光信号を出力する第2ゲイン制御用光増幅素子とを含むものである請求項10または11の光信号記憶装置。

【請求項13】
前記第1ゲイン制御用光増幅素子および/または第2ゲイン制御用光増幅素子は、希土類元素が添加された光ファイバ増幅素子または光導波路増幅素子から構成されたものである請求項12の光信号記憶装置。

【請求項14】
前記光信号ゲイン制御手段は、前記周回させられる光信号のゲインを一定に維持するように、前記光帰還伝送路により帰還させられる光信号のゲインの増減に基づいて、前記光信号増幅3端子装置本体に供給される制御光のゲインを制御する光学的演算制御装置を含むものである請求項10の光信号記憶装置。

【請求項15】
前記制御光発生装置を制御するための電子制御装置と、
前記光分波器により分岐された光信号を電気信号に変換して前記電子制御装置へ供給する光電信号変換器と、
該光分波器よりも下流側に設けられ、該光分波器を通過して前記光信号増幅3端子装置本体に入力させる光信号を遅延させる光遅延素子とを備え、
前記電子制御装置は、外部から供給されるか或いは前記光信号に含まれる記憶信号出力情報が示す出力時期に応答して、前記光信号を出力用波長に変換するための制御光を前記制御光発生装置から発生させるものである請求項9乃至12のいずれか1の光信号記憶装置。

【請求項16】
外部から供給されるか或いは前記光信号に含まれる記憶信号出力情報が示す出力時期に応答して、前記光信号を出力用波長に変換するための制御光を前記制御光発生装置から発生させる全光学的演算制御装置を備えたものである請求項9乃至14のいずれか1の光信号記憶装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009256584thum.jpg
出願権利状態 登録
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