TOP > 国内特許検索 > ウイルスベクターおよびその利用

ウイルスベクターおよびその利用

国内特許コード P110004408
整理番号 A181P225
掲載日 2011年7月13日
出願番号 特願2009-512912
登録番号 特許第5070283号
出願日 平成20年4月11日(2008.4.11)
登録日 平成24年8月24日(2012.8.24)
国際出願番号 JP2008057170
国際公開番号 WO2008136253
国際出願日 平成20年4月11日(2008.4.11)
国際公開日 平成20年11月13日(2008.11.13)
優先権データ
  • 特願2007-120181 (2007.4.27) JP
発明者
  • 森 正之
  • 土肥 浩二
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 ウイルスベクターおよびその利用
発明の概要 ウイルスの塩基配列を含むポリヌクレオチドであって、該ウイルスの塩基配列は、ウイルスの複製タンパク質をコードする第1の塩基配列およびウイルスの移行タンパク質をコードする第2の塩基配列を含み、第2の塩基配列は第1の塩基配列の下流に位置しており、かつ発現させるべきポリペプチドをコードする外来塩基配列を連結するための連結部位を、第2の塩基配列の下流に有しており、第2の塩基配列は、ウイルス由来のネイティブな配列に対してさらなる塩基配列が挿入、置換または付加されたポリヌクレオチドを提供する。これにより、ウイルスの塩基配列を含むベクターを構築し、当該ベクターを含む宿主細胞の生育状態を低下させることなく、タンパク質を効率よく生産すること。
従来技術、競合技術の概要


植物において、有用タンパク質を生産する方法としては、植物細胞に外来遺伝子を導入した形質転換植物を用いる方法、およびウイルスベクターを植物細胞に感染させる方法が挙げられる。ウイルスベクターを用いる方法は、形質転換植物を用いる方法に比して発現効率が高いという利点を有している。



非特許文献1には、ウイルスベクターを組み込んだ2つ以上のアグロバクテリウムを植物細胞に感染させ、植物細胞中において外来遺伝子を発現させる方法が開示されている。この方法によれば、有用タンパク質をコードする種々の遺伝子の組み合わせを試験する際に、複数の遺伝子毎にコンストラクトを作製する必要がないため、多くのタンパク質の機能等を解析するのに有効である。また、非特許文献1に記載のウイルスベクターは、発現速度が速くかつ安価に構築可能であり、従来の遺伝子組換え工程を省略可能であるという利点も有している。



植物において生産される有用タンパク質は、食糧のみならず医薬品等にも用いられるため、高効率に大量生産することが望まれており、本発明者らは、ウイルスベクターを用いたタンパク質生産系を構築している(特許文献1~3)。



ウイルスベクターを用いた他のタンパク質生産系として、転写産物の生成効率を向上させることによって、有用タンパク質の生産量を増加させる方法が特許文献4に開示されている。特許文献4には、ウイルスベクターの複製配列にイントロン配列を挿入し、得られたウイルスベクターを宿主細胞に導入することによって、目的のタンパク質を発現させる方法が開示されている。この方法によれば、ウイルスベクターの複製配列のうち、アデノシン(A)、ならびにチミジン(T)またはウラシル(U)を多く含むイントロン様領域を除去、または植物細胞由来のイントロンで置換することによって、植物細胞内での転写産物の分解を抑制し生成効率を向上させるため、目的とするタンパク質の生産量を増加させることが可能である。



一方、宿主細胞に導入された、ポティウイルスの塩基配列を含むベクターの複製効率を向上させる方法が、非特許文献2および3に記載されている。非特許文献2および3に記載の方法では、ポティウイルスの塩基配列にイントロン配列を挿入し、当該変異配列を含むベクターを大腸菌に導入している。当該ベクターが導入された大腸菌内においては、イントロンの挿入によって、ポティウイルスの塩基配列のコードするウイルスのタンパク質の発現が抑制されるため、大腸菌に対するウイルスの毒性が抑えられ、大腸菌の生育状態が向上する。その結果、大腸菌内のベクターの複製効率を向上し得る。
【特許文献1】
日本国公開特許公報「特開2005-102652号公報(公開日:2005年4月21日)」
【特許文献2】
日本国公開特許公報「特開2005-245228号公報(公開日:2005年9月15日)」
【特許文献3】
日本国公開特許公報「特開2005-110594号公報(公開日:2005年4月28日)」
【特許文献4】
WO2005/049839号公報(2005年2月6日公開)
【非特許文献1】
S.Marillonnetら、PNAS,101(18):6852-6857(2004)
【非特許文献2】
I.E.Johansen、PNAS.USA,93:12400-12405(1996)
【非特許文献3】
S.J.Yangら、Arch Virol,143:2443-2451(1998)

産業上の利用分野


本発明は、ウイルスの塩基配列からなるポリヌクレオチドを用いて、タンパク質を生産する技術に関するものであり、より詳細には、ウイルスの改変された塩基配列を含むポリヌクレオチド、当該ポリヌクレオチドを含むベクター、当該ベクターが導入された植物または形質転換体、ならびに当該ポリヌクレオチド、当該ベクター、当該植物または当該形質転換体を用いたタンパク質生産方法およびタンパク質生産用キットに関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
タバコモザイクウイルスまたはトマトモザイクウイルスの塩基配列を含むポリヌクレオチドであって、
タバコモザイクウイルスまたはトマトモザイクウイルスの塩基配列は、タバコモザイクウイルスまたはトマトモザイクウイルスの複製タンパク質をコードする第1の塩基配列およびタバコモザイクウイルスまたはトマトモザイクウイルスの移行タンパク質をコードする第2の塩基配列を含み、第2の塩基配列は第1の塩基配列の下流に位置し、かつ発現させるべきポリペプチドをコードする外来塩基配列を連結するための連結部位を、第2の塩基配列の下流に有しており、
第2の塩基配列は、タバコモザイクウイルスまたはトマトモザイクウイルス由来のネイティブな配列に対してさらなる塩基配列が挿入、置換または付加されており、
第2の塩基配列に挿入、置換または付加される上記塩基配列は、イントロン以外の配列であり、その塩基長が100塩基長以上の配列である
ことを特徴とするポリヌクレオチド。

【請求項2】
第2の塩基配列は、配列番号20に示される塩基配列の第17位~第795位のいずれかの位置に、さらなる塩基配列が挿入されていることを特徴とする請求項1に記載のポリヌクレオチド。

【請求項3】
前記複製タンパク質が、以下のポリペプチド:
・配列番号1および2に示される、各アミノ酸配列からなるポリペプチド;あるいは
・配列番号1および2に示されるアミノ酸配列の少なくとも一方のアミノ酸配列の1または数個のアミノ酸が欠失、置換または付加された、各アミノ酸配列からなるポリペプチド
であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリヌクレオチド。

【請求項4】
前記移行タンパク質が、以下のポリペプチド:
・配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;あるいは
・配列番号3に示されるアミノ酸配列の1または数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなるポリペプチド
であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。

【請求項5】
第2の塩基配列からなるポリヌクレオチドが、以下のポリヌクレオチド:
・配列番号4~17のいずれか1つに示される塩基配列からなるポリヌクレオチド;
・配列番号4~17のいずれか1つに示される塩基配列の1または数個の塩基が欠失、置換または付加された塩基配列からなるポリヌクレオチド;
・配列番号4~17のいずれか1つに示される塩基配列と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチド;あるいは
・配列番号4~17のいずれか1つに示される塩基配列と少なくとも80%同一であるポリヌクレオチド
であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含んでいることを特徴とするベクター。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含んでいることを特徴とする植物。

【請求項8】
請求項6に記載のベクターを含んでいることを特徴とする植物。

【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含んでいることを特徴とする形質転換体。

【請求項10】
請求項6に記載のベクターを含んでいることを特徴とする形質転換体。

【請求項11】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを用いて植物を形質転換またはトランスフェクトする工程を包含することを特徴とするポリペプチド生産方法。

【請求項12】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを用いて細胞を形質転換する工程を包含することを特徴とするポリペプチド生産方法。

【請求項13】
請求項1~5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを備えていることを特徴とするポリペプチド生産用キット。

【請求項14】
請求項6に記載のベクターを用いて植物を形質転換またはトランスフェクトする工程を包含することを特徴とするポリペプチド生産方法。

【請求項15】
請求項6に記載のベクターを用いて細胞を形質転換する工程を包含することを特徴とするポリペプチド生産方法。

【請求項16】
請求項6に記載のベクターを備えていることを特徴とするポリペプチド生産用キット。

【請求項17】
請求項7または8に記載の植物を用いる工程を包含することを特徴とするポリペプチド生産方法。

【請求項18】
請求項9または10に記載の形質転換体を用いる工程を包含することを特徴とするポリペプチド生産方法。

【請求項19】
請求項7または8に記載の植物を備えていることを特徴とするポリペプチド生産用キット。

【請求項20】
請求項9または10に記載の形質転換体を備えていることを特徴とするポリペプチド生産用キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 植物の機能と制御 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close