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排気ガスの処理方法および処理装置

国内特許コード P110004400
整理番号 RX03P81
掲載日 2011年7月13日
出願番号 特願2009-500163
登録番号 特許第5564722号
出願日 平成20年2月15日(2008.2.15)
登録日 平成26年6月27日(2014.6.27)
国際出願番号 JP2008052558
国際公開番号 WO2008102708
国際出願日 平成20年2月15日(2008.2.15)
国際公開日 平成20年8月28日(2008.8.28)
優先権データ
  • 特願2007-041449 (2007.2.21) JP
発明者
  • 黒木 智之
  • 大久保 雅章
  • 山本 俊昭
  • 藤島 英勝
  • 大塚 馨一
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 株式会社高尾鉄工所
発明の名称 排気ガスの処理方法および処理装置
発明の概要 還元反応領域および酸化反応領域を備えた湿式反応器内を循環する還元剤水溶液とアルカリ水溶液との混液のpHの低下とORPの上昇を抑制し、該混合水溶液の劣化を防止でき、長時間にわたり連続運転可能な排気ガスの処理方法および処理装置を提供する。
湿式反応器内を循環すべき還元剤水溶液とアルカリ水溶液との混合水溶液のORPおよびpHを測定し、該混合水溶液のORPおよびpHを所定の範囲に保つように、新鮮な還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を、湿式反応器の下部に設けられた貯留部へ必要に応じて補充することにより、上記の課題を解決する。
従来技術、競合技術の概要



発電所、ディーゼルエンジンおよびボイラーなどに代表されるエネルギーの供給および消費に伴って、一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物が排出される。

環境中に排出された窒素酸化物は、光化学スモッグ等の原因となり、大都市での環境問題の重要課題としてその対策が検討されており、近年特に問題となっている地球温暖化の原因としても注目されている。





窒素酸化物を低減させる方法として、燃焼方式、触媒方式、選択触媒還元方式(SCR)、アンモニア噴射方式などが知られており、また近年においては、前記触媒方式や非熱プラズマ、電子ビームなどの技術を結合して窒素酸化物を低減させる方法や、その他プラズマ、電子ビーム方式とアンモニア、過酸化水素および塩化カルシウムなどの化学物質や触媒などを用いた方法との組合せにより、窒素酸化物を低減する方法が知られている。





そのような方法の中で注目を集めているのが、プラズマ・ケミカルハイブリッド法である。この方法は、窒素酸化物を含む排気ガスを浄化する方法であって、空気を放電プラズマ反応器に供給してラジカルガスを生成させ、このラジカルガスを酸化反応領域に供給し、前記排気ガスを前記ラジカルガス生成ラインとは別のラインから前記酸化反応領域に供給することにより、前記排気ガス中の窒素酸化物を前記ラジカルガスによりNO2を含む酸化ガスに酸化し、次いで前記酸化ガスをNa2SO3、Na2SおよびNa223などの化合物を含む還元剤水溶液と還元反応領域で接触させることにより、NO2を窒素ガスに還元して、浄化する方法である(例えば、特許文献1~4参照)。





プラズマ・ケミカルハイブリッド法を実用化するにあたっては、連続処理条件下でも窒素酸化物の除去性能を維持するために、ケミカルスクラバーに薬液を継続して補充する必要がある。例えば、pHを11に維持し、酸化還元電位(ORP)を-50~-250mVに制御し、還元反応領域内へ導入直前の循環処理液に追加の還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を補充する方法が提案されている(非特許文献1)。





ORPは、水溶液が酸化雰囲気であるか還元雰囲気であるかを示す指標であり、この値が低いほど(0mV以下)強い還元雰囲気であり、値が大きくなるにつれて還元雰囲気から酸化雰囲気に移行し、100mV以上ではほとんど還元反応が起こらなくなる。

また、pH6以下の酸性雰囲気では還元剤としてのNa2SO3が酸と反応して浪費され、しかも有害なSO2を生成するため、pH6以上に維持する必要がある。





【特許文献1】

際公開第05/065805号パンフレット

【特許文献2】

開2004-068684号公報

【特許文献3】

開2000-117049号公報

【特許文献4】

開2000-051653号公報

【非特許文献1】

uke Chen, Jin-Wei Lin, and Chen-Lu Yang, "Absorption of NO2 in a Packed Tower with Na2SO3 Aqueous Solution," Environmental Progress, vol.21, No.4, pp.225-230 (2002)

産業上の利用分野



本発明は、排気ガスの処理方法およびその方法で用いられる処理装置に関し、排気ガス中に含まれる窒素酸化物を効率よく浄化するとともに、排気ガスの処理時に副生する例えばN2O、HNO2、HNO3、NO3-、COなどの生成を抑制できる処理方法およびその方法に用いられる処理装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下部に酸化反応領域および上部に還元反応領域を備えた湿式反応器の酸化反応領域に、大気圧低温非平衡放電プラズマ反応により空気から生成したラジカルガス、および窒素酸化物を含む排気ガスをそれぞれ別々に供給し、該酸化反応領域において排気ガス中の窒素酸化物とラジカルガスとを反応させて窒素酸化物をNO2に酸化し、このNO2を含む酸化ガスを前記の還元反応領域において該還元反応領域に導入された還元剤水溶液およびアルカリ水溶液からなる混合水溶液と接触させて、前記酸化ガス中のNO2を窒素ガス(N2)に還元し、該窒素ガスを湿式反応器の上部から大気中に放出する工程、
前記還元反応領域に導入される前記の混合水溶液のpHおよび酸化還元電位(ORP)を所定の範囲に保つように、該混合水溶液のpHおよびORPを測定し、その結果に基づいて、湿式反応器の酸化反応領域の下部に設けられた混合水溶液貯留部に還元剤水溶液およびアルカリ水溶液を補充する工程、ならびに
前記混合水溶液を、前記混合水溶液貯留部から前記還元反応領域の上部に導入し、該還元反応領域から前記酸化反応領域を経て前記混合水溶液貯留部に戻るように循環させる工程、
を含むことを特徴とする排気ガスの処理方法。

【請求項2】
大気圧低温非平衡放電プラズマ反応が、無声放電方式のオゾナイザーを用い、印加電圧が実質的に10kV、周波数が0.42~6.82kHzの範囲で行なわれる、請求項1に記載の処理方法。

【請求項3】
還元剤水溶液が亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウムおよびチオ硫酸ナトリウムから選ばれる無機含硫黄還元剤を含み、アルカリ水溶液が水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化カリウムから選ばれるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物を含む、請求項1またはに記載の処理方法。

【請求項4】
還元反応領域に導入される前記の混合水溶液のpHが6~10、ORPが-50~100mVである、請求項1~3のいずれか一つに記載の処理方法。

【請求項5】
還元反応領域に導入される前記の混合水溶液のpHが8~9、ORPが-50~0mVである、請求項1~3のいずれか一つに記載の処理方法。

【請求項6】
湿式反応器が塔式反応器またはカラム式反応器である、請求項1~5のいずれか一つに記載の処理方法。

【請求項7】
前記の排気ガスが、炉筒煙管式ボイラーから排出された排気ガス、またはディーゼルエンジンから排出された排気ガスである、請求項1~6のいずれか一つに記載の処理方法。

【請求項8】
酸化反応領域を下部に、還元反応領域を上部に備えた湿式反応器と、この湿式反応器の酸化反応領域の下部に設けられ、還元剤水溶液およびアルカリ水溶液からなる混合水溶液を貯留する混合水溶液貯留部と、空気からラジカルガスを生成する大気圧低温非平衡放電プラズマ反応部と、該プラズマ反応部で生成したラジカルガスを酸化反応領域に供給するラジカルガス供給ラインと、該ラジカルガス供給ラインとは別に窒素酸化物を含む排気ガスを前記酸化反応領域に供給する排気ガス供給ラインと、前記混合水溶液を前記混合水溶液貯留部から前記還元反応領域に導入し、該還元反応領域から前記酸化反応領域を経て前記混合水溶液貯留部に戻るように混合水溶液を循環させる混合水溶液循環ラインと、混合水溶液循環ラインから分岐して混合水溶液貯留部に到る経路に設けられたpH計およびORP計と、pH計およびORP計の下流側の前記経路にそれぞれ接続された、還元剤水溶液タンクからの還元剤水溶液補充ラインおよびアルカリ水溶液タンクからのアルカリ水溶液補充ラインとを備え、前記還元反応領域に導入される混合水溶液循環ライン中の混合水溶液のpHおよびORPの測定結果に基づいて、混合水溶液のpHおよびORPが所定の範囲となるように、還元剤水溶液およびアルカリ水溶液が水溶液補充ラインから混合水溶液貯留部へ補充されることを特徴とする排気ガスの処理装置。

【請求項9】
大気圧低温非平衡放電プラズマ反応部が無声放電方式のオゾナイザーである、請求項に記載の処理装置。

【請求項10】
湿式反応器が塔式反応器またはカラム式反応器である、請求項またはに記載の処理装置。

【請求項11】
還元剤水溶液およびアルカリ水溶液が、前記混合水溶液を循環させる経路から分岐しpH計およびORP計を通って混合水溶液貯留部に到る経路の、該pH計およびORP計の下流側において補充される、請求項1に記載の処理方法。

【請求項12】
還元反応領域と酸化反応領域との間に、複数の通過孔を有する区画壁が設けられている、請求項8~10のいずれか一つに記載の処理装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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