TOP > 国内特許検索 > リウマチ関節炎好発モデル動物

リウマチ関節炎好発モデル動物 実績あり

国内特許コード P110004649
整理番号 A031P55
掲載日 2011年7月25日
出願番号 特願平11-373366
公開番号 特開2001-178308
登録番号 特許第3570674号
出願日 平成11年12月28日(1999.12.28)
公開日 平成13年7月3日(2001.7.3)
登録日 平成16年7月2日(2004.7.2)
発明者
  • 中村 晃
  • 貫和 敏博
  • 高井 俊行
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 リウマチ関節炎好発モデル動物 実績あり
発明の概要 【課題】 関節炎の程度が最高値に達し、かつ発症率が100%であるリウマチ関節炎好発モデル動物や、これを用いたリウマチ関節炎症の治療薬のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】 免疫グロブリンFcγレセプターIIB遺伝子機能が染色体上で欠損したマウスと野生型コラーゲン関節炎発症性のDBA/1Jマウスとを6回以上戻し交配し、リウマチ関節炎好発モデルマウスを作製する。このリウマチ関節炎好発モデルマウスをウシ関節由来II型コラーゲンで免疫するとコラーゲン関節炎を発症する。
従来技術、競合技術の概要


免疫グロブリン(Ig)は、魚類から哺乳類に至る全ての脊椎動物の体液中に存在し、リンパ系細胞によって産生され、物理化学的性質や免疫学的性質によって5つのクラス、すなわちIgG,IgM,IgA,IgD及びIgEに分類され、分子の基本構造は各クラス共通で、分子量5~7万のH鎖と分子量2.3万のL鎖とから構成され、IgG,IgM,IgA,IgD,IgEに対応してγ,μ,α,δ,ε鎖と呼ばれる構造のH鎖を有することが知られている。このIg分子をパパインで分解して得られるヒンジ部からC末端までのH鎖2本がS-S結合で結ばれているものはFcフラグメントと呼ばれ、このFcフラグメントが結合する細胞表面上の受容体はFcレセプター(以下「FcR」という)と呼ばれている。また、Igと同様の構造を持つ分子(免疫グロブリンスーパーファミリー)には、Fcレセプター、Tリンパ球上の抗原に対する受容体分子、主要組織適合性抗原、β2ミクログロブリン、癌胎児性抗原及びリンパ球の細胞膜蛋白質等が知られている。



上記FcRは、免疫系などの細胞の表面上に存在し、その中でも体液中のIgGのγ鎖に特異的に結合する受容体蛋白質であるFcγレセプター(以下「FcγR」という)は遺伝子構造の類似性に基づいてタイプI(CD64抗原)、II型(CD32抗原)、II型I(CD16抗原)の3種に大きく分類されている。これらのうち、FcγRIIは、他のFcRとは異なりモノマーのIgGに対して低親和性であり、免疫複合体となった多価IgGと結合し、単球、マクロファージ、多形核白血球(PMN)、マスト細胞、血小板、いくつかのT細胞リンパ球及びいくつかのB細胞リンパ球を含む造血幹細胞に広く発現する。また、FcγRIIには遺伝子配列が異なるFcγRIIA、FcγRIIB及びFcγRIICの3種類の受容体が存在しており、いずれも染色体の1q23に位置していることが知られている。



上記FcγRIIBは、他のFcRとは異なり、γ鎖と会合することなく、しかも細胞内領域に抑制性シグナルを伝達するアミノ酸配列(ITIM:Immunoreceptor Tyrosine-based Inhibition Motif)を有している(Immunol. Rev. 125, 49-76, 1992、Science 256, 1808-1812, 1992)。このようなFcγRIIBの生理的機能を解明するために、本発明者らはFcγRIIBノックアウトマウスを既に作出し(Nature 379, 346-349, 1996)、FcγRIIBノックアウトマウスをII型コラーゲンで免疫することによって関節炎モデルマウス(J. Exp. Med. 189,187-194, 1999)を作製しているが、関節炎症像はDBA/1Jマウスのものと同様であり、それほど有用なものではなかった。



他方、ヒトの慢性関節リウマチや炎症の動物モデルとして、コラーゲン関節炎(collagen-induced arthritis:CIA)や、アジュバント関節炎が知られている。CIAは、慢性関節リウマチ患者の血清や関節滑液中にII型コラーゲンに対する抗体がかなりの頻度で存在するとの知見に基づいてラットをII型コラーゲンで感作することにより誘導された関節炎であり、アジュバント関節炎と比較して、皮膚粘膜症状がないこと、マウスやラットの他サルでも誘導可能なこと、寛容憎悪傾向を示すことがあることなど、より慢性関節リウマチに近い動物モデルとして知られている。また、CIAの発症には、用いる動物の系統の有するMHCハプロタイプと相関性があり、マウスではH-2q(DBA/1Jマウス)、H-2r(RIIIS/Jマウス)及びH-2d(BALB/cマウス)ハプロタイプを有するマウスに発症率が高く、H-2qのDBA/1Jマウスがよく使われ、ラットでもLewis,Wister,BB/DRなどがよく使用されている。

産業上の利用分野


本発明は、リウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物や、これを用いたリウマチ関節炎に対する発症促進物質若しくは発症抑制物質又は症像促進物質若しくは症像抑制物質のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】免疫グロブリンFcγレセプターIIB遺伝子機能が染色体上で欠損した齧歯類動物と該齧歯類動物と同種の野生型コラーゲン関節炎発症性齧歯類動物とを戻し交配することにより得られ、II型コラーゲンで免疫するとコラーゲン関節炎を発症することを特徴とするリウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物。
【請求項2】リウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物がリウマチ関節炎好発モデルマウス又はリウマチ関節炎好発モデルラットであることを特徴とする請求項1記載のリウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物。
【請求項3】免疫グロブリンFcγレセプターIIB遺伝子機能が染色体上で欠損したマウスと野生型DBA/1Jマウスとを戻し交配することを特徴とする請求項2記載のリウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物。
【請求項4】戻し交配を6回以上行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか記載のリウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物。
【請求項5】II型コラーゲンが、ウシ関節由来II型コラーゲンであることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のリウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物。
【請求項6】請求項1~5のいずれか記載のリウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物をII型コラーゲンで免疫し、免疫の前後若しくは免疫と同時に、又は免疫後リウマチ関節炎の未発症時に、該齧歯類動物に被検物質を投与し、コラーゲン関節炎の発症の程度を指標として評価することを特徴とするリウマチ関節炎の発症促進物質又は発症抑制物質のスクリーニング方法。
【請求項7】コラーゲン関節炎の発症の程度を指標として評価するに際し、対照としての野生型コラーゲン関節炎非発症性齧歯類動物及び/又は野生型コラーゲン関節炎発症性齧歯類動物との比較評価を行うことを特徴とする請求項6記載のリウマチ関節炎の発症促進物質又は発症抑制物質のスクリーニング方法。
【請求項8】請求項1~5のいずれか記載のリウマチ関節炎好発モデル齧歯類動物をII型コラーゲンで免疫し、免疫後リウマチ関節炎の発症時に、該齧歯類動物に被検物質を投与し、コラーゲン関節炎の症像の程度を指標として評価することを特徴とするリウマチ関節炎の症像促進物質又は症像抑制物質のスクリーニング方法。
【請求項9】コラーゲン関節炎の症像の程度を指標として評価するに際し、対照としての野生型コラーゲン関節炎非発症性齧歯類動物及び/又は野生型コラーゲン関節炎発症性齧歯類動物との比較評価を行うことを特徴とする請求項8記載のリウマチ関節炎の症像促進物質又は症像抑制物質のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 生体防御のメカニズム 領域
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close