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超伝導化合物及びその製造方法

国内特許コード P110004440
整理番号 BE060P29
掲載日 2011年7月14日
出願番号 特願2009-554329
登録番号 特許第5558115号
出願日 平成21年2月17日(2009.2.17)
登録日 平成26年6月13日(2014.6.13)
国際出願番号 JP2009052714
国際公開番号 WO2009104611
国際出願日 平成21年2月17日(2009.2.17)
国際公開日 平成21年8月27日(2009.8.27)
優先権データ
  • 特願2008-035977 (2008.2.18) JP
発明者
  • 細野 秀雄
  • 神原 陽一
  • 平野 正浩
  • 神谷 利夫
  • 柳 博
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 超伝導化合物及びその製造方法
発明の概要 化学式LnTMOPh[Lnは、Y及び希土類金属元素(La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)の少なくとも一種であり、TMは、遷移金属元素(Fe,Ru,Os,Ni,Pd,Pt)の少なくとも一種であり、Pnは、プニクタイド元素(N,P,As,Sb)の少なくとも一種である。]で示され、ZrCuSiAs型(空間群P4/nmm)の結晶構造を有し、該化合物の酸素イオンを一価の陰イオン(F-,Cl-,Br-)の少なくとも一種で一部置換した構造か、Lnイオンを四価の金属イオン(Ti4+,Zr4+,Hf4+,C4+,Si4+,Ge4+,Sn4+,Pb4+)の少なくとも一種で一部置換した構造か、又はLnイオンを二価の金属イオン(Mg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+)の少なくとも一種で一部置換した構造を有し、置換量に応じてTcが制御され得る超伝導化合物。
従来技術、競合技術の概要


1911年に水銀において超伝導現象が見出されて以来、数多くの化合物において超伝導
が見出され、超伝導磁石及び磁気センサ(SQUID)などとして実用化されている。また、
高温超電導体(ペロブスカイト型銅酸化物)が発見されて以来、室温超伝導体を目指した
材料の研究開発が活発に行われ、超伝導転移温度(Tc)が100Kを超える超伝導化合物
が見出された。



ペロブスカイト型銅酸化物の超伝導発現機構についても理解が進んでいる(例えば、非特
許文献1、2)。また、銅以外の遷移金属イオンを含む化合物、又は新規化合物として、
Sr2RuO4(Tc=0.93K)(非特許文献3)、二ホウ化マグネシウム(Tc=3
9K)(非特許文献4、特許文献1)、Na0.3CoO2・1.3H2O(Tc=5K)(
非特許文献5、特許文献2,3)などが新たに見出された。



伝導帯バンド幅に比べて、伝導電子間の相互作用が大きな強相関電子系化合物は、d電子
の数が特定の値の場合に、高いTcを有する超伝導体となる可能性が高いことが知られて
いる。強相関電子系は、遷移金属イオンを骨格構造に有する層状化合物で実現されている
。こうした層状化合物の多くは、電気伝導性はモット絶縁体で、電子のスピン同士には、
反平行に配列しようとする、反強磁性相互作用が作用している。



しかし、例えば、ペロブスカイト型銅酸化物であるLa2CuO4では、La3+サイトにS
2+を添加しLaの一部をSrで置換したLa2-xSrxCuO4において、xの値が0.
05から0.28の範囲では、金属伝導を示す遍歴電子状態となり、低温で超伝導体状態
が観測され、x=0.15で最高のTc=40Kが得られている(非特許文献6)。



最近、本発明者らは、Feを主成分とする新しい強電子相関化合物、LaOFeP及びL
aOFeAsが超電導体であることを見出し、特許出願した(特許文献4、非特許文献7
)。すなわち、強電子相関系では、d電子の数が特定の値のとき、金属伝導を示す遍歴電
子状態となり、温度を低温にすると、ある特定温度(超伝導転移温度)以下で、超伝導状
態へ転移する。さらに、この超伝導体のTcは伝導キャリアの数によって5Kから40K
まで変化する。また、Hg、Ge3Nbなどの旧来の超電導体が、結晶格子の熱揺らぎ(
格子振動)に基づく電子対(クーパー対)が、超伝導発生機構(BCS機構)とされてい
るのに対して、強電子相関系での超伝導は、電子スピンの熱揺らぎに基づく電子対が、超
伝導発生機構とされている。その後、LaONiPについても超伝導体であることが見出
された(非特許文献8~10)。



こうした超伝導化合物での電子対では、それぞれの電子のスピンが反平行に配置したスピ
ン一重項となっているが、最近、Sr2RuO4(Tc=0.93K)(非特許文献3)な
どで、電子対中の電子のスピンが平行に配置したスピン3重項電子対による超伝導が見出
された。こうした電子対は、電子のスピン間相互作用が強磁性的(スピンを平行に整列さ
せようとする相互作用)であるためと考えられている。該超伝導体では、超伝導状態が磁
場によって壊される臨界磁場が大きいと考えられ、該超伝導体は、強磁場中で用いる(例
えば、タンデム的に磁場を発生させる場合の内側コイル)場合に優位である。



【非特許文献1】
津田惟雄、那須奎一郎、藤森敦、白鳥紀一、 改訂版「電気伝導性酸化物」,pp.350~452,裳華房,(1993)
【非特許文献2】
前川禎通,応用物理,Vol.75,No.1,pp.17-25,(2006)
【非特許文献3】
Y.Maeno, H.Hashimoto, K.Yoshida, S.Nishizaki,T.Fujita, J.G.Bednorz, F.Lichtenberg,Nature,372,pp.532-534(1994)
【非特許文献4】
J. Nagamatsu, N. Nakagawa, T. Muranaka,Y.Zenitani, and J.Akimitsu,Nature,410,pp.63-64,(2001)
【非特許文献5】
K.Takada, H.Sakurai, E.Takayama-Muromachi,F.Izumi, R.A.Dilanian, T.Sasaki,Nature,422,pp.53-55,(2003)
【非特許文献6】
J.B.Torrance et al.,Phys.Rev.,B40,pp.8872-8877,(1989)
【非特許文献7】
Y.Kamihara et al.,J.AM.CHEM.SOC.,(Published on Web 07/15/2006),128,10012-10013(2006)
【非特許文献8】
T.Watanabe et al.,Inorganic Chemistry,46(19)(2007)7719-7721(Published on Web 17/August/2007)
【非特許文献9】
T.Watanabe et al.,Extended Abstracts(The 68thAutumn Meeting,2007);The Japan Society of Applied Physics,No.1,P.275,4p-ZE-2(2007)
【非特許文献10】
M.tegel et al.,Solid State Science, 10(2008)193-197(Published on Web 2/September/2007)
【特許文献1】
特開2002-211916号公報
【特許文献2】
特開2004-262675号公報
【特許文献3】
特開2005-350331号公報
【特許文献4】
特開2007-320829号公報

産業上の利用分野



本発明は、遷移金属元素のNiを骨格構造に有する層状超伝導化合物及びその製造方法に

関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
化学式LaNiOPn[ここで、Pnは、P又はAsである。]で示され、ZrCuSi
As型(空間群P4/nmm)の結晶構造を有する化合物のLaイオンをCa2+で一部置
換した構造を有し、超伝導転移を示すことを特徴とする超伝導化合物。

【請求項2】
化学式LaNiOPn[ここで、Pnは、P又はAsである。]で示される化合物のLa
イオンをCa2+で一部置換することによって、該置換量に応じて超伝導転移温度が制御さ
れた超伝導化合物を形成すること特徴とする超伝導化合物の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009554329thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO/SORST 透明酸化物のナノ構造を活用した機能開拓と応用展開 領域
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