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高靭性・高強度の高融点金属系合金材料及びその製造方法 実績あり

国内特許コード P110004634
整理番号 Y99-P115
掲載日 2011年7月25日
出願番号 特願平11-252344
公開番号 特開2001-073060
登録番号 特許第4307649号
出願日 平成11年9月6日(1999.9.6)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
登録日 平成21年5月15日(2009.5.15)
発明者
  • 高田 潤
  • 長江 正寛
  • 平岡 裕
  • 竹元 嘉利
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 高靭性・高強度の高融点金属系合金材料及びその製造方法 実績あり
発明の概要 この発明は、微細窒化物分散粒子の形態(板状、球状)と大きさ分布を制御し、分散粒子により結晶粒界をピン止めして再結晶を阻止することにより靭性、強度を著しく向上させた高融点金属系合金材料を提供する。
さらに詳しくは、Mo,W,Crの1種を母相とする合金加工材中に固溶された窒化物形成用金属元素を内部窒化することによって形成された微細窒化物を母相中に分散含有する合金加工材であり、少なくとも表面側は加工組織を維持したまま窒化物析出粒子が粒成長した組織である窒化物粒子分散型の高融点金属系合金材料である。合金材料が比較的薄い場合は、加工材の内部まで加工組織を維持した構造とすることができる。また、合金材料が比較的厚い場合は、加工材の内部側が再結晶組織である二層構造とすることができる。
また、Mo,W,Crの1種を母相とする合金加工材であり、母相中に窒化物形成用金属元素としてTi,Zr,Hf,V,Nb,Taの少なくとも1種を固溶する合金加工材を第1段窒化処理として、窒化雰囲気中においてこの合金の再結晶上限温度以下で、かつ再結晶下限温度-200℃以上の温度で加熱して、窒化物形成用金属元素の超微細窒化物粒子を分散形成させ、ついで第2段窒化処理として、窒化雰囲気中において、第1段窒化処理で得られた合金加工材の再結晶下限温度以上の温度で加熱して、第1段窒化処理により分散形成された超微細窒化物粒子を粒成長させ安定化させる窒化物粒子分散型の高融点金属系合金材料の製造方法である。
従来技術、競合技術の概要
Mo,W、Crなどの高融点金属材料は、その高温特性を活かして、航空・宇宙・発熱材、エレクトロニクス分野などで21世紀のキーマテリアルとして期待されている。
【0003】
例えば、Moは、(1)融点が約2600℃と高い、(2)他の高融点金属に比べて比較的に機械的強度に優れている、(3)熱膨張率が純金属中ではタングステン(W)についで小さい、(4)電気伝導性・熱伝導性が良好、(5)溶融アルカリ金属や塩酸に対する耐蝕性が良好、などの特徴を有し、(1)鉄鋼材料への合金添加元素、(2)電極、管球用部品(X線管球、放電灯用電極、CT電極)、(3)半導体部品(整流器用基板、リード電極、焼結用ボート、ルツボ、ヒートシンク)、(4)耐熱構造部品(炉用発熱体、反射板)などの用途に広く用いられている。また、将来的用途としては、(5)光学部品(レーザー用ミラー)、(6)原子炉用材料(炉壁材料、防護壁材料)などが考えられている。しかし、Moは、熱濃硫酸や硝酸などの酸化性の酸に対する耐蝕性がない、高温強度があまり期待できない、高温での再結晶による脆化が著しいなどの欠点を有している。
【0004】
一般に、炉用ヒータや蒸着用ボートなど高温下で使用されるMo板部品には、再結晶温度が高く、再結晶後の強度が高いドープMo材料が使用されている。この材料は、Moの母相にAl,Si,Kの1種又は2種以上が添加された材料である。このようなMo板部品材料の製法として、各種の金属の酸化物、炭化物、硼化物、窒化物を0.3~3重量%を含むドープMo焼結体をトータル加工率で85%以上の減面加工した後、再結晶温度より100℃高い温度から2200℃までの温度範囲にて加熱処理して、再結晶粒を細長く大きく成長させる方法が知られている(特公平6-17556号公報、特公平6-17557号公報)。
【0005】
また、Moの高温での再結晶による脆化の欠点を改良した材料として、Ti,Zr,およびCを添加した合金、いわゆるTZM合金が古くから知られている。TZM合金は、Moに比べて延性-脆性遷移温度が低く(-20℃近傍)、再結晶温度が高い(1400℃近傍)ため、高温部材に用いられているが、加工しにくいという欠点の他に1400℃以上での使用が制限される問題がある。
【0006】
ところで、Moを高温材料として利用するためには再結晶温度を高くし、結晶粒の粗大化に伴う材料の脆弱化を抑えることが重要であり、炭化物を分散させたMo-TiC合金などでは高温での再結晶が抑制されることが報告されている(H.Kurishita,et.al.,J.Nucl.Mater.223-237,557,1996)。同様に、特開平8-85840号公報には、メカニカルアロイングとHIPを利用して、粒径10nm以下のIV族遷移金属炭化物の超微粒子が0.05モル%以上5モル%以下分散され、結晶粒径が1μm以下である再結晶による脆化の少ないMo合金を製造することが開示されている。
【0007】
さらに、MoにTi、Zrを単独または複合で0.5~2.0重量%含有する合金をフォーミングガス中で1100~1300℃に加熱して窒化処理して耐熱衝撃性および耐摩耗性を向上させる方法(特公昭53-37298号公報)や、Mo-0.01~1.0重量%Zr合金を1000~1350℃、好ましくは、1100~1250℃で内部窒化して、高温強度と加工性を向上させる方法(特公平4-45578号公報)、Mo-0.5~1.0重量%Ti合金をN2 ガス中1300℃で内部窒化する方法(日本金属学会誌、43、658、1979)等も公知である。また、本発明者らは、希薄Mo-Ti合金を約1100℃で優先窒化し、ナノスケールの超微細TiN粒子を分散析出させることで機械的強度を著しく向上できることを報告した(粉末冶金協会講演概要集、平成9年度春季大会、255、1997)。
産業上の利用分野
本発明は、高温耐熱構造材料、特に、高融点金属であるMo,W、Crの1種を母相とする窒化物粒子分散強化型の高靭性・高強度の高融点金属系合金材料とその製造方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】Mo,W,Crの1種を母相とする合金加工材中に固溶されたTi,Zr,Hf,V,Nb,Taの少なくとも1種から選ばれる窒化物形成用金属元素を内部窒化することによって形成された微細窒化物を母相中に分散含有する該合金加工材であって、該合金加工材は、表面側及び内部側が共に加工組織を維持した構造、又は表面側が加工組織であり内部側が再結晶組織である二層構造、のいずれかであり、該表面側は加工組織を維持したまま窒化物析出粒子が粒成長した組織であることを特徴とする窒化物粒子分散型の高靭性・高強度の高融点金属系合金材料。
【請求項2】Mo,W,Crの1種を母相とする合金加工材であって、母相中に窒化物形成用金属元素としてTi,Zr,Hf,V,Nb,Taの少なくとも1種を固溶する合金加工材を第1段窒化処理として、窒化雰囲気中において該合金の再結晶上限温度以下で、かつ再結晶下限温度-200℃以上の温度で加熱して、窒化物形成用金属元素の超微細窒化物粒子を分散形成させ、ついで第2段窒化処理として、窒化雰囲気中において、第1段窒化処理で得られた該合金加工材の再結晶下限温度以上の温度で加熱して、第1段窒化処理により分散形成された超微細窒化物粒子を粒成長させ安定化させることを特徴とする窒化物粒子分散型の高靭性・高強度の高融点金属系合金材料の製造方法。
【請求項3】第3段以降の窒化処理として、窒化雰囲気中において、前段の窒化処理で得られた該合金加工材の再結晶下限温度以上の温度で加熱して、前段の窒化処理によって分散形成された窒化物粒子を更に粒成長させ安定化させることを特徴とする請求項2記載の窒化物粒子分散型の高靭性・高強度の高融点金属系合金材料の製造方法。
産業区分
  • 合金
  • 冶金、熱処理
  • 無機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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