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液体ヘリウム再凝縮装置およびその装置に使用するトランスファーライン 実績あり

国内特許コード P110004587
整理番号 A091P09
掲載日 2011年7月21日
出願番号 特願平10-369064
公開番号 特開2000-193364
登録番号 特許第3446883号
出願日 平成10年12月25日(1998.12.25)
公開日 平成12年7月14日(2000.7.14)
登録日 平成15年7月4日(2003.7.4)
発明者
  • 武田 常広
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 液体ヘリウム再凝縮装置およびその装置に使用するトランスファーライン 実績あり
発明の概要 【課題】液体ヘリウム再凝縮装置において、同槽から気化したヘリウムガスを再び液体ヘリウム貯留槽に循環利用できる液体ヘリウム再凝縮システムを提供する。
【解決手段】液体ヘリウム貯留槽1と、該貯留槽で気化したヘリウムガスを回収し同ヘリウムガスを冷却および液化する冷凍機5とを有し、同冷凍機によって冷却した冷却ヘリウムガスあるいは液化した液体ヘリウムを前記貯留槽内に戻すことができるようにした液体ヘリウム再凝縮装置において、同装置は前記液体ヘリウム貯留槽内で昇温した高温ヘリウムガスを前記冷凍機に供給し前記冷凍機で冷却ヘリウムガスにして前記貯留槽内の上部に供給するライン9cと、前記液体ヘリウム貯留槽内の液体ヘリウムの液面近傍の低温ヘリウムガスを前記冷凍機に供給し前記冷凍機で液体ヘリウムにして前記貯留槽内に供給するライン9b、9aとを備えてなることを特徴とする液体ヘリウム再凝縮装置。
従来技術、競合技術の概要


人間の脳から発生する磁界を検出する脳磁気計測システムの開発が進められている。このシステムでは脳の活動を高時空間分解能で非侵襲的に計測できるSQUID(超電導量子干渉素子)が利用されており、このSQUIDは断熱された槽内に貯留されている液体ヘリウムに侵漬され、冷却された状態で用いられる。
上記システムに使用している従来からの液体ヘリウム貯留槽では、同槽から蒸発したヘリウムガスはほとんどの場合大気に開放している。しかしこの方式では1リットル当たり1200円以上する高価なヘリウムを多量に無駄に消費するため経済的に極めて不利である。また、液体ヘリウム貯留槽で減少した分の液体ヘリウムを液体ヘリウムタンクから補う必要があるが、液体ヘリウムを補充するための作業は極めて煩雑である上、業者に依頼する場合にはコストが嵩む等の問題がある。
上記背景から最近では、液体ヘリウム貯留槽で気化したヘリウムガスを全量回収し再凝縮して液化し、再び液体ヘリウム貯留槽内に戻す液体ヘリウム再循環システムの開発が進められている。こうした液体ヘリウム再循環システムの一例の概略構成を図4を参照して簡単に説明すると、図中101は脳磁計を収容している液体ヘリウム貯留槽、102は貯留槽101内で気化したヘリウムガスを回収するドライポンプ、103はヘリウムガス内に混入している水分を除去する乾燥器、104は流量調整弁、105は精製器、106は補助冷凍機、107は同補助冷凍機106の第1熱交換器、108は再凝縮冷凍機、109は再凝縮冷凍機108の再凝縮熱交換器であり、液体ヘリウム貯留槽101で気化し昇温した約300°Kのヘリウムガスはドライポンプ102で吸引され、乾燥器103、精製器105を経て補助冷凍機106で約40°Kの極低温ヘリウムガスに冷却され、さらに再凝縮冷凍機108の再凝縮熱交換器109で約4°Kの液体ヘリウムに液化され、ここからトランスファーライン110を経由して液体ヘリウム貯留槽に供給される構成となっている。
この液体ヘリウム再循環システムは基本的に、液体ヘリウム貯留槽内で蒸発したヘリウムガスを全量回収し再利用する方式であるため、従来のように大気開放したり、あるいはガスバッグ等に回収して再液化を行う方法に比較して、ヘリウムの使用量が非常に少なく、極めて経済的、かつ、効率的であり、最近では積極的にその実用化が進められている。また、不足分の液体ヘリウムを充填する作業もほとんど必要ないため装置の維持管理の面で取扱いが容易である。

産業上の利用分野


本発明は、液体ヘリウム再凝縮装置およびその装置に使用するトランスファーラインに関するものであり、具体的には、脳磁気計測システム内で使用する脳磁計を極低温に維持するための液体ヘリウム貯留槽において、同槽から気化したヘリウムガスを再び液体ヘリウム貯留槽に循環利用できる液体ヘリウム再凝縮装置およびトランスファーラインに関するものである。また、この液体ヘリウム再凝縮装置およびトランスファーラインは前記脳磁気計測システム以外にも心磁図やMRIを測定する装置や、極低温における様々の材料物性の開発評価研究等に利用可能である。

特許請求の範囲 【請求項1】
液体ヘリウム貯留槽と、該貯留槽で気化したヘリウムガスを回収し同ヘリウムガスを冷却および液化する冷凍機とを有し、同冷凍機によって冷却した冷却ヘリウムガスあるいは液化した液体ヘリウムを前記貯留槽内に戻すことができるようにした液体ヘリウム再凝縮装置において、同装置は前記液体ヘリウム貯留槽内で昇温した高温ヘリウムガスを前記冷凍機に供給し前記冷凍機で冷却ヘリウムガスにして前記貯留槽内の上部に供給するラインと、前記液体ヘリウム貯留槽内の液体ヘリウムの液面近傍の低温ヘリウムガスを前記冷凍機に供給し前記冷凍機で液体ヘリウムにして前記貯留槽内に供給するラインとを備えてなることを特徴とする液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項2】
前記冷凍機と前記液体ヘリウム貯留槽内の上部とを接続するラインと、前記低温ヘリウムガスを前記冷凍機に供給し前記冷凍機で液体ヘリウムにして前記貯留槽内に供給するラインとを周囲が真空層で断熱された一つの管内に配置したことを特徴とする請求項1に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項3】
前記配置は、液体ヘリウムを供給するラインを中心とし、その周囲に低温ヘリウムガスを冷凍機に供給するラインを配置し、さらにその周囲に冷凍機で冷却された冷却ヘリウムガスを供給するラインを配置した3重管となるように形成したことを特徴とする請求項2に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項4】
前記配置は、液体ヘリウムを供給するラインと、低温ヘリウムガスを冷凍機に供給するラインと、冷凍機で冷却された冷却ヘリウムガスを供給するラインとを互いに並列に配置してなることを特徴とする請求項2に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項5】
前記ラインは夫々が真空層を周囲に有する管で形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項6】
前記冷凍機と前記液体ヘリウム貯留槽内の上部とを接続するラインと、前記低温ヘリウムガスを前記冷凍機に供給し前記冷凍機で液体ヘリウムにして前記貯留槽内に供給するラインとを分離して配置し、各ラインを真空層で断熱した管として構成したことを特徴とする請求項1に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項7】
前記冷凍機で液化された液体ヘリウムはその周囲を低温ヘリウムガスによって高温部と断熱した状態で貯留槽に供給されるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項8】
前記高温ヘリウムガスの一部を冷凍機で液化し、前記貯留槽に供給可能にしたことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項9】
前記冷凍機によって液化された液化ヘリウムは気液分離器を通して貯留槽内に供給されるようにしたことを特徴とする請求項1~請求項8に記載の液体ヘリウム再凝縮装置。

【請求項10】
液体ヘリウム貯留槽で気化したヘリウムガスを回収し、同ヘリウムガスを冷却および液化し再び液体ヘリウム貯留槽に供給するヘリウム再凝縮方法において、前記液体ヘリウム貯留槽内で昇温した高温ヘリウムガスを冷凍機に供給し、同冷凍機で冷却ヘリウムガスにして前記貯留槽内の上部に供給し、また前記液体ヘリウム貯留槽内の液体ヘリウムの液面近傍の低温ヘリウムガスを冷凍機に供給し同冷凍機で液体ヘリウムにして前記貯留槽内に供給してなることを特徴とする液体ヘリウム再凝縮方法。

【請求項11】
前記液体ヘリウムを、少なくとも低温ヘリウムガスまたは冷却ヘリウムガスの一方のガスによって高温部に直接触れないようにしながら前記液体ヘリウム貯留槽内に供給するようにした請求項10に記載の液体ヘリウム再凝縮方法。

【請求項12】
請求項10または請求項11に記載の液体ヘリウム再凝縮方法に使用するトランスファーラインであって、前記トランスファーラインは、液体ヘリウムを供給するラインと、低温ヘリウムガスを供給するラインと、前記低温ヘリウムガスよりも高温の冷却ヘリウムガスを供給するラインとを備え、前記ラインは夫々が真空層を外周に有する管で形成されているとともに、各管は周囲が真空層で断熱された一つの管内に配置して構成されていることを特徴とするトランスファーライン。

【請求項13】
請求項10または請求項11に記載の液体ヘリウム再凝縮方法に使用するトランスファーラインであって、前記トランスファーラインは、液体ヘリウムを供給するラインを中心に、その周囲に低温ヘリウムガスを供給するラインを配置し、さらにその周囲に前記低温ヘリウムガスよりも高温の冷却ヘリウムガスを供給するラインを配置し、前記ラインは夫々が真空層を外周に有する管で構成されていることを特徴とするトランスファーライン。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1998369064thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 脳を創る 領域
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