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分子応答性ゲル微粒子およびその製造方法ならびにその利用 新技術説明会

国内特許コード P110004412
整理番号 K028P06
掲載日 2011年7月13日
出願番号 特願2009-514088
登録番号 特許第4925373号
出願日 平成20年4月25日(2008.4.25)
登録日 平成24年2月17日(2012.2.17)
国際出願番号 JP2008058117
国際公開番号 WO2008139902
国際出願日 平成20年4月25日(2008.4.25)
国際公開日 平成20年11月20日(2008.11.20)
優先権データ
  • 特願2007-122459 (2007.5.7) JP
発明者
  • 宮田 隆志
  • 浦上 忠
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 学校法人 関西大学
発明の名称 分子応答性ゲル微粒子およびその製造方法ならびにその利用 新技術説明会
発明の概要 特定の分子を認識して粒子サイズを変化させる分子応答性ゲル微粒子及びその製造方法を提供する。架橋構造を有する高分子ゲル微粒子に、包接化合物を形成する複数のホスト分子が固定されており、2以上の上記ホスト分子が、標的分子の分子内の異なる原子団を包接することにより、当該2以上のホスト分子と標的分子とによって、分子応答性ゲル微粒子内に架橋が形成されるようになっている。
従来技術、競合技術の概要


pHや温度などの外部環境の変化に応答して構造変化する刺激応答性ゲルは、センサー機能、プロセッサー機能、エフェクター機能を同時に併せ持つ次世代型ソフトマテリアルとして注目されている。特に、最近では環境分野や医療分野に関連した特定分子を認識して膨潤・収縮する分子認識能を持った刺激応答性ゲルの合成が試みられるようになってきた。



例えば、本発明者らは、これまでに、疾病等に関与するシグナル生体分子や内分泌撹乱物質(環境ホルモン)に応答する刺激応答性ゲル、すなわち、分子応答性ゲルとして、標的分子と結合して形成するゲルの可逆的架橋点を利用する分子応答性ゲルを提案している(例えば、非特許文献1、2参照)。



ところで、近年、粒子、特にナノサイズの微粒子は、センサー材料、分離材料、吸着材料等の新しい材料として精力的に研究されている。中でも、外部環境の変化に応答して構造変化する刺激応答性ゲル微粒子は、その体積に比較して非常に大きな表面積を有することから、環境汚染物質の吸着除去材料のような環境保全材料やドラッグデリバリーシステム用デバイスのような医療材料としての応用が期待され、これまでにpH応答性ゲル微粒子や温度応答性ゲル微粒子が数多く報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献3、4参照)。



上記非特許文献3には、主モノマーとして、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチルメタクリレート(DEAEMA)を用い、分散安定剤と架橋剤との存在下で無乳化剤乳化重合によってpHに応答するゲル微粒子を合成する方法が報告されている。



また、上記非特許文献4は、これまでにpHや温度などの刺激に対して粒子サイズを変化させる刺激応答性ゲル微粒子について行われた様々な研究を紹介している最近の総説である。



また、上記特許文献1には、pH、温度、光等のような1個以上の環境条件の変化に応答して粒子の透過性が変化する中空粒子が開示されている。
【特許文献1】
特表2003-514650号公報(公開日:2003年4月22日)
【非特許文献1】
T. Miyata, N. Asami, T. Uragami, Nature, 399, 766-769 (1999)
【非特許文献2】
T. Miyata, M. Jige, T. Nakaminami, T. Uragami, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103, 1190-1193 (2006)
【非特許文献3】
H. Hayashi, M. Iijima, K. Kataoka, Y. Nagasaki, Macromolecules, 37, 5389-5396 (2004)
【非特許文献4】
S. Nayak, L. A. Lyon, Angew. Chem. Int. Ed, 44, 7686- 7708 (2005)

産業上の利用分野


本発明は、分子応答性ゲル微粒子およびその製造方法ならびにその利用に関し、特に標的分子に応答して体積変化する分子応答性ゲル微粒子およびその製造方法ならびにその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
標的分子に応答して体積変化する分子応答性ゲル微粒子であって、
1つの重合性C=C二重結合を有するモノマーと、2個以上の重合性C=C二重結合、および、以下の一般式(1)
-(RO)- ・・・(1)
(一般式(1)中、Rはエチレン、プロピレン、またはテトラメチレンであって、ROの繰り返し単位ごとに同じであっても異なっていてもよく、nは3~13の整数を表す)
で表されるアルキレングリコール鎖を含む架橋性モノマーと、を乳化重合させて得られる高分子ゲル微粒子に、包接化合物を形成する複数のホスト分子が化学結合を介して固定されてなり、
前記ホスト分子は、シクロデキストリン、クラウン化合物、シクロファン、アザシクロファン、カリックスアレーンおよびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種類以上の分子であることを特徴とする分子応答性ゲル微粒子。

【請求項2】
前記ホスト分子は、当該ホスト分子に導入した反応性官能基が、乳化重合によって、高分子ゲル微粒子を形成する高分子化合物に取り込まれることにより高分子ゲル微粒子に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項3】
前記ホスト分子は、当該ホスト分子に導入した反応性官能基が高分子ゲル微粒子を形成する高分子化合物と反応することにより前記高分子ゲル微粒子に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項4】
2以上の上記ホスト分子が、標的分子の分子内の異なる原子団を包接することにより、当該2以上のホスト分子と標的分子とによって、分子応答性ゲル微粒子内に架橋が形成されるようになっていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項5】
上記ホスト分子に包接される原子団を1分子中に2以上有する標的分子の存在下で、体積変化することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項6】
上記複数のホスト分子として、異なる2種類以上のホスト分子を組合わせることにより、該2種類以上のホスト分子に包接される2種類以上の原子団を一分子中に有する標的分子の存在下で、体積変化することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項7】
ヒドロゲルであることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項8】
上記1つの重合性C=C二重結合を有するモノマーと上記架橋性モノマーとの合計量を100mol%としたときに、上記架橋性モノマーを、0.1~50mol%の範囲内となるように用いることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項9】
上記1つの重合性C=C二重結合を有するモノマーとして、(メタ)アクリレート系モノマー、ビニルエーテル系モノマー、酢酸ビニル、又はスチレンが用いられることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項10】
上記架橋性モノマーとして、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又はポリアルキレングリコールジビニルエーテルが用いられることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項11】
上記ホスト分子は、ホスト分子と全原料モノマーとの合計量に対して0.1~40mol%用いられることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項12】
10nm~50μmの平均粒子径を有することを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子。

【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子を乾燥して得られる乾燥物。

【請求項14】
シクロデキストリン、クラウン化合物、シクロファン、カリックスアレーンおよびそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種類のホスト分子にそれぞれ反応性官能基を導入する反応性官能基導入工程と、
当該工程により得られた反応性官能基導入ホスト分子と、2個以上の重合性C=C二重結合、および、以下の一般式(1)
-(RO)- ・・・(1)
(一般式(1)中、Rはエチレン、プロピレン、またはテトラメチレンであって、ROの繰り返し単位ごとに同じであっても異なっていてもよく、nは3~13の整数を表す)
で表されるアルキレングリコール鎖を含む架橋性モノマーとの存在下で、高分子ゲル微粒子を形成する1つの重合性C=C二重結合を有するモノマーを乳化重合させて分子応答性ゲル微粒子を得る重合工程とを含むことを特徴とする分子応答性ゲル微粒子の製造方法。

【請求項15】
上記1つの重合性C=C二重結合を有するモノマーと上記架橋性モノマーとの合計量を100mol%としたときに、上記架橋性モノマーを、0.1~50mol%の範囲内となるように用いることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。

【請求項16】
上記ホスト分子は、ホスト分子と全原料モノマーとの合計量に対して0.1~40mol%含まれていることを特徴とする請求項14又は15に記載の製造方法。

【請求項17】
請求項1~12のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子と検体とを接触させる工程と、分子応答性ゲル微粒子の体積変化により検体が標的分子を含有するか否かを決定する工程とを含むことを特徴とする標的分子の検出方法。

【請求項18】
請求項1~12のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子を含有する標的分子検出キット。

【請求項19】
請求項1~12のいずれか1項に記載の分子応答性ゲル微粒子を含有する標的物質吸着除去材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009514088thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 界面の構造と制御 領域
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