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第2高調波発生用非線形光学結晶 実績あり

国内特許コード P110004592
整理番号 Y98-P100
掲載日 2011年7月21日
出願番号 特願平11-020550
公開番号 特開2000-221551
登録番号 特許第3936483号
出願日 平成11年1月28日(1999.1.28)
公開日 平成12年8月11日(2000.8.11)
登録日 平成19年3月30日(2007.3.30)
発明者
  • 佐々木 孝友
  • 森 勇介
  • 吉村 政志
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 第2高調波発生用非線形光学結晶 実績あり
発明の概要 【課題】 新しい第2高調波発生手段を提供する。
【解決手段】 次式
【化1】
で表わされる非線形光学結晶を用い、これにより第2高調波を発生させる。
従来技術、競合技術の概要


近年、レーザー技術の急速の発展にともなって、近赤外の固体レーザー光を非線形光学結晶を用いて波長変換することが大きな技術課題になってきている。
固体レーザーは、スペクトル幅が狭く、出力が安定しており、メンテナンスが容易で小型化が可能であることから、レーザー加工やレーザー医療の手段として、そして表面改質、光情報処理への応用として注目されているものであり、このような固体レーザーの長所を生かすためにも波長変換技術が重要になっている。



このような波長変換のための理想的な非線形結晶については、▲1▼大きな非線形光学定数、▲2▼短い吸収端、▲3▼適度な複屈折率、を持つことがその要件となる。また、結晶としては、▲4▼機械的な特性に優れていることが実用上の観点より必要となる。
なお、▲3▼の適度な複屈折率とは、発生させたい波長に対して、最も波長変換が高効率で行われる非臨界位相整合条件を満たすような複屈折率のことである。複屈折率が理想値よりも小さいと波長変換が不可能になり、大きいと非臨界位相整合条件から離れるため変換効率が低下する。



非線形光学結晶についてはこれまでにも様々な試みがなされてきているが、その一つとしてカルシウムオキシボレート(COB)系の結晶が注目されるものとしてある。
たとえば、AkaらによってGdCa4 O(BO3 3 :GdCOBの非線形性が見出されており、その単結晶の育成と光学特性についての報告がなされている(1996年)。このGdCOBについては、
・Cz法により育成可能であって、非水溶性であること
・ビッカース硬度:600程度(水晶程度)であること
・deff (at1064nm):1.3pm/V(KDPの約3.4倍)
・位相整合限界波長840nmであって、
Nd:YAGの第三高調波発生が不可能であること
が明らかにされている。



しかしながら、このGdCOBについては、複屈折率が0.033と小さいことが大きな問題であった。
すなわち、GdCa4 O(BO3 3 (GdCOB)結晶は育成が容易で機械的特性に優れているが、複屈折率が小さいため波長変換で発生できる波長が長くなる。そこで、この出願の発明者らは、複屈折率を大きくするための手段について検討を行い、GdCa4 O(BO3 3 (GdCOB)結晶のGdをYと置換させると複屈折率が大きくなることを見い出した。その結果、GdCOB結晶はNd:YAGレーザーの第2高調波しか発生できないが、GdをYと置換したYCOBではNd:YAGレーザーの第3高調波発生が可能になった。



この新たに見出されたYCOB結晶については、この出願の発明者らによってすでに具体的に提案がなされているところである。
ただ、これまでのCOB結晶については、複屈折率について自在に制御することは可能とされていないことから、この出願の発明者らは、波長変換のための非線形光学結晶としてのCOBについてさらに検討を進め、機械的性質とともに光学特性、特に波長変換のための重要な要件としての複屈折率について最適化制御を可能とする新しい技術手段を提供することを課題としてきた。



その結果として、この出願の発明者らは、以上の課題を解決するものとして、次式



【化4】




で表わされる波長変換結晶とその具体例として、前記式中のM1 およびM2 が、Gd、Y、LaおよびLuから選択された波長変換結晶を、第2高調波に変換するのに有効な手段であることを見出し、これを提供することを可能とした(特願平10-82309号)。
このものは、GdCa4 O(BO3 3 のGdCOBについて、GdをYに置換する場合だけでなく、Lu、Laなどの希土類元素もGdサイトに導入することができ、格子定数を変化することができることを焼結体のX線回折観察により確認したことを手がかりとしている。格子定数と屈折率とは相関があるので、格子定数が変化するということは結晶の複屈折率が変化していることを意味する。そこで、さらに検討を進め、Gd、Y、Lu、Laの比率を変えることにより、複屈折率を自由に制御することができることを見い出している。たとえば複屈折率は、Lu>Y>Gd>Laの順で変化する。



しかしながら、上記の新しい波長変換結晶については、第2高調波への変換についてはあまり充分に検討されていないのが実情である。
この第2高調波への変換については、現在、Nd:YAGレーザーの第2高調波発生のための波長変換結晶として、LBO(LiB3 5 )結晶が利用されている。しかし、LBO結晶は、水溶性の結晶であるため、その寿命や信頼性が十分ではなく、しかも結晶を148度もの高温に加熱しなければならず、育成が困難であることから品質上の問題があり、また、育成コストも高いという問題があた。したがって、LBO結晶に代わる、Nd:YAGレーザーの第2高調波発生のための波長変換結晶の開発が求められてきた。特に、室温での非臨界位相整合条件におけるNd:YAGレーザーの第2高調波発生はこれまで実用化されておらず、これを可能とする波長変換結晶の開発が、強く望まれてきた。



そこで、この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、COB結晶の複屈折率について最適化制御を可能として、従来、第2高調波発生に用いられてきたLBO結晶に代わる、新しい第2高調波発生のための手段を提供することを課題としている。

産業上の利用分野


この出願の発明は、第2高調波発生用非線形光学結晶とこれを用いた線色レーザー光発生方法、並びにレーザー光発生装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式
【化1】


で表わされる二次非線形光学結晶に通過させることにより、レーザー入射方位が結晶のy軸において非臨界位相整合条件下で第2高調波へ変換することを特徴とするレーザー光発生方法

【請求項2】
次式
【化2】


で表わされる二次非線形光学結晶を、レーザー入射方位が結晶のy軸において非臨界位相整合条件下で第2高調波発生用手段として備えていることを特徴とするレーザー光発生装置。

【請求項3】
請求項2の装置において、非線形光学結晶が、レーザー入射方位が結晶のy軸において非臨界位相整合条件下で第2高調波とともに第3高調波発生用手段とされていることを特徴とするレーザー光発生装置
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1999020550thum.jpg
出願権利状態 登録
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