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アンモニウムイオン選択性配位分子およびイオンセンサ 実績あり

国内特許コード P110004567
整理番号 Y98-P039
掲載日 2011年7月21日
出願番号 特願平10-242753
公開番号 特開2000-072767
登録番号 特許第3805903号
出願日 平成10年8月28日(1998.8.28)
公開日 平成12年3月7日(2000.3.7)
登録日 平成18年5月19日(2006.5.19)
発明者
  • 鈴木 孝治
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 アンモニウムイオン選択性配位分子およびイオンセンサ 実績あり
発明の概要 臨床試料や環境試料の分析に使用されるイオン選択性電極、特にアンモニウムイオンに対するイオン選択性電極に関するもの。そして置換-クラウン-6誘導体、それを用いたアンモニウムイオン補足剤、イオンセンサー、及び、イオン選択性電極に関するもの。目的は、アンモニウムイオンに対する高感度で高選択性のイオノフォアを提供すること。本発明は、置換-クラウン-6誘導体が、アンムニウムイオンに対して高感度で高選択性があり、電気的に中性なイオノフォアとしての性質を有することから見出された。そしてこれは、ブロック性サブユニットを有効に利用した分子構造を基本としたアンモニウムイオノフォア分子の開発で、NH4+(イオンの直径が約2.86オングストローム)と空孔径がサイズフィットすると考えられる19-クラウン-6、20-クラウン-6、21-クラウン-6(空孔の大きさが2.7~3.5オングストローム)を基本骨格とし、ブロック性サブユニットを導入した数種のイオノフォアを合成することで完成された。
従来技術、競合技術の概要
イオン選択性電極は、臨床試料や環境試料の分析において簡便でかつ正確な分析手段として汎用されてきている。
【0003】
イオン選択性電極は、特定のイオンに感応する膜を挟んで発生する膜電位を利用して、目的イオンを選択的に認識し、そのイオンの濃度と活量を測定するイオンセンサーである。イオン選択性電極の開発は、1906年にクレメル(Cremer)によってガラス膜が水素イオン濃度に応答する事が発見されたことに端を発している(M.Cremer, Z.Biol., 47, 562 (1906) )。1950年代まで実用的なイオン選択性電極はガラス膜電極のみであった。しかし、1960年代に入り、ロス(Ross)らによるフッ化物イオン電極(M.S.Frant, J.W.Ross, Science, 154, 1553 (1966))、カルシウムイオン電極(J.W.Ross, Science, 156, 1378 (1967))、シモン(Simon )らによるカリウムイオン、アンモニウムイオン電極(Z.Stefanac, W.Simon, Chimia, 20, 436 (1966) )が相次いで開発されると、広く実用化され注目を浴びるようになった。以来、イオン選択性電極は、その優れた感度や選択性、分析の迅速さや簡便性あるいは自動連続分析への容易な適用性のため、現在では各種産業における計測装置、環境や臨床分析への適用など、多岐にわたる応用と開発がなされている。
【0004】
イオノフォア(Ionophore)とはイオン輸送担体という意味であり、あるイオンと選択的に錯体を形成する有機分子のことである。
イオン選択性電極用イオノフォアとして最初に用いられたのは、天然物イオノフォアであった。その中で最も大きな成果を収めたのが環状のバリノマイシンであり、シモン(Simon)らによって初めて液膜型イオン選択性電極に応用され、優れたカリウムイオン選択性を示した(Z.Stefanac, W.Simon, Microchem. J., 12, 125 (1967))。その後、天然物イオノフォアの構造や機能を模倣した化合物の合成が盛んに行われるようになり、シモン(Simon)らによる非環状ポリエーテルアミド誘導体などといった実用性に極めて優れたものも開発されている(E.Metzger, D.Ammann, R.Asper, W.Simon, Anal.Chem., 58, 132 (1986))。またバリノマイシンの電極への応用と時を同じくして、Pedersenによって発見された環状のオリゴエチレングリコール誘導体(クラウンエーテル)が特異的な金属イオン捕捉能を有することが判明して以来、その誘導体のイオン選択性電極への応用も検討されるようになり、近年実用的に優れたものが次々報告されている(C.J.Pedersen, J. Am. Chem. Soc., 89, 2495, 7017 (1967))。
【0005】
近年では、ノナクチン、モナクチン、ジナクチン、トリナクチン、テトラナクチンなどのナクチン類や(特開昭59-163557号)、16-クラウン-5誘導体(特開平8-245617号)、14-クラウン-4誘導体(特開平6-73045号)などの各種合成クラウンエーテル類のような、電気的中性のイオノフォアが多数開発されてきている。
【0006】
また、イオン選択性電極用に使用される電気的中性のイオノフォアは、高脂溶化したpH指示薬と併用することにより、吸光測定方式のイオンセンサーに応用できる(K.Suzuki, et al., Anal. Chim. Acta., 237, 155 (1990) ; W.Simon, et al., Anal. Sci., 5, 557 (1989) )。
この原理は、例えば、陽イオンを検出する場合には、陰イオン性の色素を利用して、次式で示されるように可逆的なイオン対形成させることである。
【0007】
w + Sm + HAm ←→ Hw + SCAm
【0008】
(式中、Cは、目的陽イオンを示し、Sは、イオノフォアを示し、
HAは、HとAに解離しうる陰イオン性の色素を示し、添字のwとmは、それぞれ水相と高脂溶性のセンサー膜相を示す。)
イオノフォアに選択的にとりこまれた陽イオンにより、陰イオン性の色素を解離させて、その陰イオン部と会合して吸光性のイオン対(SCA)を可逆的に形成し、これを吸光測定するものである。
【0009】
この目的のイオノフォアは、イオン選択性電極に用いたのでは充分な応答が得られないようなやや大きな配位結合力を持つものも使用可能であるために、イオン選択性電極では開発することの難しいやや大きな陽イオンの検出に適用することも可能である。
【0010】
このように、イオン選択性電極やイオンセンサーなどに用いられるイオノフォアとして種々のものが開発されてきているが、これらの多くはナトリウムイオンやカリウムイオンなどのアルカリ金属イオン陽のものであり、アンモニウムイオンのようなやや大きな陽イオンに対して選択性の高いイオノフォアの開発が要望されていた。
産業上の利用分野
本発明は臨床試料や環境試料の分析に使用されるイオン選択性電極、特にアンモニウムイオンに対するイオン選択性電極に関する。より詳細には、本発明は、置換-クラウン-6誘導体、それを用いたアンモニウムイオン補足剤、イオンセンサー、及び、イオン選択性電極に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 次の一般式(I)、
【化学式1】
(式中、R、及びRは、水素原子を示し、R、R、R、R、R、R、R、R10は、置換基を示すか、又はR及びR、R及びR、R及びR、並びに、R及びR10は、互いに結合して隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。nは0~2の整数、mは1~3の整数を示し、nとmの和は3である。但し、m又はnが2の場合に繰り返して現れるR、R、R、R、R、R、R、R10は、それぞれ独立して水素原子若しくは置換基を示すか、又はR及びR、R及びR、R及びR、並びに、R及びR10が、互いに結合して隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。)
で示される置換-クラウン-6誘導体。
【請求項2】 一般式(I)中のR、R、R、R、R、R、R、R10の置換基が、アルキル基である請求項1に記載の置換-クラウン-6誘導体。
【請求項3】 一般式(I)中のR及びR、R及びR、R及びR、並びに、R及びR10が、互いに結合した、分枝状又は直鎖状のアルキレン基で、隣接する炭素原子と共に炭素環を形成している請求項1に記載の置換-クラウン-6誘導体。
【請求項4】 一般式(I)中のR及びR、R及びR、R及びR、並びに、R及びR10、が、互いに結合して、テトラメチレン基を形成している請求項3に記載の置換-クラウン-6誘導体。
【請求項5】 置換-クラウン-6誘導体が、19-クラウン-6誘導体である請求項1~4のいずれかに記載の置換-クラウン-6誘導体。
【請求項6】 置換-クラウン-6誘導体が、21-クラウン-6誘導体である請求項1~4のいずれかに記載の置換-クラウン-6誘導体。
【請求項7】 請求項1~6のいずれかに記載の置換-クラウン-6誘導体からなるアンモニウムイオン用イオノフォア。
【請求項8】 置換-クラウン-6誘導体が、19-クラウン-6誘導体又は21-クラウン-6誘導体である請求項7に記載のアンモニウムイオン用イオノフォア。
【請求項9】 請求項7又は8のいずれかに記載のアンモニウムイオン用イオノフォアを含有してなるアンモニウムイオンに対するイオンセンサー。
【請求項10】 さらに陰イオン性の色素を含有してなる請求項9に記載のイオンセンサー。
【請求項11】 請求項7又は8のいずれかに記載のアンモニウムイオン用イオノフォアを含有してなるアンモニウムイオンに対するイオン選択性電極。
産業区分
  • 有機化合物
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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