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硫酸化・リン酸化三糖セリンの製造に有用な脱離基としてトリクロロアセトイミデートを持つ糖供与体、その製法およびその中間体 実績あり

国内特許コード P110004646
整理番号 A051P133
掲載日 2011年7月25日
出願番号 特願平11-342839
公開番号 特開2001-158797
登録番号 特許第3268299号
出願日 平成11年12月2日(1999.12.2)
公開日 平成13年6月12日(2001.6.12)
登録日 平成14年1月18日(2002.1.18)
発明者
  • 田村 純一
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 硫酸化・リン酸化三糖セリンの製造に有用な脱離基としてトリクロロアセトイミデートを持つ糖供与体、その製法およびその中間体 実績あり
発明の概要 【目的】 硫酸化・リン酸化三糖セリンであるβ-Gal(1→3)β-Gal(6-SO3Na)(1→4)-β-Xyl(2-OPO3Na2)Ser〔但し、Galはガラクトース、Xylはキシロース、Serはセリンである。〕の製造に有用なGal-Gal二糖供与体の提供
【構成】 反応式1により式2の化合物から式3の化合物を得、式3の化合物から式5の化合物を得、式5の化合物から式6の化合物を得、式6の化合物と式7の化合物から式8の化合物を得、式8の化合物から式9の化合物を得、そして式9の化合物から、Gal-Gal二糖供与体である(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-2-O-アセチル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-(4-メチルベンゾイル)-D-ガラクトピラノシルトリクロロアセトイミデート(1α、β)を合成する方法。
【化1】
従来技術、競合技術の概要


細胞外マトリックスの主要成分であるプロテオグリカン(PG)は、細胞間の情報伝達に重要な役割を持つことで近年注目されている。構造的にはPGは、コアタンパク質とそこから枝状に延びる直鎖のグリコサミノグリカン(GAG)から構成されている。GAG鎖は、二糖当たりの硫酸基0~3個を持つ繰り返し単位により、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸に分類されている。GAGは、コアタンパク質に結合した「共通四糖部分」(Xyl-Gal-Gal-GlcA)と、ウロン酸とアミノ糖の二糖単位が非還元側に続く「繰り返し二糖領域」からなる。生合成においてGAGは、コアタンパク質のセリン(Ser)水酸基を起点として対応するUDP糖と糖転移酵素により順次非還元側に単糖単位で糖鎖を延ばして行くと考えられている。繰り返し二糖領域はヘキソサミン(α-GlcNAcとβ-GalNAc)の種類によってヘパリン型とコンドロイチン型に分類され、それらの生合成過程における仕分け機構(還元末端五番目の異なる二種の糖転移制御)は未だ解明されていない。
生化学情報の担い手は、主に繰り返し二糖領域にある。特に、糖鎖を構成している単糖の水酸基やアミノ基の立体配置や糖の結合位置、加えてこれらを修飾している硫酸基の数と位置のバリエーションが膨大な量の情報伝達を可能にしている。糖鎖の修飾は硫酸基がメインであり、GAGの一種であるヘパリンを中心にその位置特異性と機能の発現の関連の研究が盛んに行われている。リン酸基の存在の発見は比較的最近のこと(例えば、T.R.Oegema Jr,E.L.Kraft,G.W.Jourdian and T.R.Van Valen,J.Biol.Chem.,259,1720 (1984).K.Sugahara,Y.Ohi,T.Harada,P.de Waard and J.F.Vliegenthart,J.Biol.Chem.,267,6027(1992).)である。このことは、リン酸基が天然から糖を単離する際に脱落し易かったためと分かっている。また、GAGにおけるリン酸基の存在は、前記リン酸基の存在の発見後、その位置は還元末端(セリン水酸基に結合)のキシロース(Xyl)の2位に限定されていることは確認されたが、生化学的な意義は未だ解明されていない。
リン酸化糖の生化学的な意義については、フランソン(Franssson)らの報告から、前記仕分け機構を含めた糖鎖の伸長に何らかの影響を与えているものと推測される〔J.Moses,Å,Oldberg,F.Cheng and L.Å,Fransson,Eur.J.Biochem.,248,521 (1997)〕。こうした中で、天然から抽出した純粋な硫酸化糖は、既にヘパリンの抗血液凝固作用を持つ医薬品として市販されているし、GAGの多彩な生化学的機構の解明といった分野で多量の需要がある。GAG糖鎖の生合成機構やその制御機構が明らかになれば、バイオ技術を駆使して効率的な前記医薬品を含めて多くの新製品の開発に貢献できると考えられ、更なるバイオ関連の技術の発展をもたらすことは明らかである。しかし、前記したように天然からの単離中にリン酸基は脱落し易く、天然からの抽出によって得られる純粋なリン酸化糖だけでは前記需要を賄うには不十分である。従って、前記リン酸化糖を化学的に合成できれば、前記酵素による反応による糖鎖伸長のメカニズムの解明に大きな貢献をすることになり、その結果、バイオ技術を駆使した効率的な医薬品製造や多くの新製品の開発に貢献できることは明らかである。
これまで、GAG還元末端リン酸化オリゴ糖の合成については2つのグループからの報告がある。
1.JacquinetらはGAG還元末端リン酸化二糖および四糖セリルグリシンの合成について報告している。しかし、このものはセリンのアミノ基がアセチル化されており、完全な天然型ではない〔S.Rio,J.-M.Beau and J.-C.Jacquinet,Carbohydr.Res.,255,103(1994)〕。
2.Nilssonらは2~4糖を合成しているが、メチルグリコシドであり非天然型である〔M.Nilsson,J.Westman and C.-M,Svahn,J.Carbohydr.Chem.12,23(1993)〕。これらの報告ではいずれも、リン酸基と硫酸基とを同時に持ち合わせた糖鎖を得ていない。
本発明者は、一般式2
【化3】

産業上の利用分野


本発明は、硫酸化・リン酸化三糖セリンであるβ-Gal(1→3)β-Gal(6-SO3Na)(1→4)-β-Xyl(2-OPO3Na2)Ser〔但し、Galはガラクトース、Xylはキシロース、Serはセリンである。〕の製造に有用なGal-Gal糖供与体に関する。より具体的には受容体である式(1)の化合物と
【化2】
カップリングし、位置選択的に硫酸基を導入することにより前記硫酸化・リン酸化三糖セリンを形成しうる三糖鎖が得られる糖供与体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-2-O-アセチル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-(4-メチルベンゾイル)-D-ガラクトピラノシルトリクロロアセトイミデート。

【請求項2】
4-メトキシフェニル 2-O-アセチル-3-O-アリル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-β-D-ガラクトピラノシド。

【請求項3】
4-メトキシフェニル 2-O-アセチルー3-O-アリル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-(4-メチルベンゾイル)-β-D-ガラクトピラノシド。

【請求項4】
4-メトキシフェニル 2-O-アセチル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-(4-メチルベンゾイル)-β-D-ガラクトピラノシド。

【請求項5】
4-メトキシフェニル (2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-ガラクトピラノシル)-(1→3)-2-O-アセチルー6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-(4-メチルベンゾイル)-β-D-ガラクトピラノシド。

【請求項6】
(2,3,4,6-テトラ-O-アセチルーβーDーガラクトピラノシル)-(1→3)-2-O-アセチル-6-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-O-(4-メチルベンゾイル)-D-ガラクトピラノース

【請求項7】
反応式1により式2の化合物から式3の化合物を得、式3の化合物から式5の化合物を得、式5の化合物から式6の化合物を得、式6の化合物と式7の化合物から式8の化合物を得、式8の化合物から式9の化合物を得、そして式9の化合物から請求項1に記載の化合物を合成する方法。
【化1】

国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP1999342839thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 単一分子・原子レベルの反応制御 領域
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