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炭素系薄膜の製造方法 コモンズ

国内特許コード P110004442
整理番号 K014P61-2
掲載日 2011年7月14日
出願番号 特願2010-004370
公開番号 特開2010-083756
登録番号 特許第5131603号
出願日 平成22年1月12日(2010.1.12)
公開日 平成22年4月15日(2010.4.15)
登録日 平成24年11月16日(2012.11.16)
優先権データ
  • 特願2005-005370 (2005.1.12) JP
発明者
  • 岩村 栄治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 炭素系薄膜の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】特性が異なる2つの領域が膜の表面に露出した有用性の高い炭素系薄膜を提供する。
【解決手段】炭素系非晶質薄膜15の表面からこの膜の一部に金属元素のイオン32を注入することにより、薄膜15に、金属元素を含む第1領域と金属元素を含まない第2領域とを形成する工程と、少なくとも第1領域にエネルギーを供給することにより、第2領域におけるグラファイトクラスターの成長を当該クラスターの粒径が2nm以下となる程度に抑制しながら、第1領域に粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを形成する工程と、を実施して、炭素系薄膜を得る。好ましい金属元素はFe,Co,Ni,Al,Cu,Auである。好ましいエネルギーの供給方法は電子線照射である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


炭素系材料には、炭素の結合様式の多様性に応じ、特性が大きく相違する多種多様な形態が存在する。これらの形態には、カーボンナノチューブ(CNT)、フラーレンに代表されるように、優れた特性が確認され、電子デバイス、水素吸蔵材料等の分野で今後の普及が期待される新しい材料も含まれる。CNTやフラーレンに限らず、秩序化された炭素構造の形成には、一般に大きなエネルギーが要求される。これに対し、非晶質炭素は、大きなエネルギーを要することなく形成でき、幅広い諸特性(機械的、電気的、光学的特性)を実現できる。



同じ炭素から構成されていても、非晶質炭素は結晶性の炭素材料とは大きく異なる諸特性を有する。グラファイトが導電性もしくは半絶縁性であるのに対し、非晶質炭素が実質的に絶縁性であるのはその一例である。従って、特性の異なる炭素をデバイスに適用しやすい形態で複合化した材料を製造する技術を確立すれば、新たな複合化材料を提供できる可能性がある。



成膜したままで結晶性の炭素構造と非結晶性の炭素構造を含む炭素薄膜も知られている(例えば非特許文献1)。しかし、この技術では炭素材料の設計の自由度に限界がある。



本発明者は、特性が異なる2つの炭素膜を用いた炭素材料を提案した(特許文献1)。この炭素材料は、平均径2nm以上のグラファイトクラスターを含む低硬度硬質炭素膜と平均径1nm以下のグラファイトクラスターを含む高硬度硬質炭素膜とを交互に積層した多層膜である。この多層膜は、耐摩耗性および摺動特性が改善された、各種部材のコーティング膜となる。



非晶質炭素膜にレーザー光または電子ビームを照射し、硬質の非晶質炭素膜の表面を部分的にグラファイト化した炭素薄膜も提案されている(特許文献2)。この炭素薄膜では、グラファイト化した領域は潤滑部となり、残部は硬質部となる。潤滑部は、非晶質炭素膜の表面をレーザー光または電子ビームを走査することにより形成される。

産業上の利用分野


本発明は、炭素系薄膜の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
炭素系非晶質薄膜の表面から前記薄膜の一部に金属元素のイオンを注入することにより、前記薄膜に、前記金属元素を含む第1領域と前記金属元素を含まない第2領域とを形成する工程と、
少なくとも前記第1領域にエネルギーを供給することにより、前記第2領域におけるグラファイトクラスターの成長を当該クラスターの粒径が2nm以下となる程度に抑制しながら、前記第1領域に粒径が2nmを超えるグラファイトクラスターを形成する工程と、を含む炭素系薄膜の製造方法。

【請求項2】
前記金属元素が、Fe,Co,Ni,Al,CuおよびAuからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項3】
前記金属元素が、Fe,CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項4】
前記薄膜の表面を部分的にマスクした状態で当該表面から前記イオンを注入する請求項1~3のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項5】
前記イオンの注入量が、1×1015/cm2以上である請求項1~4のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項6】
前記第1領域および前記第2領域にエネルギーを供給する請求項1~5のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項7】
前記第1領域に前記グラファイトクラスターとしてプレート状グラファイト構造およびオニオン状グラファイト構造から選ばれる少なくとも一方を形成する請求項1~6のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項8】
前記第1領域に粒径が5nm以上のグラファイトクラスターを形成する請求項1~7のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項9】
電子線を照射することによりエネルギーを供給する請求項1~8のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項10】
1×1019/cm2・秒以下の強度で電子線を照射する請求項9に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項11】
前記薄膜を加熱することによりエネルギーを供給する請求項1~8のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項12】
前記薄膜を600~1000Kの温度に加熱する請求項11に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項13】
前記イオンに由来する金属原子が拡散して薄膜の表面近傍に偏って存在するまで前記エネルギーを供給した後、前記表面近傍に存在する金属原子を除去する工程をさらに実施する請求項1~12のいずれか1項に記載の炭素系薄膜の製造方法。

【請求項14】
前記金属原子を除去する工程が、ドライエッチングまたはウェットエッチングにより前記薄膜の表層を除去する工程である請求項13に記載の炭素系薄膜の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010004370thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 秩序と物性 領域
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